JPS6135752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエアポンプ、例えば熱帯魚などを飼
育する水槽の水中に酸素を供給したり、水に循環
流を作ると同時に水の過を行うために水をエア
リフトしたりするエアポンプの改良に関する。

従来のこの種のエアポンプは、例えば第１図に
示す様に吸気弁１と排気弁２を有する筒形のポン
プ室３の開放した一端にダイアフラム４を嵌着
し、ダイアフラムの中心に立つ中心柱部４′にビ
ス５で取付けたアーム６の一端の永久磁石７をＵ
型コアー付き交流電磁石８の発生する磁界でコア
ー端面と平行の方向に駆動してダイアフラムを振
動させ、その結果じるポンプ室３の内部容積の変
化により、吸気口１′、吸気弁１を経てポンプ室
３中に吸入した空気を排気弁２、排気口２′から
細径チユーブで水槽中に圧送する。

上記の様なポンプはダイアフラムがすべてアー
ム６を取り付ける中心柱部４′に関して対称（軸
対称）の形状を有し、その振動でポンプ室３の容
積変化を生じさせる関係上、図示の如くダイアフ
ラムの中心柱部４′のビス止め位置から永久磁石
７と反対の側にある程度離れたアームの他の一端
をポンプケーシング９へ枢着するための枢着部１
０が設けてある。従つて、アーム６は比較的長い
ものとなつてポンプ装置全体も大きくなり、また
アームを取り付ける組立に意外に手数が掛かると
共に、ポンプの故障も枢着部に関するものが少な
くない。

そこで本考案はアームに機械的な枢着部を設け
ないでも空気をポンプ室に吸排できる様に改良
し、これによつて全体を小型化し、且つまたポン
プの製作、組立ての手数を省くと共に、枢着部を
原因とした故障を絶無にすることを目的とする。

第２〜４図は本考案に則り改良したダイアフラ
ム１１の一例を示し、上壁１２は上面にビス５を
取付けるための中心柱部１３から一つの半径方向
に一体の肥厚片１４を備えている。肥厚片１４の
両側面１４′，１４′はこの実施例では第２図に示
す様にほゞ平行であるが、これに限定されること
なく例えば第４図に示す様に扇形の平面形状を有
し、非平行であつてもよい。

この様に従来のダイアフラムは中心線に対して
すべて軸対称であつたが、本案のものはこれと異
なり、半径方向の肥厚片１４を有することによつ
てすべて軸対称ではなく、中心線を含む平面のう
ちの肥厚片１４の半径方向の面に対してのみ対称
であり、その他の面については左右非対称であ
る。

このため従来のポンプのダイアフラムは第５図
の様に中心柱部を中心線に沿う方向の縦振動させ
た場合と、第６図の様に中心柱部をその中心線が
傾斜する如く横振動させた場合とではポンプ室３
の容積への影響が異なり、第５図の場合は容積の
変化を生じるが、第６図の場合は容積の変化を生
じない。しかし、本案ポンプのダイアフラムの上
壁１２は半径方向の肥厚片１４を有する部分１２
ａに比べて肥厚片１４を有さない部分１２ｂの弾
性が大きく、両部分１２ａ，１２ｂ間には弾力に
著差があるので、第７図のように中心柱部１３を
縦振動させた場合も、第８図のように中心柱部１
３を肥厚片１４がある半径方向の面内で横振動さ
せた場合も共にポンプ室３の容積の変化を生じ
る。

このため、第９図の如く中心柱部１３にアーム
１５を取付けてダイアフラム１１を縦振動させる
場合も、或いは第１０〜１１図の如く中心柱部１
３を横振動させる場合も、夫々アーム１５には全
く枢着部を設けず、アーム１５を肥厚片の面片に
ある様に中心柱部に取付けて電磁石８に対し所定
の状態に向かせるだけでポンプ作動を行わすこと
ができる。

肥厚片は上述の実施例では上壁の上面に起立さ
せて設けたが、第１２〜１３図に示した様に上壁
の下面に半径方向に下向きに設けても同効であ
る。そして、下向きに設けた場合には肥厚片がハ
ウジングの内部にあるのでアームを中心柱部に取
付ける際にいちいちハウジングを裏返して内部の
肥厚片を見、アームの向きを肥厚片に合わせる必
要があるが、肥厚片が向いた側壁の外面に突出部
など目印１６を設けて置けばこの目印１６にアー
ムの向きを合わせればよいので作業が能率的にな
る。勿論、肥厚片は上壁の上面と下面の同じ位置
に設けてもよい。

更に肥厚片１４が上面上にあるときは中心柱部
１３の上端面にビスで固定するアーム１５の一端
部には第１４図の如く直角状の折曲片１５′を設
け、折曲片１５′には下向きに開放した切込み１
７を形成し、切込み１７により折曲片１５′を肥
厚片１４に跨らせるとアームを肥厚片に対し正確
に位置決めしてダイアフラムに固定できると共
に、使用中にアームの向きが変ることを確実に防
止できる。尚、アーム１５は必ずしも板片である
ことに限らず、第１０図の実施例の様に棒材でも
よい。

以上で明らかなように本考案によれば、ダイア
フラムに振動を伝えるアームは従来のものより短
かく、かつアームの端部に枢着部を設ける必要が
ないからポンプ全体が極めて小型になるばかりで
なく、構造が簡単になつて製作、組立ての手数が
著しく簡素化されるとともに、この枢着部が原因
となつた事故は皆無となり、アフターサービスの
面倒が大幅に減少する。

また、本考案によればダイアフラムの振動が縦
振動に限定されることなく横振動でもよいから、
実際にポンプを作る場合重要なポンプ室に対する
電磁石の配置やダイアフラムに取付けるアームの
形状等についてもより多様のものが可能となり、
ポンプ設計上の自由度が著しく増すので変化に富
むポンプを製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエアポンプの概略図、第２図は
本考案のポンプに使用するダイアフラムの一例の
平面図、第３図は同上の−線に沿う断面図、
第４図は同じく他の一例のダイアフラムの平面
図、第５，６図は従来のダイアフラムの振動状態
の説明図、第７図、第８図は本案のダイアフラム
の振動状態の脱明図、第９〜１１図は本案のポン
プの夫々異つた実施例の概略図、第１２図は本案
で使用できるダイアフラムの更に他の一例の下面
図、第１３図は同上の−線に沿う断面
図、第１４図はアーム端部の斜面図、図中、１１
はダイアフラム、１２はその上壁、１３は中心柱
部、１４は肥厚片、１５はアームを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 吸気弁と排気弁を有する筒形ポンプ室の開放端
   にダイアフラムを嵌着し、ダイアフラムの上壁の
   中心に立つ中心柱部に付けたアームにより電磁石
   でダイアフラムを振動させるエアポンプにおい
   て、 ダイアフラムの上壁の上面又は下面には中心柱
   部から一つの半径方向に一体の肥厚片を設け、中
   心柱部には電磁石によつて振動させられるアーム
   を肥厚片の半径方向の面内に取付けたことを特徴
   とするエアポンプ。