JPS6127612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、溶解槽の改良にかかわる。従来のも
のを第１図により述べれば、例えばPWR型原子
力発電所一次冷却材には、硼酸および水酸化リチ
ウムが溶解されている。この薬品は、現在、硼酸
バツチタンク２に脱気水と硼酸を投入し、撹拌器
１で完全に硼酸を溶解せしめた後、硼酸水移送ポ
ンプ４で、化学体積制御タンク３に送られる。こ
の硼酸水は、硼酸の水に対する溶解度が温度とと
もに上昇するから、ある一定温度以上に保つてお
く必要がある。従つて、この系統は総て、ヒータ
により加熱されているが、配管ラインなどで局部
的に温度の低い部分ができ、硼酸が結晶として析
出することを防止するために硼酸水循環ポンプ５
によつて、常時溶液は循環流動している。

上述の従来方式のものは、PWR型原子力発電
所一次冷却材水質調整以外の固体の液体への溶解
にも当はまるものであるが、従来方式には次の諸
欠点がある。

(1) 溶解させるタンクと保有しておくタンクが別
になつており、設置面積を余計にとることとな
る。

(2) 前記タンクが２基、ポンプが２台必要なた
め、設備費が嵩むこととなる。

(3) 溶解させようとする固体の比重が、液体のも
のに比し、軽い場合には液面上に浮き、之に反
し非常に重い場合には底部に堆積し、溶解に長
時間を要する。

(4) 未溶解の固体が撹拌されることにより、配管
ノズル、或いは計装検出配管中に停滞し、仲々
溶解しないことから配管が閉塞し、溶解作業終
了後に溶液濃度の上昇を招来する。

(5) 上記(3)の難点を回避するために、固体を僅少
宛投入すると、却つて設備、人手を要する。

(6) 淀み部の未溶解固体が、ポンプに流入するこ
とに起因するポンプへの悪い障害。

等々の諸欠点があつた。そこで、研究の結果、
本機は、上の欠点を克服し、之により (1) 溶解固体を、一度に投入し、爾後は無作為的
に溶解させる。

(2) 溶解時間を短縮させる。

(3) 設置機器の数を削減して、コストの低減を図
り、 (4) 進んでポンプ機器の保護を所期しようとする
ものである。

そこで、第２図、第３図により、本考案にかか
わる溶解槽の構造を述べる。第２図は本機の略
図、第３図は、第２図の点線部の拡大説明図であ
る。

６は本機の溶解槽、５は循環ポンプである。

６ｅは溶解槽本体で、その頂部にフランジ(d)６
ｄが設けられ、このフランジ(d)に接続できるフラ
ンジ(c)６ｃをもつ容器６ｇ（パンチングメタル
製）があり、その内部には金網６ｆによりなる容
器が入れられている。更にその上部には液体導入
管７がほゞ中央部に配置されてあるフランジ(b)６
ｂが接続されている。

循環液体導入管形状は溶解薬品の種類、循環ポ
ンプの吐出圧力などにより、適宜変化させる。
又、金網の材料も織物など、パンチングメタルも
各種材料、材質のものを選択して可である。この
ような構造の本溶解槽の作用を説明する。溶解槽
内の規定量の液体を張り込み、次にフランジ(b)を
外して、金網容器内に溶解させようとする薬品を
入れ、再びフランジ(b)を締める。

しかる後、循環ポンプ５を運転するだけで、金
網容器内の薬品は溶解する。本溶解槽にあつては
該槽内に落下する粒子の大きさを調整するのは、
金網の目の粗密を変えることによつて自在に可能
なので、例えば循環ポンプなど他の機器に悪い作
用を与えないようにコントロールができる。

又、金網容器中の薬品には、常時循環の液体が
衝突するので溶解効率は頗る良好である。

かくして本機は、一基を設置するだけで、溶解
ならびに保有の両機能を充分果すことができるの
であり(1)溶解固体を一ぺんに投入して、目的を達
成できるから、(2)溶解時間の短縮、(3)機器従つ
て、その設置面積の節約、４溶液濃度精度向上、
薬品投入時大気のタンクに入る機会が減少し、脱
気水中溶存酸素濃度増大が防止される等の諸効果
をあげることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来機の説明図、第２図は本機の略
図、第３図は、第２図の点線部の拡大説明図。 ５……循環ポンプ、６……本考案の溶解槽、６
ｅ……溶解槽本体、６ｄ……フランジｄ、６ｃ…
…フランジｃ、６ｂ……フランジｂ、６ｆ……金
網容器、６ｇ……容器、７……液体導入管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶解物質を保持し液体を透過する保持具をタン
   クの液体流入口に設け、上記タンクから流出する
   上記液体を上記保持具の上部に再循環させる循環
   ラインを設けたことを特徴とする軽比重物質の溶
   解槽。