JPS6131228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） 湯水混合水栓は水栓本体内に湯と水とを各別に
受給してこれらを混合し、もつて所望温度のお湯
を吐出するものである。そして、従来における湯
水混合水栓は、水栓本体へ湯を受給する配管方式
によつて元止式と先止式とに区別して設計、製造
されている。本考案は、元止式によつて湯を受給
する湯水混合水栓に関するものである。

（従来の湯水混合水栓） 元止式による配管方式は、給湯器、温水器、湯
沸器等からなる外部加熱器へ水道水を供給する管
体に流量調節弁が設けられたものをいい、先止式
と異なり、外部加熱器に減圧弁、逆止弁、安全弁
等を必要としていないためコスト面、安全面での
利点がある。そしてこのような元止式配管は、大
型の集中式外部加熱器を備えない住宅に設置され
た特殊設計の洗面化粧台や、該集中式外部加熱器
から離隔した部所（例えば住宅の二階部分）に設
置された特殊設計の洗面化粧台等に多く採用され
ている。

第３図は実開昭55−40248号公報に掲載された
従来の湯水混合水栓を、その一部を切り欠いて示
す正面図である。同図に示すような従来の湯水混
合水栓は水栓本体Ａに４本の管体が接続されてお
り、元止式に配管されている。この４本の管体
は、夫々、導水管Ｅ、送水管Ｆ、給湯管Ｇ、給水
管Ｈである。前記導水管Ｅは水栓本体Ａ内の通水
室A₁と水道管Ｄとを接続し、送水管Ｆは水栓本
体Ａ内の通水室A₁と外部加熱器Ｃの入水口C₁と
を接続し、給湯管Ｇは水栓本体Ａ内の混合室A₂
と外部加熱器Ｃの出湯口C₂とを接続し、給水管
Ｈは水栓本体Ａ内の混合室A₂と水道管Ｄとを接
続している。また前記水栓本体Ａには、通水室
A₁内に臨む導水管Ｅの開度を調節する湯源水調
節弁B₁及び混合室A₂内に臨む給水管Ｈの開度を
調節する冷却水調節弁B₂が設けられている。

このようになされた従来の湯水混合水栓の使用
状況を説明する。水道管Ｄからの水は二つに分岐
して、一方は導水管Ｅを経て水栓本体Ａの通水室
A₁直前部へ導かれ、他方は給水管Ｈを経て水栓
本体Ａの混合室A₂直前部へ導かれるようになつ
ている。しかしこの時点では未だ水栓本体Ａ内に
まで流入していない。ここで水栓本体Ａの湯源水
調節弁B₁を開放操作すると、前記導水管Ｅから
の水が通水室A₁を介して送水管Ｆへ流入し、更
に入水口C₁を経て外部加熱器Ｃ内へ至る。そし
て該外部加熱器Ｃ内で加熱された湯は出湯口C₂
から給湯管Ｇを介して混合室A₂内へと流入し、
吐出管A₃より流出するようになる。一方、水栓
本体Ａの冷却水調節弁B₂を開放操作すると、前
記給水管Ｈからの水が混合室A₂内に流れ込み、
前記給湯管Ｇからの湯と混合される。従つて、吐
出管A₃より流出する湯は適度に冷却されたもの
となる。尚、該吐出湯の温度を上げようとする場
合は冷却水調節弁B₂の開度を絞り、また反対に
吐出湯の温度を下げようとする場合は湯源水調節
弁B₁の開度を絞ればよい。

（考案が解決しようとする問題点） 元止式の配管方式は、前記第３図に示したよう
に水栓本体Ａへ４本の管体Ｅ，Ｆ，Ｇ，Ｈを接続
する必要がある。しかし、一般型の洗面化粧台等
は先止式の配管方式を採用するように設計されて
おり、湯水混合水栓の取付孔も２ケしか設けられ
ていないのが普通である。従つて、上記の如き一
般型の洗面化粧台に元止式配管による湯水混合水
栓を取り付けることは不可能とされていた。この
ため、例えば、住宅の二階部分に設置された一般
型の洗面化粧台においてお湯を使用可能に改造し
よとするときには、洗面化粧台ごと又は洗面器ご
との交換を強いられていた。

本考案は、上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、湯水混合水栓用の取付孔が２ケしか
設けられていない一般型の洗面化粧台等であつて
も取り付けが可能な元止式配管に用いられる新規
な湯水混合水栓を提供することを目的とする。

「考案の構成」 （問題点を解決するための手段） 本案湯水混合水栓の要旨とするところは、内部
が通水室と混合室とに区分された水栓本体と、該
水栓本体の通水室と混合室とに各別に連通する二
重管構造となされた２本の固定脚管と、前記混合
室と連通する吐出管とからなり、前記通水室に連
通する固定脚管内部には外周送水路と中央導水路
とが形成され、前記混合室に連通する固定脚管内
部には外周給湯路と中央給水路とが形成され、前
記通水室に通ずる中央導水路及び混合室に通ずる
中央給水路は水道管等の適宜給水管と接続され、
前記通水室に通ずる外周送水路は給湯器、温水器
等からなる外部加熱器の入水口と接続され、前記
混合室に通ずる外周給湯路は前記外部加熱器の出
湯口と接続され、前記水栓本体には通水室に臨む
中央導水路を開度調節する湯源水調節弁及び混合
室に臨む中央給水路を開度調節する冷却水調節弁
が設けられていることである。

（作用） 固定脚管を二重管構造としているため、その中
央部と周間隔部とに夫々各別な流路を形成させる
ことができる。従つて、２本の固定脚管が有する
計４本の流路を、送水路及び導水路並びに給湯路
及び給水路に各別に振り分ければ、水栓本体へ接
続する管体は２本のみでよい。このため、本案湯
水混合水栓は、取付孔が２ケしか設けられていな
い一般型の洗面化粧台等であつても取り付けが可
能となる。

（実施例） 以下本考案を、その実施例を示す図面に基づい
て説明すると次の通りである。

第１図は本案湯水混合水栓を示す正面断面図で
ある。同図に示すように本案湯水混合水栓は、水
栓本体１と２本の固定脚管２，３と吐出管１３と
からなり、その主要な構成部分は水栓本体１に設
けられた湯源水調節弁６及び冷却水調節弁７の構
造と、各固定脚管２，３の構造とにある。

水栓本体１は、その内部が通水室１１と混合室
１２とに区分されており、これら通水室１１及び
混合室１２は連通していない。そして該混合室１
２は吐出管１３に連通している。

２本の固定脚管２，３夫々は、前記水栓本体１
の通水室１１及び混合室１２に各別に連通するよ
うに接続されている。そして該各固定脚管２，３
は、外管内に周間隔を保持するように内管が挿通
された二重管構造となつている。つまり、前記２
本の固定脚管２，３のうちの通水室１１に連通す
るもの２は、外管と内管との周間隔に外周送水路
２１が形成されていると共に内管内に中央導水路
２２が形成されている。また他方、前記混合室１
２に連通する固定脚管３は、外管と内管との周間
隔に外周給湯路３１が形成されていると共に、内
管内に中央給水路３２が形成されている。そして
また、これら固定脚管２，３の外管外周面２０，
３０には雄螺子が刻設されており、該雄螺子に螺
着された固定ナツト４によつて洗面化粧台等の天
板部５に固定可能になつている。尚、図中符号４
１は円錐台状のパツキンを示し、４２は押座金を
示す。

また、前記水栓本体１には湯源水調節弁６及び
冷却水調節弁７が設けられている。該湯源水調節
弁６は水栓本体１内の通水室１１に臨む前記中央
導水路２２のみを開度調節する如く構成されてお
り、前記冷却水調節弁７は水栓本体１内の混合室
１２に臨む中央給水路３２のみを開度調節する如
く構成されている。そしてこれら湯源水調節弁６
及び冷却水調節弁７における構成において最も重
要な作用を司る構造部分は、各固定脚管２，３の
水栓本体１寄り端部に取り付けられた弁座８にあ
る。

第２図は湯源水調節弁６及び冷却水調節弁７の
弁座８を示す平面図である。同図に示すように弁
座８の外形は円板状に形成されており、その板面
部には放射状に架設された複数のリム８０，８
０，…によつて扇形弁孔８１と円形弁孔８２とが
区画形成されている。また、該円形弁孔８２の開
口直径は、前記湯源水調節弁６の弁板６１及び冷
却水調節弁７の弁板７１における直径よりも僅か
に小さく形成されている。そして該弁座８が夫々
の固定脚管２，３に取り付けられる際には、前記
扇形弁孔８１が外周送水路２１又は外周給湯路３
１と合致し、前記円形弁孔８２が中央導水路２２
又は中央給水路３２と合致するようになつてい
る。つまり該弁座８は、水栓本体１の通水室１１
と外周送水路２１とを常に連通状態に保持し、外
周給湯路３１と水栓本体１の混合室１２とを常に
連通状態に保持している。

前記各固定脚管２，３の下端部には横倒したＴ
字状のチーズ９０及びストレート継手９１が螺着
されており、適宜管体（図示省略）との接続が可
能となつている。そして前記通水室１１に通ずる
中央導水路２２及び混合室１２に通ずる中央給水
路３２は、ストレート継手９１，９１を介して水
道管等の適宜給水管と接続される。また前記通水
室１１に通ずる外周送水路２１は左側チーズ９０
を介して外部加熱器の入水口と接続され、前記混
合室１２に通ずる外周給湯路３１は右側チーズ９
０を介して前記外部加熱器の出湯口と接続され
る。

なお、本案湯水混合水栓の使用状況は、従来の
湯水混合水栓（第３図参照）と略々同様であるの
で、ここでの説明は省略する。

「考案の効果」 以上の説明で明らかなように、本考案に係る元
止式配管に用いられる湯水混合水栓によれば、湯
水混合水栓用の取付孔が２ケしか設けられていな
い一般型の洗面化粧台であつても取り付けが可能
となつた。従つて、洗面器としても先止式配管用
の一般型と元止式配管用の特殊型との双方を設
計、製造しておく必要がなくなり、水栓器具業界
全体として且つ消費者サイドとして裨益するとこ
ろ極めて甚大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案混合水栓を示す正面断面図、第２
図は湯源水調節弁及び冷却水調節弁に使用される
弁座の平面図、第３図は実開昭55−40248号公報
に掲載された従来の湯水混合水栓を一部切り欠い
て示す正面図である。 １……水栓本体、１１……通水室、１２……混
合室、２，３……固定脚管、２１……外周送水
路、２２……中央導水路、３１……外周給湯路、
３２……中央給水路、６……湯源水調節弁、７…
…冷却水調節弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部が通水室と混合室とに区分された水栓本体
   と、該水栓本体の通水室と混合室とに各別に連通
   する二重管構造となされた２本の固定脚管と、前
   記混合室と連通する吐出管とからなり、前記通水
   室に連通する固定脚管内部には外周送水路と中央
   導水路とが形成され、前記混合室に連通する固定
   脚管内部には外周給湯路と中央給水路とが形成さ
   れ、前記通水室に通ずる中央導水路及び混合室に
   通ずる中央給水路は水道管等の適宜給水管と接続
   され、前記通水室に通ずる外周送水路は給湯器、
   温水器等からなる外部加熱器の入水口と接続さ
   れ、前記混合室に通ずる外周給湯路は前記外部加
   熱器の出湯口と接続され、前記水栓本体には通水
   室に臨む中央導水路を開度調節する湯源水調節弁
   及び混合室に臨む中央給水路を開度調節する冷却
   水調節弁が設けられていることを特徴とする元止
   式配管に用いられる湯水混合水栓。