JPS6127436B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、改善された織物又は織物柔軟化作用
を有する粉粒体状洗剤組成物に関するものであ
る。本発明はまた前記の改善された組成物の製造
方法にも関する。 織物柔軟化作用を有する洗剤組成物、すなわ
ち、洗濯のときに洗浄作用と同時に織物柔軟化作
用を示す洗剤組成物は当業界で公知であり、多く
の特許明細書に開示されている。 洗剤組成物中に添加して使用できる織物柔軟化
剤は一般に、第１、第２、第３または第４窒素原
子を含む有機化合物又はホスホニウムもしくはス
ルホニウム化合物系の有機化合物であり、ただし
これは、疎水性および潤滑性（lubricity）を付与
する基である比較的長い鎖長の炭化水素基を少な
くとも１個、好ましくは２個有するものであるべ
きである。このような織物柔軟化剤は米国特許第
4292035号明細書に開示されている。 仏国特許第2236925号明細書には、洗剤組成物
中に織物柔軟化剤として配合できるカチオン系第
４アンモニウム化合物、たとえばジメチルジステ
アリルアンモニウムクロライドが開示されてい
る。 欧州特許出願第0011340号、第0023367号および
第0026528号明細書には、洗剤組成物中に織物柔
軟化剤として配合できる非水溶性第３アミンが開
示されている。 織物柔軟化作用を有する粘土物質やセルローズ
水解酵素（cellulolytic enzmes）の如き種々の物
質を洗剤組成物中に配合することもまた以前に提
案された。 しかしながら本発明は、既述の型の有機化合物
である織物柔軟化剤を含有してなる織物柔軟化作
用を有する組成物の改善に関するものである。 このような織物柔軟化作用を有する洗剤組成物
は一般に粉粒体状組成物の形に作るのが好まし
い。 有用な織物柔軟化剤は一般に比較的低い融点を
有するロウ状の固体化合物であるから、この化合
物を粉粒体状（すなわち粉末状または粒状）洗剤
組成物に配合する場合には、次の如き問題が生ず
る。すなわち、これは或種の処理条件下に劣化す
ることがあり、たとえば、これをスラリーの形の
組成物に添加して其後に噴霧乾燥を行つた場合に
はこれが劣化することがある。あるいは、欧州特
許出願第0011340号、第0023367号および第
0026528号明細書に記載の方法に従つて、組成物
の粉粒体状基本成分（噴霧乾燥によつて得られた
もの）または組成物の１またはそれ以上の粉粒体
状成分に、所定量の前記柔軟化剤を溶融物（メル
ト）または溶媒中溶解液の形で噴霧した場合に
は、これは粉粒体状組成物の物理的性質に影響を
与え、その結果として該組成物の自由流動性が悪
くなる傾向があり、たとえば、この粉粒体状組成
物の包装品（パツク詰製品）の貯蔵中にケーキ化
および／または滲出（にじみ出しまたはしみ出
し）が起ることがある。 この型の織物柔軟化剤を溶融するかまたは溶媒
に溶かして液状物の型にし、この液状物の形の前
記柔軟化剤を過硼酸ナトリウム・一水和物に噴霧
してその中に吸収させた場合には、この織物柔軟
化剤は自由流動性固体粒子の形で、粉粒体状（粒
状、細粒状または粉末状）洗剤組成物中に、既述
の欠点を伴うことなく充分に安全に、かつ所望通
りに配合できることが今回見出された。過硼酸ナ
トリウム・一水和物は、式NaBO₂・H₂O₂を有す
る化合物であつて、これは、洗剤組成物の常用成
分である式NaBO₂・3H₂O・H₂O₂を有する過硼酸
ナトリウム・四水和物とは相異なるものである。 過硼酸ナトリウム・一水和物を上記の如く固体
担体物質として使用したときに得られる主な効果
について述べれば、これは織物柔軟化剤を約100
重量％（過硼酸ナトリウム・一水和物重量基準）
程度まで吸収でき、しかもこのときには、この固
体担体および液状化織物柔軟化剤成分の化学的お
よび／または物理的特性は全く変化しない。ま
た、前記の如き高吸収容量は非常に有利なことで
ある。すなわち、多量の織物柔軟化剤を吸収した
過硼酸ナトリウムを洗剤組成物に少量配合するだ
けで、洗剤組成物への充分な量の織物柔軟化剤の
配合が達成でき、ケーキ化や滲出のおそれも全く
ないからである。この効果は、他の洗剤組成物用
成分を前記担体物質として用いた場合には全く得
られないものであり、また、噴霧乾燥によつて生
じた洗剤粒子を担体物質として使用した場合にも
全く得られないものである。 本発明者はいかなる理論に対してもそれに束縛
されることを望まないものであるが、本発明に係
る前記粒子の自由流動性は、前記過硼酸塩・一水
和物が有する典型的な空隙保有構造によつて得ら
れるものであると思われる。すなわち、この構造
があるために、この過硼酸塩・一水和物に噴霧さ
れた液状の繊維柔軟化剤は前記空隙内に速やかに
入つて完全に拡散し、その中で固化し、堅固なマ
トリツクスを形成するのである。 噴霧乾燥された洗剤の基本粉粒体状成分や他の
粉粒体状成分は前記の如き高い吸収容量を有しな
いので、これらの粉粒体上に噴霧された織物柔軟
化剤はこの粒子の表面上に溜まり、すなわち表面
被覆物として被表面上に留まり、あるいは不適切
な吸収態様で吸収され、その結果として、滲出、
自由流動性の低下および／またはケーキ化が起る
傾向がある。 したがつて本発明は、疎水性および潤滑性を付
与する基である炭素原子６−22個の比較的長い炭
化水素基を少なくとも１個好ましくは２個有する
第１、第２、第３または第４窒素原子含有有機化
合物、またはホスホニウムまたはスルホニウム化
合物系の有機化合物およびその混合物からなる群
から選択された織物柔軟化剤を約５−100重量％
（過硼酸ナトリウム・一水和物重量基準）吸収さ
せた過硼酸ナトリウム・一水和物を含有すること
を特徴とする、自由流動性粉粒体状の織物柔軟化
剤含有助剤に関するものである。 また本発明は、疎水性および潤滑性を付与する
基である炭素原子６−22個の比較的長い炭化水素
基を少なくとも１個好ましくは２個有する第１、
第２、第３または第４窒素原子含有有機化合物ま
たはホスホニウムまたはスルホニウム化合物系の
有機化合物およびその混合物からなる群から選択
された織物柔軟化剤を約５−100重量％（過硼酸
ナトリウム・一水和物重量基準）吸収させた過硼
酸ナトリウム・一水和物を含有する粉粒体状の織
物柔軟化剤含有助剤と、洗濯用の洗剤基本粉末成
分との乾式混合物を含有することを特徴とする、
改善された繊維柔軟化作用を有する洗剤組成物に
も関する。 また本発明は、自由流動性粉粒体状の軟物柔軟
化剤含有助剤を製造する方法において、疎水性お
よび潤滑性を付与する基である炭素原子６−22個
の比較的長い炭化水素基を少なくとも１個好まし
くは２個有する第１、第２、第３または第４窒素
原子含有有機化合物またはホスホニウムまたはス
ルホニウム化合物系の有機化合物およびその混合
物からなる群から選択された有機織物柔軟化剤を
液状化し、液状化された前記織物柔軟化剤５−
100重量％（過硼酸ナトリウム・一水和物重量基
準）を過硼酸ナトリウム・一水和物からなる移動
床に噴霧する段階を有することを特徴とする、織
物柔軟化剤含有助剤の製造方法にも関する。 前記の織物柔軟化剤は噴霧前に、溶融されるか
または溶媒中に溶解させることにより液状化する
ことができる。ここで使用できる溶媒は、好まし
くは不活性な揮発性有機溶媒であつた、これは空
気暴露（weathering）中に前記粒子から除去さ
れる。 好ましい織物柔軟化剤は、一般式 〔ここにR₁はC₁₀−C₂₆アルキル基またはアル
ケニル基であり、 R₂はR₁と同じ基であり、ただしR₁がC₂₀−C₂₆
アルキル基またはアルケニル基である場合には、
R₂はC₁−C₇アルキル基であつてもよく、 R₃は次式 −CH₂−Ｙ を有する基であり、 ＹはＨ，C₁−C₆アルキル基、

【式】 −CH₂OH， −CH＝CH₂，−CH₂CH₂OH、

【式】

【式】または

【式】 であり、 R₄はC₁−C₄アルキル基であり、 各R₅はそれぞれ独立的にＨまたはC₁−C₂₀基を
表わし、 各R₆はそれぞれ独立的にＨまたはC₁−C₂₀アル
キル基を表わす〕 を有する非水溶性第３アミンである。 好ましくは、R₁およびR₂の各々はそれぞれ独
立的にC₁₂−₂₂アルキル基、一層好ましくは直鎖
状のC₁₂−C₂₂アルキル基であり、R₃はメチル基
またはエチル基である。適当なアミンの例には、 ジデシルメチルアミン、 ジラウリルメチルアミン、 ジミリスチルメチルアミン、 ジセチルメチルアミン、 ジステアリルメチルアミン、 ジアラキジルメチルアミン、 ジベヘニルメチルアミン、 アラキジルベヘニルメチルアミン、 ジ（混合アラキジル／ベヘニル）メチルアミ
ン、ジ（タロウイル）メチルアミン、 アラキジル／ベヘニルジメチルアミン、 およびこれらに対応するエチルアミン、プロピ
ルアミンおよびブチルアミンがあげられる。特に
好ましいものはジタロウイルメチルアミンであ
る。これは市場で入手でき、たとえばAkzo M.
V.から“Armeen M2HT”なる名称で市販され
ており、Farbwerke Hoechstから“Genamin
SH 301”なる名称で市販されており、CECA
Co.から“Noram M2SH”なる名称で市販されて
いる。 Ｙが

【式】−CH＝CH₂，−CH₂OH，

【式】 または−CH₂−CNであるときには、この場合
の適当なアミンの例には ジデシルベンジルアミン、 ジラウリルベンジルアミン、 ジミリスチルベンジルアミン、 ジセチルベンジルアミン、 ジステアリルベンジルアミン、 ジオレイルベンジルアミン、 ジリノレイルベンジルアミン、 ジアラキジルベンジルアミン、 ジベヘニルベンジルアミン、 ジ（アラキジル／ベヘニル）ベンジルアミン、 ジタロウイルベンジルアミン、 およびこれらに対応するアリルアミン、ヒドロ
キシエチルアミン、ヒドロキシプロピルアミンお
よび２−シアノエチルアミンがあげられる。特に
好ましいものはジタロウイルベンジルアミンおよ
びジタロウイルアリルアミンである。 これらのアミンの混合物もまた使用できる。本
発明において前記担体として有利に使用できる過
硼酸ナトリウム・一水和物は、約350−450μｍの
平均粒子直径を有するものである。 洗濯用洗剤の基本粉末成分 本発明において使用できる洗濯用洗剤の基本粉
末成分に関して臨界条件はなく、常用される種類
のものであつてよい。このような自由流動性の洗
剤の基本粉末成分の組成および製法は当業者に公
知である。 本発明において使用するのに好ましい洗濯用洗
剤の基本粉末組成物は、アニオン系表面活性剤お
よびノニオン系表面活性剤ならびにその混合物か
らなる群から選択された有機表面活性剤約２−50
重量％と、有機または無機ビルダー、非水溶性ア
ルミノ珪酸ナトリウムおよびその混合物からなる
群から選択されたものであり得る洗剤ビルダー80
重量％以下と、洗濯用洗剤組成物に通常使用され
る任意成分（たとえば他種表面活性剤、発泡抑制
剤、汚物懸濁剤、汚物再付着防止剤、重金属捕捉
剤、腐蝕防止剤、光学的明色化剤、着色剤、香
料、充填剤、蛋白質水解酵素、付加的な漂白剤、
漂白剤用活性化剤、漂白剤用安定剤）30重量％以
下とを含有するものである。 この組成物はアニオン系表面活性剤を０−50重
量％好ましくは２−30重量％含有し得る。 適当な非石鹸型のアニオン系表面活性剤は、ア
ルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、アル
キルポリエトキシエーテル硫酸、パラフインスル
ホン酸、α−オレフインスルホン酸、α−スルホ
カルボン酸およびそのエステル、アルキルグリセ
リルエーテルスルホン酸、脂肪酸モレグリセリド
の硫酸化物および−スルホン酸化物、アルキルフ
エノールポリエトキシエーテル硫酸、２−アシル
オキシ−アルカン−１−スルホン酸およびβ−ア
ルキルオキシアルカンスルホン酸の水溶性塩であ
る。石鹸もまた適当なアニオン系表面活性剤であ
る。 特に好ましいアルキルベンゼンスルホン酸塩
は、線状または分枝状アルキル鎖の中に炭素原子
を約９−15個一層好ましくは約11−13個含有する
ものである。適当なアルキル硫酸塩は、アルキル
鎖の中に炭素原子を約10−22個好ましくは約12−
18個有するものである。適当なアルキルポリエト
キシエーテル硫酸塩は、アルキル鎖の中に炭素原
子を約10−18個を有し、かつ、１分子当り−
CH₂CH₂O基を平均１−12個有するもの、一層好
ましくは、アルキル鎖の中に炭素原子を約10−16
個有し、かつ、１分子当り−CH₂CH₂O基を平均
約１−６個有するものである。 適当なパラフインスルホン酸塩は、実質的に線
状であつて、炭素原子を約８−24個、好ましくは
約14−18個有するものである。適当なα−オレフ
インスルホン酸塩は、炭素原子を約10−24個、好
ましくは約14−16個有するものである。α−オレ
フインスルホン酸塩は次の方法によつて製造で
き、すなわち三酸化硫黄との反応を行い、次いで
中和し、しかしてこの中和を、そこに存在するス
ルトンが加水分解してそれに対応するヒドロキシ
アルカンスルホン酸塩が生成するような条件下に
実施することによつて製造できる。適当なα−ス
ルホカルボン酸塩は炭素原子を約６−20個有する
ものである。さらにまた、炭素原子を約１−14個
有するα−スルホン化脂肪酸、およびそれとアル
コールとのエステルの塩類も使用できる。適当な
アルキルグリセリルエーテル硫酸塩は、炭素原子
を10−18個有するアルコールのエーテル、特に、
ココナツト油および獣脂から導かれたものの硫酸
塩である。適当なアルキルフエノールポリエトキ
シエーテル硫酸塩は、アルキル鎖の中に炭素原子
を約８−12個有し、そして１分子当り−
CH₂CH₂O基を平均約１−６個含有するものであ
る。適当な２−アシルオキシ−アルカン−１−ス
ルホン酸塩は、アシル基中に炭素原子を約２−９
個有し、アルカン部の中に炭素原子を約９−23個
有するものである。適当なβ−アルキルオキシア
ルカンスルホン酸塩は、アルキル基中に炭素原子
を約１−３個有し、アルカン部の中に炭素原子を
約８−20個有するものである。 前記の非石鹸型のアニオン系表面活性剤のアル
キル鎖は、ココナツト油または獣脂の如き天然品
から導かれたものであつてもよく、あるいはチー
グラー法またはオキソ法等に従つて合成されたも
のであつてもよい。アルカリ金属、アンモニウム
またはアルカノールアンモニウムイオンであるカ
チオンの使用によつて水溶性が付与できるが、ナ
トリウムが好ましい。本発明では、アニオン系表
面活性剤の混合物もまた使用できる。適当な混合
物の例には、アルキル基中に炭素原子を11−13個
有するアルキルベンゼンスルホン酸塩と、アルキ
ル基中に炭素原子を12−18個有するアルキル硫酸
塩とを混合物があげられる。 適当な石鹸は、炭素原子を約８−18個、好まし
くは約12−18個含むものである。石鹸は、ココナ
ツト油、獣脂、パーム油の如き天然油脂の直接鹸
化によつて製造でき、あるいは、天然または合成
の遊離脂肪酸を中和することによつて製造でき
る。石鹸中のカチオンはアルカリ金属、アンモニ
ウムまたはアルカノールアンモニウムイオンであ
つてもよく、ナトリウムイオンが好ましい。 ノニオン系表面活性剤は100重量％以下の配合
量（表面活性剤全量基準）で配合できるが、配合
量は一般に75重量％以下である。ここに“表面活
性剤全量”は、アニオン系表面活性剤とノニオン
系表面活性剤との合計量を意味する。適当なノニ
オン系表面活性剤はHLB11.5−17.0の水溶性エト
キシル化物であり、その例はC₁₀−C₂₀第１および
第２アルコールエトキシレート、およびC₆−C₁₀
アルキルフエノールエトキシレートがあげられる
が、他のエトキシレートも使用できる。C₁₄−C₁₈
線状第１アルコールとエチレンオキサイド７−30
モル（アルコール１モル当り）との縮合物が好ま
しく、その例にはC₁₄−C₁₅（EO）₇，C₁₆−C₁₇
（EO）₂₅および特にC₁₆−C₁₈（EO）₁₁があげられ
る。 本組成物に配合された洗剤ビルダー塩は、既述
の如く無機または有機物質であつてよい。適当な
水溶性の無機アルカル性洗剤ビルダー塩の例には
アルカリ金属の炭酸塩、硼酸塩、燐酸塩、ポリ燐
酸塩、重炭酸塩および珪酸塩があげられる。この
ような塩の具体例にはナトリウムおよびカリウム
のテトラ硼酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、トリ燐酸
塩、ピロ燐酸塩、ペンタ−ポリ燐酸塩、ヘキサメ
タ燐酸塩があげられる。 適当な有機アルカリ性洗剤ビルダーの例には、
次のものがあげられる。 (1) 水溶性アミノポリ酢酸塩、たとえばナトリウ
ムおよびカリウムのエチレンジアミンテトラ酢
酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、Ｎ−（２−ヒドロ
キシエチル）ニトリロジ酢酸塩およびジエチレ
ントリアミンペンタ酢酸塩； (2) フイチン酸の水溶性塩、たとえばフイチン酸
ナトリウムおよび−カリウム； (3) 水溶性のポリ燐酸塩、たとえばメチレンジホ
スホン酸およびその類似物のナトリウム、カリ
ウムおよびリチウム塩；アミノポリメチレンホ
スホン酸塩たとえばエチレンジアミンテトラメ
チレンホスホン酸塩；ジエチレントリアミンペ
ンタメチレン燐酸塩；英国特許出願第38724／
77号明細書に記載のポリホスホン酸塩。 (4) ポリカルボン酸の水溶性塩、たとえば乳酸、
コハク酸、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、
カルボキシメチルコハク酸、２−オキサ−１，
１，３−プロパントリカルボン酸、１，１，
２，２−エタンテトラカルボン酸、メリツト酸
およびピロメリツト酸の塩。 有機および／または無機ビルダー類の混合物も
また使用できる。このようなビルダー混合物の例
はカナダ特許第775038号明細書に開示されてお
り、その具体例にはトリポリ燐酸ナトリウムとニ
トリロトリ酢酸トリナトリウムとエタン−１−ヒ
ドロキシ−１，１−ジホスホン酸トリナトリウム
とからなる三元混合物があげられる。 本発明の組成物に有利に配合できる他種の洗剤
ビルダー物質は、硬水形成カチオン（すなわち硬
水中のカチオン）との反応によつて非水溶性反応
生成物を生成し得る水溶性物質であり、これは好
ましくは、前記反応生成物の生長点（Aite）を提
供し得る種晶と組合わせて使用される。このよう
な“種晶付ビルダー”は英国特許第1424406号明
細書に詳細に記載されている。 好ましい水溶性ビルダーはトリポリ燐酸ナトリ
ウムおよび珪酸ナトリウムであり、一般にこの両
者が使用されている。珪酸ナトリウム〔SiO₂：
Na₂O（重量比）は１：２ないし3.5：１である〕
を実質的量、たとえば３−15重量％（組成物重量
基準）使用するのが好ましい。 さらに別の洗剤ビルダー物質は、不溶性アルミ
ノ珪酸ナトリウムであり、その例にはベルギー特
許第814874号明細書（発行日1974年11月12日）に
記載のものがあげられる。すなわちこのベルギー
特許明細書には、次式 NA_Z（AlO₂）_Z（SiO₂）_yxH₂O （ここにｚおよびｙは少なくとも６の整数であ
り、ｚ対ｙのモル比は約1.0：１ないし0.5：１で
あり、ｘは約15−264の整数である）を有するア
ルミノ珪酸ナトリウムを含有する洗剤組成物が開
示されている。該物質の好ましい具体例は次式 Na₁₂（SiO₂AlO₂）₁₂27H₂O を有するものである。水溶性ビルダー塩の一部の
代替物として、このアルミノ珪酸塩を約５−625
重量％使用できるが、この場合には、組成物の水
溶液のPHを所定の値に保つのに充分な量の水溶性
のアルカリ性塩を使用しなければならない。 洗剤ビルダーは一般に10−80重量％（組成物重
量基準）、好ましくは30−70重量％、通常30−60
重量％配合される。 洗濯用の洗剤基本粉末成分は公知製造技術によ
つて製造でき、たとえば、各成分を用いて乾式混
合または同時粒状化操作を行うことによつて製造
できる。一般に、洗濯用の洗剤基本粉末成分は前
記繊維柔軟化剤含有助剤との混合物の形で、次の
製法に従つて製造でき、すなわち、熱に敏感でな
い成分の水性スラリーを噴霧乾燥し、噴霧乾操物
を粒状物に成形し、しかして、これには他の固体
成分たとえば酵素や付加的な漂白剤等が所望通り
に添加できる。 あるいは、洗濯用の洗剤基本粉末成分は、噴霧
乾操により生じた粉粒体であつてもよく、これに
織物柔軟化剤含有助剤を混合するときまたは其後
に、他の固体成分が添加できる。 本発明に係る織物柔軟化作用を有する洗剤組成
物における洗濯用洗剤基本粉末成分（後で添加さ
れる他種成分をも含有する）と織物柔軟化剤含有
助剤との比率（重量比）は、織物柔軟化剤の含有
量（組成物全量基準）が約0.5−25重量％好まし
くは１−15重量％になるように定めることができ
る。したがつてこの比率の値は、個々の場合にお
ける織物柔軟化剤含有助剤の織物柔軟化剤含有量
に左右されて種々変わる値である。 好ましい織物柔軟剤含有助剤は、過硼酸ナトリ
ウム・一水和物約50−85重量％と織物柔軟化剤約
50−15重量％とを含有してなるものである。 本発明は、織物柔軟化作用を有する粉末洗剤組
成物における低い自由流動性、ならびにこの粉末
組成物中の織物柔軟化剤のケーキ化および滲出と
いう問題を、織物柔軟化剤の効果に悪影響を与え
ることなく完全に解決したばかりではなく、前記
の過硼酸ナトリウム・一水和物自体が当該織物柔
軟化剤含有助剤組成物の洗剤性および汚物除去性
を一層高める作用を有するという長所をも兼ね備
えたものである。 次に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲は
決してこれらの実施例に記載の範囲内のみに限定
されるものではないことが理解されるべきであ
る。 例 下記の組成の洗濯用の粉粒体状の洗剤基本組成
物を、水性スラリーの噴霧乾燥を行うことからな
る慣用製造技術に従つて製造した。 組 成 重量部 線状C₁₂アルキルベンゼンスルホン酸 ナトリウム 6.0 C₁₃−C₁₅脂肪アルコール／11 〔エチレンオキサイド〕 3.0 ステアリン酸ナトリウム 2.0 トリ燐酸ナトリウム 33.0 珪酸ナトリウム （Na₂O：SiO₂＝２：１） 6.0 光学的明色化剤 0.2 硫酸ナトリウム 15.0 水分（湿分）＋他の成分 9.0 (a) 担体物質としての前記の基本粉粒体（噴霧乾
燥によつて得られたもの） 慣用粉粒体製造装置において、前記の基本粉
粒体（噴霧乾燥によつて得られたもの）にジ−
硬化タロウメチルアミン系織物柔軟化剤の溶融
物を5.6重量％（組成物全量基準）噴霧した。 このようにして得られた粉剤は不満足な品質
のものであり、すなわち自由流動性が悪く〔い
わゆるクリーピー粉末（Creepy powder）〕、
カートン容器にパツク詰めして貯蔵したときに
ケーキ化する傾向を有し、さらにまた、カート
ン容器上への滲出も認められた。 (b) 担体物質としての硫酸ナトリウム 普通の粉粒体製造装置において、硫酸ナトリ
ウムからなる移動床に、ジ硬化タロウメチルア
ミン系織物柔軟化剤の溶融物15−50重量％を、
13分間にわたつて噴霧した。得られた粉粒体は
その放置後に、強く凝集しかつケーキ化する傾
向が認められた。 (c) 担体物質としての過硼酸ナトリウム・一水和
物 この試験に使用された過硼酸ナトリウム・一
水和物は、カサ密度約0.5ｇ／cm²、平均粒子直
径約400μｍのものであつた。 過硼酸ナトリウム・一水塩からなる移動床
に、60−100℃の温度を有するジ硬化タロウメ
チルアミン系織物柔軟化剤の溶融物を、該アミ
ン対過硼酸塩の重量比が30：70になるように噴
霧した。 得られた粒子は良好な自由流動性を有し、ケ
ーキや凝集の傾向は全く認められなかつた。 ジ硬化タロウイルメチルアミンで処理する前
および後における過硼酸ナトリウム・一水和物
の特性を次表に示す。

【表】 このようにして処理された過硼酸ナトリウム・
一水和物を織物柔軟化剤含有助剤として、既述の
粉粒体状洗剤基本組成物（噴霧乾燥したもの）
と、混合することによつて、自由流動性の、織物
柔軟化作用を有する洗剤組成物が得られた。これ
はケー化傾向を全く有しないものであつた。 アミンを30：70の比率で噴霧する前および噴霧
後における過硼酸ナトリウム・一水和物および硫
酸ナトリウムの物理的特性を第２表に示す。

【表】 上記の表のデーターから明らかなように、過硼
酸ナトリウム・一水和物と硫酸ナトリウムとで
は、溶融アミンの吸収態様が互いに大きく異なる
のである。過硼酸ナトリウム・一水和物の場合に
は、その粒子直径は実質的に増加せず、カサ密度
が増加する。したがつてこれは、過硼酸ナトリウ
ム・一水和物によるアミンの完全吸収であると思
われる。これに対し硫酸ナトリウムの場合には、
粒子直径が実質的に増大し、そしてこの硫酸ナト
リウム粒子のカサ密度は減少する。これは、硫酸
ナトリウム粒子の表面上にアミンが被覆され、一
方、吸収は実質に起らないことを意味するものと
思われる。 例 下記の洗濯条件のもとで次の２種の粉末洗剤組
成物〔商品名“Thomson（登録商標）−T4515”〕
を用いて洗濯試験を行つた。 80℃への加熱操作（“加熱サイクル”と称す
る）を実施。 粉末使用量：225mlすなわち112.5ｇ 洗濯物の量：４Kg（木綿） 水の硬度：30゜（Ｆ−硬度） 洗濯反覆回数：５×

【表】 種々の汚れに対する洗浄・漂白の結果を調べ、
そしてこれを反射値（測定値；△Ｒ 460^*）と
して記録した。その値は次表に示す。

【表】 本発明の組成物Ｂが、過硼酸ナトリウム・四水
和物を含む公知組成物Ａよりも、洗浄力／しみの
除去能力のあらゆる面において非常にすぐれてい
ることは、上記の試験結果から明らかである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 疎水性および潤滑性を付与する基である炭素
   原子６−22個の比較的長い炭化水素基を少なくと
   も１個有する第１、第２、第３または第４窒素原
   子含有有機化合物またはホスホニウムまたはスル
   ホニウム化合物系の有機化合物およびその混合物
   からなる群から選択された織物柔軟化剤を約５−
   100重量％（過硼酸ナトリウム・一水和物重量基
   準）吸収した過硼酸ナトリウム・一水和物を含有
   することを特徴とする、洗濯用洗剤組成物に使用
   される自由流動性粉粒体状の織物柔軟化剤含有助
   剤。 ２ 織物柔軟化剤が、一般式 〔ここにR₁はC₁₀−C₂₆アルキル基またはアル
   ケニル基であり、 R₂はR₁と同じ基であり、ただしR₁がC₂₀−C₂₆
   アルキル基またはアルケニル基である場合には、
   R₂はC₁−C₇アルキル基であつてもよく、 R₃は次式 −CH₂−Ｙ を有する基であり、 ＹはＨ，C₁−C₆アルキル基、【式】 −CH₂OH， −CH＝CH₂，−CH₂CH₂OH、 【式】【式】または 【式】 であり、 R₄はC₁−C₄アルキル基であり、 各R₅はそれぞれ独立的にＨまたはC₁−C₂₀基を
   表わし、 各R₆はそれぞれ独立的にＨまたはC₁−C₂₀アル
   キル基を表わす〕 を有する水不溶性第３アミンである特許請求の範
   囲第１項に記載の自由流動性粉粒体状の織物柔軟
   化剤含有助剤。 ３ 過硼酸ナトリウム・一水和物50−85重量％お
   よび織物柔軟化剤50−15重量％を含有する特許請
   求の範囲第１項または第２項に記載の自由流動性
   粉粒体状の織物柔軟化剤含有助剤。 ４ 前記の過硼酸ナトリウム・一水和物の平均粒
   子直径が約350−450μｍである特許請求の範囲第
   １項、第２項または第３項に記載の自由流動性粉
   粒体状の織物柔軟化剤含有助剤。 ５ 疎水性および潤滑性を付与する基である炭素
   原子６−22個の比較的長い炭化水素基を少なくと
   も１個有する第１、第２、第３または第４窒素原
   子含有有機化合物またはホスホニウムまたはスル
   ホニウム化合物系の有機化合物およびその混合物
   からなる群から選択された織物柔軟化剤を約５−
   100重量％（過硼酸ナトリウム・一水和物重量基
   準）吸収した過硼酸ナトリウム・一水和物を含有
   する、洗濯用洗剤組成物に使用される自由流動性
   粉粒体状の織物柔軟化剤含有助剤の製造方法であ
   つて、前記の有機織物柔軟化剤を液状化する工程
   および、液状化された前記織物柔軟化剤を、過硼
   酸ナトリウム・一水和物からなる移動床上に約５
   −100重量％（前記の過硼酸塩・一水和物の重量
   基準）の量で噴霧する工程を含むことを特徴とす
   る自由流動性粉粒体状の織物柔軟化剤の製造方
   法。 ６ 噴霧の前に織物柔軟化剤を溶融操作経よつて
   液状化する特許請求の範囲第３項に記載の製造方
   法。 ７ 噴霧の前に織物柔軟化剤を、溶媒中への溶解
   によつて液状化する特許請求の範囲第５項に記載
   の製造方法。 ８ 前記の過硼酸ナトリウム・一水和物の平均粒
   子直径が約350−450μｍである特許請求の範囲第
   ５項に記載の製造方法。