JPS6131820Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はホースとホースとを接続する場合等に
使用するスリーブの如き接続金具をホースの端に
圧縮して取り付けるホース接続金具の締付装置に
関するもので、特に、締付けていおて円形に配置
された複数個のダイスが、ホースの端に嵌合され
た接続金具に当接するまでは手動により操作し、
当接した後の締付けのみを流体圧を利用して自動
的に行なうようにし、且つこの締付け量を拡大し
て表示する側定器で同時に確認して精度よく正確
に締付け且つ確実に締付け量を把握できるように
したホース接続金具の締付装置に関するものであ
る。

従来はこの種装置としては、種々の形式がある
が、一例を示すと、たとえば第１図に示す如きも
のがある。すなわち、筒状の外壁ｂ及び内壁ｃを
有する本体ａの該筒状内壁ｃ内に、ピストンｄを
上下動自在に収納し、断面形状が凹状をなし且つ
その上部に複数のダイスｅを半径方向へ移動自在
に組み込んだダイス位置決め体ｆを、上記ピスト
ンｄの上部に載置して、ボルトｇにてピストンｄ
に一体的に結合し、又、本体ａの上部には、テー
パー孔ｉを軸心方向に有するダイスガイドｈの下
端を螺着して固定し、ピストンｄの下面に圧油を
給排できるようにしてある。

この構成では、圧油の供給によりピストンｄと
ともにダイス位置決め体ｆが上昇するとき、ダイ
スｅの外側面がダイスガイドｈのテーパー面ｉに
沿わされることによりダイスｅが半径方向へ移動
してホースｊの端のスリーブｋを締付けるもので
あるが、 (イ) ダイス位置決め体ｆの内部が凹状をなしてい
るだけで貫通していないため、直管のスリーブ
には適用できるが曲管のスリーブの加締には適
用することができない。若し、ダイス位置決め
体ｆの内部空間を広くし曲管も入り得るように
すれば、曲管のスリーブの締付けも可能となる
が、ダイス位置決め体ｆが大型化して全体とし
ても大型化し、製作費が膨大となるばかりでな
く、曲管を抜差しすることから作業性も悪い。

(ロ) 締付け作業は、ダイスｅが半径方向内側へ移
動し始めてスリーブｋに当接するまでの無負荷
運転と、ダイスｅがスリーブｋに当接してから
加圧変形させる負荷運転とにより行われるが、
無負荷運転時も大量の圧油を供給しなければな
らず、多くの油量が必要となつて経済的に不利
であると共に省エネルギー化が図れない。

(ハ) 上部（ロ）の如くダイスｅの動き始めから終
りまですべて油圧作用によるため、油圧ポンプ
等の油圧供給機器の稼動時間が長いと共に、装
置全体も油圧作動に対応させるためピストンの
ストロークを長くとる等必然的に大型化し且つ
重量も大なるものとなる。

(ニ) 締付け量は、本体ａに固定した指針ｍが、ダ
イス位置決め体ｆとともに上昇する目盛ｎを指
す位置で続み取るようにしてあり、実際に上昇
した寸法を直続するだけであるから、続み取り
にくい。

等の問題がある。

本考案は、かかる問題点をすべて解消し、直管
の接続金具は勿論のこと曲管の接続金具をも小型
の装置で締付けることができ、又、ダイスが接続
金具に当接するまでの無負荷時は手動操作のみで
あつて流体圧を一切利用しないようにして装置全
体を小型、軽量化させ、更に省エネルギー化を図
るようにしようとするものである。

以下、図面にをとづき本考案の実施例を説明す
る。

第２図乃至第４図に示す如く、ホース１の端に
嵌合させたスリーブの如き接続金具２を貫通でき
るように、該接続金具２の外径よりも大きい内径
とした、ピストン部４とロツド部５とからなる円
筒体３を、台板６上に立ててロツド部５を台板６
にボルト７等にて固定させ、該円筒体３の外側に
は、上部内面に雌ねじ９を刻設した円筒体８を嵌
合させて、該円筒体８の下面と台板６との間にス
プリング１０を介在させ、常時スプリング１０の
弾力により円筒体８が上方へ押されているように
し、且つピストン部４及びロツド部５と円筒体８
内面との間にシール装置としてＯリング１１，１
２を設け、該Ｏリング１１と１２の間の流路１３
に圧油配管１４を接続する。又、外筒面に上記円
筒体８の雌ねじ９と螺合する雄ねじ１６を有する
ダイス保持リング１５を形成し、該リング１５の
内面を下向きに拡大するテーパー面１７とし、該
テーパー面１７に第３図に示す如く所定間隔を置
いて複数個（図面では６個）のアリ溝の如き係合
溝１８を全長に亘つて設け、且つ該ダイス保持リ
ング１５を前記円筒体８の上部内面に螺合させ、
リング１５の上面に固定したハンドル１９を右又
は左方向へ回すことにより自在にリング１５が下
降又は上昇できるようにする。上記ダイス保持リ
ング１５の各係合溝１８には、外側部を該係合溝
１８に対応させて成形したダイス２０を各々外れ
ないように又リング１５とは上下方向へ相対移動
できるよう係合させ、ダイス保持リング１５を上
下移動させることによつてダイス２０が拡縮でき
るようにしてある。すなわち、常時は自重によつ
て各ダイス２０は下限位置まで下つてピストン部
４に載つていて、この位置で接続金具２に正対で
きるようにしてあり、ダイス保持リング１５が下
降することによりダイス２０が半径方向内側へ移
動させられて縮径するようにする。更に、前記円
筒体８の一側には、接続金具２の締付け量を続み
取る側定器２１を取付ける。この側定器２１は、
円筒体８に固定したプレート２２の片面に、固定
のラツク２３と、上端に指針２４を取付け且つガ
イド２５沿い自由に上下動できるラツク２６と、
指針２４に対応する位置に本実施例では２倍に拡
大した目盛２７と、台板６上に立てた支持棒２８
の上端に回転自在に取付けてあつてラツク２３と
２６に噛合させてあるピニオン２９とからなり、
締付けに際して円筒体８とともにプレート２２、
目盛２７が下降するとき、固定ラツク２３の下降
とピニオン２９の回転とこれに伴うフリーのラツ
ク２６の上昇とによる相対運動で指針２４が拡大
した目盛２７を正しく表示できるようにする。

本考案の装置は上記構成としてあるので、接続
金具２の締付けに際しては、第２図左半分に示す
如くダイス保持リング１５を上昇した状態で図の
如く接続金具２のホース１とともにダイス２０の
位置まで挿入させる。この状態では、ダイス２０
は自重により下つており、接続金具２との間には
隙間δがある。次に、第２図右半分に示す如くダ
イス２０が接続金具２に当接するまでハンドル１
９を回わしてリング１５を下降させる。この際、
ダイス２０はテーパー孔１７の係合溝１８に上下
にスライド自在に係合されているので、リング１
５の下降により抵抗なくダイス２０は半径方向内
側へ移動できる。ダイス２０が接続金具２に当接
するまでの、いわゆる無負荷運転は、上記の如
く、ハンドル操作による手動であり、油圧を一切
使用しないので、省エネルギー化が図れると共
に、油圧機器の操作の手間が省けて早く作業をす
ることができる。

接続金具２にダイス２０が当接すると、次に圧
油配管１４を通して圧油を供給する。これにより
油路１３に圧油が供給されることによつて第３図
に示す如く外側の円筒体８がスプリング１０に抗
して押し下げられる。該円筒体８が押し下げられ
ると、該円筒体８と螺合されているダイス保持リ
ング１５も円筒体８と一体的に強制的に下降させ
られ、各ダイス２０を更に内側へ移動させられ
て、第３図の如く接続金具２を加圧変形させ、ホ
ース１に締付けることができる。この際、油圧の
利用は、ダイス２０が接続金具２に当接した後で
あるから、極く少量の油量でよく、外側の円筒体
８が下降するストロークも小さくてすみ、装置を
大型化することなく充分な加圧締付けができ、
又、このとき円筒体８と一体のプレート２２が目
盛２７とともに同時に下降するので、固定ラツク
２３の移動で回転するピニオン２９によりフリー
ラツク２６が逆に上昇させられることによつて、
指針２４と目盛２７の同時逆方向の動きで指針２
４が２倍に拡大した目盛２７を正しく指すことに
なり、この拡大された動きにより正確に締付け量
を続み取ることができる。

締付け作業が終ると、圧油配管１４を図示しな
いバルブの切替えによりタンクに接続することに
より、スプリング１０の力により円筒体８は上昇
させられて元位置へ復帰し、第２図右半分に示す
如くダイス２０も後退する。その後はハンドル１
９を上記とは逆に回わしてダイスを更に後退さ
せ、締付開始前の状態に戻す。

尚、本考案は上記実施例のみに限定されるもの
ではなく、たとえば、ダイス２０の数は６個以外
でもよいこと、ダイスとリング１５の係合状態は
ダイス２０が半径方向に外れなければどのような
係合状態でもよいこと、固定ラツク２３とピニオ
ン２９が噛み合う歯数と、フリーのラツク２６と
ピニオン２９が噛み合う歯数が互に異なるように
すれば、目盛２７を更に拡大した寸法のものとす
ることができること、等は勿論である。

以上述べた如く本考案の装置によれば、 (i) ピストン部を有する固定の筒体内にホースを
貫通できるようにしているので、接続金具が直
管の場合のみならず、曲管のものでも簡単に取
扱いできて締付けることができ、しかも曲管の
接続金具のために装置を大型化する必要性を全
くなく、小型で締付けできる。

(ii) ダイスが動き始めてから接続金具に当接する
までのいわゆる無負荷運転には一切油圧を使用
せず、手動によることにしているので、この無
負荷運転時も油圧を使用する方式に比して、装
置を小型化でき且つ軽量化でき、設備も低減で
きる。

(iii) ダイスが接続金具に当接してから油圧を利用
するため、極く小量の圧油を供給するだけでよ
く、安価にできると共に、油圧によりダイスを
移動させる量も少なくできるため、装置全体を
小型化、軽量化でき、又、油量が小量でよいこ
とから省エネルギー化を図ることもできる。

(iv) 締付け量を数倍に拡大して表示できるので、
締付け量を容易且つ正確に続み取ることができ
る。

等の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来方式の一例を示す断面図、第２図
及び第３図はいずれも本考案の装置の作動状態を
示す断面図、第４図は本考案の装置の平面図であ
る。 １…ホース、２…接続金具、３…円筒体、４…
ピストン部、８…円筒体、１０…スプリング、１
５…ダイス保持リング、１８…係合溝、１９…ハ
ンドル、２０…ダイス、２１…側定器、２３…固
定のラツク、２６…フリーのラツク、２７…目
盛、２９…ピニオン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホースを貫通するため中空にし且つ上部をピス
   トン部とした筒体を固定し、該筒体の外側に、常
   時は弾性体により上向きの作用を受け流体圧によ
   り下降できるようにした外側筒体を、上記ピスト
   ン部を抱くように設け、内面をテーパーとしてこ
   のテーパー面に複数のダイスを上下方向にのみ移
   動自在に係合させたダイス保持リングを、上記外
   側筒体の上部に上下動自在に螺合させ、且つ上記
   外側筒体に、該筒体の移動量を２倍以上に拡大し
   て表示する目盛を備えると共に、上記外側筒体の
   移動方向とは反対方向に動く指針を備えたことを
   特徴とするホース接続金具の締付装置。