JPS6134925B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、油圧或は空気圧により作動可能でか
つ主として強力型自動旋盤用の中空の回転締着装
置に関する。

多数の回転油圧締着装置若しくはチヤツク装置
が知られており、これらの装置は構造が異なつて
いるものの１つの共通の特色を有している。即
ち、圧力油によつて押されるピストン部分が回転
しかつこのピストン部分はコレツト若しくは類似
物に作用する作動チユーブに直接連結されてお
り、また圧力媒体がラビリンス型回転伝達装置を
介して供給されるという特色である。この配置は
多数の重大な不都合を有している。一方、圧力油
は、ほぼ油冷却器又は熱交換器の使用が必要とな
り且つ相当の出力が吸収される程に熱せられる。
更に、全てのこれら既知の油圧締着シリンダは高
率の漏洩が生ずる。

これ等の既知の欠点を伴わない空気圧作動のチ
ヤツク装置のみが適度の締着力を達成する。

本発明の目的は、従来の既知の装置よりも吸収
される出力が少くかつ油冷却器若しくは熱交換器
を必要とせず、また現存の機械の油圧若しくは空
気圧（流体圧）を供給されることができ且つ油の
漏洩率が極くわずかである油圧若しくは空気圧作
動の回転締着装置を提供することである。

本発明によれば、旋盤で使用するための中空回
転締着装置にして、前記旋盤に関して固定された
ハウジングと、本締着装置に対して長手方向に変
位できるように前記ハウジング内に同軸状に配置
されたピストンと、圧力媒体を前記ピストンへ供
給して該ピストンを本締着装置に対して変位させ
る装置と、共に長手方向へ変位するように前記ピ
ストン内に同軸状に配置されかつ該ピストンに対
して周方向へ回転可能であるように軸受装置によ
り支持された回転部分と、コレツト、チヤツクま
たは類似物が連結可能でありかつ前記回転部分の
変位の結果として変位可能であるように該回転部
分に連結された作動チユーブとを包含する締着装
置において、前記回転部分に配置されたラツク棒
差動駆動装置と、前記回転部分内に位置して前記
作動チユーブを囲みかつ前記旋盤の主軸に連結さ
れるようにされた案内チユーブとを有し、前記差
動駆動装置が、前記回転部分上に対称に配置され
かつ該回転部分に回転可能に装着された軸と、前
記軸の各々に固定状に装着された第１および第２
歯車と、前記案内チユーブ上に配設されて前記第
１歯車と係合する第１ラツク棒と、前記案内チユ
ーブに設けられたみぞ孔を通して伸長する前記第
２歯車と係合するように前記作動チユーブ上に配
設された第２ラツク棒とを備え、これにより前記
差動駆動装置を介して前記回転部分は前記ピスト
ンの変位に応じて前記作動チユーブを長手方向へ
変位させるよう該作動チユーブに連結されかつ前
記旋盤の主軸の駆動に応じて共に回転するよう前
記案内チユーブおよび作動チユーブに連結される
ことを特徴とする中空回転締着装置が提供され
る。

次に、添付図面を参照して実施例に基づき本発
明を説明する。

第１図にはハウジング壁１を有する回転締着装
置が示され、このハウジング壁１には一方の端部
（図面では左方端部）にねじ４によつて冷却剤収
集ハウジング２が固定されており、また回転締着
装置はハウジング２に冷却剤の復帰のための連結
部３を備えている。ハウジング壁の他方の端部に
は、フランジ６がねじ５により固定され、またこ
のフランジ６には１対の玉軸受レース８のための
玉軸受ハウジングがねじ７によつて固定されてい
る。２つの圧力媒体入口９および１０が、添付図
面に図示されているようにハウジング壁の底部に
設けられている。本例における圧力媒体は油であ
る。圧力油は、両端に密封部材１２および１３を
有しているピストン部分１１に作用する。このピ
ストン部分１１は長手方向にのみ移動可能であり
且つ段付きの圧力吸収スラスト表面１４を備えて
おり、そのため両端においてより薄い厚さを有す
る油圧シリンダが形成されている。２つの入口９
と１０との間には、密封パツキング１６が配設さ
れている。このパツキングにより上述の油圧シリ
ンダは分割され、ピストン部分を前進後退させる
複動シリンダが形成されている。したがつて、こ
の配置では引張りと押圧とのいずれも可能にされ
ている。ピストン部分１１はその後端部に１対の
玉軸受レース１７を有している。

回転部分１８が２対の玉軸受レース８および１
７を貫通して延在し、この回転部分は隅部に丸み
をつけられた矩形状の横断面を有している（第２
図参照）。また第２図に図示されているように、
鋳造された回転部分１８の隅部内に軸１９が配設
され、これら軸の各々にはラツク棒型差動駆動装
置２０（または直線状遊星歯車装置あるいは外転
サイクロイド駆動装置）の歯車が装架されてい
る。駆動装置２０の歯車は外側の一対の歯車２１
と、より大きな直径を有する内側の歯車２２とか
ら成り、外側および内側の歯車はたとえば17枚お
よび20枚の歯をそれぞれ有している。差動駆動装
置の外側の一対の歯車２１は、長手方向には移動
不能である案内チユーブ２５上に位置決めされた
一対のラツク棒部分２４に作用する。一方、内側
の歯車２２は案内チユーブ２５に設けられたみぞ
孔を通してラツク棒２６に作用し、このラツク棒
２６は作動チユーブ２７に固定されている。案内
チユーブ２５と作動チユーブ２７との間には、２
つのパツキング２８および２９が配置されてい
る。ラツク棒型差動駆動装置の変速比は歯車の歯
数の差によつて定まるため、上述の歯数差の場合
には（20−17）：17＝３：17＝１：５2/3の変速
比が得られる。

案内チユーブ２５の前部に孔腔３０が形成さ
れ、これ等孔腔に旋盤の如き機械の主軸に連結す
るためのフランジ若しくは類似装置を固定するこ
とができる。作動チユーブ２７はその前部にねじ
山３１を有し、該作動チユーブをコレツト、チヤ
ツクまたは類似物に連結するためにこのねじ山３
１に通気パイプ若しくは他のアダプタ部材をねじ
込むことができる。

回転部分１８の形状が円筒形である代りに方形
であることによつてその重量が軽減されるのみな
らず、歯車の半径方向力の効果によつて引き起こ
される変形力もまた相殺される。さらに、軸装架
部には凹部２３が設けられており、これら凹所も
また回転部分の重量軽減に役立つている。

次に、上記構成に成る回転締着装置の作動を説
明する。旋盤の如き工作機械の回転駆動力は、こ
の機械の主軸を介して回転締着装置の案内チユー
ブ２５に伝達され、機械に関して固定されたハウ
ジング壁１に相対的に案内チユーブ２５を回転さ
せる。また、回転部分１８、案内チユーブ２５お
よび作動チユーブ２７が差動駆動装置２０を介し
て周方向に互に拘束関係で連結されているため
（第２図参照）、回転部分１８および作動チユーブ
２７は案内チユーブ２５の回転に伴つて駆動さ
れ、この回転力は作動チユーブ２７に連結された
アタプタ部材およびコレツト等を通して該作動チ
ユーブから被工作物へ伝達される。被工作物への
締着力の伝達は、回転締着装置のピストン部分１
１、回転部分１８および作動チユーブ２７の長手
方向への移動によつて行なわれる。即ち、圧力油
が入口１０を通して供給されると、ピストン部分
はこの圧力油に押圧されてハウジング壁１に沿つ
て第１図の右方へ摺動し、同時に回転部分１８を
同方向へ駆動する。回転部分１８の移動にともな
つて、同部分に装架された差動駆動装置２０の外
側歯車２１は、長手方向へ移動不能な案内チユー
ブ２５のラツク棒部分２４に沿つて転動する。こ
の時、差動駆動装置の内側歯車２２も作動チユー
ブ２７のラツク棒２６に沿つて転動するが、外側
車２１よりも歯数が多いために内側歯車２２はそ
の歯数差だけ余分にラツク棒２６と噛合係合し、
作動チユーブ２７を第１図の左方へ駆動する。

一方、圧力油が入口９を通して回転締着装置へ
供給される場合には、ピストン部分１１が第１図
の左方へ移動し、上述の場合とは作動方向が逆で
はあるものの差動駆動装置２０の同様な減速作用
を介して、作動チユーブ２７を第１図の右方へ駆
動する。

この様に、ピストン部分１１の動きは差動駆動
装置２０によつて、例えば上述の歯数例の場合に
は１：５2/3の比で減速されて作動チユーブ２７
に伝達される。また、この減速作用に伴つて圧力
油の作用力は逆に倍加され、かつ回転部分１８お
よび作動チユーブ２７が高速で回転している場合
であつても支障なく伝達される。従つて、本実施
例の回転締着装置によれば、比較的小さな作用力
で大きな締着力を生ずることができ、例えば差動
駆動装置２０が前述の減速比１：５2/3を有する
場合には8000N（ニユトーン）の作用力が約
45000N（ニユートン）の締着力を生成する。

本発明の回転締着装置では、圧力媒体が回転伝
動装置を介して供給されていない故に、その漏洩
率はきわめて低く維持される。圧力媒体は締着力
を加える間にのみ必要とされるので、現存の機械
の油圧システムを本発明の装置の作動のため使用
することがほぼ可能である。その上に、玉軸受を
用いての回転部分の装架のため、また圧力油が回
転部分により加熱されないために、本発明の装置
ではきわめてわずかな加熱しか生ぜず、かくして
出力の吸収がきわめて小さい。計算と測定の結
果、吸収された出力は油の温度に左右されず、出
力吸収の温度への依存度は従来の締着装置の1/7
から1/3であることが判明した。さらに、この構
造は潤滑を保証するためのいかなる最少限の圧力
をも指定するものではない。かなり低い加熱のた
め、機械のきわめて大きい熱的安定性が得られ、
これ等の利点は特に高速度で顕著である。

高い回転速度が必要とされる場合には、玉軸受
８および１７の代りに空気静力学的軸受を使用し
ている第３図の実施例を使用することが好まし
い。第３図において、前述の実施例の場合と同様
な構成部分には第１図の場合と同様な参照符号が
用いられ、ハウジング壁は符号１で、冷却剤収集
ハウジングは符号２で、また２つの圧力媒体入口
は符号９および１０でそれぞれ示されている。冷
却剤収集用ハウジングとは反対側の端部が、圧縮
空気のための導管３４および空気入口３５を備え
た内側軸受室３３を構成するフランジ３２として
形成されている。空気静力学的軸受３６が、前述
の第１の実施例の玉軸受レース８に取つて代つて
いる。前述の実施例におけるピストン部分１１の
玉軸受レース１７は、空気入口３８と空気導管３
９とを有する空気静力学的軸受３７により置き替
えられている。空気静力学的軸受の使用の結果と
して、円筒状の回転部分４０を短縮し、したがつ
て軽量化することができる。４つの差動ラツク棒
駆動装置が回転部分４０の軸受ハウジング４１の
内部に配置され、またその外壁は軸受３７の一部
分を形成している。その他の部分および要素は第
１の実施例と同じままで、また回転部分の円筒形
状を考慮して作用原理も同じであり、それにより
軸１９は対称に配置されている。空気静力学的軸
受を作動するためには空気が好ましいが、他のガ
スを使用することもまた考えられる。

この様に、回転部分１８は方形である必要がな
く、装置の大きさによつては３角形の３つの隅部
を設けられた６角形状または多角形状の断面を有
し、対応した数の歯車または駆動装置を有するこ
ともできる。回転部分が円筒状である場合には、
駆動装置の数は装置の大きさにしたがつて選択さ
れるべきである。差動駆動装置の変速比もまた各
種の値をとることができる、たとえば１：３から
１：30の範囲内であるが、できれば１：４から
１：10の範囲内であることが好ましい。さらに、
差動駆動装置の一対の外側歯車は、回転部分１８
と作動チユーブ２７との間の運動方向が前述の実
施例の場合とは逆になるように、内側の歯車より
大きい直径を有することもできる。さらにその上
に、１つ以上の複動シリンダを備えることが可能
であり、したがつて各差動駆動装置ごとに１つの
複動油圧シリンダを設けることも可能である。こ
の配置は、回転締着装置をも差動する圧力媒体と
して圧力油の代わりに圧縮空気が使用されている
場合には、特に望ましい。かくして、通常に現存
する使用可能な圧縮空気を用いることもできる。

安全弁が使用されている場合は、最もきびしい
安全条令に対しても、本回転締着装置を作動する
ために別個の油圧装置を使用する必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による第１の実施例の締着装置
の縦断面図、第２図は第１図に図示されている装
置の横断面図、第３図は第２の実施例の縦断面図
である。 １……ハウジング壁、８……玉軸受レース、
９，１０……圧力媒体入口、１１……ピストン部
分、１４……段付圧力吸収用スラスト表面、１７
……玉軸受レース、１８……回転部分、１９……
軸、２０……差動ラツク棒型駆動装置、２１……
外側歯車、２２……内側歯車、２４……ラツク棒
部分、２６……ラツク棒、２７……作動チユー
ブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 旋盤で使用するための中空回転締着装置にし
   て、前記旋盤に関して固定されたハウジングと、
   本締着装置に対して長手方向に変位できるように
   前記ハウジング内に同軸状に配置されたピストン
   と、圧力媒体を前記ピストンへ供給して該ピスト
   ンを本締着装置に対して変位させる装置と、共に
   長手方向へ変位するように前記ピストン内に同軸
   状に配置されかつ該ピストンに対して周方向へ回
   転可能であるように軸受装置により支持された回
   転部分と、コレツト、チヤツクまたは類似物が連
   結可能でありかつ前記回転部分の変位の結果とし
   て変位可能であるように該回転部分に連結された
   作動チユーブとを包含する締着装置において、前
   記回転部分に配置されたラツク棒差動駆動装置
   と、前記回転部分内に位置して前記作動チユーブ
   を囲みかつ前記旋盤の主軸に連結されるようにさ
   れた案内チユーブとを有し、前記差動駆動装置
   が、前記回転部分上に対称に配置されかつ該回転
   部分に回転可能に装着された軸と、前記軸の各々
   に固定状に装着された第１および第２歯車と、前
   記案内チユーブ上に配設されて前記第１歯車と係
   合する第１ラツク棒と、前記案内チユーブに設け
   られたみぞ孔を通して伸長する前記第２歯車と係
   合するように前記作動チユーブ上に配設された第
   ２ラツク棒とを備え、これにより前記差動駆動装
   置を介して前記回転部分は前記ピストンの変位に
   応じて前記作動チユーブを長手方向へ変位させる
   よう該作動チユーブに連結されかつ前記旋盤の主
   軸の駆動に応じて共に回転するよう前記案内チユ
   ーブおよび作動チユーブに連結されることを特徴
   とする中空回転締着装置。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締着
   装置において、前記軸受装置は２群の転り軸受ま
   たは玉軸受を有し、前記回転部分は丸められた隅
   部を備えた方形横断面を有し、前記ラツク棒差動
   駆動装置の軸は前記隅部に配置されることを特徴
   とする中空回転締着装置。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締着
   装置において、前記軸受装置は２つの空気静力学
   的軸受を有することを特徴とする中空回転締着装
   置。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締着
   装置において、前記回転部分は円筒形であり、前
   記ラツク棒差動装置は４つの軸を包含することを
   特徴とする中空回転締着装置。 ５ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締着
   装置において、前記軸の各々は外側の１対の歯車
   と、前記外側歯車よりも直径が大きく該外側歯車
   よりも歯数が多い内側歯車とを装着され、前記外
   側の１対の歯車は前記案内チユーブ上の１対のラ
   ツク棒に噛合係合することを特徴とする中空回転
   締着装置。 ６ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締着
   装置において、前記ラツク棒差動駆動装置の変速
   比が１：３から１：30までの範囲内にあることを
   特徴とする中空回転締着装置。 ７ 特許請求の範囲第６項に記載の中空回転締着
   装置において、前記範囲が１：３から１：10まで
   であることを特徴とする中空回転締着装置。 ８ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締着
   装置において、圧力シリンダが本締着装置のハウ
   ジング壁により形成され、前記ピストンは複動シ
   リンダとして形成されることを特徴とする中空回
   転締着装置。 ９ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締着
   装置において、前記回転部分は三角形横断面と六
   角形横断面と多角形横断面とから成る群から選択
   された横断面を有し、前記回転部分の各隅部は丸
   みをつけられており且つその中に配置された前記
   ラツク棒差動駆動装置を有することを特徴とする
   中空回転締着装置。 １０ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締
   着装置において、前記回転部分は円形横断面を有
   し、前記ラツク棒差動駆動装置は前記横断面に対
   して対称的に配置されることを特徴とする中空回
   転締着装置。 １１ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締
   着装置において、前記駆動装置は各々に組み合わ
   された複動圧力シリンダを有することを特徴とす
   る中空回転締着装置。 １２ 特許請求の範囲第１項に記載の中空回転締
   着装置において、前記軸の各々は外側の１対の歯
   車と内側歯車とを装着され、前記外側の１対の歯
   車は前記内側歯車の直径よりも大きい直径を有す
   ことを特徴とする中空回転締着装置。