JPS6130764Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は薄鋼板の連続鋳造装置に関し、特に鋳
造空間部における一対の対向するベルト状循環体
と、それぞれの冷却装置の取付・取外しおよびベ
ルト状循環体相互間の間隙の調整を容易にした連
続鋳造装置の提案を目的とする。

従来、提案されている薄鋼板の連続鋳造装置
は、相対する一対のリング状のベルト状循環体と
一対の側面冷却体とで鋳造空間を形成しているも
のである。上記従来の薄鋼板の連続鋳造装置は、
鋳造空間部における対向する上記ベルト状循環体
の裏面に、それぞれ冷却装置が設置されている。
これら冷却装置は、ベルト状循環体支持ロールを
支持する構造体に直接取付けられているために、
保守・点検あるいは交換時における取付・取外
し、ならびに相対する冷却装置間の間隙を鋳片寸
法に調整する作業に当つて、長時間を要し稼動率
の低下をまねくと言う欠点があつた。

本考案は上記従来装置の問題点を解決するもの
であつて、鋳造空間を構成しているベルト状循環
体相互間の間隙を調整可能な鋳造装置フレーム構
造とし、またベルト状循環体の冷却装置について
は、その取付・取外しを容易にし、且つこれら一
対の冷却装置の相互間の間隔の調整をも可能に
し、しかも冷却装置の支持体を移動可能な構造体
としたことによつて本考案の目的を達成すること
が出来た。

即ち本考案は、相対する一対のリング状のベル
ト状循環体と一対の側面冷却体とで鋳造空間を構
成する連続鋳造装置において、上記鋳造空間にお
ける相対向するベルト状循環体の相互間の間隔
を、所望の寸法に自在に調整することが可能なよ
うな構造とした一対の鋳造装置フレームと、今一
つの構造体は、鋳造空間における対向するベルト
状循環体を裏面より冷却する冷却装置と、取付腕
を介して、その冷却装置相互間の間隔を、前記鋳
造装置フレームにおける冷却装置の設置位置に組
込み可能なように調整して固定できる冷却装置支
持体とを、一体とし且つ移動可能とした構造体と
して、前記の鋳造装置フレームに組込み得る構造
とし、必要に応じて冷却装置の取付・取外し及び
ベルト状循環体・冷却装置の各間隔の調整を容易
にして、鋳片の厚みの変更ならびに冷却装置の保
守点検を容易にし、且つ連鋳装置の稼動率を向上
させることに成功したのである。

以下に、本考案をその実施例態様の一例を示す
装置の図面について説明する。

第１図に従来の薄鋼板の連続鋳造装置の一例を
示す。冷却装置８，８′は固定治具９，９′により
鋳造装置フレーム６，６′に直接取付けられてお
り、冷却装置の交換の際は９，９′，８，８′を
個々に取外し、取付けることが必要で、それには
経験上から約３〜４時間を必要としていた。

本考案では第２図、第３図及び第４図に示すよ
うに、ベルト状循環体を鋳造空間とは反対の面よ
り冷却するために対向して配設されている冷却装
置８，８′が、冷却装置の裏面にほぼ平行で且つ
鋳造方向にほぼ直角に設けられた冷却装置を取付
けるための腕１１，１１′を介して、冷却装置相
互の間隔を所定寸法に調整して固定できる冷却装
置支持体１０に取付けられていて、全体が一体化
されて移動可能なように台車１２などによつて鋳
造装置フレーム６，６′間に組込まれるため、冷
却装置の交換や保守点検を容易に行なうことが出
来る。さらに事前に、鋳造装置外で完全整備され
た冷却装置を組み立てて準備しておけば、新旧冷
却装置の交換作業は約30分位で行なうことが出来
る。

また第５図に示すように、油圧シリンダー１３
などにより腕１１，１１′の間隔の変更を可能な
ようにすれば、鋳造装置における鋳片厚みを変更
する場合に、冷却装置を鋳造装置外に取り出し
て、冷却装置支持体１０と取付腕１１，１１′を
組み直すような必要がなく、油圧シリンダー１３
を操作するだけで厚み変更が可能であり、第４図
の場合に約１時間位を要していたのが、この第５
図の例では約15分程度で厚み変更を容易に行なう
ことが出来るようになつた。

更にまた、鋳造装置外で冷却装置を保守点検す
る場場合、第４図および第５図の例では冷却装置
８，８′の間隔が数十mmと狭いため、冷却装置
８，８′を取付け腕１１，１１′から取外す必要が
あり、単なる点検作業でけでも取付、取外しに１
〜２時間位を要するが、第６図に示すように、回
転機構たとえば腕回転用油圧シリンダー１４を設
置するようにすれば、取外しが不要となるため点
検作業は約20〜30分程度で行なうことが出来る。

また第７図に示すように、冷却用流体の配管１
５を冷却装置支持体１０、冷却装置取付用腕１
１，１１′の内部に組込んで冷却するようにすれ
ば、冷却装置支持構造体の寿命の延長に有効であ
る。

以上説明したように、本考案の薄鋼板の連続鋳
造装置では、冷却装置の支持体への取付・取外し
および冷却装置・ベルト状循環体のそれぞれの間
隔の調整が鋳造装置外で行なえるために、冷却装
置の保守点検および交換のための鋳造装置の停止
時間を短縮縮することが出来て、鋳造装置の稼動
率を著しく向上させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の薄鋼板の連続鋳造装置の１例を
示す概略図、第２図は本考案実施例の薄鋼板の連
続鋳造装置の概略図、第３図は本考案の薄鋼板の
連続鋳造装置の模式図、第４図は第２図のＡ−
A′断面図、第５図〜第７図は各種実施例の説明
図である。 １，１′……ベルト状循環体、２，２′……ベル
ト状循環体支持ロール、３……側面冷却体、４…
…注入ノズル、５……鋳片、６，６′……鋳造装
置フレーム、７，７′……ベルト状循環体張力付
加装置、８，８′……冷却装置、９，９′……冷却
装置取付治具、１０……冷却装置支持体、１１，
１１′……冷却装置取付用腕、１２…冷却装置移
動用台車、１３……間隔調整用油圧シリンダ、１
４……腕回転用油圧シリンダ、１５……冷却媒体
流通配管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一定の距離にわたつて鋳造溶鋼を保持するた
   めの間隙を維持しつつ循環する一対の対向配置
   にかかるベルト状循環体と、これらベルト状循
   環体相互間の両側縁部に位置させた一対の側面
   冷却体とで鋳造空間を構成する薄鋼板の連続鋳
   造装置において、対向する上記ベルト状循環体
   相互間の間隔を鋳片寸法に合わせて調整可能に
   支持する一対の循環体支持用鋳造装置フレーム
   と、前記フレームに支持された各ベルト状循環
   体の各裏面に沿つて配設される循環体冷却装
   置、およびそれら冷却装置を保持するための片
   持ち式の取付け腕と前記鋳造装置フレームの設
   置位置に対応して移動させ得る冷却装置支持体
   とを有する冷却装置移動用台車を設けたことを
   特徴とする薄鋼板の連続鋳造装置。 ２ 冷却装置支持体に油圧シリンダーを取付けて
   その作動により上記冷却装置取付け腕の間隔を
   可変としたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の薄鋼板の連続鋳造装置。 ３ 冷却装置取付け腕の少なくとも１つが冷却装
   置支持体との取付け位置を支点として回転し得
   るようにしたことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の薄鋼板の連続鋳造装置。 ４ 冷却装置取付け腕および冷却装置支持体の内
   部に冷却装置の冷却媒体の流通配管を配設した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の薄鋼板の連続鋳造装置。