JPS6124606B2 - - Google Patents
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- JPS6124606B2 JPS6124606B2 JP1188579A JP1188579A JPS6124606B2 JP S6124606 B2 JPS6124606 B2 JP S6124606B2 JP 1188579 A JP1188579 A JP 1188579A JP 1188579 A JP1188579 A JP 1188579A JP S6124606 B2 JPS6124606 B2 JP S6124606B2
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Landscapes
- Incineration Of Waste (AREA)
Description
本発明は流動床焼却炉で廃棄物を焼却する際に
廃棄物から発生する塩化水素を効率良く除去しう
る流動床焼却炉廃ガス中の塩化水素の除去方法に
関する。 近年、都市ごみ等の廃棄物の量は増加を続け、
その処理は大きな社会問題となつており、これら
の処理方法の一つとして流動床焼却炉を用いる方
法が開発され、燃焼効率の向上及び燃焼ガスの利
用と共に、排出される有害ガス対策が種々検討さ
れている。流動床焼却炉内に発生した塩化水素は
廃ガス中に含まれて大気中に放出され公害問題を
ひき起すと同時に焼却装置、集塵器、通風設備等
の腐食をもたらす原因となりその有効な除去手段
が強く望まれており、又、昭和52年6月には、大
気汚染防止法施行規則の一部を改正した総理府令
により、廃棄物焼却炉から排出される塩化水素は
700mg/Nm3以下(430ppm)と定められてい
る。 従来、一般に、塩化水素の除去対策としては、
アルカリ吸収等による湿式法が主流を占めてきた
が、この方法は装置の建設及びその維持管理等に
多額の費用を要し、又、排水処理及び白煙対策等
に問題があるため、最近では乾式法でより高い除
去効率を有しかつ維持管理が容易で安価な装置に
よる方法の開発が急がれている。 そしてその一例として、流動床焼却炉でアルカ
リ土類金属化合物(石灰石、ドロマイト等の直径
約0.5〜約1.5mmの粉体)を添加しながら脱水した
低含水汚泥ケーキ(微粉炭等の粉状可燃性添加物
を添加後脱水する)を焼却する方法が提案されて
いいる(特開昭48−21378号公報参照)。この方法
は、焼却炉内で発生する硫黄、塩素(塩酸)等を
石灰石のようなカルシウム含有化合物の粉体で吸
収固定する方法であるが、前記粒径の石灰石、ド
ロマイト等では定常的に塩化水素の高い除去率が
得られないことが本発明者等の実験により判明し
た。そこで本発明者等はこの欠陥を改善するため
に前記方法を多角的に検討したところ、塩化水素
の除去率はドロマイトの粒径に依存することを知
得し、本発明に到達したものである。 本発明は前記知見に基いてなされたものであ
り、その目的は、流動床焼却炉内に発生する塩化
水素を簡便な手段により効率的に除去しうる流動
床焼却炉廃ガス中の塩化水素の除去方法を提供す
ることである。 本発明につき概説すれば、本発明の流動床焼却
炉廃ガス中の塩化水素の除去方法は、焼却炉内で
不活性粒子よりなる流動層を形成して廃棄物を焼
却するに当り、該焼却炉内に粒径約2〜5mmの粒
体を約80重量%以上含有する粒状ドロマイトを添
加することを特徴とするものである。 本発明者等は、流動床焼却炉内に塩化水素除去
のために添加するカルシウム化合物として石灰石
とドロマイトとは必ずしも同様の塩化水素除去率
を示さないこと、及びドロマイトについても粒径
の相違が塩化水素の除去率に影響することに着眼
して、不活性粒子(通常直径約0.4〜1.2mmの砂が
用いられる)よりなる流動層内に均一に分散し塩
化水素と効果的に反応しうるのは、粒径約2〜5
mmの粒体を約80重量%以上含有するるドロマイト
であることを実験により知得した。したがつて本
発明における粒状ドロマイトの一般的な挙動を説
明するために、粉状炭酸カルシウムについての実
験結果と合せて、その実験の数例を以下に示す。 実験例 ドロマイトの主成分はCaCO3及びMgCO3であ
り、一般にその含有率はCaCO3約60重量%、
MgCO3約35重量%で、その他に少量のFeO2、
Al2O3及びSiO2を含有しており、又、炭酸カルシ
ウムはその約99重量%がCaCO3で、その他に少
量のMgCO3、Fe2O3、Al2O3及びSiO2を含有して
いる。本実験においては、上記組成のドロマイト
で、粒径約2〜4mmの粒体を約90重量%含有する
(平均粒径2.5mm)粒状ドロマイト(B)、粒径約0.2
mm以下のものを約60重量%含有する(平均粒径
0.18mm)粉状ドロマイト(E)及び粒径0.04mm以下の
粉体を約95%含有する微粉状炭酸カルシウム(F)の
3種類を添加剤として廃棄物と共に連続的に供給
して塩化水素の除去効果を調べた。なお、焼却装
置としては第1図の配置概略図に示すものを使用
し、原料廃棄物としては下記第1表に示す組成及
び発熱量を有する都市ごみを用い、下記第2表に
示す焼却条件で焼却を行なつた。
廃棄物から発生する塩化水素を効率良く除去しう
る流動床焼却炉廃ガス中の塩化水素の除去方法に
関する。 近年、都市ごみ等の廃棄物の量は増加を続け、
その処理は大きな社会問題となつており、これら
の処理方法の一つとして流動床焼却炉を用いる方
法が開発され、燃焼効率の向上及び燃焼ガスの利
用と共に、排出される有害ガス対策が種々検討さ
れている。流動床焼却炉内に発生した塩化水素は
廃ガス中に含まれて大気中に放出され公害問題を
ひき起すと同時に焼却装置、集塵器、通風設備等
の腐食をもたらす原因となりその有効な除去手段
が強く望まれており、又、昭和52年6月には、大
気汚染防止法施行規則の一部を改正した総理府令
により、廃棄物焼却炉から排出される塩化水素は
700mg/Nm3以下(430ppm)と定められてい
る。 従来、一般に、塩化水素の除去対策としては、
アルカリ吸収等による湿式法が主流を占めてきた
が、この方法は装置の建設及びその維持管理等に
多額の費用を要し、又、排水処理及び白煙対策等
に問題があるため、最近では乾式法でより高い除
去効率を有しかつ維持管理が容易で安価な装置に
よる方法の開発が急がれている。 そしてその一例として、流動床焼却炉でアルカ
リ土類金属化合物(石灰石、ドロマイト等の直径
約0.5〜約1.5mmの粉体)を添加しながら脱水した
低含水汚泥ケーキ(微粉炭等の粉状可燃性添加物
を添加後脱水する)を焼却する方法が提案されて
いいる(特開昭48−21378号公報参照)。この方法
は、焼却炉内で発生する硫黄、塩素(塩酸)等を
石灰石のようなカルシウム含有化合物の粉体で吸
収固定する方法であるが、前記粒径の石灰石、ド
ロマイト等では定常的に塩化水素の高い除去率が
得られないことが本発明者等の実験により判明し
た。そこで本発明者等はこの欠陥を改善するため
に前記方法を多角的に検討したところ、塩化水素
の除去率はドロマイトの粒径に依存することを知
得し、本発明に到達したものである。 本発明は前記知見に基いてなされたものであ
り、その目的は、流動床焼却炉内に発生する塩化
水素を簡便な手段により効率的に除去しうる流動
床焼却炉廃ガス中の塩化水素の除去方法を提供す
ることである。 本発明につき概説すれば、本発明の流動床焼却
炉廃ガス中の塩化水素の除去方法は、焼却炉内で
不活性粒子よりなる流動層を形成して廃棄物を焼
却するに当り、該焼却炉内に粒径約2〜5mmの粒
体を約80重量%以上含有する粒状ドロマイトを添
加することを特徴とするものである。 本発明者等は、流動床焼却炉内に塩化水素除去
のために添加するカルシウム化合物として石灰石
とドロマイトとは必ずしも同様の塩化水素除去率
を示さないこと、及びドロマイトについても粒径
の相違が塩化水素の除去率に影響することに着眼
して、不活性粒子(通常直径約0.4〜1.2mmの砂が
用いられる)よりなる流動層内に均一に分散し塩
化水素と効果的に反応しうるのは、粒径約2〜5
mmの粒体を約80重量%以上含有するるドロマイト
であることを実験により知得した。したがつて本
発明における粒状ドロマイトの一般的な挙動を説
明するために、粉状炭酸カルシウムについての実
験結果と合せて、その実験の数例を以下に示す。 実験例 ドロマイトの主成分はCaCO3及びMgCO3であ
り、一般にその含有率はCaCO3約60重量%、
MgCO3約35重量%で、その他に少量のFeO2、
Al2O3及びSiO2を含有しており、又、炭酸カルシ
ウムはその約99重量%がCaCO3で、その他に少
量のMgCO3、Fe2O3、Al2O3及びSiO2を含有して
いる。本実験においては、上記組成のドロマイト
で、粒径約2〜4mmの粒体を約90重量%含有する
(平均粒径2.5mm)粒状ドロマイト(B)、粒径約0.2
mm以下のものを約60重量%含有する(平均粒径
0.18mm)粉状ドロマイト(E)及び粒径0.04mm以下の
粉体を約95%含有する微粉状炭酸カルシウム(F)の
3種類を添加剤として廃棄物と共に連続的に供給
して塩化水素の除去効果を調べた。なお、焼却装
置としては第1図の配置概略図に示すものを使用
し、原料廃棄物としては下記第1表に示す組成及
び発熱量を有する都市ごみを用い、下記第2表に
示す焼却条件で焼却を行なつた。
【表】
【表】
第1図は流動床焼却装置の一例を示した配置概
略図であり、1は添加剤ホツパー、2は添加剤フ
イーダー、3は廃棄物フイーダー、4は焼却炉、
5は流動用空気、6は廃ガス、7は空気予熱
器、、8は流動用空気ブロワー、9はサイクロ
ン、10は煙突を示す。添加剤ホツパー1に投入
された添加剤は添加剤フイーダー2を通つて廃棄
物中に混入され廃棄物フイーダー3により廃棄物
と共に焼却炉4に供給され、不活性粒子(砂等)
よりなる熱媒体と共に流動用空気5により流動化
され燃焼する。炉内温度は第2表に示されるよう
に800〜900℃、流動用空気ブロワー8から送られ
る約20℃の空気は、空気予熱器7で加熱され出口
の空気温度は約250℃である。燃焼廃ガスは空気
予熱器7に入り熱交換により流動用空気5を加熱
し、自身は冷却され約700〜800℃となり更に減温
装置(図示せず)を通り、サイクロン9及び電気
集塵器(図示せず)を経て煙突10から排出され
る。 上記の操作により得られた塩化水素の除去効果
を第2図に示す。第2図は前記添加剤B,E及び
Fの添加量(Ca/HClモル比))と廃ガス中の塩
化水素濃度との関係を示したグラフであり、曲線
の符号は各添加剤の種類B,E及びFを示す。第
2図のグラフから明らかなように、曲線E(粉状
ドロマイト)及び曲線F(微粉状炭酸カルシウ
ム)を比較すると、両者はCa/HClモル比の関係
では同一でないが、全体としてほぼ類似の反応性
を示す。一方、曲線B(粒状ドロマイト)の場合
には、高い反応性を示し、少量の添加剤の添加に
より塩化水素が効率良く除去されている。すなわ
ち、例えば、廃ガス中の塩化水素濃度を290ppm
まで減少させるのに必要な添加剤の割合は、塩化
水素に対するカルシウムのモル比(Ca/HClモル
比、以下単にモル比という)は、添加剤Bの場合
0.75、添加剤Eの場合1.8、添加剤Fの場合2.6で
あり、したがつて、添加剤Bに比し添加剤Eの場
合は2.4倍、添加剤Fの場合は3.5倍の量が必要で
ある。ここで、これら添加剤の組成は詳細には下
記第3表に示すとおりであり、添加剤B中の
CaCO3を60重量%、添加剤F中のCaCO3を99重
量%とすると、添加剤Fの場合には添加剤Bの場
合の約2倍(3.5×60/99)の量のCaCO3分が必
要となることがわかる。
略図であり、1は添加剤ホツパー、2は添加剤フ
イーダー、3は廃棄物フイーダー、4は焼却炉、
5は流動用空気、6は廃ガス、7は空気予熱
器、、8は流動用空気ブロワー、9はサイクロ
ン、10は煙突を示す。添加剤ホツパー1に投入
された添加剤は添加剤フイーダー2を通つて廃棄
物中に混入され廃棄物フイーダー3により廃棄物
と共に焼却炉4に供給され、不活性粒子(砂等)
よりなる熱媒体と共に流動用空気5により流動化
され燃焼する。炉内温度は第2表に示されるよう
に800〜900℃、流動用空気ブロワー8から送られ
る約20℃の空気は、空気予熱器7で加熱され出口
の空気温度は約250℃である。燃焼廃ガスは空気
予熱器7に入り熱交換により流動用空気5を加熱
し、自身は冷却され約700〜800℃となり更に減温
装置(図示せず)を通り、サイクロン9及び電気
集塵器(図示せず)を経て煙突10から排出され
る。 上記の操作により得られた塩化水素の除去効果
を第2図に示す。第2図は前記添加剤B,E及び
Fの添加量(Ca/HClモル比))と廃ガス中の塩
化水素濃度との関係を示したグラフであり、曲線
の符号は各添加剤の種類B,E及びFを示す。第
2図のグラフから明らかなように、曲線E(粉状
ドロマイト)及び曲線F(微粉状炭酸カルシウ
ム)を比較すると、両者はCa/HClモル比の関係
では同一でないが、全体としてほぼ類似の反応性
を示す。一方、曲線B(粒状ドロマイト)の場合
には、高い反応性を示し、少量の添加剤の添加に
より塩化水素が効率良く除去されている。すなわ
ち、例えば、廃ガス中の塩化水素濃度を290ppm
まで減少させるのに必要な添加剤の割合は、塩化
水素に対するカルシウムのモル比(Ca/HClモル
比、以下単にモル比という)は、添加剤Bの場合
0.75、添加剤Eの場合1.8、添加剤Fの場合2.6で
あり、したがつて、添加剤Bに比し添加剤Eの場
合は2.4倍、添加剤Fの場合は3.5倍の量が必要で
ある。ここで、これら添加剤の組成は詳細には下
記第3表に示すとおりであり、添加剤B中の
CaCO3を60重量%、添加剤F中のCaCO3を99重
量%とすると、添加剤Fの場合には添加剤Bの場
合の約2倍(3.5×60/99)の量のCaCO3分が必
要となることがわかる。
【表】
したがつて、成分組成からみて、粒状ドロマイ
トが優れた塩化水素の除去効果を発揮する作用機
構は明らかではないが、次のように考えられる。
すなわち、(a) 粉状のものは流動床焼却炉内の流
動層からキヤリーオーバーし易く、したがつて、
フリーボードにおける接触反応が主体と考えられ
るが、粒状のものは流動層に一定時間滞留して
徐々に粉化するため、ガスとの接触時間が長く反
応効率が高い、(b) ドロマイトの場合には、焼却
炉内でMgCO3が次式のように分解する(560℃か
ら分解を開始し70〜730℃で最も激しく分解す
る) MgCO3→MgO+CO2 ことにより細孔構造を形成してガスとの接触面積
が増加し反応が盛んになる及び(c) 炭酸カルシウ
ムの場合には、CaCO3が次式のように分解する
(875℃から分解を開始し900〜915℃で最も激しく
分解する) CaCO3→CaO+CO2 ので、分解が遅く、したがつて反応性もドロマイ
トより劣り、又、CaCO3の表面に反応生成物が
付着して反応性が低下するものと考えられる。 このような作用を有する粒状ドロマイトは添加
剤として安価であり、維持管理の容易さを考慮し
た場合、塩化水素の除去用添加剤として最も優れ
ている。又、粒状ドロマイトは粉状のものに比し
取扱いも容易であり、例えば、貯留時のブリツ
ジ、吸湿の点から有利であり、ベルトコンベア等
で比較的容易に輸送できるという利点を有してい
る。 流動床焼却炉に用いられる砂のような熱媒体の
粒径は約0.4〜1.5mm(小さい方が良い)が適当と
されているため、添加剤としての粒径は余り大き
くすると、流動化が悪くなり更には流動床の下部
に落ち込んで反応性を低下する。したがつて、前
記実験結果と併せてその粒径は約2〜5mm程度と
することが適当であり、又、この粒径の粒体を少
なくとも約80重量%含有する粒状ドロマイトの使
用が必要である。本明者等は、ドロマイトの粒径
と篩下累積頻度との関係を調べ、平均粒径の異な
る5種のドロマイトによる塩化水素の除去率につ
き検討を加えた結果、第3図及び第4図に示す曲
線が得られた。すなわち、第3図はドロマイトの
粒径と篩下累積頻度との関係を示したグラフであ
り、A,B,C,D,Eは平均粒径3.6mm、2.5
mm、1.0mm、0.5mm、0.18mmのものを示す。この曲
線から明らかなように、曲線A及びBは本発明に
おける粒径約2〜5mmの粒体を約80重量%以上含
有する粒状ドロマイトであり、他の曲線は本発明
の範囲外の粒径の粉体からなる粉状又は微粒状ド
ロマイトである。又、第4図は、このような粒径
の異なるドロマイトにつき塩化水素の除去率を調
べた結果を示したものであり、平均粒径と塩化水
素の除去率との関係をCa/HClモル比を変化させ
て曲線化した図である。図中の曲線a,b及びc
は上記モル比がそれぞれ2.0、4.0及び6.0の場合を
示す。第4図から、平均粒径2mm付近から塩化水
素の除去率が急上昇し、良好な結果が得られるこ
とがわかる。 粒状ドロマイトの添加量は、目標とする廃ガス
中の塩化水素の濃度設定のいかんにより異なる
が、通常前記モル比で約1.0〜6.0望ましくは約1.0
〜3.0とし、例えばその目標値が200ppmである場
合には1.5〜2.0程度で十分である。 粒状ドロマイトの添加方法は特に限定されず、
直接流動床焼却炉に添加することができるが、原
料廃棄物中に連続的に供給、混入して一緒に該焼
却炉に供給することが簡易かつ効果的である。 次に、本発明を実施例及び比較例により説明す
るが、本発明はこれによりなんら限定されるもの
ではない。 実施例 前記第1図に示した流動床焼却炉により、前記
第1表に示した組成の都市ごみを、前記第2表に
示した焼却条件で焼却した。廃ガス中の塩化水素
濃度は平均738ppm(最低533ppm、最高
953ppm)であつた。次に、前記第3表に示した
組成を有しかつ粒径約2〜4mmの粒体を約90重量
%含有する粒状ドロマイト(平均粒径2.5mm)を
Ca/HClモル比が1.2となるように炉内に連続的
に添加したところ、廃ガス中の塩化水素濃度は平
均234ppm(最低150ppm、最高301ppm)に低下
した。又、上記モル比を2.0に増加したところ、
廃ガス中の塩化水素濃度は平均148ppm(最低
135ppm、最高156ppm)であり、更に、上記モ
ル比を4.0及び6.0に増加したところ、廃ガス中の
塩化水素濃度はそれぞれ平均88ppm(最低
70ppm、最高105ppm)及び平均67ppm(最低
43ppm、最高94ppm)に低下した。 比較例 1 実施例と同様にして都市ごみの焼却を行なつ
た。廃ガス中の塩化水素濃度は平均460ppm(最
低410ppm、最高530ppm)であつた。次に、前
記第3表に示した組成を有しかつ粒径約0.2mm以
下のものを約60重量%含有する粉状ドロマイト
(平均粒径0.18mm)をCa/HClモル比が2.0となる
ように炉内に連続的に添加したところ、廃ガス中
の塩化水素濃度は平均280ppm(最低250ppm、
最高310ppm)であつた。又、上記モル比を4.0及
び6.0に増加したところ、廃ガス中の塩化水素濃
度はそれぞれ平均190ppm(最低170ppm、最高
215ppm)及び平均125ppm(最低110ppm、最高
145ppm)であつた。 比較例 2 実施例と同様にして都市ごみの焼却を行なつ
た。廃ガス中の塩化水素濃度は平均433ppm(最
低391ppm、最高497ppm)であつた。次に、前
記第3表に示した組成を有しかつ粒径0.04mm以下
の粉体を約95重量%含有する(詳しくは、0.074
〜0.105mmのもの0.3重量%、0.044〜0.074mmのも
の5.2重量%及び0.044mm以下のもの94.5重量%含
有する)微粉状炭酸カルシウムをCa/HClモル比
が2.0になるように炉内に添加したところ、廃ガ
ス中の塩化水素濃度は平均350ppm(最低
299ppm、最高380ppm)であつた。又、上記モ
ル比を4.0及び6,0に増加したところ、廃ガス
中の塩化水素濃度はそれぞれ平均160ppm(最低
136ppm、最高170ppm)及び平均87ppm(最低
75ppm、最高109ppm)であつた。 以上の実施例及び比較例の結果から、本発明に
よる粒状ドロマイトの添加効果が優れていること
がわかる。 以上述べたように、本発明によれば、比較的少
量の粒状ドロマイトを流動床焼却炉に添加するこ
とにより、廃ガス中の塩化水素を簡便かつ効率良
く除去することができる。
トが優れた塩化水素の除去効果を発揮する作用機
構は明らかではないが、次のように考えられる。
すなわち、(a) 粉状のものは流動床焼却炉内の流
動層からキヤリーオーバーし易く、したがつて、
フリーボードにおける接触反応が主体と考えられ
るが、粒状のものは流動層に一定時間滞留して
徐々に粉化するため、ガスとの接触時間が長く反
応効率が高い、(b) ドロマイトの場合には、焼却
炉内でMgCO3が次式のように分解する(560℃か
ら分解を開始し70〜730℃で最も激しく分解す
る) MgCO3→MgO+CO2 ことにより細孔構造を形成してガスとの接触面積
が増加し反応が盛んになる及び(c) 炭酸カルシウ
ムの場合には、CaCO3が次式のように分解する
(875℃から分解を開始し900〜915℃で最も激しく
分解する) CaCO3→CaO+CO2 ので、分解が遅く、したがつて反応性もドロマイ
トより劣り、又、CaCO3の表面に反応生成物が
付着して反応性が低下するものと考えられる。 このような作用を有する粒状ドロマイトは添加
剤として安価であり、維持管理の容易さを考慮し
た場合、塩化水素の除去用添加剤として最も優れ
ている。又、粒状ドロマイトは粉状のものに比し
取扱いも容易であり、例えば、貯留時のブリツ
ジ、吸湿の点から有利であり、ベルトコンベア等
で比較的容易に輸送できるという利点を有してい
る。 流動床焼却炉に用いられる砂のような熱媒体の
粒径は約0.4〜1.5mm(小さい方が良い)が適当と
されているため、添加剤としての粒径は余り大き
くすると、流動化が悪くなり更には流動床の下部
に落ち込んで反応性を低下する。したがつて、前
記実験結果と併せてその粒径は約2〜5mm程度と
することが適当であり、又、この粒径の粒体を少
なくとも約80重量%含有する粒状ドロマイトの使
用が必要である。本明者等は、ドロマイトの粒径
と篩下累積頻度との関係を調べ、平均粒径の異な
る5種のドロマイトによる塩化水素の除去率につ
き検討を加えた結果、第3図及び第4図に示す曲
線が得られた。すなわち、第3図はドロマイトの
粒径と篩下累積頻度との関係を示したグラフであ
り、A,B,C,D,Eは平均粒径3.6mm、2.5
mm、1.0mm、0.5mm、0.18mmのものを示す。この曲
線から明らかなように、曲線A及びBは本発明に
おける粒径約2〜5mmの粒体を約80重量%以上含
有する粒状ドロマイトであり、他の曲線は本発明
の範囲外の粒径の粉体からなる粉状又は微粒状ド
ロマイトである。又、第4図は、このような粒径
の異なるドロマイトにつき塩化水素の除去率を調
べた結果を示したものであり、平均粒径と塩化水
素の除去率との関係をCa/HClモル比を変化させ
て曲線化した図である。図中の曲線a,b及びc
は上記モル比がそれぞれ2.0、4.0及び6.0の場合を
示す。第4図から、平均粒径2mm付近から塩化水
素の除去率が急上昇し、良好な結果が得られるこ
とがわかる。 粒状ドロマイトの添加量は、目標とする廃ガス
中の塩化水素の濃度設定のいかんにより異なる
が、通常前記モル比で約1.0〜6.0望ましくは約1.0
〜3.0とし、例えばその目標値が200ppmである場
合には1.5〜2.0程度で十分である。 粒状ドロマイトの添加方法は特に限定されず、
直接流動床焼却炉に添加することができるが、原
料廃棄物中に連続的に供給、混入して一緒に該焼
却炉に供給することが簡易かつ効果的である。 次に、本発明を実施例及び比較例により説明す
るが、本発明はこれによりなんら限定されるもの
ではない。 実施例 前記第1図に示した流動床焼却炉により、前記
第1表に示した組成の都市ごみを、前記第2表に
示した焼却条件で焼却した。廃ガス中の塩化水素
濃度は平均738ppm(最低533ppm、最高
953ppm)であつた。次に、前記第3表に示した
組成を有しかつ粒径約2〜4mmの粒体を約90重量
%含有する粒状ドロマイト(平均粒径2.5mm)を
Ca/HClモル比が1.2となるように炉内に連続的
に添加したところ、廃ガス中の塩化水素濃度は平
均234ppm(最低150ppm、最高301ppm)に低下
した。又、上記モル比を2.0に増加したところ、
廃ガス中の塩化水素濃度は平均148ppm(最低
135ppm、最高156ppm)であり、更に、上記モ
ル比を4.0及び6.0に増加したところ、廃ガス中の
塩化水素濃度はそれぞれ平均88ppm(最低
70ppm、最高105ppm)及び平均67ppm(最低
43ppm、最高94ppm)に低下した。 比較例 1 実施例と同様にして都市ごみの焼却を行なつ
た。廃ガス中の塩化水素濃度は平均460ppm(最
低410ppm、最高530ppm)であつた。次に、前
記第3表に示した組成を有しかつ粒径約0.2mm以
下のものを約60重量%含有する粉状ドロマイト
(平均粒径0.18mm)をCa/HClモル比が2.0となる
ように炉内に連続的に添加したところ、廃ガス中
の塩化水素濃度は平均280ppm(最低250ppm、
最高310ppm)であつた。又、上記モル比を4.0及
び6.0に増加したところ、廃ガス中の塩化水素濃
度はそれぞれ平均190ppm(最低170ppm、最高
215ppm)及び平均125ppm(最低110ppm、最高
145ppm)であつた。 比較例 2 実施例と同様にして都市ごみの焼却を行なつ
た。廃ガス中の塩化水素濃度は平均433ppm(最
低391ppm、最高497ppm)であつた。次に、前
記第3表に示した組成を有しかつ粒径0.04mm以下
の粉体を約95重量%含有する(詳しくは、0.074
〜0.105mmのもの0.3重量%、0.044〜0.074mmのも
の5.2重量%及び0.044mm以下のもの94.5重量%含
有する)微粉状炭酸カルシウムをCa/HClモル比
が2.0になるように炉内に添加したところ、廃ガ
ス中の塩化水素濃度は平均350ppm(最低
299ppm、最高380ppm)であつた。又、上記モ
ル比を4.0及び6,0に増加したところ、廃ガス
中の塩化水素濃度はそれぞれ平均160ppm(最低
136ppm、最高170ppm)及び平均87ppm(最低
75ppm、最高109ppm)であつた。 以上の実施例及び比較例の結果から、本発明に
よる粒状ドロマイトの添加効果が優れていること
がわかる。 以上述べたように、本発明によれば、比較的少
量の粒状ドロマイトを流動床焼却炉に添加するこ
とにより、廃ガス中の塩化水素を簡便かつ効率良
く除去することができる。
第1図は流動床焼却装置の一例を示した配置概
略図、第2図は各種添加剤の添加量(Ca/HClモ
ル比)と廃ガス中の塩化水素濃度との関係を示し
たグラフ、第3図はドロマイトの粒径と篩下累積
頻度との関係を示したグラフ、第4図はドロマイ
トの平均粒径と塩化水素除去率との関係を示した
グラフである。 1……添加剤ホツパー、2……添加剤フイーダ
ー、3……廃棄物フイーダー、4……焼却炉、5
……流動用空気、6……廃ガス、7……空気予熱
器、8……流動用空気ブロワー、9……サイクロ
ン、10……煙突。
略図、第2図は各種添加剤の添加量(Ca/HClモ
ル比)と廃ガス中の塩化水素濃度との関係を示し
たグラフ、第3図はドロマイトの粒径と篩下累積
頻度との関係を示したグラフ、第4図はドロマイ
トの平均粒径と塩化水素除去率との関係を示した
グラフである。 1……添加剤ホツパー、2……添加剤フイーダ
ー、3……廃棄物フイーダー、4……焼却炉、5
……流動用空気、6……廃ガス、7……空気予熱
器、8……流動用空気ブロワー、9……サイクロ
ン、10……煙突。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 焼却炉内で不活性粒子よりなる流動層を形成
して廃棄物を焼却するに当り、該焼却炉内に粒径
約2〜5mmの粒体を約80重量%以上含有する粒状
ドロマイトを添加することを特徴とする流動床焼
却炉廃ガス中の塩化水素の除去方法。 2 粒状ドロマイトを発生塩化水素に対しCa/
HClモル比で約1.0〜3.0の割合で添加する特許請
求の範囲第1項記載の流動床焼却炉廃ガス中の塩
化水素の除去方法。 3 粒状ドロマイドを廃棄物と共に添加する特許
請求の範囲第1項又は第2項記載の流動床焼却炉
廃ガス中の塩化水素の除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1188579A JPS55105110A (en) | 1979-02-06 | 1979-02-06 | Method for removal of hydrogen chloride contained in waste gas discharged from fluidized-bed incinerator |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1188579A JPS55105110A (en) | 1979-02-06 | 1979-02-06 | Method for removal of hydrogen chloride contained in waste gas discharged from fluidized-bed incinerator |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS55105110A JPS55105110A (en) | 1980-08-12 |
JPS6124606B2 true JPS6124606B2 (ja) | 1986-06-11 |
Family
ID=11790170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1188579A Granted JPS55105110A (en) | 1979-02-06 | 1979-02-06 | Method for removal of hydrogen chloride contained in waste gas discharged from fluidized-bed incinerator |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS55105110A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0866271A2 (en) | 1997-03-18 | 1998-09-23 | Nkk Corporation | Apparatus and method for recovering heat from fluid-bed type incinerator, and method for inhibiting production of dioxins |
DE102017122970B4 (de) | 2017-10-04 | 2021-10-21 | FischerteC GmbH | Verbrennungsofen |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5866712A (ja) * | 1981-10-16 | 1983-04-21 | Nippon Zeon Co Ltd | 流動焼却炉付帯設備の腐食防止法 |
EP0702078B1 (en) * | 1994-09-14 | 2001-12-05 | Toda Kogyo Corporation | Method of incinerating combustible wastes and chlorine scavenger |
JP6313117B2 (ja) * | 2014-05-15 | 2018-04-18 | 株式会社神鋼環境ソリューション | 流動床炉の運転方法及び流動床炉 |
-
1979
- 1979-02-06 JP JP1188579A patent/JPS55105110A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0866271A2 (en) | 1997-03-18 | 1998-09-23 | Nkk Corporation | Apparatus and method for recovering heat from fluid-bed type incinerator, and method for inhibiting production of dioxins |
DE102017122970B4 (de) | 2017-10-04 | 2021-10-21 | FischerteC GmbH | Verbrennungsofen |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS55105110A (en) | 1980-08-12 |
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