JPS6128436Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、複数台または１台の現用送信機と
それらに対する共通予備送信機から成る送信系に
おいて、任意の現用送信機から共通予備送信機へ
動作切替を行なうことのできる送信系切替装置に
関するものである。

第１図は、この種の従来の送信系切替装置の構
成を示す回路図である。同図において、１，１
ａ，１ｂはそれぞれ周波数f₁，f₂，f₃の現用空中
線であり、１ｃは、共通予備用の多周波多機能で
あり、２，２ａ，２ｂはそれぞれ周波数f₁，f₂，
f₃の現用送信機であり、２ｃはf₁，f₂，f₃の何れの
周波数においても動作しうる予備送信機であり、
４は、同軸形切替器３乃至３ｃにより構成される
切替装置であり、５はダミーである。ここで、同
軸形切替器は、第２図に示す如く、通常、ポート
ＡとＢ、ＣとＤの間がそれぞれ実線で示した如く
導通している状態にあつたとすると、切替制御装
置の印加により、ポートＢとＣ、ＡとＤの間がそ
れぞれ点線で示した如く導通する状態に、（又は
その逆に）切替わる構造を有しているものであ
る。

さて、第１図に示す従来の切替装置４では、現
用空中線用同軸形切替器３，３ａ，３ｂに１個の
予備空中線用同軸形切替器３ｃを加えて、予備送
信機２ｃを１面の予備空中線１ｃに自動切替する
構成であつたため、予備送信機１ｃは多周波数を
放射する必要があり、このため予備送信機１ｃは
無指向性の広帯域形空中線（たとえばモノコーン
形）が使用され、故に予備送信機に切替えた場
合、特定方向の空中線利得が共振形の現用空中線
１，１ａ，１ｂに比較して小さいという欠点があ
つた。

この考案は、上述のような従来技術の欠点を除
去するためになされたものであり、従つてこの考
案の目的は、予備空中線に切替えた場合、特定方
向の空中線利得が現用空中線の場合より小さいと
いう問題を解決できる送信系切替装置を提共する
ことにある。

この考案の構成の要点は現用および共通予備の
送信機に対する共通大電力ダミーと、ｎ個の４ポ
ート切替器により構成されたｎ行１列のマトリツ
クス切替網と、一つのポートが接地された４ポー
ト切替器ｎ個とから帯成り、前記マトリツクス切
替網のｎ行の一方の端子に前記ｎ台の現用送信機
をそれぞれ接続し、また該切替網のｎ行の他方の
端子には、一つのポートが接地された前記４ポー
ト切替器を介して、現用および予備の各空中線を
切替可能に接続し、前記マトリツクス切替網の１
列の一方の端子には前記共通大電力ダミーを、ま
た他の端子には、前記予備送信機を接続した点に
ある。

次に図を参照してこの考案の一実施例を説明す
る。

第３図は、この考案の一実施例を示す回路構成
図である。同図において、予備空中線１′，１
a′，１b′はそれぞれ現用空中線１，１ａ，１ｂと
同じ指向特性をもつ空中線である。切替装置６
は、空中線切替装置６ａとマトリツクス切替網６
ｂとダミー５から構成されている。

今、現用送信機２と現用空中線１から成る送信
系と障害が発生したとすると、切替装置６におけ
るマトリツクス切替網６ｂと空中線切替装置６ａ
が機構して、予備送信機２ｃと予備空中線１′が
操作を開始することができる。他の現用送信機と
現用空中線に障害が起きた場合も同様である。こ
の場合、予備空中線は、それまで動作していた現
用空中線と同じ指向特性をもつものであるため、
従来技術でみられた、空中線利得が特定方向で小
さくなるという問題は解決できる。

第４図イは、第３図におけるマトリツクス切替
網６ｂの具体例を示す回路図であり、３個の４ポ
ート切替器により構成されており、第４図ロは、
空中線切替装置６ａの具体例を示す回路図であ
り、一つのポートが接地された４ポート切替器３
個から成つている。何れの回路図も、第２図を参
照して説明した如き同軸形切替器を用いて構成さ
れているので、その動作の態様は、改めて説明す
るまででもないであろう。

以上説明したように、この考案による送信系切
替装置によれば、現用空中線数と同じ面数の予備
空中線を予備送信機に自動切替できる構成である
ため、予備空中線に現用空中線と等しい空中線指
向特性及び利得をもたせておけば、従来技術の欠
点を除去できる利点があり、空中線配置及び設計
の自由度は従来技術のそれより大きくなるという
利点もある。

これらのことからこの考案の応用分野として
は、船舶を対象とする短波印刷電信回線のよう
に、船舶の航路を考慮して現用空中線を展張する
場合が考えられ、この場合、予備空中線について
も空中線指向特性を指定海域に合わせることがで
き、必要ならばより利得が大きいビーム形空中線
を使用できるため、短波帯の空中線設計が極めて
容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の送信系切替装置の構成を示す
回路図、第２図は、同軸形切替器の切替動作を説
明するための動作説明図、第３図は、この考案一
実施例を示す回路構成図、第４図イは、第３図に
おけるマトリツクス切替網６ｂの具体例を、第４
図ロは、同じく空中線切替装置６ａの具体例を、
それぞれ示す回路図、である。 図において、１，１ａ，１ｂはそれぞれ現用空
中線、１ｃは共通予備空中線、１′，１a′，１
b′はそれぞれ予備空中線、２，２ａ，２ｂはそれ
ぞれ現用送信機、２ｃは共通予備送信機、３，３
ａ，３ｂ，３ｃはそれぞれ同軸形切替器、４は切
替装置、５はダミー、６は切替装置、６ａは空中
線切替装置、６ｂはマトリツクス切替網、を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ｎ台（但しｎは任意の整数）の現用送信機と、
   それら送信機にそれぞれ属するｎ基の現用空中線
   と、該現用空中線のそれぞれに対応するｎ基の予
   備空中線と、共通予備空中線から成る送信系にお
   いて、現用送信機とそれに属する現用空中線の任
   意の一組から共通予備送信機と該現用空中線に対
   応する予備空中線の組合せへ動作初替を行なうこ
   とのできる送信系切替装置であつて、前記現用お
   よび共通予備の送信機に対する共通大電力ダミー
   と、ｎ個の４ポート切替器により構成されたｎ行
   １列のマトリツクス切替網と、一つのポートが接
   地された４ポート切替器ｎ個とから成り、前記マ
   トリツクス切替網のｎ行の一方の端子に前記ｎ台
   の現用送信機をそれぞれ接続し、また該切替網の
   ｎ行の端子には、一つのポートが接地された前記
   ４ポート切替器を介して、現用および予備の各空
   中線を切替可能に接続し、前記マトリツクス切替
   網の１列の一方の端子には前記共通大電力ダミー
   を、また他の端子には、前記予備送信機を接続し
   たことを特徴とする送信系切替装置。