JPS6132297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、第１に熱効率の向上を目指し、それ
に付随して燃料など熱エネルギーの消費節減、排
気温低下に伴なう排気設備の熱的耐久性の増進等
を図るべく、例えば、主熱交換器の容量増加、或
いは、排熱回収型熱交換器の付加構成を採用して
いる湯沸し器などのガス燃焼器用のドレン処理装
置に関する。

上記構成の湯沸し器等、ガス燃焼器において
は、燃焼使用時、容量増加した主熱交換器や排熱
回収型熱交換器の所での燃焼生成水の凝縮によつ
て多量のドレンを発生し、しかも、このドレンに
燃焼ガスや排気中のSOXやNOX等が溶け込ん
で、PHで２〜５程度の高い酸性度のドレン水にな
り、この高酸性ドレン水の排出処理において建屋
等に固定化されている排水管路等の酸化腐蝕など
を生起し易い問題がある。

このような高酸性ドレン水の排出処理に纒る問
題を解決する手段として、その高酸性ドレンの流
動排出路中に金属マグネシウムやカルシユウムな
どの物質を利用した酸性度中和装置を介在させる
ことが本考案者等によつて開発されるに至つてい
るが、その先に開発した酸性度中和装置は、粒状
又は粉状の固形中和物質を、ドレン排出路中に介
在の筒状容器内に充填したものであつた。然し、
この形態のものにおいては、ドレンが充填物質全
てに接触するような均一流が得にくく、物質の粒
径や外形状等、物質個々の内部摩擦角の不揃いに
伴なう密度変化、それに起因する流動抵抗のばら
つきによつてドレンの流路が一定化されてしま
う、いわゆる、偏流現象が生じ、これによつて装
置全体の大きさの割に、ドレンと中和物質との接
触面積が小さく、所期の中和効果を十分に果たし
にくいものであつた。

本考案は、以上の実情に鑑みたものであつて、
全体のコンパクト化を図りつつ、ドレンと中和物
質との接触面積を十分大にして、高酸性ドレンを
効果的に中和することができるようにせんとする
点に目的を有する。

本考案によるガス燃焼器用ドレン処理装置は、
箱状ケース内に上下方向でジグザグ状のドレン流
動路を形成し、このジグザグドレン流動路にその
ドレン流線方向に沿つて多数の固形中和物質を、
ドレンがそれら各固形中和物質の外周面に沿つて
屈曲流動を繰り返す状態に並置保持させてある事
を特徴とする。

即ち、ドレン流動路を上下方向でジグザグ状の
ものに形成したことと、そのジグザグ状ドレン流
動路中に多数の固形中和物質をドレン流線方向に
沿つて並置させることとによつて、箱状ケースを
可及的に肉薄なものにして、装置全体を、例え
ば、湯沸し器のケーシング内に組入れ可能な程に
コンパクト化し乍らも、ドレンを各中和物質に対
してもれなく、かつ、途切れなく接触流動させる
ことができる。しかも、各固形中和物質を、ドレ
ンがその外周面に沿つて屈曲流動を繰り返す状態
に保持させることによつて、固形中和物質個々に
おける対ドレン接触効率をも高めることができる
から、前述のように全体がコンパクトである割
に、所期の中和作用を効果的に行なえるようにな
つた。

特に、前記中和物質を円形にすることによつ
て、それ自体の製作加工が容易であるばかりでな
く、その外周面に沿つてのドレン屈曲流動抵抗も
少なくできる利点があり、また、箱状ケースの前
面カバーを透明に構成することによつて、外部か
ら中和物質の劣化具合やドレンの流れ具合等を容
易に目視確認できて、一層効果的に使用できる利
点がある。

以下本考案を、湯沸し器におけるドレン処理装
置として適用実施した場合について図面に基づい
て詳述すると、第１図で示すように、ガスバーナ
４の上部に、その両端を給水管５および給湯管７
に連通接続させた状態でフインチユーブ式の主熱
交換器６を配置し、この主水熱交換器６の上部
に、排熱によつて給湯用水を予熱する排熱回収型
のフインチユーブ式熱交換器８を設けるととも
に、その排熱回収型熱交換器８の下部に、そこで
発生する高酸性ドレンを受容する回収部９Ｂと回
収したドレン水を流下排出する排出路９Ａとから
成るドレン回収装置９を設け、かつ、前記排熱回
収型熱交換器８の上部に、排気速度を上げること
で境膜伝熱抵抗を減少して排熱回収の効率をも高
めるべく、吸排式の強制排気フアン１０を設けて
ある湯沸し器において、前記排熱回収型熱交換器
８を、銅管および銅製フインの表面に錫やニツケ
ルをメツキする或いは、デイツピングにより性酸
性の表面被覆を施すとともに、前記ドレン回収装
置９の排出路９Ａに、ドレン酸性度を中和処理す
る装置Ａを組込んだものである。

前記ドレンの中和処理装置Ａは、第２図、第３
図で明示したように、塩化ビニールのように耐蝕
性、耐酸性に勝れた樹脂材料をもつて前面開放形
に成形された箱状ケース１内に、上下方向でジグ
ザグ状でやや下り勾配を有するドレン流動路２を
ケース成形時に一体に形成し、このジグザグ状ド
レン流動路２に、その流線方向に沿つて多数の、
前面視円形の金属マグネシウム製固形中和物質３
を、ドレンがそれら各固形中和物質３の下側外周
面に沿つて形成される半円弧状の屈曲流動路２ａ
…を繰り返し屈曲流動する状態に、かつ、隣接物
質３，３…同志が極近接又は一部周面接触する状
態に並置させて、内部を透視可能な透明前面カバ
ー１Ａの着脱により交換自在に固定保持させて構
成してある。尚、図中１１はドレン入口、１２は
中和処理済みドレン出口、１３はエアー抜きであ
る。また、第１図中１４はバーナコントローラ、
１５はガスバーナ、１６は水中ガバナである。

本考案で用いる固形中和物質３は金属マグネシ
ウム以外、カルシウムやセメントであつても良
く、また、形状も円形以外いかなる形状であつて
も良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るガス燃焼器用ドレン処理装
置の実施の態様を例示し、第１図は適用湯沸し器
の概略構成図、第２図は要部の拡大一部切欠き正
面図、第３図は第２図−線縦断面図である。 １……箱状ケース、２……ジグザグドレン流動
路、３……固形中和物質、１Ａ……前面カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 燃焼ガスと水との間接熱交換に伴なつて発生
   し回収された高酸性ドレンの流動排出路中に介
   在させることにより、そのドレンの酸性度を中
   和させるためのガス燃焼器用ドレン処理装置で
   あつて、箱状ケース１内に上下方向でジグザグ
   状のドレン流動路２を形成し、このジグザグド
   レン流動路２にそのドレン流線方向に沿つて多
   数の固形中和物質３…を、ドレンがそれら各固
   形中和物質３…の外周面に沿つて屈曲流動を繰
   り返す状態に並置保持させてある事を特徴とす
   るガス燃焼器用ドレン処理装置。 前記固形中和物質３が円形である実用新案登
   録請求の範囲第項に記載のガス燃焼器用ドレ
   ン処理装置。 前記ケース１の前面カバー１Ａが透明材料か
   ら構成されている実用新案登録請求の範囲第
   項又は第項に記載のガス燃焼器用ドレン処理
   装置。