JPS6135490Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキヤンバ調整装置に係り、特に操作ハ
ンドルのセンタピンの外側のカム板上にカム溝を
形成しておき、このカム溝に２つのアームの結合
ピンを通し、カム溝で結合ピンを移動することに
よりアームの腕の長さを変えてキヤンバを調整す
るようにしたキヤンバ調整装置に関する。

一般に自動車のフロントホイールは、わずかに
上開きとなつており、路面におけるキング、ピン
中心線とタイヤの接地面のオフセツトを少なくし
てかじ取り操作を軽快にしている。このときのホ
イールの中心面と鉛直線との間の角度をキヤンバ
といい、通常は２以下の角度に調整されている。
このキヤンバを調整するために、従来のニー、ア
クシヨン、タイプでは、アツパー、サスペンシヨ
ン、アームのインナ、シヤフトとフレームの取付
部にシムを挿入することによつて調整していた。

ところが、タイヤが接地した状態でキヤンバを
調整することは大きな調整力を必要とすることか
ら作業が厄介で調整に手間がかかつた。

そこで、本考案の目的は、懸架されたタイヤの
接地状態においてもキヤンバを容易に調整できる
キヤンバ調整装置を提供することにある。

上記目的を達成するために、本考案は、第１の
アーム部材の長孔内に第２のアーム部材から突出
する結合ピンを挿入し、長孔内における結合ピン
の位置によつてアームの腕の長さを変えキヤンバ
を調整するようにしたものにおいて、上記第１の
アーム部材上に穿設されたソケツト孔と、カム板
と、このカム板より植設され上記ソケツト孔に挿
入可能なセンタピンと、上記カム板上に固着さ
れ、上記センタピンを中心としてカム板を回転さ
せる操作ハンドルと、上記カム板に穿設され、上
記センタピンの中心から溝の中心までの半径がカ
ム板の回動量にしたがつて漸増するようなカム溝
とを備えることを特徴とするものである。

以下本考案によるキヤンバ調整装置の一実施例
を図面を参照して説明する。

第１図において符号１はキヤンバ調整工具の全
体を示しており、キヤンバ調整工具１は、所定輪
郭形状のカム板２を有し、このカム板２の下面の
端には、センタピン３が植設されている。このセ
ンタピン３は、先端を先細り状にしておくと好都
合である。上記カム板２の上面であつて、センタ
ピン３と同一軸上反対側にはＬ字形の操作ハンド
ル４が結合されている。上記センタピン３と操作
ハンドル４とを一本のロツドで成形し、カム板２
に穿設した孔を貫通したのち溶接で結合すること
もできる。

しかして、上記カム板２上には、上記センタピ
ン３の中心から離れた位置に円弧状のカム溝５が
形成されている。このカム溝５の中心の上記セン
タピン３の中心からの半径Ｒは、カム板２の回動
量にしたがつて漸増するようになつている。な
お、上記カム板２のカム溝５には、後述するよう
に、アパーアームの結合ピンが入り込んで摺動す
るから、表面の硬度を上げておくと良い。

次に上述したキヤンバ調整工具１を使つてフロ
ントタイヤのキヤンバを調整する手順について説
明する。

通常ダブル、ウイツシユボーン型のサスペンシ
ヨンは、第２図に示されるように、ナツクルアー
ム６の上端が腕の長さを調節可能なアパーアーム
７によつて支承されており、このアパーアーム７
の腕の長さを変えることでキヤンバを調整するよ
うになつている。そのために、上記アパーアーム
７は、上下に一部が重ね合せられる第１アーム部
材８と第２アーム部材９とからなり、第１アーム
部材８の側には長孔１０が形成される一方、第２
アーム部材９の側には結合ピン１１が植設され、
この結合ピン１１を長孔１０内に挿入し、位置決
めしたところで結合ピン１１上のねじに結合ナツ
ト１２を締め付け相互に固定するようになつてい
る。

また、本考案によれば、上記第１のアーム部材
８上には上記センタピン３を挿入可能なソケツト
孔１４が穿設されている。

本考案は、このように構成されているから、キ
ヤンバの調整を必要とする場合には、上記結合ナ
ツト１２をそれぞれ外し、上述したキヤンバ調整
工具１のセンタピン３をソケツト孔１４内に挿入
すると共に、第１アーム部材８から突き出た結合
ピン１１をカム溝５内に臨ませる。そして、操作
ハンドル４に手をかけてセンタピン３回りにカム
板２を回動させると、カム溝５内に捕捉された結
合ピン１１は長溝１０内を第３図Ａ，Ｂ，Ｃに示
されたように移動することになる。これにより、
第１アーム部材８と第２アーム部材９との重なり
長さが変化するから、アパーアーム７の腕の長さ
が変化することとなり、キヤンバを調整すること
ができる。そして、適正なキヤンバを調整したの
ちは、結合ナツト１２、１２を結合ピン１１、１
１にねじ込んで緊締すれば良いことはもちろんで
ある。

以上述べたように、本考案によれば、第１アー
ム部材に穿設されたソケツト孔内に挿入されたセ
ンタピンを中心として回動するカム板上に円弧状
のカム溝を形成しておき、このカム溝内に第２ア
ーム部材から突出する結合ピンを捕捉して変位可
能としたから、操作ハンドルの回動運動をカム溝
を介して長孔内に沿う結合ピンの直線状の動きに
変換でき、大きな操作力で結合ピンを動かし、ア
パーアームの腕の長さを変えることができ、タイ
ヤを接地したままの状態でキヤンバを容易に調整
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるキヤンバ調整工具の一実
施例を示した斜視図、第２図はナツクルアームを
支えるアパーアームを示した斜視図、第３図Ａ，
Ｂ，Ｃは、カム板の回動位置と長孔内の結合ピン
の位置を示した説明図である。 １……キヤンバ調整工具、２……カム板、３…
…センタピン、４……操作ハンドル、５……カム
溝、７……アパーアーム、８……第１アーム部
材、９……第アーム部材、１０……長孔、１１…
…結合ピン、１４……ソケツト孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１のアーム部材の長孔内に第２のアーム部材
   から突出する結合ピンを挿入し、長孔内における
   結合ピンの位置によつてアームの腕の長さを変え
   キヤンバを調整するようにしたものにおいて、上
   記第１のアーム部材上に穿設されたソケツト孔
   と、カム板と、このカム板より植設され上記ソケ
   ツト孔に挿入可能なセンタピンと、上記カム板上
   に固着され、上記センタピンを中心としてカム板
   を回転させる操作ハンドルと、上記カム板に穿設
   され、上記センタピンの中心から溝の中心までの
   半径がカム板の回動量にしたがつて漸増するよう
   なカム溝とを備えてなるキヤンバ調整装置。