JPS622454Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案はセラミツク球を用いて温水効率を向上
させた給湯器に係り、更に詳しくは、フインドチ
ユーブ熱交換器のフインを改良して伝熱面積を大
きくし、かつ、セラミツク球をそのフインに支持
させるようになした給湯器に関する。

背景技術とその問題点 従来、給湯器として、第１図及び第２図に示す
如く、頂部に排気口１を有する燃焼筒２の下部に
加熱源となるバーナ３を設置し、バーナ３と対向
する燃焼筒２上部の位置にフインドチユーブ熱交
換器４を設け、燃焼筒２の外周壁に水管５を巻回
し、水管５をフインドチユーブ熱交換器４に連結
し、フインドチユーブ熱交換器４の下面全面に網
目の小さなステンレス製の金網６を燃焼筒２の内
壁に支持することで張り、金網６に支持させて多
数のセラミツク球７をフインドチユーブ熱交換器
４のフイン８間の空隙に充填した構造のものがあ
る。これによれば、フアン９からの空気供給によ
りバーナ３で燃焼したガス（燃焼ガス）１０は燃
焼筒２内を矢印で示す如く上昇し、フイン８間の
セラミツク球７の隙間を通つて排気口１より燃焼
筒２外へ排出される。従つて、燃焼ガス１０の上
昇過程において、燃焼筒２に巻回された水管５及
びフインドチユーブ熱交換器４が熱せられ、それ
らを流れる水が加熱されることになり、水管出口
１１より温水を得ることができる。また、フイン
８間にセラミツク球７を充填していることから、
上昇する燃焼ガス１０は燃焼筒２内部で対流を起
こすことになり、燃焼ガス１０と燃焼筒２との熱
交換が促進される。このため、燃焼筒２に巻回し
た水管５の受熱量が増え、水管入口１２より流入
した水管２内の水の加熱が促される。従つて、温
水効率を向上させることができる。

しかしながら、上述のように構成された給湯器
では、セラミツク球７を支える金網６がステンレ
ス製であるため、高温の燃焼ガス１０によつて腐
食され易く、金網６が腐食するとセラミツク球７
がバーナ３上に落下してしまうという欠点があ
る。この欠点の除去は、セラミツク球７などの充
填層を用いた給湯器にとつてその使用期間（寿
命）を長くするうえで極めて重要な技術的課題で
ある。

考案の目的 本考案は以上の如き問題点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、フインドチユーブ
熱交換器のフインにセラミツク球を支持する部分
を形成するようになし、セラミツク球を長期間に
渡つて支持することができる給湯器を提供するに
ある。

考案の実施例 以下に本考案の好適一実施例を添付図面によつ
て詳述する。

第３図に示す如く、給湯器の基本構成は従来と
同様であり、すなわち、頂部に排気口１３を有す
る燃焼筒１４は、内部に加熱源であるバーナ１５
と、フイン１６を有するフインドチユーブ熱交換
器１７とを備えている。バーナ１５は燃焼筒１４
の下部に設置され、空気供給用のフアン１８によ
り送り込まれた空気によつて可燃性ガスを燃焼さ
せ、燃焼筒１４内を上昇する燃焼ガス１９を発生
するように構成されている。また、フインドチユ
ーブ熱交換器１７はバーナ１５と対向する上部位
置に設けられており、そのフイン１６は、第４図
及び第５図に詳示する如く、開口部を上に向けた
略コ字形の第１フイン片２０と開口部を下に向け
た略コ字形の第２フイン片２１とを、互いの立上
り部内側面が接近する状態で交互に複数個連ねる
ことにより形成され、このようなフイン１６の立
上り部を直角に貫通して水管２２を設けてある。
従つて、各フイン片２０，２１間で形成される空
隙を経由して燃焼ガス１９が上昇し、排気口１３
より排出されるように構成されている。第１フイ
ン片２０の内部には多数のセラミツク球２３が充
填され、通気抵抗を高めて温水効率を上げるよう
にしてある。更に、燃焼筒１４の外周壁には下方
から上方へ向けて水管２４が巻回され、フインド
チユーブ熱交換器１７の水管２２に連結してあ
る。尚、水は水管入口２５から流入し、水管出口
２６より流出するようになつている。

以上の構成よりなる本給湯器の作用について述
べると、バーナ１５からの燃焼ガス１９は、各フ
イン片２０，２１間の空隙を通つて排気口１３へ
上昇しようとするが、セラミツク球２３を第１フ
イン片２０内部に充填しているので、その上昇が
阻まれ、燃焼筒１４内で対流を起こす。この対流
により、燃焼筒１４の受熱量が増え、巻回した水
管２４の受ける熱量が多くなり、その水管２４を
流れる水の加熱が促進されることになる。また、
セラミツク球２３を支持する第１フイン片２０は
水管２２とつながれているため、水管２２を流れ
る水によつて比較的低温に保たれており、従つて
高温の燃焼ガス１９による腐食という事態発生を
防止することができる。また、セラミツク球２３
の支持をフイン１６の一部で行なうことから、フ
イン１６の伝熱面積が広くなり、フインドチユー
ブ熱交換器１７の熱交換効率を向上させることが
できる。更に、フイン１６でセラミツク球２３を
支えるため、その支持用の部品が不要となり、部
品点数を少なくすることができる。

尚、本考案は、第６図に示す如く、第１フイン
片２０及び第２フイン片２１をコ字形に形成して
もよく、この場合、燃焼ガスの流れがより円滑と
なり、燃焼筒１４内の圧力損失が減少する利点が
ある。また、第７図に示す如く、第１フイン片２
０と第２フイン片２１の夫々一部を結合して略Ｓ
字形に一体成形したフイン片を用いてもよい。

また尚、本考案は、フイン１６の下部にセラミ
ツク製の多孔板を設けることにより、燃焼筒１４
の周壁への放射伝熱を利用すると共に、セラミツ
ク球２３に入る燃焼ガス１９の流れを一様にする
ことによつて、更に高い温水効率を得ることが可
能である。

以上の説明で明らかな如く本考案によれば次の
如き効果を発揮する。

(1) セラミツク球を比較的低温のフインによつて
支持することから、高温の燃焼ガスによる腐食
発生を防止でき、セラミツク球を長期間に渡つ
て支持することができる。

(2) フインの形状を変えるだけでセラミツク球を
支持できるため、その支持用に特別なプレート
等の部品を用意する必要がなくなり、部品点数
が少なくてすむ。

(3) セラミツク球の支持を行なうフインの一部が
伝熱面としても機能するので、フインドチユー
ブ熱交換器の伝熱面積が多く取れることにな
り、熱交換効率が向上する。

(4) 構造が簡単で、容易かつ安価に実施でき、有
用性がある等の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の給湯器の一例を示す正断面図、
第２図は第１図の給湯器を示す側断面図、第３図
は本考案に係る給湯器の一実施例を示す正断面
図、第４図は第３図の給湯器の要部を示す拡大正
断面図、第５図は第４図の給湯器要部を示す底面
図、第６図は本考案に係る給湯器の他の実施例を
示す要部正断面図、第７図は本考案に係る給湯器
の他の実施例を示す要部正断面図である。 図中、１３は排気口、１４は燃焼筒、１５は加
熱源、１６はフイン、１７はフインドチユーブ熱
交換器、１９は燃焼ガス、２０は第１フイン片、
２１は第２フイン片、２２，２４は水管、２３は
セラミツク球である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼筒の下部に加熱源を設けると共に上部に加
   熱源と対向してフインドチユーブ熱交換器を設
   け、かつ上記燃焼筒の周壁に水管を巻回しこの水
   管を上記フインドチユーブ熱交換器に連結した給
   湯器において、開口部を上方に向けたコ字形の第
   １フイン片と開口部を下方に向けたコ字形の第２
   フイン片とを、互いの立上り部内側面が接近する
   状態で交互に複数個連ねることによりフインを形
   成し、そのフインの立上り部を直角に貫通して管
   を設けるとともに、第１フイン片の内部に多数の
   セラミツク球を充填して上記フインドチユーブ熱
   交換器を形成したことを特徴とする給湯器。