JPS6126841Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は貯湯式ボイラーに関し、その要旨とす
るところは貯湯槽１内下部に加熱装置３を内装
し、高温湯誘導装置１下部の外穀部１３により上
記加熱装置３を間隙を隔てて覆い高温湯誘導装置
１１上部の誘導縦管１２の上面を貯湯槽１上部に
て開口し、誘導縦管１２の縦方向に複数の透孔１
４を穿設すると共に貯湯槽１内に湯温検知器２を
設置し、湯温検知器２の検知に連動して貯湯槽１
下方に配設された加熱装置３に供給される燃料の
供給量を調整して成る貯湯式ボイラーにある。

従来の貯湯槽上部より高温湯を貯めるようにし
たボイラーにあつては、貯湯槽下部の水を加熱装
置で加熱し、この高温湯を貯湯槽上部へ送つてい
たので貯湯槽内上部は第３図のグラフのイの曲線
に示すように点火後、急速に昇温するのに対し貯
湯槽内下部は第３図のグラフのハの曲線に示すよ
うに緩やかにしか昇温せず、貯湯槽内全体が高温
に昇温される迄に時間がかかると共になかなか貯
湯槽内全体を均一な温度にすることが出来なかつ
た。

本考案は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、貯湯槽内
上部に一定量の高温湯が貯湯されるとバーナへの
燃料供給量を減少せしめ貯湯槽下部を急速に温度
上昇せしめて貯湯槽内全体を均一な高温湯とする
貯湯式ボイラーを提供するにある。

以下本考案を実施例により詳述する。１は貯湯
槽であり、貯湯槽１の底面は上方へ向けて湾曲し
た曲面状に形成されている。貯湯槽１の下端部に
は注水口５を設け、上端部には給湯口（図示せ
ず）を設けてある。３ａは貯湯槽１内下部に内装
した加熱装置３であるところの熱交換器であり、
貯湯槽１下部の側壁から対向側壁へ向けて熱交換
パイプ６を貫通させて熱交換パイプ６内に熱交換
板７を内蔵したものであり、熱交換パイプ６の一
端開口８にガスを燃焼させるためのバーナ部４を
設置し、バーナ部４へガスを供給するためのガス
管９を配管してあり、熱交換パイプ６の他端から
は貯湯槽１外において排気筒１０を上方へ向けて
連設してある。１１は高温湯誘導装置であり、上
下に開口した円筒状の誘導縦管１２の下端に略半
筒状の外殻部１３を一体に形成して誘導縦管１２
の下面開口と外殻部１３の内周面とを連通させた
ものである。また誘導縦管１２には上下方向及び
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周方向に複数個の透孔１４を穿孔してある。高温
湯誘導装置１１は貯湯槽１内に配設され、第１図
に示すように外殻部１３にて熱交換器３ａの外面
を覆い、熱交換器３ａ外面と外殻部１３との間に
間隙１５を形成し、誘導縦管１２の上面開口１６
を貯湯槽１内上端部において開口している。２は
貯湯槽１上部に設置された湯温検知器であり、こ
の湯温検知器２は制御部１７を介してガス管９の
流体弁１８と接続されており、湯温検知器２の検
知により流体弁１８を絞つてガス流量を減少せし
める。しかして貯湯槽１内に貯められた20℃程度
の水を沸かす場合には次のようになる。バーナ部
４に点火すると燃焼ガスは熱交換パイプ６内を通
つて排気筒１０から排気されるが、その途中で熱
交換パイプ６及び熱交換板７を高温に加熱する。
一方で貯湯槽１内下部乃至中央部の水は外殻部１
３の下端部から間隙１５内へ流入し、間隙１５内
で熱交換器３ａと熱交換して高温湯となり、高温
湯は誘導縦管１２内を上昇し、誘導縦管１２の上
面開口１６から出て貯湯槽１内上部に貯められて
ゆく。貯湯槽１内上部に高温湯が貯まつてくると
誘導縦管１２内を上昇した高温湯は、その比重の
関係で、誘導縦管１２外の近い比重の湯に各々の
透孔１４からも誘導縦管１２外へ出てゆく。この
ようにして貯湯槽１内の上部に一定量の高温湯が
貯湯された後、湯温検知器２にて湯温を検知し、
湯温検知器２と連動する流体弁１８が作動して燃
料供給量を減少せしめ、バーナ部４の燃焼を下げ
ると誘導縦管１２内の上昇湯はその湯温を低下す
ると共に上昇速度も遅くなる。そのため上昇湯は
貯湯槽１下部の低温湯域に対し誘導縦管１２の
各々の透孔４より誘導縦管１２外の近い比重を有
する温域に供給され、第３図のグラフのロの曲線
に示すように貯湯槽１下方を急速に温度上昇せし
めるものである。

本考案は叙述の如く貯湯槽内に湯温検知器を設
置し、湯温検知器の検知に連動して貯湯槽下方に
配置された熱交換器のバーナ部への燃料供給量を
調節するようにしてあるから、貯湯槽内上部に必
要一定量すなわち台所等の適時必要量の高温湯を
貯湯した後、バーナの燃焼を下げ誘導縦管内を上
昇する湯温を下げる。このことは誘導縦管内の湯
の上昇速度を下げることになり、上昇する湯は上
方に貯湯された高温湯に影響を及ぼすことなく誘
導縦管の各々の透孔より貯湯槽下方の低温湯域に
放出され、低温湯域を昇温せしめる。したがつて
温度上昇の異なる下方の異なる湯を急速に上方の
湯域に近づけ、熱交換効率が良く貯湯槽全体が短
時間で高温湯になると共に、燃料の消費が少なく
て済み省エネルギーに寄与することが出来る利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正断面図、第
２図は同上の側断面図、第３図は貯湯槽内の水温
あるいは湯温の温度変化を示すグラフで横軸を経
過時間ｔ、縦軸を温度Ｔにとつたものである。 １……貯湯槽、２……湯温検知器、３……加熱
装置、１１……高温湯誘導装置、１２……誘導縦
管、１３……外殻部、１４……透孔。 〓〓〓〓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貯湯槽内下部に加熱装置を内装し、高温湯誘導
   装置下部の外殻部により上記加熱装置を間隙を隔
   てて覆い高温湯誘導装置上部の誘導縦管の上面を
   貯湯槽上部にて開口し、誘導縦管の縦方向に複数
   の透孔を穿設すると共に貯湯槽内に湯温検知器を
   設置し、湯温検知器の検知に連動して貯湯槽下方
   に配設された加熱装置に供給される燃料の供給量
   を調整して成る貯湯式ボイラー。