JPS6128583A - 潤滑油基油精製プロセスに於ける溶剤脱ろう処理工程の機器の腐食を抑制する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は１石油系潤滑油基油製造用の溶剤抽出工程に於
ける溶剤回収装置の運転方法に関する。

〔従来技術〕

従来より、石油系潤滑油基油は、原油の減圧蒸留残渣油
を、アスファルト成分を除去するための脱ぎ処理、ろう
分を除去するための脱ろう処理、ナフテン、高沸点芳香
族成分等を除去するための溶剤抽出処理、微量の不安定
成分を水素化して安定化させるための水素化処理、更に
は減圧再蒸留処理等の各種の精製処理工程を経て製造さ
れている。

潤滑油基油は、一般に被処理油（以下、原料油と略）を
溶剤脱ろう処理（以下、脱ろう処理と略）した後に溶剤
抽出装置へ送り、フルフシールに代表される客種抽出溶
剤を用いて潤滑油に好ましくないナフテン、高沸点芳香
族成分等の可溶油成分（以下、エキストラクトと略）を
抽出して精製されている。このような順序の精製処理工
程の場合には、溶剤抽出工程での原料油には、先に実施
される脱ろう処理工程から、トルエンに代表される脱ろ
う処理用溶剤（以下、トルエン等と略）が若干量混入し
た状態で送られてくる。

溶剤抽出工程に於いては、原料油は、抽出塔内で抽出溶
剤と混合、向流接触、比重差分離され、更に脱溶剤工程
を経て精製油となる。溶剤抽出工程で使用され比重差分
離された抽出溶剤中には、エキストラクトが含まれてい
るが、同時にトルエン等も混入している。

この溶剤抽出工程で使用された抽出溶剤は、溶剤回収工
程に送られ、ストリッパーで水蒸気によりエキストラク
トと分離処理される。しかし、トルエン等および少量の
軽質油分は、エキストラクトとして分離されずに抽出溶
剤成分と共に回収溶剤のレ、レシーバーへ導かれる。該
レ、レシーバー中では、最下層に含水溶剤、中層に含溶
剤水、上層にはトルエン等と軽質油分との混合油分の層
状態で貯留される。

レ、レシーバー最下層の含水溶剤は、そのまま分別抜出
しして溶剤系へ戻して抽出溶剤として再使用され、中層
の含溶剤水は、後段のフルフラールストリッパーで共沸
させて余剰の水分を分離した後、同様に溶剤系へ戻され
る。

一方、上層の若干のフルフラールの混入し゛た軽質油分
およびトルエン等は、中層の含溶剤水とは分別して別の
貯槽にとり、これを水洗してフルフラールを水相に抽出
し、残存する軽質油分およびトルエン等として回収し、
これを脱ろう処理工程に返送するのが一般的であった。

しかしながらこの返送成分中に残存する微量のフルフラ
ールが脱ろう処理工程に同伴して行くため、脱ろう処理
工程内に徐々にフルフラールが蓄積されていた。フルフ
ラールは酸素の存在下で劣化しやすいため。

このようにして脱ろう処理工程内に蓄積したフルフラー
ルが劣化し、脱ろう処理工程の機器を腐蝕させるという
問題を発生しやすかった。

また、従来の通常の溶剤抽出工程に於いては、トルエン
等を排出する手段が付設されていないので、上記のよう
にしてトルエン等を分別して抜き出さないと溶剤抽出工
程内に次第にトルエン等が蓄積される。この結果、この
トルエン等の作用によりレ、レシーバーの上層および中
層中に軽質油分のエマルジョンが形成され、中層の含溶
剤水中に軽質油分が混入してフルフラールの回収上に問
題が生じた。すなわち、中層の含溶剤水は、例えばフル
フラールストリッパーへ送られ、ここでフルフラールが
共沸除去され、水分はこのストリッパーの底部から排水
として排出されるが、含溶剤水が油分をエマルジョンと
して同伴している場合には、底部からの排水にエマルジ
ョンが混入して油性排水処理の問題が生じた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、石油系潤滑油基油製造用の溶剤抽出工
程での装置運転に起因する上記問題点。

すなわち、脱ろう処理工程での機器の腐蝕、およびフル
フラールストリッパーの底部からの油性排水処理の問題
を解決する溶剤回収装置の経済的な運転方法を提供する
ことにある。

〔発明の構成〕

すなわち本発明の潤滑油基油精製プロセスに於ける溶剤
抽出処理工程の運転方法は、溶剤脱ろう処理工程、溶剤
抽出処理工程の順の精製処理工程を有する潤滑油基油精
製プロセスに於いて、該溶剤抽出処理工程内でのスチー
ムストリッピング塔による抽出溶剤の回収の際に、該ス
チームストリッピング塔から抽出溶剤と５−共に留出し
、レ、レシーバー内で比重差分離される前記溶剤脱ろう
処理工程で使用した脱ろう溶剤を含有する油性留分を、
該スチームストリッピング塔に還流液として導入する過
程と、該油性留分を温水と複数段以上接触させて該油性
留分内に含有されている抽出溶剤を除去した後に前記溶
剤脱ろう処理工程へ５返送する過程と、を有することを
特徴とする。

〔発明を実施するための好適な態様〕

先ず、第１図参照しつつ、本発明の運転方法の適用され
る石油系潤滑油基油製造用の溶剤抽出工程のプロセスに
つき簡略に説明する。

溶剤脱ろう処理工程での処理された原料油は、脱気処理
された後、抽出塔ｌへ導かれ、該抽出塔内で抽出溶剤（
フルフラール）と混合、向流接触させた後、比重差分離
して蒸留段＠２へ導かれ、ここで少量の同伴した抽出溶
剤を分離除去して精製油となる。

一方、抽出塔ｌでエキストラクトを抽出し比重差分離さ
れた抽出溶剤は、溶剤回収工程に送られ、水蒸気により
ストリッパー３でエキストラクトと分離処理されが、ト
ルエン等と少量の軽質油分は、エキストラクトとして分
離されずに抽出溶剤と共に回収溶剤レ、レシーバー４へ
導かれる。レ、レシーバー４内では、最下層に含水溶剤
、中層に含溶剤水、上層にはトルエン等および少量の軽
質油分を含有する混合油分（以下、混合油分と略）の層
状態で分離される。

レ、レシーバー４の最下層の含水溶剤は、そのまま分別
抜出し、して溶剤系へ戻され、中層の含溶剤水は、フル
フラ」ルストリッパー５へ導かれここで共沸させて余剰
の水分を分離した後、溶剤系へ戻される。また、上層の
若干のフルフラールの混入した混合油分は、貯槽６に貯
蔵し、これを洗浄槽７で水洗してフルフラールを水相に
抽出し、残存する混合油分を脱ろう処理工程に返送する
。

このような石油系潤滑油基油製造用の溶剤抽出工程に於
いて、上記混合油分中の軽質油分の濃度が高くなり、ま
たその量が多くなると、前述したようにフルフラールス
トリッパー５で油性排水処理の問題が生じるため、混合
油分は可及的速やかに脱ろう処理工程に返送することが
望ましい、しかし、混合油分中にフルフラールが比較的
高い濃度で混入した状態のまま返送すると、脱ろう処理
工程の機器を腐蝕させるので好ましくないことを先に説
明した。

脱ろう処理工程にフルフラールｋを混入させないように
するためには、溶剤抽出工程にトルエン等を独自に排、
出する手段を設置するのが最適であるが、このような設
備を設けるのは設備投資が太きくなり経済的ではない０
通常の溶剤抽出工程には、このような排出手段が付設さ
れていないので、溶剤抽出工程内のトルエン等の蓄積を
防止するために、上記のように混合油分を脱ろう処理工
程に返送する必要がある。

この脱ろう処理工程に返送する混合油分中のフルフラー
ルの濃度をできるだけ少なくするためには、洗浄槽７で
の水洗先、温水、好ましくは５０℃程度以上の温水を使
用し、一度の洗浄に時間をかけ、複数段繰り返して実施
すればよいことが判明した。すなわち、フルフラールは
２０〜３０℃での水への溶解度は８〜９重量％であるが
、５０℃では１０重量％、８０℃では１４重量％もの溶
解度を示し、温度の上昇に伴ないその溶解度はかなり上
昇する。

実際に洗浄槽７へ混合油分中のフルフラール濃度が１２
．２重量％の混合油分を供−し、混合油分とほぼ同量の
温水および蒸気を供給して約８０℃での温水洗浄処理を
実施し、静置後に洗浄温水を分離除去する操作を５回繰
り返すと、後述する実施例に示されるよう被処理後の混
合油分中のフルフラールの濃度は約０．１重量％未満ま
で低下し、脱ろう処理工程に返送しても特に悪影響の生
じない程度までフルフラール濃度が低減できた。

このような混合油分の十分な洗浄処理を実施するために
は、洗浄槽７を大きな容量のものとして設けるか複数個
設け、上記のように多大なエネルギーを使用して処理を
実施すればよい、しかし、このような処理法は設備投資
、更にはエネルギー消費が大きくなるため経済的ではな
い。

そこで、貯槽６に貯留した混合油分の一部をストリッパ
ー３のリフラックスラインからストリッパー３へ導入す
る方法について検討した。その結果、リフラックスライ
ンからストリッパー３へ導入された混合油分中の軽質油
分のかなりの部分が、ストリッパー３の塔底からエキス
トラクトに含有されて排出されるようになることが判明
した。混合油分をリフラックスラインへ導入するので、
抽出溶剤とともにレ、レシーバー４へ導かれるレ、レシ
ーバー４の上層の混合油分の生成量は、やや増加するも
のの、この混合油分中の軽質油成分の割合は相対的に減
少した。これに伴ない、油性エマルジョン、殊にレ、レ
シーバー４内の中層のフルフラールストリッパー５へ導
かれる含溶剤水中の油性エマルジョンの量も減少した。

これによって、フルフラールストリッパー５での油性排
水処理の問題を軽減することが可能となった。

また、貯槽６へ貯えられた混合油分のかなりの量がリフ
ラックスラインへ放出されるため、結果的に貯槽６へ貯
えらる混合油分の量が減少した。

このため、脱ろう処理工程に混合油分を返送する前に、
洗浄槽７での混合油分の十分な水洗処理が設備的にも、
更には少ない運転コストで実施すること可能となり、ト
ルエン等を主成分とする洗浄処理後の返送混合油分中の
フルフラールの濃度を最小限まで低下させることができ
、脱ろう処理工程でのフルフラールによる機器の腐蝕の
問題を解決することが可能となった。

通常、エキストラクトを抽出した抽出溶剤は、ストリッ
パー３へ連続的に導入されて運転されるが、そのリフラ
ックスラインへ導入する上記混合油分は、必ずしも連続
的に導入する必要はなく、間欠的に導入してもよい０通
常、原料油が軽質のもの（例えば７０ペール材）よりも
重質油（例えば５ＥＡ２０　、３０など）を処理する場
合の方が、混合油分の抽出は遥かに少ないことがわかっ
ているので、貯槽６に貯留していた混合油分をリフラッ
クスラインへ導入するのは、例えば後者を処理するとき
にのみ実施するのも適当な方法である。

〔本発明の効果〕

本発明の溶剤回収装置の運転方法を実施す、ることによ
り、特に多大なエネルギーを消費することなく、返送混
合油分中のフルフラールの濃度を最小限まで低下させる
ことができ、脱ろう処理工程でのフルフラールによる機
器の腐蝕の問題が解決された。また、レ、レシーバー上
層の混合油分中の軽質油成分の割合が減少したので、含
溶剤水中の油性エマルジョンの量も減少し、フルフラー
ルストリッパーでの油性排水処理の問題を軽減すること
ができた。

実施例１ トルエンを溶剤として使用する溶剤脱ろう処理に引き続
く第１図に示した潤滑油基油精製プロセスに於ける溶剤
抽出処理工程内での抽出溶剤の回収の際に、スチームス
トリッピング塔から抽出溶剤と共に留出したレ、レシー
バー上層の混合油分で峠槽に貯留させていた３ＫＪを、
容量１１Ｋｊの洗浄槽へ移行させた。この洗浄槽へ８５
℃の温水３Ｋｊを加えた後、ＩＫのスチームを０．１ｔ
／ｈｒの割合で３時間吹き込み、撹拌すると同時に温度
を８０℃まで上昇させ、その後下層のフルフラールを含
有する洗浄温水を分離除去した。この操作を５回繰り返
すと、被処理後の混合油分中のフルフラールの濃度は０
．１重量％未満まで低下した。被処理混合油分中の処理
前および処理後のフルフラールの濃度を第１表に示した
。

実施例２ 実施例１と同じ潤滑油基油精製プロセスに於ける溶剤抽
出処理工程内で、抽出溶剤の回収用のスチームストリッ
ピング塔へ、抽出塔からの抽出溶剤を３．０に１／ｈｒ
で供給し、塔頂温度８０℃、塔底温度１３５℃、環流比
２．５の条件で運転を実施した。

このときの塔頂から抽出溶剤と共に留出し、゛レシーバ
ーで上層液として比重差分離される混合油分は、０．０
２Ｋｊ／ｈｒであった。この混合油分は貯槽へ貯留した
０次にこのスチームストリッピング塔のりフラックスラ
インへ上記比重差分離された混合油分を貯槽から１．８
Ｋｊ／ｈｒで導入した。なお。

この混合油分のりフラックスラインへの供給に伴ない、
リフラックス用として導入していたフルフラールについ
てはストリッパーの熱収支に応じて減少させた。この結
果、レ、レシーバーで上層液として比重差分離される混
合油分は、０．２０Ｋｊ／ｈｒへ増加したが、リフラッ
クスラインへ供給した混合油分の８０％程度の量が、塔
底からのエキストラクト、レ、レシーバーでの中層液あ
るいは下層液へ移行し、貯槽に貯留させる混合油分の量
を大幅に削減することが可能となった。

混合油分をリフラックスラインへ導入する前後の混合油
分中の軽質油分の割合と性状を第２表に示した。

【図面の簡単な説明】

第１図は１本発明の運転方法の適用される石油系潤滑油
基油製造用の溶剤抽出工程の一例を示すフローチャート
である。 １：抽出塔　　　　　２：蒸留設備 ３ニストリッパ−４ニレシーバー ５：フルフラールストリッパー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）溶剤脱ろう処理工程、溶剤抽出処理工程の順の精製
   処理工程を有する潤滑油基油精製プロセスに於いて、該
   溶剤抽出処理工程内でのスチームストリッピング塔によ
   る抽出溶剤の回収の際に、該スチームストリッピング塔
   から抽出溶剤と共に留出レ、レシーバー内で比重差分離
   される前記溶剤脱ろう処理工程で使用した脱ろう溶剤を
   含有する油性留分を、該スチームストリッピング塔に還
   流液として導入する過程と、該油性留分を温水と複数段
   以上接触させて該油性留分内に含有されている抽出溶剤
   を除去した後に前記溶剤脱ろう処理工程へ返送する過程
   とを有することを特徴とする潤滑油基油精製プロセスに
   於ける溶剤抽出処理工程の運転方法。 ２）前記溶剤脱ろう処理工程で使用する溶剤がトルエン
   を主成分とするものであり、前記溶剤抽出処理工程で使
   用する溶剤がフルフラールを主成分とするものである特
   許請求の範囲第１項記載の運転方法。