JPS6122988Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、赤熱コークスを不活性ガスにより
消火冷却するコークス乾式消火炉設備の集塵装置
で回収した粉塵を流通しながら冷却するためのコ
ークス乾式消火炉用粉塵冷却管に関するものであ
る。

近年、環境汚染のおそれがなく、しかも廃熱を
有効に利用し得るコークス消火装置として、コー
クス乾式消火炉設備（通称CDQ）が採用されつ
つある。

このコークス乾式消火炉設備は、消火炉本体
と、コークス消火に使用する不活性ガス供給装
置、集塵装置、廃熱利用熱交換装置、赤熱コーク
ス供給装置、製品コークス切出装置およびこれら
装置に付帯する設備からなつている。

第１図は、消火炉本体の縦断面図で、たて形の
消火炉本体１は、その頂部には装入口２が、また
不活性ガス吹込口３が設けられたホツパ状底部４
の下端には、カツトゲート５が、そして、カツト
ゲート５に続けて切出装置６Ａ，６Ｂが設けられ
ている。

消火炉本体１は、内部の上半分が赤熱コークス
が滞留するプレチヤンバＡに、そして下半部が不
活性ガス吹込口３から吹込される不活性ガスによ
つて赤熱コークスを消火冷却する冷却室Ｂに形成
され、冷却室Ｂの下部中心位置には、デイストリ
ビユータ７が立設されている。また、冷却室Ｂの
上端付近には、円周方向にほぼ等間隔で多数のガ
ス排出口８が設けられ、このガス排出口８は、消
火炉本体１の壁部１Ａ内に形成された環状のチヤ
ンバ９の底部に通じている。

チヤンバ９に入つたガスは、煙道１０から集塵
装置１１に導かれ、集塵装置１１を通つたガス
は、熱交換器２において水と熱交換して冷却され
てのち、サイクロン１３を経てブロワ１４により
再びガス吹込口３に圧送され、冷却室Ｂに吹込ま
れる。

上述した構造の乾式消火炉設備では、装入口２
から消火炉本体１内に装入された赤熱コークス
は、不活性ガス吹込口３から吹込される不活性ガ
スによつて消火れさる。消火されたコークスは、
カツトゲート５を開くことによつて、切出装置６
Ａ，６Ｂから排出され、一方その分だけ消火炉本
体１内にあるコークスは下降する。

上述したコークス乾式消火炉設備では、コーク
スの冷却に使用した不活性排ガス中に、多量の集
塵が混入しているので、集塵装置１１でまず排ガ
ス中の粉塵を分離し、排ガスはその保有する熱を
熱交換器１２で有効に回収した後、サイクロン１
３において、更に微粉塵を分離回収する。

これらの粉塵のうち、集塵装置１１で回収され
た粉塵は特に高熱であり、冷却する必要がある。
この冷却には、従来第２図に一部切欠した側面図
で、第３図に第２図−線拡大断面図で示され
ているように、管体１５の内部中心位置に水管１
６を配置し、この管体１５内に流れる粉塵（図中
に破線で示す）をを冷却していた。

この場合、粉塵は水管１６に接する内面側から
しか冷却されないため、冷却効果が悪く、かつ管
体１５が傾斜していると、粉塵は下側となる側に
沿つて流れ、水管１６の軸線を含む面から下側で
粉塵が接し、熱交換が低かつた。

この結果、バグフイルターに送られた粉塵が冷
却されずに高熱のままであることによりトラブル
発生率が高かつた。

この考案は、上述の観点から、高い効率で粉塵
を冷却することができるコークス乾式消火炉用粉
塵冷却室を提供するもので、 管体内部中心位置に内部水冷ジヤケツトを、ま
た管体沿い内側部分に外部水冷ジヤケツトを夫々
形成し、両水冷ジヤケツト間の環状空間を粉塵流
路とすると共に、前記粉塵流路と外部水冷ジヤケ
ツトの内部を、直径線状に設けた隔壁により上下
２層に夫々区分したことを特徴を有するものであ
る。

ついで、この考案を実施例により図面を参照し
ながら説明する。

第４図には、この考案の粉塵冷却管の実施例が
縦断側面図で、また第５図には第４図−線拡
大断面図で示されている。図面に示したように、
この考案の粉塵冷却管１７は、管体１７Ａの中心
部に内部水冷ジヤケツト１８が、また管壁沿いの
内側部分に外部水冷ジヤケツト１９が夫々形成さ
れ、両水冷ジヤケツト１８，１９間の環状空隙を
集塵装置１１に通じた粉塵流路２０とすると共
に、この粉塵流路２０と外部水冷ジヤケツト１９
の内部を直径線上に設けた隔壁２１，２１によ
り、上層粉塵流路２０Ａと下層粉塵流路２０Ｂ、
および、上層外部水冷ジヤケツト１９Ａと下層外
部水冷ジヤケツト１９Ｂとに区分してある。

なお、図中の２２Ａ，２２Ｂは上層外部水冷ジ
ヤケツト１９Ａと下層外部水冷ジヤケツト１９Ｂ
に給水する給水口、２３は内部水冷ジヤケツト１
８に給水する給水口である。

上述の構成としたこの考案の粉塵冷却室１７
は、集塵装置１１から流下する粉塵が、上層粉塵
流路２０Ａと下層粉塵流路２０Ｂとにほぼ均等に
導かれ、傾斜管とした管体１７Ａ内を、しかも、
内部水冷ジヤケツト１８と、上下層の外部水冷ジ
ヤケツト１９Ａ，１９Ｂとに夫々挾まれた状態で
流れる。管体内を流れるコークス粉塵は粒径分布
が広く、従来、比較的大きい粒径の粉塵は、管内
の下部に落下し、早いスピードで流下するため冷
却不足が生じ、一方、従来の管内の上部には粉塵
の存在しない空間部が生じ、冷却効率の低下を招
いていたが、この考案のように、粉塵流路２０が
隔壁２１によつて上層粉塵流路２０Ａと下層粉塵
流路２０Ｂとに区分されていることにより、粉塵
は上層粉塵流路２０Ａと下層粉塵流路２０Ｂとを
ほぼ均等に流れ、通路２０Ａおよび２０Ｂの各々
内において上層外部水冷ジヤケツト１９Ａと下層
外部水冷ジヤケツト１９Ｂの夫々を流れる冷却水
により均等に冷却され、しかも、粉塵流路２０の
上部に従来のような粉塵の存在しない空間部が生
じることはない。このように、粉塵は、粉塵冷却
室１７内を均等に流れ且つ広い面積で冷却される
から、高い効率で均一に冷却される。

以上説明したように、この考案の粉塵冷却管に
よれば、集塵装置で回収した粉塵を、バグフイル
タ等の気体−固体分離収塵機に送る途中で確実に
常温まで冷却することができ、トラブルの発生を
皆無になし得る優れた効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図はコークス乾式消火炉設備の一例を示す
系統図、第２図は一部を切欠図示した従来の粉塵
冷却管の側面図、第３図は第２図−線拡大断
面図、第４図はこの考案の粉塵冷却管の実施例を
示す縦断側面図、第５図は第４図−線拡大断
面図である。図面において、 １……消火炉本体、２……装入口、３……ガス
吹込口、８……ガス排出口、９……チヤンネル、
１０……煙道、１１……集塵装置、１２……熱交
換器、１３……サイクロン、１４……ブロワ、１
７……この考案の粉塵冷却管、１７ａ……管体、
１８……内部水冷ジヤケツト、１９……外部水冷
ジヤケツト、１９Ａ……上層外部水冷ジヤケツ
ト、１９Ｂ……下層外部水冷ジヤケツト、２０…
…粉塵流路、２０Ａ……上層粉塵流路、２０Ｂ…
…下層粉塵流路、２１……隔壁、２２Ａ，２２
Ｂ，２３……給水口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管体内部中心位置に内部水冷ジヤケツトを、ま
   た管壁沿い内側部分に外部水冷ジヤケツトを夫々
   形成し、両水冷ジヤケツト間の環状空隙を粉塵流
   路とすると共に、前記粉塵流路と外部水冷ジヤケ
   ツトの内部を、直径線状に設けた隔壁により上下
   ２層に夫々区分したことを特徴とするコークス乾
   式消火用粉塵冷却管。