JPS6128A - 二塩化エタンの製造方法 - Google Patents

二塩化エタンの製造方法

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JPS6128A
JPS6128A JP11964684A JP11964684A JPS6128A JP S6128 A JPS6128 A JP S6128A JP 11964684 A JP11964684 A JP 11964684A JP 11964684 A JP11964684 A JP 11964684A JP S6128 A JPS6128 A JP S6128A
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和地 俊
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、二塩化エタンを主成分とする液体反応媒質中
で、エチレンと塩素を反応させて二塩化エタンを工業的
に有利に製造する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
二塩化エタンは塩化ビニールのモノマーあるいはエチ、
レンジアミン等の原料として有用なものである。エチレ
ンと塩素を反応させて二塩化エタンの製造を工業的に行
う場合の最大の問題点のひとつは、二塩化エタンの生成
と同時に1.L2−トリクロルエタンをはじめとする高
次塩素化物が副生ずることである。二塩化エタンを塩化
ビニールモノマー等の原料として供給する場合には、高
次塩素化物を除去して精製する蒸留塔において多大な熱
エネルギーを必要とする。また高次塩素化物の副生が多
いと、原料の損失となって経済的に好ましくない。
エチレンと塩素を液体反応媒質中において反応させ、二
塩化エタンを製造する方法は、二塩化エタンの沸点温度
以下、即ち83℃以下で反応を行なう低温法と、83℃
以上で反応を行なう高温法とが知られている。このうち
低温法は、高温法に比べて、高次塩素化物の副生が少な
い利点があるが、反応は発熱反応であり約50 Kca
l/ mol程度の莫大な反応熱が発生するのに、低温
法は温度が低いため、この反応熱を有効に利用すること
ができないばかりでなく、反応熱を除去する為に冷却水
や熱交換器を回収利用する特別な手段を必要とする点が
不利である。また低温法では、液状反応媒質から生成物
を分離して取り出す操作が必要であること、製品ととも
に塩化第二鉄などの金属塩素化物触媒が流出するので、
反応器中の触媒濃度を一定に保つ為に触媒の追加等を必
要とするなどの欠点がある。
一方、高温法は上記の低温法における欠点を解決する有
利な方法であり、多くの提案がなされている。例えば米
国特許第2929852号あるいは英国特許第12’8
1127号に記載の方法では、二塩化エタンの沸点であ
る83℃付近において反応媒質が沸騰する状態で反応を
行なっており、反応液体媒質の蒸発によって反応熱を除
去することができるので特別な冷却手段を必要としない
うえ、反応熱によって発生した蒸気を直接に蒸留塔へ導
いて、二塩化エタンの精製を行ない反応熱を有効に利用
している。また、製品を蒸気として収り出すので反応媒
質中に含まれる金属塩素化物触媒との分離が容易である
とともに、触媒を追加することが必要表い等の利点があ
る。高温法における最大の問題点′は、1,1.2−)
リクロルエタンをはじめとする高次塩素化物の副生とそ
れに伴なって塩酸の発生量が多くなることである3、高
次塩素化物−の副生が多いと、二塩化エタンの収率低下
による損失となるうえに、同時に発生する塩酸を中和処
理する為に大量のアルカリを消費する。
高温法によってその利点を活用しながら、高次塩素化物
の副生を抑制して有利に二」4に化エタンを製造する方
法としては、従来、添加物を加える方法と適当な反応装
置の形状や反応操作条件を選ぶ方法が知られている。添
加物を加える方法としては、英国特許第1186742
号記載の酸素を添加する方法があるが、反応器から排出
されるガス中の酸素濃度が高くなり爆発組成になる等の
危険があるだめ安全上の特別外操作を必要とする。捷だ
特公昭58−50203ではベンゼンを添加する方法が
、特開昭56−40620ではクレゾールを添加する方
法が副生物抑制の為に有効であると提案されているが、
これらの方法では連続的あるいは間欠的に添加物を供給
する必要があること、及び製品中にそれらの物質が含ま
れてくるという点が不利益となる。次に、反応装置の形
状や操作条件によって副生物割合を抑制する方法のうち
で、特開昭48−57906の方法は二段法を用い、約
17チを高温法で行ない、残りを低温法で行っているの
で反応熱を有効利用できる割合が少ないこと及び反応装
置が大変複雑になるという欠点がある。
寸た特開昭48−405  においては、原料のエチレ
ンと塩素及び二塩化エタンの蒸気が形成する気泡の部分
において副反応がおこるという考え方が述べられており
、この考え方にもとづ−て液体反応媒質を熱交換器を有
する外部循環路と連結して循環させ、小さい気泡に分散
させる方法を提案している。また特公昭58−4648
9においても、液循環型の反応器を用いてエアーリフト
の原理による液循環を行うことによって、反応部分にお
ける二塩化エタン蒸気の気泡を少なく抑える方法を述べ
ている。また特公昭46−8868 では、原料ガスの
気泡を分散しでよく溶解させる為に充填物を装入する方
法を提案している。これら高温法における実施例をみる
と、いづれも反応温度として二塩化エタンの常圧におけ
る沸点すなわち83℃付近を対象としており、高温でも
110″Cまでである。反応熱を有効利用して省エネル
ギーを行う立場からは、反応温度が高は五ば高いほど有
効な熱利用ができるが、反応温度が高い場合には、二塩
化エタンの蒸気を直接に蒸留塔へ導いて二塩化エタン精
製のエネルギーとして用いる方法に限られることなく、
熱交換器を通して熱回収を行なうことによって、より有
利な熱利用ができる。しかしながら上記の従来の方法で
は、反応温度を、よシ高くすると1.1.2−1−リク
ロルエタンをはじめとする副生物が増加するので経済的
に不利益であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は、上記のような従来法の問題点を解決して
110℃以上の反応温度において副生物を抑制し、11
0℃以下においても従来法より反応収率の高い二塩化エ
タンの製造方法を完成することを目的として鋭意検討し
た結果、高次塩素化物の副生を抑制するためには、反応
液体媒質中に溶存する塩素濃度を低く、することが多大
の効果が奏されることを見出し本発明を完成した。
従来法では、反応液体媒質をみたした反応器の下部から
、塩素とエチレンとを導入する方法がとられており、塩
素が反応液体媒質忙急速に溶解し、エチレン気泡は浮力
によって上昇しながら徐々に溶解して反応するという状
態が形成される。従つ。
て塩素を供給する付近の°溶存塩素濃度は著しく高くな
るのである。溶存塩素濃度が高い状態で反応を行うと、
二塩化エタンの生成が速くなると同時に、それ以上に高
次塩素化反応が促進されるので副生物割合が増大する。
従来の低温法においては、溶存塩素濃度の最大値として
1000〜1ooo。
wtppmの状態で反応が行なわれていたが、高温法で
は、高次塩素化物の生成速度が大きくなるので、溶存塩
素濃度を1000 wt ppm 以下にすることが好
ましい。従来法のうち、特開昭48−405あるいは特
公昭58−46489などにおいて用いられている液循
環型の反応器を使うと、液の循環によって溶存塩素が希
釈されて濃度を低くすることができるが、この方法によ
って充分に溶存塩素濃度を低くするためには液の循環流
速を大きくすることが必要である。ところで液の循環流
速が大きくなると、エチレンや塩素が未反応のまま反応
器から排出される量が多くなるので不利である。また特
公昭46−8868の方法では、充填物を用いることに
よって気泡を細分化して速やかに溶解させているが、充
填物は液の混合を防げるので溶存塩素の濃度を低くする
ことができない。
本発明の着眼点は、塩素の供給を多段に分割することに
よって、従来の一ケ所から供給する場合に比べて、溶存
塩素濃度を低くすることができるといりことである。本
発明は、従来法に比べて溶存塩素濃度を著しく低くする
ことができ、それによって副生物を抑制する方法を提供
するものであり、110℃以上の高温反応を行っても副
生物割合が少ないという顕著な効果を奏することができ
る。
〔問題点を解決するだめの手段〕
すなわち、本発明は、二塩化エタンを主成分とする反応
液体媒質中でエチレンと塩素を反応させて二塩化エタン
を製造する方法において、塩素を導入する位置を、反応
器の高さ方向に、少くとも2ケ所以上設けて、それぞれ
の位置に塩素を分割して供給することを回収利用する二
塩化エタンの製造方法である。以下に詳細説明する。
反応液体媒質をみたした反応器の下の部分に、まず、第
1番目の塩素を導入する。第1番目の塩素量は、全供給
塩素量の1〜99%であり、好ま°シ<は20〜50%
の範囲にすることができる。
第2番目の塩素は、第1番目の塩素導入位置よりも上部
であって、第1番目に導入した塩素の大部分が反応して
溶存塩素濃度が低くなる位置に導入する。第2番目の塩
素導入位置は、溶存塩素の0度を測定して適切に定める
ことができるが、通常は第1番目に導入した塩素が反応
を開始してから20CrrL〜200α上部とすること
が好捷しい。塩素供給を8分割以上にする場合には、第
2番目の導入位置よりも上の位置に同様にして次々と導
入する。好捷しくけ2〜5分割にすることができる。
塩素を分割する比率は、はぼ等分に分割することができ
るが、溶存塩素濃度を測定して適切に定めることもでき
る。
エチレンの供給は、反応器の下部で、第2番目の塩素導
入位置よりも下に全量を供給する。第1番目の塩素導入
位置よりも上であって第2番目の塩素導入位置よりも下
であることが好ましいが、第1番目の塩素導入位置より
も下に供給することもできる。まだ、エチレンの一部分
を別の位置から供給することもできる。
各々の位置に分割された塩素は、多孔管式の吹込口など
を使って導入することができるが、この際、反応器の塔
径方向に対して複数の吹込管に分枝して導入することも
できる。
このような本発明による塩素の分割供給方法によって、
液体反応媒質中の溶存塩素濃度を低くすることができ、
高次塩素化物の副生を著しく抑制することができる。
本発明においてエチレンと塩素を反応器へ供給する量は
、各々、反応器の単位時面積当りにして1〜1000 
NCrd/cl/ secの範囲にすることができる。
反応器に供給する全エチレン量と全塩素量は、いずれか
一方を過剰にすることもできるが、過剰成分は未反応で
排出されて原料の損失となるか、あるいは未反応成分を
回収する設備を必要とするので、好ましくはエチレン/
塩素モル比として09〜1,2、更に好ましくは1.0
0〜1.01の範囲にすることができる。
本発明は、常温から180℃の温度範囲において反応を
行なうことができる。83℃以下の低温法の範囲におい
ては、反応器に熱交換器を設けて反応熱を除去しながら
反応を行なうことができるが、83℃以上で反応を行な
う場合には、反応液体媒質の蒸発によって反応熱を除去
することができ、前記の高温法による多くの利点を活用
することができる。反応器内部の圧力は、反応液体媒質
の上部液面部分が沸騰する圧力、あるいはそれ以上の圧
力であり、常圧〜10kg/crlGの範囲である。
本発明では、この反応の触媒として知られている金属塩
素化物を用いることができ、通常は塩化第二鉄を用いる
。反応液体媒質中に存在させる塩化第二鉄の濃度は1〜
5000wtppmの範囲にすることができるが、低温
法においては】O〜100wtppm、高温法において
は20〜700wtppmの範囲にすることが好ましい
。塩化第二鉄濃度が低すぎると1.1.2−1−リクロ
ルエタンの副生率が高くなる。
本発明においては、高次塩素化物の副生率を抑制するた
めに、供給原料とともに酸素を添加することができる。
酸素の量は、供給塩素量に対して0.1〜5%の範囲に
することができる。副生物を抑制する効果を大きくする
ためには酸素添加歇を多くすることが望ましいが、反応
器から排出されるガス中の酸素濃度が高くなると特別な
安全対策を行なう必要があるので、供給塩素量に対して
0.5〜2.0 %程度の酸素を添加することが好まし
い。
本発明に使用する反応器の形状は、通常の基型気泡塔反
応器、あるいはエアーリフト効果による液循環型の反応
器を用いることができる。液循環型の場合は、外部循環
式のループ型反応器や二重背型反応器を使うことができ
、この時は液の循環流速を10〜400CIrL/se
c 、好ましくは50〜150・crV′secの範囲
にすることができる。液循環流速が速い程、溶存塩素濃
度を低くすることができるが、流速が速すぎると未反応
成分が反応器から排出される量が多くなって不利である
。ループ型反応器を用いる場合には、液循環流路にバタ
フライ弁などの流量調節器を設けて好ましい流速に調節
することができる。液循環型反応器を用いる場合には、
反応器の上部塔径を大きくして、その部分の流速を小さ
くするか、あるいは反応器の下部のみが循環型になって
いるような形にすることによって、反応率を高くし未反
応成分が排出される量を少なくすることができる。液循
環型反応器では、液上外側を反応器として用いるが、本
発明の方法において分割して供給する塩素のうちで第1
番目に供給する塩素については、液下降側に導入するこ
とができる。液下降管の上部に塩素を導入する場合は、
塔底に比べて塩素吹込部分の圧力が液柱高さの分だけ低
い圧力で吹き込むことができる。
本発明で反応熱を有利に回収する為には、できるだけ高
い温度で反応を行なうことが望ましく、この時は反応器
内部の圧力を反応液体媒質の沸騰温度に応じて高い圧力
にする必要がある。このような圧力条件で塩素を反応器
へ導入するだめには、通常、塩素の圧力を高くするのに
エネルギーを必要とするので、塩素導入部分の圧力は少
しでも低い方が有利である。
本発明において、反応器へ供給するエチレンと塩素の量
を好1しく調節する方法としては、それぞれの供給流量
を検出して、その値の比率が好ましくなるように制御す
る方法を使うことができる。
この時の流量検出計として、通常のオリフィス流量計な
どを用いる場合には、±2チ程度の精度で制御すること
ができるが、それ以上の精度でエチレンと塩素の比率を
調節する方法として従来性なわれていたのは、反応液体
媒質中に溶存する塩素濃度を検出して、この値をあらか
じめ定めた値にするようにエチレンあるいは塩素の供給
量を微調節するという方法であった。本発明において±
2チ以上の精度でエチレンと塩素の比率を調節する場合
には、塩素濃度を検出値として用いる従来法では、塩素
の分割によって濃度が変化するので調節が容易ではない
。本発明の方法においては、未反応で反応器から排出さ
れるエチレン量を一出して、この値を好ましく保つよう
にエチレンあるいは塩素の流量を調節することによって
未反応成分損失の少ない有利な制御を精度高く行なうこ
とができる。未反応排出エチレン量は、未反応塩素が排
出しない程度に過剰にすることが望ましいが、未反応成
分損失を少なく抑えるように供給エチレン量に対して0
.5チ以下、好ましくは0.1%以下になるようにする
ことができる。
未反応排出エチレン量を検出するには、反応器塔頂から
排出されるガスを冷却して二塩化エタンを凝縮じた後の
非凝縮ガスを一定流量の窒素ガス等で希釈して、その中
に含まれるエチレンの濃度をガスクロマトグラフィある
いは赤外吸光分析法などによって測定することができる
本発明の方法を83℃以上の高温法で行う場合には、反
応熱によって蒸発した反応媒質蒸気を直接に蒸留塔に導
ひくことによって、米国特許第2929852号あるい
は英国特許第1281127号あるいは特公昭58−4
6489と同じ形態を用いて、二塩化エタンの精製を行
なうことができる。
本発明は、更に高温度の110〜180℃で反応するこ
とによって、従来法に比べて著しく有利な反応熱利用を
行なうことができる。すなわち、反応熱によって蒸発し
た反応媒質蒸気を熱交換器に導びいて、熱交換器を介し
て蒸気の凝縮熱をとり出し、より好ましい熱利用を行う
ことができる。
より好ましい熱利用方法のひとつは、塩化ビニルモノマ
ー製造の原料としての二塩化エタンを精製する場合にお
いて、特開昭55−89591に記載の蒸留方法を使っ
て、その蒸留塔のりボイラーの熱源として、本発明によ
る反応器から発生した反応媒質蒸気を用いる方法である
。この方法を用いる場合には二塩化エタン精製に費やす
熱エネルギー量が少ないこと及び塩化ビニルモノマー製
造の原料として好ましい四塩化炭素を含んだ二塩化エタ
ンが得られることなど特開昭55−89591の方法に
起因するすべての利点が得られる。このような有利な熱
利用を行なう為には、反応温度が110〜180℃の高
温であることが必要となるが、従来からの高温法はこの
ような高温度においては高次塩素化物の副生割合が増大
して不利になるのに対して、本発明によれば、このよう
な高温においても副生物割合を少なくすることができる
ので有利な熱利用が可能である。たとえば従来法によっ
て135℃で反応を行った場合には、0.6チ以上の1
.1.2−)!Jジクロルタンが副生しだが、本発明で
は同じ条件において1,1.2−トリクロルエタンの副
生は0.33%以下である。
本発明の具体的実施態様の一例を図面に基き説明する。
第1図は、基型反応器Aに二塩化エタン液を満たし、塔
底部の吹込管5からエチレンを供給し、塩素は吹込管1
.2.8.4の4ケ所に分割して供給する。反応熱によ
って発生した二塩化エタン蒸気は、導管6を通って熱交
換器Bにおいて液化して受器Cに入り、反応器へ還流さ
れるとともに一部は製品としてとり出される。第2図は
、液循環型反応器Aを用いて、塔底部の吹込管5からエ
チレンを供給する。塩素は吹込管1.2.8の3ケ所に
分割して供給する。反応熱によって発生した反応媒質蒸
気は導管6を通って、その一部は熱交換器Bに導かれて
液化すると同時に熱交換によって温水をつくり熱利用を
行ない、反応媒質蒸気の一部は、リボイラーEに導かれ
て液化すると同時に、精留塔りに熱を年えて熱の有効利
用を行なう。液化した反応媒質は受器Cから反応器Aへ
還流されると同時に、一部は製品としてとり出される。
〔発明の効果〕
以上のように本発明に従って塩素を分割供給した場合、
反応器における塩素濃度を低く保持して高次塩素化物の
副生を抑え、その結果、対エチレン収率を上げることが
できる。とくに副生物の生じやすい高温反応(とりわけ
110℃以上の反応)でも、本発明の方法によって副生
物を抑えつつ高温で操作できるため反応熱を生成二塩化
エタンの直接蒸留だけでなく、多用途に使用することが
でき、エネルギー利用の点できわめて効果的である。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例及び比較例をあげて更に詳細に説
明する。
実施例1 直径20CnL、高さ7mの円筒型反応器に液体反応媒
質として二塩化エタンを液面高さ6mtで入れて、塔底
に塩素を25Nc17Hr、それよりも20儂上の位置
にエチレンを50 NCI!/ Hr 、更に50の上
の位置に塩素を25 N 7718/ Hrとなるよう
に導入した。この時、反応器の排ガス中に未反応で抽出
されるエチレン量を検出してエチレン/塩素比率を制御
した。供給塩素中には1.5%の酸素が含まれていた。
反応液体媒質中には、触婢として塩化第二鉄が約500
wtppm存在するようにした。
反応温度は反応熱によって上昇し、−1一部液面が18
5 ”Cで沸騰して一定温度を保つように塔頂部分の圧
力を一定にした。この時の塔頂部圧力は約8、0 kg
 /crlにであった。反応熱によって蒸発した反応媒
質蒸気は、熱交換器で凝縮して液体とし、反応器の液面
高さが6mに保たれるように連続的に反応器へ還流する
とともに、残りは製品として連続的にとり出した。
以上の操作を続けて、系内の組成が定常状態になるよう
にし、40時間後の製品を採収して組成を分析したとこ
ろ、以下の通りの結果を得た。
1.1.2−)ジクロルエタン  0.328wtチI
J、2.2−テトラクロルエタン  0.010//エ
チルクロライド      0.011//その他副生
物        0.02   //二塩化エタン 
        残分 エチレンの反応率は99.9%以上であり、エチレン基
準の二塩化エタンへの選択性は99.68%であった。
1,1.2−)!Iクロルエタンの副生率は0.828
%と低かった。
比較例1 実施例1と同じ反応器において、塔底に塩素を5ONm
ll/hr、それよりも20Cr/L上の位置にエチレ
ンを5ONm″/hr導入し、その他の条件については
、実施例1と同じように反応を行った時の製品組成は以
下の通りであった。
1.1.2−)ジクロルエタン  0.659wt%1
、1.2.2−テトラクロルエタン  0.015’/
エチルクロライド      0゜014 〃その他副
生物        0.08   //二塩化エタン
        残分 エチレンの反応率は99.9%以上であり、二塩化エタ
ンへの選択性は99.28%であった。■、1゜2−ト
リクロルエタンの副生率は0.659%と実7強例1よ
り多かった。
実施例2 直径20crnの円管によるループ型の反応器に、二塩
化エタン液を液面高さ6mまで入れて、腋下。
節管側の塔底より80crrL高い位置に塩素を25N
mソ■、液上昇管側の塔底部分にエチレンを5ONm8
/Hr、エチレンよりも70儂高い位置に塩素を25N
TrL″/4(rとなるように導入した。供給塩素中の
酸素量は約1%であった。反応器下部の液下降管と液上
外管との連結部分に設けたバタフライ弁を使って、液の
流速が100 cm/ sec程度になるように調節し
た。
反応温度は130℃で、塔頂圧力を2.651C9/C
dGとして、その他の条件は実施例1と同じにして反応
を行なったときの製品組成は、次の通りであった。
1、1.2−トリクロルエタン  0.210wt%1
、1.2.2−テトラクロルエタン   0.008 
 //エチルクロライド      o、oio  〃
その他側生物        0.02   //二塩
化エタン        残分 エチレンの反応率は99.9%以−にであり、二塩化エ
タンへの選択性は99.75%であった。
実施例8 実施例2と同じ反応器において、腋下降管側の塔底よシ
80鑞高い位置に塩素18 Ny”/ Hr 、液上昇
管側の塔底部分にエチレンを5ON@”/Hr。
エチレンよりも50cIrL高い位置に塩素を17 N
 yc”/Hr 。
サラニソレヨりも50crIL高い位置に塩素を15 
N771’/Hr  −となるように導入した。その他
の条件拠ついては実施例2と同じにして反応を行った時
の製品組成は以下のようであった。
1.1.2−)リクロルエタン  0.145wt%1
、1.2.2−テトラクロルエタン   0.002 
 //エチルクロライド      0.010//そ
の他側生物        0.02   //二塩化
エタン        残分 エチレンの反応率は999チ以上であり、二塩化エタン
への選択性は99.82%であった。
比較例2 実施例2及び3と同じ反応器において、腋下降管側の塔
底よりsom高い位置に塩素を50 N7717Hr、
液上昇管側の塔底部分にエチレンを50 NrrL”/
 Hrとなるように導入して、その他の条件については
実施例2及び8と同じにして反応を行なった時の製品組
成は以下のようであった。
1.1.2−)リクロルエタン  0.440wt%1
、 l、 2.2−テトラクロルエタン  0.020
  ttエチルクロライド      0.021//
その他側生物        0.08   //二塩
化エタン        残分 エチレンの反応率は99.9%以上であり、二塩化エタ
ンへの選択性は99.49%であった。■、l。
2−トリクロルエタンの副生率は0.44%と実施例2
及び3の場合より高かった。
実施例4 実施例2と同じ反応器を用いて、二塩化エタン液中の塩
化第2鉄濃度を100wtppmとして、実施例2と同
じように塩素を2分割して導入した。
液の流速は200crIL/SeC程度に調節した。液
下降管の外側に冷却水ジャケットを設けて冷却水の流量
を調節することによって反応温度を60℃程度に保った
。反応器塔頂の圧力は1kg/cIIIGとした。
反応によって生成しk=塩化エタンは反応器塔頂からオ
ーバーフローさせて製品として去り出した。
塩化第二鉄を8000wtppm溶解した二塩化エタン
液を定量ポンプで反応器に供給して反応器中の塩化第二
鉄濃度を一定に保った。反応を30時間以上行って定常
になってから製品の組成を分析した結果は次の通りであ
る。
1.1.2−トリクロルエタン  0.082wt%エ
チルクロライド      o、oio  〃その他側
生物        0−04   tt二塩化エタン
        残分 この時の二塩化エタンへの選択性は99.92%である
比較例3 塩素を分割することなく腋下降管側に5ONWLll/
Hr導入し、その他の条件については実施例4と同じに
反応を行なった時の製品組成は、次の通りであった。
1.1.2−トリクロルエタン  0.058wt%エ
チルクロライド 鳴     0.012wtq6その
他側生物        0.04   //二塩化エ
タン        残分 この時の二塩化エタンへの選択性は99.89%である
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を説明するための二塩化エ
タン製造装置の概略図、第2図は、本発明の別の実施例
の概略図である。 A・・反応器、    B・熱交換器、C・・受器、 
    D・・精留塔、E リボイラー、  け)〜1
4.・−塩素導入管、(5ニドエチレン導入管、(6〜
(9)・・・配管。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)二塩化エタン等の塩素化炭化水素を主成分とする
    液体反応媒質中でエチレンと塩素を反応させて二塩化エ
    タンを製造する方法において、塩素を導入する位置を、
    反応容器の高さ方向に、少くとも2ケ所以上設けて、そ
    れぞれの位置に塩素を分割して供給することを特徴とす
    る二塩化エタンの製造方法。
  2. (2)反応温度が83℃から160℃の範囲で液体反応
    媒質が沸騰する状態あるいは、それ以上の圧力水準に維
    持されている特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. (3)液体反応媒質中に塩化第2鉄を含む特許請求の範
    囲第1項記載の方法。
  4. (4)供給する塩素に酸素を添加する特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  5. (5)反応液体媒質の蒸発によつて反応熱を除去し、発
    生した反応媒質蒸気を直接蒸留塔に導びいて蒸留するか
    、あるいは、間接的に熱交換器を通し蒸気の潜熱を回収
    利用する特許請求の範囲第2項記載の方法。
  6. (6)反応器から未反応で排出されるエチレンの量を検
    出し、モニターしながらエチレンの全供給量と塩素の全
    供給量との比率を制御する特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  7. (7)液循環型の反応器において、液の循環量を調節す
    る弁を使つて10〜400cm/secの範囲で調節す
    る特許請求の範囲第1項もしくは第6項記載の方法。
  8. (8)エチレンと塩素の供給位置が、反応器の下部から
    塩素・エチレン・塩素の順序になるようにエチレンを下
    から2番目の位置に導入する特許請求の範囲第1項記載
    の方法。
  9. (9)上部の塔径が下部に比べて大きい反応器を使用す
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
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Cited By (3)

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