JPS6123032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えば針床の上方に配置された複
数個の糸道がキヤリツジの左右方向の往復運動に
共動して順次駅伝的に交代して作動し、それらの
導いている互いに色とか組成とかの違つている複
数の編糸で、模様が現われた１枚の緯メリヤス系
の編地を編み出す様式の横式メリヤス編機におい
て、メリヤスを編む過程中、糸道が交代する位置
で、編糸の導入を分担している区間での最後の編
針の鉤の内に編糸を確かに導入するこができるこ
と、交代位置に停止してている糸道が逆方向の横
行を開始したとき、その下端で自から案内してい
る編糸を突き切るおそれがないこと、さらに複数
の編糸を引揃えて導入している場合、複数の糸を
糸道の下端の前後に分離するおそれがないこと、
以上のような糸道の提供を目的とする。

この考案を、図面に示す実施例に基づいて詳し
く説明する。

第１図および第２図において、１は針床Ａの上
方に横架された糸道レール、２は糸道レール１の
一側面に摺動自在に装着された摺動子、３は摺動
子２に上下動自由に取付けられた糸道取付け板
で、これはバネによつて常時上方に引張られてお
り、上端部前面にカムフオロア１０が設けられて
いる。カムフオロア１０は左右方向に往復運動す
るキヤリツジ（図示略）がその上方に具えている
糸道押下げカム１１の移動線上に臨ませられてい
る。４は糸道杆で、これはそれの取付片３の前面
に取付けられている。５は糸道で、これは糸道杆
４の前面に上下の移動可能に取付けられている。
１２，１３はＬ形の係合片で、摺動子２の左右動
の範囲を規制する制止カム１４，１５にそれぞれ
係合するようになされている。１７，１８は摺動
子２の上面に設けられた索引用凸起で、これはキ
ヤリツジ（図示略）がその上方に備えている昇降
自由な糸道索引片１６の移動線上に臨ませられて
いる。１９，２０はレール１に並列に配置された
可動棒で、これに制止カム１４，１５が連結され
ており、制止カム１４，１５は可動棒１９，２０
の移動に伴つてレール１上を左右方向に変位する
ようになされている。

糸道５は第３図および第４図に示されているよ
うに、長方形の基部５ａとこの下端にその延長状
に垂れている細帯状の導糸部５ｂとから成る。基
部５ａにはこれを取付杆４に取付けるための長孔
６があけられており、導糸部５ｂにはその下端に
近く導糸孔７があけられている。また、導糸部５
ｂは基部５ａに対して90度ねじられてその平たい
面が針床（図示略）上の編針の軸線と平行してい
る。さらに導糸部５ｂはその下辺８がθ角の傾斜
部８に形成されており、また、下端に近い位置で
ゆるいα角で糸道５の横行方向に曲つた屈曲部９
が形成されている。

糸道５は、薄い金属板製であり、例えば、打抜
きプレス加工により成型される。

上記において、キヤリツジ（図示略）が右方向
に進行すると、糸道索引片１６が摺動子２の右の
凸起１８を押して摺動子２が右方向に索引され
る。この間、編糸は糸道５の導糸孔７を通じて針
床Ａにおける編針列に供給される。やがて、摺動
子２は右方の制止カム１５に突き当つて右行を停
止し、それとともに係合片１３が制止カム１５に
掛止せられ摺動子２の位置が保たれる。他方、糸
道索引片１６は制止カム１５の左の傾斜面に案内
されて摺動子２の凸起１８から上方に脱しその上
方を通過する（第１図参照）。次いで糸道取付片
３のカムフオロア１０が糸道押下げカム１１の左
方向傾斜部に案内されてこのカム１１の通過する
間だけ糸道５が押下げられ、その下端の導糸孔７
の在る部が、糸道５が交代する位置での、左右の
編針相互間の間隙に突入し、このことによつて自
らが案内している編糸を編針のフツクの外に浮上
つてフツクから外れることがないように支持す
る。

糸道５の下端に形成されている屈曲部９は、糸
道５が第４図の矢印ｂ方向に進行している過程
で、その導いて編糸に対する導糸孔７の孔角部と
下端部の摩擦を減らし、殊に第４図に示す矢印ａ
方向に進行していた糸道５が矢印ｂ方向に進行方
向を変えたさい、糸道５の下端が編糸を衝撃して
切断してしまうということ、糸道５の下端が編糸
との衝撃で折れたり曲つたりすることがない。ま
た、糸道５の下辺に傾斜部８が形成されているか
ら、複数本の編糸を引揃えて導糸孔７に通し、編
針に導く場合の過程で、複数本の編糸は傾斜部８
に案内されることで自然に引揃えられた状態に保
たれる。したがつて複数本の編糸が糸道５の下端
の前後に割れて案内され編針への供給が不確かに
なるという欠点がない。

キヤリツジが左方向に進行する場合は、上記と
対称の動作が行なわれる。

この考案の糸道５は、上に述べたように導糸孔
の在る下端部が、針床上の編針の軸線と平行する
方向に薄手の扁平型に形成せられているから、編
針列における所定の区間の横行を中止して次の区
間での次の糸道と交代する位置において、横列し
ている２本の編針相互の狭い間隙内に、導糸孔の
在る部を突入させ、それによつて、案内している
編糸の編針のフツク外に浮遊して外れ出るのを防
ぎ、フツクの内に確かに支持し、欠目のない編
組、したがつて柄の境界の明確な柄編地の編組を
可能にする効果がある。また任意に糸道を押下げ
たままの状態に保つて案内している編糸を編針の
背下に遊ばせ、ループの編組を中止させ、それの
任意の組合わせで柄を編み出すこともできるとい
う効果がある。

この考案の糸道は、導糸孔の在る下端部が糸道
の横行する方向に斜降する形状に折曲げられてい
るから、案内している編糸に対する導糸孔、特に
糸道の下端との摩擦が少なくなり、編針への滑か
な給糸が可能であるし、糸道の横行方向が転換せ
られる場合における糸道の下端と編糸との強い衝
撃が無くなり、編糸の切断が防げるという効果が
ある。

この考案の糸道は、導糸孔の在る下端部の下辺
が前後の方向に傾斜した形状に形成せられている
から、複数条の編糸が引揃えられて案内せられる
場合、複数条の編糸が傾斜面で誘導せられること
で、自ら引揃つた原型を維持することができ、複
数の編糸が糸道の下端の前後両側面に分割せられ
るということが無く、整然とした所期の編組がで
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので第１図は
全体の正面図、第２図は同側面図、第３図は要部
拡大正面図、第４図は同側面図である。 １……糸道レール、２……摺動子、４……糸道
杆、５……糸道、５ａ……糸道基部、５ｂ……糸
道下端部、７……導糸孔、８……傾斜部、９……
屈曲部、θ……傾斜部の角度、α……屈曲部の角
度。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 針床Ａの上端に向つて縦に垂れていて、キヤリ
   ツジと共動的に左右の方向に往復運動を行なう様
   式になつている、横式メリヤス編機用の糸道５に
   おいて、導糸孔７の在る下端部５ｂが、編針の針
   杆に平行した扁平形になつているとともに、側方
   に向けて斜降形９に屈折せられていること、並び
   に同下辺部が前後方向に斜形８に形成せられてい
   ること、を特徴とする横式メリヤス編機用の糸
   道。