JPS6123339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は投網又はその他の魚網の下端縁に取
付けるための重錘に関する。

従来この種の重錘としては、例えば中通し（な
かどおし）と称し、紡錐型で軸心に沿つた貫通孔
を有する鉛又は合金製の重錘本体を予め製造し、
該重錘本体の貫通孔にロープを差し通すようにし
たものや、あるいは鉛線ロープと称し、挟持用の
切欠部を有する鉛又は鉛合金製の重錘本体を予め
製造し、この重錘本体をロープに沿つてその外周
に所定のピツチで複数個かしめて固定するように
したもの等が使用されていた。

しかしながら、前者にあつては、重錘本体の製
造費は比較的安いが、これを魚網に取付けるため
には、上述の如く重錘本体の貫通孔にロープを差
し通した後、重錘本体がずれないように別のロー
プを用いて魚網の下端縁に連結・固定しなければ
ならず、取付けのために多大な手間、労力、費用
が必要となり、また後者にあつては、挟持用の切
欠部を備えた重錘本体を予め製造しなければなら
ず、重錘本体の製造費が高くつく上に、重錘本体
をかしめるための装置も必要で、製造工数も増大
しコスト高になる等の問題点があつた。

この考案は、このような従来の問題点を着目し
てなされたもので、製造工数を減少させると共
に、製造費、取付費が共に安価な魚網用重錘を提
供することを目的としている。

具体的には、この考案の魚網用重錘にあつて
は、ロープが心材へ鉛又は鉛合金の鋳込み温度に
耐え得る材質の外周材を被覆して形成され、この
ロープの外周に、該ロープに沿つて所定ビツチで
鉛又は鉛合金製の複数個の重錘本体を鋳込み固定
した構成とすることにより、上記従来の問題点を
解決するものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。第１図〜第３図に於いて、１がロープ
で、このロープ１は無編成の心材２を編成した外
周材３にて被覆した状態となつている。そして、
このロープ１の外周、具体的にはロープ１の外周
材３の周囲に、紡錐形を有する鉛又は鉛合金製の
複数個の重錘本体４をロープ１に沿つて所定ピツ
チで鋳込み固定するようにしている。この重錘
本体４の鋳込みは鉛又は鉛合金の温度が約300℃
〜400℃で、時間が１〜２秒程度となつており、
この鋳込み時にロープ１が燃えることがないよ
う、少なくともロープ１の外周材３は上記鋳込み
時の鉛又は鉛合金の温度に耐え得る材質にて形成
されている必要がある。ここでは、ロープ１とし
て、心材２及び外周材３に各々綿糸を用いた通常
市販のものを採用しており、この綿糸製のロープ
１でも上記鋳込み時の鉛又は鉛合金の温度に耐え
られるものであつた。また、外周材３の材質とし
ては、上記綿糸の他にガラス繊維、炭素繊維又は
ケプラー等を例示できる。一方、心材２の材質と
しては、上記外周材３に適用するものの外、化学
繊維又はこれらとの混紡繊維等を例示できる。こ
のように、ロープ１の外周に直接重錘本体４を鋳
込むことができるので、ロープ１を供給しつつ連
続鋳造装置にて重錘本体４をロープ１上に鋳造し
てゆけば、重錘が連結的に製造されることとなる
ものである。

以上説明してきたように、この考案の魚網用重
錘は、上述の如き構成としたため、市販の通常の
ロープに所定ピツチで鉛又は鉛合金製の重錘本体
を鋳込むだけで、ロープが切れたり変形すること
なく、容易に連続して製造できることとなり、そ
の結果製造工数を減少させることができる上に、
製造費、取付費も安価となすことができ、更には
従来の中通しのように重錘を別のロープで魚網に
取付けるための熟練が不要で、しかもロープによ
る固定ではないので、重錘本体のピツチ設定を自
由且つ容易になすことができ、また鉛線ロープに
比し重錘本体の表面にかしめによる凹凸が生ぜず
滑らかになるので、魚網が重錘本体にひつかかる
というような事態を防止することができる等の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す魚網用重錘
の一部を断面にして示す部分正面図、第２図は第
１図−線に沿う拡大断面図。第３図は第１図
−線に沿う拡大断面図である。 １……ロープ、２……心材、３……外周材、４
……重錘本体、……所定ピツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 心材へ鉛又は鉛合金の鋳込み温度に耐え得る材
   質の外周材を被覆した構成のロープと、該ロープ
   に沿つて所定ピツチで上記ロープ外周に鋳込み固
   定された鉛又は鉛合金製の複数の重錘本体とから
   成る魚網用重錘。