JPS6125310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はケーブル管路のマンホール内における
開口端を閉塞する防水栓に関するものである。

〔従来の技術〕

ケーブル布設用地下管路に侵入した地下水、雨
水等がマンホール内に流出しあるいはマンホール
内から雨水等がケーブル管路内に流入して滞留す
ると、ケーブル布設作業の障害となつて事故を招
くおそれがあり、これを防止するためにケーブル
が引き込まれていない空の管路口にはパツキンを
備えた防水栓を装着して開口を閉塞していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記のような従来の防水栓は管路口に装着する
際に防水栓のパツキンを緊締するボルト、ナツト
を回すと防水栓も空転してしまい確実に緊締する
ことができず、取扱い作業が容易でなかつた。

このような空転を防ぐ防水栓として本出願人が
提案した実公昭45−843号の防水栓が知られてい
るが、これは皿状板にボルトを溶接し、かつ、脚
片に係止させる係止片を設けて空転を防ぐように
したものであり、係止片の係止が外れないように
慎重に設置しないと確実に空転を防ぐことができ
ないばかりでなく、製作、組立てが容易でないと
いう問題点があつた。

そこで本考案は防水栓を設置する際の空転を確
実に防ぐことができるようにした防水栓を提供す
るものである。

〔問題点を解決するための手段〕

前記の問題点を解決するために本考案の防水栓
は、二重環状ゴムパツキンの一方のゴム環の内周
に一体に膜板を設け、他方のゴム環の外周面に三
角形状に突出する回り止め突出部を円周方向に間
隔をおいて複数個設け、この二重環状ゴムパツキ
ンを小径圧着円盤と大径圧着円盤の環状傾斜面部
の間に挾み筒状ナツトを回して挾圧するようにし
たものである。

〔作 用〕

前記のゴム環の外周面に円周方向に間隔をおい
て複数個設けた三角形状の回り止め突出部はケー
ブル管路口の内面に弾力で圧接し、この圧接係合
力は突出部が間隔をおいて三角形状に突出してい
るのできわめて強くなり、これにより防水栓の空
転が完全に防止しされる。そして二重環状ゴムパ
ツキンを圧着円盤で挾圧することにより管路口の
閉塞防水も確実となる。また大径圧着円盤の大径
の周縁が管路口の壁面に掛止されることにより管
路口内奥への入り過ぎが防止される。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面により説明する。第
１図は本考案の防水栓を断面で示し、第２図はそ
の端面を１部破断して示したものである。

本考案の防水栓は、金属製の小径圧着円盤１、
大径圧着円盤２、二重環状ゴムパツキン３、これ
らを螺締するボルト４、筒状ナツト５を具備す
る。

前記の大径圧着円盤２の外径は小径圧着円盤１
の外径よりも大径に形成し、この両圧着円盤１，
２には、それぞれ外周環部１１，２１の内方に環
状傾斜面部１２，２２を連設し、各環状傾斜面部
の内方の中央板部１３，２３の中央にボルト挿通
孔１４，２４を設ける。

３は二重環状ゴムパツキンであり、断面円形の
ゴム環３１とゴム環３２の両側を重ね接合部３３
で一体に接合し、その一方のゴム環３１の内周に
は一体に連なる膜板３４を設けてこの膜板中心に
挿通孔３５を設け、また、他の一方のゴム環３２
の外周面には、三角形状に突出する回り止め突出
部３６を円周方向に間隔をおいて複数個設ける。

この三角形状の回り止め突出部３６は図示のよ
うにゴム環の外周面からピラミツド状に突出させ
て設け、これをケーブル管路口の内面にゴムの弾
力で圧接係合させて防水栓の空転を阻止するもの
であり、この突出部３６の大きさは、前記の圧着
円盤１，２により二重環状ゴムパツキン３を挾圧
してその外周面を管路口の内面に圧接させたとき
にこの突出部が圧縮されるようにして、ゴム環外
周面全面の管路口内面への圧接を妨げないような
高さ、大きさに形成する。

４はボルトであり、４１は円形の頂端、４２は
角形部で、先端部にネジを刻設する。この角形部
４２はボルトの回り止めをするものであり、この
ため前記の小径圧着円盤１の中心のボルト挿通孔
１４も角形に形成しておく。

５は筒状ナツトであり、６は座金、７はゴムワ
ツシヤである。

前記の二重環状ゴムパツキン３の両側に小径圧
着円盤１と大径圧着円盤２を配置しその各ボルト
挿通孔１４，２４にボルト４を挿通して大径圧着
円盤２の外側に突出したボルト突端に筒状ナツト
５を螺合し、両圧着円盤１，２の相対向する環状
傾斜面部１２，２２の間に二重環状ゴムパツキン
３の二重ゴム環３１，３２を挾着して本考案の防
水栓を構成する。

なお第２図は、小径圧着円盤１の１部を破断線
Ｘの部分で破断して二重環状ゴムパツキン３を示
し、さらにゴム環３１の１部を破断線Ｙの部分で
破断して向う側のゴム環３２とその外周面に設け
た三角形状に突出する回り止め突出部３６の状態
を図示したものである。

前記のように構成した本考案の防水栓を第１図
示のようにケーブル管路口のマンホール内開口端
Ｂに挿入し、大径圧着円盤２の外周縁部分を開口
端Ｂの内面に当接させると二重環状ゴムパツキン
３の外周面から三角形状に突出する回り止め突出
部３６の先端がケーブル管路の内面Ａに当接係合
する。そして筒状ナツト５を螺締すれば小径圧着
円盤１は大径圧着円盤２に向けて押圧され、両圧
着円盤１，２の環状傾斜面部１２，２２が二重環
状ゴムパツキン３を挾圧して管路内面Ａに向けて
圧出し、三角形状の回り止め突出部３６が圧縮さ
れて二重環状ゴムパツキン３のゴム環全周面が管
路口内面に密着することになる。そして筒状ナツ
ト５を回しても、二重環状ゴムパツキン３の外周
面の三角形状の回り止め突出部３６がケーブル管
路の内面Ａに当接しゴムの弾力で係合しているの
で、二重環状ゴムパツキン３と両圧着円盤１，２
は空転せず管路口に確実に安定して装着されて管
路の開口を完全に閉塞するのである。

〔考案の効果〕

前述のように本考案の防水栓は、二重環状ゴム
パツキン３のゴム環外周面に円周方向に間隔をお
いて複数個の三角形状の回り止め突出部３６を設
けたので、これがケーブル管路口の内面に弾力で
強く圧接して係合することになり、したがつて管
路口に装着する際にボルト、ナツトを回しても従
来のように空転することはない。このため二重環
状ゴムパツキンを圧着円盤で確実に挾圧して管路
口に装着することができる。

また、大径圧着円盤２の大径の周縁が管路口の
壁面に掛止されることにより防水栓の管路口内奥
への入り過ぎを防止することができるばかりでな
く、この防水栓の管路口への装着は筒状ナツト５
を手で持つて管路口に差し込んで回すだけでよい
のでその作業はきわめて容易となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の防水栓の断面図、第２図はそ
の端面図である。 １：小径圧着円盤。１１，２１：外周環部。１
２，２２：環状傾斜面部。１３，２３：中央板
部。１４，２４：ボルト挿通孔。２：大径圧着円
盤。３：二重環状ゴムパツキン、３１，３２：ゴ
ム環。３３：接合部。３４：膜板。３５：挿通
孔。３６：三角形状回り止め突出部。４：ボル
ト。４１：頂端。４２：角形部。５：筒状ナツ
ト。６：座金。７：ゴムワツシヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面円形の２つのゴム環の側面を重ねて接合し
   た二重ゴム環の一方のゴム環内周に一体に膜板を
   設け、他方のゴム環の外周面に三角形状に突出す
   る回り止め突出部を円周方向に間隔をおいて複数
   個設けてなる二重環状ゴムパツキンを、相対向す
   る小径圧着円盤と大径圧着円盤の各環状傾斜面部
   の間に挾み、両圧着円盤の中央部に挿通したボル
   トと筒状ナツトで前記の両圧着円盤を締付けてそ
   の両環状傾斜面部により前記の二重ゴム環を挾圧
   したケーブル管路口防水栓。