JPS6131126B2 - - Google Patents

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JPS6131126B2
JPS6131126B2 JP15138976A JP15138976A JPS6131126B2 JP S6131126 B2 JPS6131126 B2 JP S6131126B2 JP 15138976 A JP15138976 A JP 15138976A JP 15138976 A JP15138976 A JP 15138976A JP S6131126 B2 JPS6131126 B2 JP S6131126B2
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JP
Japan
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polymerization
emulsion
monomer
water
weight
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JP15138976A
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English (en)
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JPS5374591A (en
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Shigeo Komya
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Japan Exlan Co Ltd
Original Assignee
Japan Exlan Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5374591A publication Critical patent/JPS5374591A/ja
Publication of JPS6131126B2 publication Critical patent/JPS6131126B2/ja
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はアクロニトリル(以下ANと略称す
る)を主成分とする重合体の水性エマルシヨンの
製造方法に関するものであり、更に詳しくはAN
に、所定量の不飽和スルホン酸もしくはその塩お
よび他のエチレン系不飽和化合物を特定条件下に
おいて共重合せしめた、化学的および機械的に極
めて安定で微細なAN系重合体粒子よりなる水性
エマルシヨンの製造方法に関するものである。 近年プラスチツクス、繊維、フイルム等の改質
剤として、また紙、フイルム等の表面加工剤とし
て、更に水性塗料もしくは顔料用等として、重合
体水性エマルシヨンをそのままの状態で使用する
方法が実用化されつつある。なかでもAN系重合
体は耐光性、耐候性等が優れていることから、上
述の各種の用途分野へのAN系重合体水性エマル
シヨン適用の有利性が確認されているが、未だ斯
かるAN系重合体からなる水性エマルシヨンを工
業的に製造するための手段は見出されていないの
が実状である。 即ち、一般にAN系重合体は重合体粒子間の凝
集力が強いため、水を分散媒として使用する通常
の乳化重合法あるいは懸濁重合法に従つて重合す
ると、生成した重合体同士が合体し、粗大なかつ
嵩高い凝集体粒子を形成する。斯くして生成した
凝集体粒子は、最早他の機械的な手段によつては
個々の微細粒子に分離することができず、従つて
AN系重合体の微細かつ均一な球状粒子が水中に
分散した水性エマルシヨンを得ことは従来の技術
に依存する限り本質的な困難性を付随せしめてい
た。 ここにおいて、本発明者は、従来から困難と考
えられていた高AN含量の重合体水性エマルシヨ
ンを工業的な態様に従つて製造するための具体的
手段を見出すべく鋭意研究した結果、ANと所定
量の不飽和スルホン酸もしくはその塩および他の
エチレン系不飽和化合物とを特定条件下において
共重合せしめることによつて、重合体粒子間の合
体、凝集を防止しながら極めて微細かつ均一な球
状粒子を水中に分散せしめた化学的および機械的
に安定なAN系重合体水性エマルシヨンを工業的
に有利に形成し得る事実を見出し、本発明に到達
した。 即ち、本発明の目的は、通常の乳化剤や分散剤
を全く含有しないにも拘らず化学的、機械的に安
定でしかも微細かつ均一な球状粒子径を有する
AN系重合体水性エマルシヨンの製造方法を提供
することにある。 本発明の他の目的は、AN系重合体の有する耐
光性、耐候性、染色性等の優れた特性に基づく繊
維、フイルム等の染色性改良剤、紙、フイルム等
の表面加工剤、水性塗料もしくは顔料用等の各種
の用途分野に対して広範に適用し得るAN系重合
体水性エマルシヨンの製造方法を提供することに
ある。 本発明の更に異なる他の目的は、以下に記載す
る本発明の具体的な説明より明らかとなろう。 而して本発明の上記の目的は、水の存在せる重
合槽内に下記仕込組成の単量体(a)〜(c)および重合
触媒を不連続的もしくは連続的に仕込み、しかも
重合液中の水の存在量を単量体全量と水との総量
に対して45重量%以上の範囲に維持し、かつ該該
仕込み単量体の重合初期における分散粒子径が2
μ以下となるように機械的に微分散しつつ重合せ
しめることにより、安定で微細なAN系重合体粒
子の水性分散液を工業的に有利に製造することが
できる。 (a) AN 70.0〜97.9重量%/単量体全量 (b) 不飽和スルホン酸もしくはその塩 0.1〜28.0重量%/単量体全量 (c) 他のエチレン系不飽和化合物 2.0〜29.9重量%/単量体全量 このようにして本発明方法は、所定割合の単量
体および重合触媒を特定条件下において、水の存
在せる重合槽内に仕込み、微分散しつつ重合せし
めることにより、重合体粒子間の凝集力を低下せ
しめつつ重合体中にスルホン酸基および他のエチ
レン系不飽和化合物を特定量導入し、良好なエマ
ルシヨン状態を維持し、該エマルシヨン中の重合
体粒子の粒子径を1μ以下、好ましくは500mμ
以下、更に好ましくは300mμ以下に維持せしめ
た新規なAN重合体水性エマルジヨンを提供し得
るものである。 ここにおいて、本発明の目的を達成し得るAN
系重合体水性エマルシヨンは、仕込み単量体全量
に対して70.0〜97.9重量%の範囲内のAN、0.1〜
28.0重量%の範囲内の不飽和スルホン酸もしくは
その塩および2.0〜29.9重量%の範囲内の少なく
とも1種の他のエチレン系不飽和化合物を、仕込
み単量体全量と水との総量に対して45重量%以上
の水の存在下に重合せしめて製造する。 ANの使用量は70.0重量%以上である必要があ
り、斯くの如きANの使用量が70.0重量%に満た
ない場合には、AN系重合体の有する耐光性、耐
候性等の優れた特性を発現せしめることができな
い。 ANに共重合せしめる不飽和スルホン酸もしく
はその塩としては、ビニルスルホン酸、アリルス
ルホン酸、メタリルスルホン酸、p−スチレンス
ルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸およびこ
れらの塩類;アクリル酸スルホエチル、アクリル
酸スルホプロピル、メタクリル酸スルホエチル、
メタクリル酸スルホプロピル等のアクリル酸また
はメタクリル酸のスルホアルキルエステル類およ
びこれらの塩類;ビニルベンジルスルホン酸、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、メタクリルアミドスルホン酸およびこれらの
塩類等のビニル化合物を挙げることができる。 斯くの如き不飽和スルホン酸もしくはその塩の
使用量は少なくとも0.1重量%必要であり、特に
2重量%以上が望ましい。不飽和スルホン酸もし
くはその塩の使用量が0.1重量%未満の場合には
安定な水性エマルシヨンを得ることとが難しく、
更に2重量%未満の場合には、例えばANが80重
量%以上というような高AN含量の水性エマルシ
ヨンを作製することが困難である。 また、ANに共重合せしめる他のエチレン系不
飽和化合物としては、ANと共重合し得る公知の
不飽和化合物、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、
弗化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニ
ルおよびハロゲン化ビニリデン類;アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽
和カルボン酸およびこれらの塩類;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸メトキシエチル、
アクリル酸フエニル、アクリル酸シクロヘキシル
等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸オクチル、メタクリル酸メトキシエ
チル、メタクリル酸フエニル、メタクリル酸シク
ロヘキシル等のメタクリル酸エステル類;メチル
ビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン類の
不飽和ケトン類;蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等
のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エ
チルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アク
リルアミドおよびそのアルキル置換体;スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のス
チレンおよびそのアルキルまたはハロゲン置換
体;アリルアルコールおよびそのエステルまたは
エーテ類;ビニルピリジン、ビニルイミダゾー
ル、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の塩
基性ビニル化合物類;アクロレイン、メタクロレ
イン、シアン化ビニリデン、グリシジルメタクリ
レート、メタクリロニトリル等のビニル化合物類
等を挙げることができる。 斯くの如きエチレン系不飽和化合物の使用量が
2.0重量%に満たない場合には安定かつ微細粒子
からなる水性エマルジヨンが得られず、更に80重
量%以上のANを含有する水性エマルシヨンを作
製する場合には、斯かるエチレン系不飽和化合物
を5重量%以上使用することが望ましい。 斯くの如き単量体を使用して本発明に係る水性
エマルジヨンを作製するための重合方法として
は、通常の乳化剤を全く使用しないこと、水の存
在せる重合槽内に単量体および重合触媒を不連続
的もしくは連続的に仕込むこと、および該単量体
を機械的に微分散することを除いては従来の乳化
重合法と同様の態様に従つて実施することができ
る。 即ち、単量体、所定量の水溶性触媒および水な
らびに必要に応じて連鎖移動剤、重合系のPH調節
剤等を重合槽内に仕込み、所定の温度にてバツチ
もしくは連続重合せしめる。 重合槽内に仕込む単量体と水との割合は、生成
する重合体が微細粒子として安定な分散状態で維
持される必要があるため、重合過程において単量
体全量と水との総量に対して水が45重量%以上、
好ましくは55重量%以上となるように維持されね
ばならない。 単量体全量と水との総量に対して水が45重量%
未満の場合は単量体を機械的に微分散して分散粒
子径を2μ以下にすることが困難であるととも
に、重合系の粘度が上昇することがあり好ましく
ない。 また、単量体および重合触媒を水の存在せる重
合槽内に不連続的もしくは連続的に仕込む必要が
ある。即ち、ANを主成分とする乳化重合法にお
いて単量体あるいは重合触媒を一括して仕込む場
合には重合系の増粘が著しく、重合操作の継続が
困難となる。一方、本発明における如く、単量
体、重合触媒のいずれも不連続的もしくは連続的
に仕込むことにより、重合系の粘度上昇を効果的
に抑制することができる。 ここにおいて、水の存在せる重合槽内に単量体
および重合触媒を連続的に仕込む手段とは、単量
体および重合触媒の全量を、単量体の仕込組成を
維持しながら一定速度で流れている状態で重合構
内に供給する手段をいい、不連続的に仕込む手段
とは、流れていない状態即ち二分割以上に細分し
て供給する手段をいう。 即ち、上記不連続的もしくは連続的仕込み法と
しては、単量体および重合触媒の全量を一括して
重合槽内に仕込む以外の方法であればいかなる態
様をも採用し得るが、液体の単量体はそのまま
で、また固体の触媒および単量体は夫々水溶液と
して重合槽内に滴下供給する方法が、工業的態様
においては好ましい。 なお、本発明にいう水の存在せる重合槽とは、
あらかじめ所要量の水の全部もしくは一部を重合
槽内に仕込んだものでもよく、重合槽内に単量体
および重合触媒と共に水の仕込みを開始したもの
であつてもよい。 更に、上述せる如く水の存在せる重合槽内に不
連続的もしくは連続的に仕込んだ単量体を、機械
的に微分散せしめる必要がある。斯かる微分散の
手段としては、重合初期における単量体の分散粒
子径を2μ以下に分散し得るものであればいかな
る手段をも採用することができる。例えば、バツ
チ重合法の場合には撹拌速度を上昇せしめること
により、また連続重合法の場合には単量体の供給
速度を上昇させて供給管内において乱流を発生せ
しめることにより、重合槽内に供給される単量体
に剪断力を作用せしめその粒子径を微細に分散せ
しめることができる。本発明方法においては、斯
くの如き機械的分散により、従来5μ前後であつ
た単量体の分散粒子径を、2μ以下のオーダーに
まで微分散せしめることが必要である。 本発明の如きANを主成分とする乳化重合法に
おいては、とりわけ重量初期における単量体の分
散粒子径が5μ前後の場合には、得られる水性エ
マルシヨン中に多量の沈殿物乃至は凝集物が生成
し、分散安定性の良好なエマルシヨンを作製する
ことができないのに対し、粒子径を2μ以下に微
細に分散せしめる場合には、凝集物の生成は殆ど
認められず、AN系重合体からなる安定かつ微細
な粒子径の水性エマルシヨンが得られる。 なお、本発明にいう重合初期における単量体の
分子粒子は、重合槽内に単量体および重合触媒を
添加開始後重合反応開始前に反応液中に存在する
単量体分散滴の粒子径を測定した。 斯くして、本発明に係るAN系重合体水性エマ
ルシヨンは、10重量%以上、更には20重量%以上
の重合体濃度のエマルシヨンとして、工業的に有
利に製造することができる。 本発明においては上述の如く0.1重量%以上の
不飽和スルホン酸またはその塩を重合せしめてい
る。この目的は、エマルシヨン中の重合体粒子の
分散安定性が重合体粒子の有する表面荷電によつ
て支配的な影響を受けるため、重合体粒子中に特
定量のスルホン酸基を含有せしめることによつ
て、該重合体粒子の分散安定性を向上せしめるこ
とにある。 更に、本発明方法の実施に際し、ANおよび不
飽和スルホン酸またはその塩と重合すべき他のエ
チレン系不飽和化合物は、周知の如く各種の用途
分野においてエマルシヨンから得られるフイルム
の機械的強度、耐薬品性、造膜性等の諸特性を向
上せしめるとともに、その作用機構は明らかでは
ないが、最終的に得られるAN系重合体水性エマ
ルシヨンの分散安定性ならびに粒子径の微細化と
均一化に寄与するところが大きい。 従つて、本発明のAN系重合体水性エマルシヨ
ンの最大の特徴は、従来の合成重合体エマルシヨ
ンにおいては含有せしめることが常法として認識
されている乳化剤や分散剤を全く含有していない
ところに見出すことができ、そのためエマルシヨ
ンの使用工程において泡立ちがなく、必然的に消
泡剤の添加が不必要となり操業性は従来方法に比
較して大幅に向上する。しかも本発明に係る水性
エマルシヨンは、通常の乳化剤や分散剤を全く含
有していないにも拘らず、電解質の添加や加熱あ
るいは凍結等に対してもエマルシヨンの破壊や凝
固を惹起するおそれがく、化学的および機械的に
極めて安定である。 また、本発明に係るAN系重合体水性エマルシ
ヨンは、重合体中のAN含有量が高く、しかも実
質的に0.5μ以下の粒子径を有する極めて微細な
重合体の均一球状粒子からなる水性エマルシヨン
として得られるため、ポリアクリロニトリル固有
の優れた特性を有効に発現し得ると共に、種々の
用途に適用されるとき基材に浸透し易く、しかも
基材の透明性を何等損うことがない。 斯くの如き本発明に係るAN系重合体からなる
水性エマルシヨンは、そのままの状態で、あるい
は噴霧乾燥などの適当な操作によつて固体として
採り出した後、プラスチツクス、繊維、フイルム
等の改質剤として、紙、フイルム等の表面加工剤
として、水性塗料もしくは顔料用等として、各種
用途に広く使用でき、また塗装面の艶消剤として
も優れた性能を有する。なかでも、該エマルシヨ
ンは繊維、フイルム等の染色性改良剤として好適
に使用することができる。即ち、本発明方法によ
つて得られる水性エマルシヨンを紡糸原液あるい
は製膜用原液に添加することによつて、得られる
繊維、フイルム等の成型品の染色性を著しく向上
せしめることができ、また不染性の成型品に対し
ては塩基性染料、カチオン染料に対する優れた可
染性を付与することができる。このような用途に
適用し得る繊維あるいはフイルム基材としては、
レーヨン、キユプラ、アセテート、トリアセテー
ト、セロフアン等のセルロース系、ポリビニルア
ルコール系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリ
デン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ尿
素系、ポリエスチレン系、ポリウレタン系、ポリ
アクリロニトリル系、ポリ青化ビニリデン系、ポ
リフルオロエチレン系等がある。 また、本発明に係るAN系重合体エマルシヨン
を染色することによつて、着色微細粒子またはそ
のエマルシヨンが得られ、これは水中において粒
子の凝集のないエマルシヨン状態を保持する。し
かも一般に500mμ以下の極めて極細な粒子状を
呈し、発色性に優れ、かつ耐光性、耐候性、耐薬
品性等の堅牢度にも優れ、有機顔料として種々の
用途分野において着色製品または着色面の透明性
を改善せしめると共に、均一な着色を可能にし、
最終製品たる着色物の価値をも著しく向上せしめ
ている。 更に、共重合成分としてアクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル等のそれ自身の単一重合体におい
て低いTg(ガラス転移温度)を示す単量体を使
用した場合には、造膜性を有するAN系重合体水
性エマルシヨンを得ることができ、斯かる造膜性
AN系重合体エマルシヨンは乳化剤を全く含有し
ていないため、通常の重合体エマルシヨンの用途
において惹起される乳化剤による種々のトラブル
を回避して有利に使用することができることも、
本発明の大きな特徴の一つである。 本発明の理解を更に良好にするために、次に本
発明の代表的な実施例を示すが、本発明はこれら
の実施例の記載によつてその範囲を何等限定され
るものではない。なお、実施例中、部および百分
率は特に断りのない限り重量基準で示す。 実施例 1 AN、スチレン(ST)、メタクリル酸スルホプ
ロピルエステルのナトリウム塩(SPMA)からな
る単量体の乳化重合体を、下記仕込組成にて行な
つた。 AN 16.0 (部) ST 2.4 SPMA 1.6 過硫酸アンモン(APS) 0.4 ピロ亜硫酸ソーダ(SPS) 0.33 塩化第一鉄 0.0007 水 80.0 本実施例における乳化重合は、先ず水51.7部に
所定量の塩化第一鉄を溶解して重合槽内に仕込
み、60℃に保ち、次いでANおよびSTからなる単
量体混合物、10%SPMA水溶液16部、5%APS水
溶液8部および5%SPS水溶液6.7部の各々を滴
下し、撹拌速度を第1表に示す如く変化させて重
合を開始した。これら単量体および触媒を重合槽
内に滴下し始めてから2分後に反応液を一滴プレ
パラート上に取り、これに5%ラウリル硫酸ソー
ダ水溶液を安定剤として一滴加え、顕微鏡観察に
より単量体分散滴の平均粒子径を測定した。測定
結果を第1表に示す。
【表】 これら単量体および触媒液の滴下は40分間で終
了するように滴下速度を調節し、滴下終了後更に
60℃で1時間撹拌を継続した。斯くして得られた
6種のエマルシヨン(a)〜(f)中に混入する沈殿物乃
至は凝集物の量を測定し、その結果を第1表に併
記した。 この測定結果より、重合初期における単量体分
散滴の粒子径とエマルシヨンの重合安定性との間
には相関性が認められ、エマルシヨン中に混入す
る凝集(沈殿)物は該粒子径の低下と共に急激に
減少する事実が理解される。 ここにおいて、例えば本発明に係る撹拌速度が
700rpmの条件下に作製したエマルシヨン(a)中の
重合体粒子の平均粒子径を測定したところ200m
μであつた。斯かるエマルシヨン(a)を−10℃に冷
却して凍結せしめた後、加温して融解したとこ
ろ、エマルシヨンは元の分散状態を回復し、しか
も重合体粒子の凝集等も全く認められず、従つて
凍結に対して極めて安定であることが明らかとな
つた。また、ホモミキサーにて7300rpm撹拌下に
30分間保持したが、重合体粒子の凝集は全く起こ
らず、機械的安定性は極めて良好であつた。更
に、斯かるエマルシヨン(a)を加熱し、重合体濃度
が40%になるまで濃縮操作を施したが、重合体粒
子の凝集は全く起こらなかつた。 一方、比較例として上述せるエマルシヨン(a)の
作製工程において、5%SPS水溶液をあらかじめ
重合槽中に一括して仕込むこと以外は上記と同様
の操作方法に従つて重合を開始した。重合開始後
15分間でエマルシヨンは著しく増粘し、撹拌不能
となつた。また、単量体を一括して仕込み、その
他の操作は上述した態様と同様にして重合を開始
したところ、10分間経過した後には重合系全体が
プリン状に凝固し、水性エマルシヨンを得ること
ができなかつた。 即ち、本発明における如く、単量体および重合
触媒のいずれも重合槽内に不連続的もしくは連続
的に仕込む必要があり、斯かる方法を採用するこ
とによつてはじめてAN系重合体の微細粒子が水
中に分散し、凍結、加熱、機械的撹拌等に対して
極めて安定なエマルシヨンが得られる事実が理解
される。 実施例 2 AN、アクリル酸ブチル(BA)、SPMAからな
る単量体の重合を、下記仕込組成にて行なつた。 AN 16.0 (部) BA 2.4 SPMA 1.6 APS 0.4 SPS 0.33 塩化第一鉄 0.0007 水 80.0 この乳化重合は、先ず水59.0部に所定量の塩化
第一鉄を溶解して重合槽内に仕込み、40℃に保
ち、次いで撹拌速度を800rpmに維持した重合系
にANおよびBAからなる単量体混合物、10%
SPMA水溶液16部、10%APS水溶液4部および10
%SPS水溶液3.3部の各々を滴下する。なお、滴
下し始めてから2分経過後の単量体分散滴の平均
粒子径は1.6μであつた。これら単量体および触
媒液の滴下は60分間で終了するように滴下速度を
調節し、滴下終了後更に40℃で1時間撹拌を継続
した。斯くして得られたエマルシヨンは、重合体
濃度が20%であり、また粒子径が150mμの重合
体が水中に分散してなり、しかも重合体粒子の凝
集も全く認められない安定な水性エマルシヨンで
あつた。 また、斯かるAN系重合体水性エマルシヨンの
PHは2.3であり、これに5%稀硫酸を添加して該
エマルシヨンのPHを1.0まで低下せしめ、あるい
は5%苛性ソーダを添加してそのPHを13.0まで上
昇せしめた場合にもエマルシヨンの破壊あるいは
重合体粒子の凝集等は全く惹起せず、本発明に係
るエマルシヨンが酸性、アルカリ性のいずれに対
しても極めて安定である事実を証明した。 実施例 3 水55.4部に塩化第一鉄0.0007部を溶解して重合
構内に仕込み、40℃に保ち、撹拌速度を750rpm
に維持しながらAN14.4部およびBA3.6部からな
る単量体混合物、10%p−スチレンスルホン酸ソ
ーダ水溶液20部、10%APS水溶液4部および10%
SPS水溶液3.3部の各々を50分間で滴下した後、
更に40℃で1時間撹拌を継続する。 なお、滴下し始めてから2分経過後の単量体分
散滴の平均粒子径は2.0μであつた。 斯くして得られたエマルシヨンは、重合体濃度
が20%であり、また平均粒径が80mμという極め
て微細なAN系重合体からなり、しかも重合体粒
子間に凝集が全く認められない安定なエマルシヨ
ンであつた。 実施例 4 実施例2で記載した方法で得られた本発明に係
るAN系重合体水性エマルシヨンを、ポリビニル
アルコール(クラレ製PVA117)15部および水85
部からなる紡糸原液に、ポリビニルアルコール
100部に対するエマルシヨン中の重合体量を14部
に調節して添加し、常法に従つて紡糸、熱処理を
施してポリビニルアルコール繊維を作製した。こ
の後得られた繊維を繊維100部に対してカチオン
染料スミアクリルブリリアントレツドN−4G
(住友化学工業製)を0.2部の割合で配合せしめ、
90℃、60分の条件で染色した。この結果、鮮明な
赤色に着色された繊維が得られた。なお、エマル
シヨンを紡糸原液に添加する際、紡糸原液中にお
いてエマルシヨン中の重合体粒子は凝集すること
なく均一に分散し、更に、エマルシヨン添加ポリ
ビニルアルコール繊維は失透現象を惹起すること
もなく、その透明性をも顕著に改善せしめてい
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水の存在せる重合槽内に下記仕込組成の単量
    体(a)〜(c)および重合触媒を不連続的もしくは連続
    的に仕込み、しかも重合液中の水の存在量を単量
    体全量と水との総量に対して45重量%以上の範囲
    に維持し、かつ該仕込み単量体の重合初期におけ
    る分散粒子径が2μ以下になるように機械的に微
    分散しつつ重合せしめて安定で微細な重合体粒子
    の水性分散液を得ることを特徴とするアクリロニ
    トリル系重合体水性エマルシヨンの製造方法。 (a) アクリロニトリル 70.0〜97.9重量%/単量体全量 (b) 不飽和スルホン酸もしくはその塩 0.1〜28.0重量%/単量体全量 (c) 他のエチレン系不飽和化合物 2.0〜29.9重量%/単量体全量
JP15138976A 1976-12-15 1976-12-15 Preparation of acrylonitrile type polymer aqueous emulsion Granted JPS5374591A (en)

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