JPS6123746B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フアン等の負荷を容易に取り付け組
み立てることのできる電動機の構造に関する。

電動機は、たとえフアン等の比較的軽量の負荷
であつても出力を負荷に伝達するために丈夫な負
荷の取り付け部分を構成しなければならなかつ
た。

このため従来、出力軸の端部にネジ加工や平面
部を形成して負荷を取り付けていたが、ネジ加工
や平面加工は加工に時間を要し、しかもネジに嵌
着するナツトや平面部に当接するボルトには振動
等で緩むことのないよう組み立て後ペイント等を
塗つて緩み止めの処理を施さなければならなかつ
た。

このため、加工と共に組み立てに時間がかか
り、かつペイント等による処理は、材料費は安価
であるものの手作業になるため均一な品質が大量
生産に於いて保証できず、価格上昇の要因を有す
ると共に大量生産に適合しない要素を有してい
た。

本発明は、このような事情を鑑みてなされたも
のであり、加工性をよくすると共に組み立てやす
くし、大量生産に適合する電動機を安価に提供す
ることを目的としている。

以下、本発明を図面に示された実施例にもとづ
いて説明すると、第１図は本発明の実施例を示し
た電動機の図であり、第２図は本発明の構成要素
の一つである押板の斜視図であり、第３図は他の
実施例の要部縦断面図である。

そして、第１図に於いて、電動機は、本体１の
一方の側へ軸２が延出しており、この軸２の端部
３には荒削り加工によつて形成された粗面４が設
けられている。

さらに、軸２には、軸２の端部３に対向する平
面部５が形成されたカラー６が圧入されている。

そして、平面部５の端部３側に負荷としてフア
ン７が介在支持されており、このフアン７をスプ
リング性を有し中空に形成された押板８がカラー
６の方向へ押している。

また、平面部５には、凸部９が形成されてフア
ン７に設けられた凹部１０に嵌合しており、負荷
であるフアン７とカラー６との連結手段を構成し
ている。

押板８は、第２図に示される通り、中空円板状
に形成され、中空の内端１１は四つの延出部分で
形成されており、内径は軸２の外径より少し小さ
くなつている。

そして、第３図に示された他の実施例は、フア
ン７を防振的に支持した他の実施例であり、フア
ン７は両側からゴム１２，１３で挾まれて支持さ
れており、押板８は軸２の端部３側のゴム１２を
押圧しながら粗面４で内端１１が係止されてい
る。

さらに、カラー１４には凹部１５が設けられて
おり、この凹部１５にフアン７との間に介在され
るゴム１３の凸部１６が嵌合されており、かつ同
様にフアン７の凹部１０にゴム１３の凸部１７が
嵌合されている。

このような構成に於いて、電動機の本体１の軸
２に、端部３からプレス等でカラー６を圧入す
る。

そして、フアン７を軸２に嵌入しカラー６の凸
部９とフアン７の凹部１０とを嵌合させ、端部３
から押板８を軸２に挿入する。

このとき、押板８は、内端１１で形成される内
径が軸２の外径より小さいため、押板８の内端１
１は端部３の方向へ曲がり内径が広がることにな
る。

そして、内端１１は、粗面４に係止されるが、
この係止の力は、内端１１の曲がりの方向の関係
から、カラー６方向への押し込みには係止力は弱
いが軸２の端部３方向への引張りに対しては大き
な係止力を示すことになる。

このため、押板８は一度軸２に挿入すると、粗
面４と内端部１１の係止作用によつて、抜けるこ
とがなく、しかもスプリング性を有していること
からフアン７をカラー方向へ押しつづけることに
なる。

従つて、フアン７はカラー６の平面部５と夫々
の凹部１０および凸部９によつて支持され、かつ
押板８のスプリング性と係止の作用によつて外れ
ることなく支持されることになる。

しかも、組み立ては、電動機の本体１の組み立
て時にカラー６を軸２に圧入しておけば、フアン
７と押板８の装着のみによつて丈夫に組み立てる
ことができ、きわめて合理的である。

そして、組み立て後の品質の均一性は十分満足
できるものであり、故障や不良品を発生させるこ
とが少なくなる。

また、軸２の粗面４は、素材外面が荒い場合こ
の部分だけ未加工の素材で形成したものでも十分
な係止力を押板８との間で保つことができ、かつ
荒削り加工でもよく加工性はきわめてよい。

そして、カラー６は、プレス絞り等の成形品で
よく安価に良品が大量生産でき、軸２への圧入も
小形プレスやハンドプレス等で十分な強度が得ら
れるため、組み立てに要する労力は少なくてす
む。

さらに、フアン７やカラー６に形成する凹部１
０や凸部９は夫々プレス成形時に同時成形するこ
とできわめて精度の高いものを安価に製作するこ
とができ便利である。

また、カラー６は、軸２に丈夫に取り付ける必
要があり、必要によつては、糊着あるいは、軸２
のカラー６が圧入される部分をも粗面やローレツ
ト加工によつて仕上げ軸２とカラー６との摩擦力
を向上してもよい。

さらに、軸２のトルクが大きく、負荷が大きい
場合には、キーやピンによる係止の方法によつて
カラー６を軸２に取り付けてもよい。

一方、フアン７等の負荷に於いて、しばしば、
防振構造を伴つて軸２に負荷が取り付けられるこ
とがあるが、このような場合は、第３図の他の実
施例に示される通り、カラー１４と押板８との間
に緩衝体であるゴム１２，１３を介在させ、さら
にこのゴム１３，１４に負荷のフアン７を挾んで
支持し、軸２とフアン７との間の振動の伝達をゴ
ム１２，１３によつて緩衝している。

この場合、軸２からフアン７へのトルクの伝達
は、凹部１０と凸部１７および凹部１５と凸部１
６とによつて回転方向の係止を行つて伝達すれば
この凹部１０，１５は夫々プレス成形時等に同時
成形でき、ゴム１３の凸部１７，１６は夫々ゴム
１３の成形時に成形すればきわめて簡単に、しか
も費用をあまり要せず実施できる。

そして、これら、凹部１０，１５および嵌合さ
れる凸部１６，１７は、複数個配設すれば容易に
強度が得られ、丈夫に作ることができるものであ
る。

さらに、この負荷はフアン７等に限定されるこ
となく、小形のプーリや回転刃等の負荷であつて
も容易にカラー６，１４と押板８との間に介在し
て取り付けることができ、その応用できる範囲は
きわめて広いものである。

以上、説明の通り、本発明は、軸に負荷を取り
付けるにきわめて簡単に組み立てができ、しかも
材料の加工性がよく製作費が高くなることがなく
大量生産に於いて均一な品質が容易に得られ、そ
の効果は産業上大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の電動機の要部を
縦断面して示した図であり、第２図は、押板の斜
視図である。そして、第３図は、他の実施例によ
る要部縦断面図である。 部品の名称 ２…軸、４…粗面、５…平面部、
６，１４…カラー、７…フアン、８…押板、９，
１６，１７…凸部、１０，１５…凹部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 端部に粗面を有する軸と、この軸に該端部に
   対向する面を有して固定される板金製のカラー
   と、このカラーと該端部との間に介在される負荷
   と、この負荷に係合する該カラーの凹凸部と、該
   粗面に内端が係止されるスプリング性を有する押
   板とを備えて成る電動機。