JPS6127969B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、編組シールド線やバラ平行シールド
線を有した同軸ケーブルの端末処理装置に関する
ものである。

従来、編組シールド線やバラ平行シールド線を
有した同軸ケーブルをコネクタ等へ結線するに際
して、その端末を剥離および切断除去処理する方
法としては、適当なストリツパー等を用いてジヤ
ケツト部の端末部を切断除去して、露出したシー
ルド線の端末部を切断刃との相対的回転移動によ
つて切断除去するのが一般的であつた。しかし、
このような従来方法では、どうしても、シールド
線の切断に際して、ケーブルの内部誘電体にその
切断刃によつて傷が付けられ易い傾向があつた。
また、その切断作業も熟練者が非常に注意深く行
なわなければならないので、多数のケーブルの端
末を処理するのにどうしても長い時間がかかつて
しまつていた。

本発明の目的は、このような従来技術の欠点に
かんがみて、非常に簡単な操作でしかも内部誘電
体を傷付けてしまうおそれの全くないような同軸
ケーブルの端末処理装置を提供することである。

次に、添付図面に基づいて本発明の実施例につ
いて本発明を詳細に説明する。

第１図及び第２図は、本発明の同軸ケーブル端
末処理装置の一実施例の平面図及び一部断面側面
図である。この同軸ケーブル端末処理装置は、主
として、基台１と、この基台１上に取り付けられ
たケーブル案内部２、カツタ３、ノズル−内部誘
電体案内−カツタ受け部材４、圧縮空気供給及び
支持ブロツク５及びエアシリンダ６とを備えてい
る。ケーブル案内部２の中央には、端末を剥離お
よび切断除去すべき同軸ケーブルを挿通させてこ
れを案内しうる案内開孔２１が形成されている。
カツタ３には、ケーブル案内部２の案内開孔２１
と軸方向において整列した位置に、同軸ケーブル
の端末部を挿通させうる開口３１が形成されてい
る。開口３１の外側周縁は、後述するようにし
て、同軸ケーブルのシールド線を切断するための
切断刃３２となつている。このカツタ３は、圧縮
空気供給及び支持ブロツク５の両側に設けられた
貫通孔を通して延び連結体８１を介してエアシリ
ンダ６のピストンロツド８に接続されたカツタ作
動腕７に遊動的に支持されている。カツタ作動腕
７の先端にはフランジ７２が設けられ、カツタ作
動腕７を取り巻くようにして偏移ばね７１が支持
ブロツク５とカツタ３との間に設けられている。
通常状態において、カツタ３は、偏移ばね７１に
よつてカツタ作動腕７のフランジ７２の方へ押し
付けられていて且つ第１図及び第２図に示すよう
な位置に、ノズル−内部誘電体案内−カツタ受け
部材４から離されている。適当な圧縮空気供給源
（図示していない）からエアシリンダ６へ圧縮空
気を供給すると、ピストンロツド８が矢印Ｂの方
向に移動され、従つて、連結体８１、カツタ作動
腕７及びカツタ３も偏移ばね７１の偏移力に抗し
て同時に移動される。こうして、カツタ３は、ノ
ズル−内部誘電体案内−カツタ受け部材４の方へ
移動させられるようになつている。

ノズル−内部誘電体案内−カツタ受け部材４
は、支持ブロツク５に固定支持されており、ケー
ブル案内部２の案内部開孔３１及びカツタ３の開
口３１と軸方向において整列した位置に、適当な
圧縮空気供給源（図示していない）から圧縮空気
供給口５１を通して供給される圧縮空気を吹き出
すためのノズル開口４１を有している。このノズ
ル開口４１は、後述するように、処理すべき同軸
ケーブルの内部誘電体部分を受け入れてこれを案
内する働きもするものである。更に、このノズル
−内部誘電体案内−カツタ受け部材４の外周は、
大体において円錐状とされていて、その中間部周
囲には、カツタ３の切断刃３２と協働して同軸ケ
ーブルのシールド線を切断するためのカツタ受け
段部４２が形成されている。

次に、このような同軸ケーブル端末処理装置を
使用して同軸ケーブルの端末を剥離および切断除
去する方法について、第３図から第８図を参照し
て工程順に説明していく。第３図から第８図は、
理解し易くするため、第１図及び第２図の装置の
ケーブル案内部２、カツタ３及びノズル−内部誘
電体案内−カツタ受け部材４の部分のみを拡大し
て概略的に示しているものである。

先ず、第３図の右側に示すように、端末処理す
べき同軸ケーブル１０の端末の所定長さｌに亘つ
て、通常のストリツパー等を用いてジヤケツト部
１１を切断除去してシールド線１２を露出させた
状態とする。同軸ケーブル端末処理装置は、エア
シリンダ６が不作動状態とされていて、カツタ３
は、ノズル−内部誘電体案内−カツタ受け部材４
から離れた後退位置にある状態とされている。こ
のような状態の装置に対して、第４図に示すよう
に、シールド線１２を露出させた同軸ケーブル１
０の端末部を、ケーブル案内部２の案内開孔２
１、カツタ３の開口３１へ通していき、ケーブル
先端がノズル−内部誘電体案内−カツタ受け部材
４の先端の所で止めるようにする。

次に、圧縮空気源の適当な制御弁を制御して、
圧縮空気がノズル開口４１から吹き出されるよう
にする。こうすると、第５図に示すように、矢印
Ａの方向に吹き込まれた圧縮空気がノズル開口４
１を通して噴射され、この空気噴射によつて、こ
の実施例ではバラ平行線であるシールド線１２が
内部誘電体１３に対して外方へ放射状に吹き分け
られる。このようにシールド線１２が放射状に吹
き分けられた状態で、同軸ケーブル１０を更に、
第６図に示すように、その内部誘電体１３がノズ
ル開口４１内へ入り、シールド線１２がノズル−
内部誘電体−カツタ受へ部材４の円錐状外周上に
くるようにして、ジヤケツト部１１の切断縁面が
そのノズル−内部誘電体−カツタ受け部材４の先
端のところにくるまで、押し込んでいく。この
時、重要なことは、ノズル開口４１からの噴射空
気の圧力と流量が、シールド線１２を十分外方へ
放射状に吹き分けるが、内部誘電体１３及び心線
を偏向させてしまわないようなものに選定してお
くことである。次に、制御弁を制御して、圧縮空
気源からのノズル開口４１への圧縮空気の供給を
停止し、更に、エアシリンダ６へ圧縮空気を供給
すると、カツタ３は偏移ばね７１（第１図参照）
の偏移力に抗して、ノズル−内部誘電体案内−カ
ツタ受け部材４の方へ、第７図に矢印Ｂで示すよ
うに、移動させられる。このようなカツタ３のシ
ールド線切断位置において、シールド線１２はカ
ツタ３とノズル−内部誘電体案内−カツタ受け部
材４との間にはさみ込まれ、カツタ３の切断刃３
２とノズル−内部誘電体案内−カツタ受け部材４
の外周中間部のカツタ受け段部４２のエツジ部と
の協働によつて、切断されることになる。

最後に、エアシリンダ６への圧縮空気の供給を
停止して、第８図に示すように、カツタ３を元の
後退位置に戻して、同軸ケーブル１０を装置から
引き抜けば、第８図の右側に示すように端末処理
された同軸ケーブルが得られる。シールド線１２
は、ジヤケツト部１１の切断縁面から寸法ａだけ
残して切断されていて、内部誘電体１３が露出さ
れている。この寸法ａは、ノズル−内部誘電体案
内−カツタ受け部材４の外周のテーパ度及びカツ
タ受け段部４２のエツジ径、及びカツタ３の切断
刃３２の径等を適当に選定することによつて種々
変えうるものである。

上述の実施例の説明では、バラ平行線のシール
ド線を有した型の同軸ケーブルの端末処理につい
てであつたが、本発明は、これに限らず、ノズル
開口４１からの噴射空気の強さ等を適当に選定す
れば、同様に、編組シールド線を有した型の同軸
ケーブルにも適用しうることは明らかであろう。
また。前述の実施例では、露出シールド線を放射
状に拡開するために圧緒空気を噴射させている
が、その他の流体を使用して露出シールド線を拡
開することもできる。更にまた、前述の実施例で
は、カツタの移動のためエアシリンダを使用した
のであるが、これに限らず任意の駆動装置を使用
しうるものである。

本発明によれば、シールド線を露出させた状態
の同軸ケーブルを装置へ挿入するだけで非常に簡
単にシールド線の切断除去の端末処理を行なえ、
しかも、シールド線の切断は、内部誘電体とは分
離された状態でシールド線のみをはさみ込むよう
にしてなされるので、内部誘電体に傷が付けられ
るというような心配は全くない。

【図面の簡単な説明】

添付図面の第１図及び第２図は本発明の剥離方
法を実施するための同軸ケーブル端末処理装置の
一実施例の平面図及び一部断面側面図、第３図か
ら第８図は第１図及び第２図の装置にて同軸ケー
ブルの端末処理をする各段階を例示する部分概略
図である。 １……基台、２……ケーブル案内部、３……カ
ツタ、４……ノズル−内部誘電体案内−カツタ受
け部材、５……圧縮空気供給及び支持ブロツク、
６……エアシリンダ、７……カツタ作動腕、８…
…ピストンロツド、１０……同軸ケーブル、１１
……ジヤケツト部、１２……シールド線、１３…
…内部誘電体、２１……案内開孔、３１……開
口、３２……切断刃、４１……ノズル開口、４２
……カツタ受け段部、７１……偏移ばね、８１…
…連結体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 同軸ケーブルの端末部を挿通させてこれを案
   内する案内開孔を有したケーブル案内部と、流体
   を噴射させ且つ同軸ケーブル端末部の内部誘電体
   を受け入れてこれを案内するノズル開口を中心に
   有し且つ外周が円錐状とされたノズル−内部誘電
   体案内−カツタ受け部材と、前記ケーブル案内部
   と前記ノズル−内部誘電体案内−カツタ受け部材
   との間に設けられ前記案内開孔及びノズル開口と
   整列した開口を有したカツタと、前記ノズル開口
   へ流体を供給するための圧縮流体源とを備えてお
   り、前記カツタの前記開口の外側周縁部は切断刃
   とされており、前記カツタは、前記ノズル−内部
   誘電体案内−カツタ受け部材から離れた後退位置
   と、前記切断刃が前記ノズル−内部誘電体案内−
   カツタ受け部材の前記外周円錐状面と係合して同
   軸ケーブルのシールド線を切断しうるシールド線
   切断位置との間に移動できるようになつており、
   前記カツタが前記後退位置になる時に、ジヤケツ
   ト部を切断除去してシールド線を露出させた同軸
   ケーブルの端末部を、前記ケーブル案内部の案内
   開孔及び前記カツタの前記開口へ通していき、そ
   の端末部の先端が前記ノズル−内部誘電体案内−
   カツタ受け部材の前記ノズル開口に近接するよう
   にして、前記圧縮流体源から圧縮流体を供給して
   前記ノズル開口から圧縮流体を噴射させて前記露
   出シールド線を外方へ放射状に吹き分けた状態に
   て、前記同軸ケーブルの端末部を更に、その内部
   誘電体が前記ノズル開口内へ入り、そのシールド
   線が前記ノズル−内部誘電体−カツタ受け部材の
   前記外周円錐状面上にくるように押し込み、前記
   カツタを前記シールド線切断位置へと移動させる
   ことによつて前記露出シールド線を切断できるこ
   とを特徴とする同軸ケーブルの端末処理装置。 ２ 前記ノズル−内部誘電体案内−カツタ受け部
   材の前記外周円錐状面には、前記カツタの前記切
   断刃と協働するカツタ受け段部が形成されている
   特許請求の範囲第１項記載の装置。