JPS6121899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビジヨン受像機に使用するブラウ
ン管アース線装置の改良に関するものである。 従来より使用されているブラウン管用アース線
装置としては、テレビジヨン受像機の背面図を示
す第１図と、第１図の一部破断側面図である第２
図を参照して説明する。 アースとして使用される導線５の両端に、ブラ
ウン管２の各コーナに設けられ、ブラウン管２を
キヤビネツト１に取り付ける為の取付金具３ａ，
３ｂ，３ｃ，３ｄに挿入可能な輪４ｂ，４ｄを設
ける。次にこの導線５の全長略1/3と、略2/3の位
置、すなわち前記取付金具３ａ，３ｃに取り付け
られる位置に、取付金具３ａ，３ｃに挿入可能な
輪４ａ，４ｃを導線５に接続する。輪４ａと導線
５の間には導線５をブラウン管２の背面に密着さ
せる目的で、コイルスプリング６を取り付ける。 このように加工された導線５をアース線７とし
てそれぞれの輪４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄをブラウ
ン管２に設けられた取付金具３ａ，３ｂ，３ｃ，
３ｄに挿入して略Ｕ字形を形成しアース線装置と
している。 このアース線装置はシヤーシ（図示せず）に接
続することで、ブラウン管２の背面に帯電された
静電気を流す目的に使用されるのが一般的であ
る。 又、カラーテレビジヨン受像機においては、地
磁気の影響によるシヤドウマスク等の磁気作用に
よつて、画面の色ズレが発生する為、消磁を目的
とする消磁コイルをブラウン管近辺に取り付け減
衰交流電流を流して、対処している。この消磁コ
イルの保持装置についても、同じく第１図、第２
図で説明する。 キヤビネツト１内側のブラウン管２周辺部に取
付部品１１，１１…例えば、ひねり止め可能なバ
ンドやリード抑え等をネジやステツプルで固定
し、ブラウン管２の周辺部に消磁コイル１２を配
置して、上記取付部品１１，１１…に取り付けて
いた。消磁コイル１２はある程度の柔軟性をもつ
ている為、製品輸送中の移動対策としてブラウン
管２の各辺で１ケ所は固定する必要があつた。 従来例の消磁コイル１２の保持装置は、上記の
ような構成であり、取付部品１１はキヤビネツト
１内側の壁面付近に固定しなければならず作業性
が悪かつた。 消磁コイル１２の取り付けも、ブラウン管２の
取り付け後となり、キヤビネツト１内側の壁面と
ブラウン管２の間の狭い場所で作業を行なう為、
取り付けが非常に困難であつた。又、消磁コイル
１２の取り付け位置が上記理由でバラツキやすく
消磁効果を妨げる欠点にもなつていた。 尚、従来例のブラウン管用アース線の又点とし
ては、単にアースすることのみが目的であり、他
の部品を保持する等の複合的な効果を見出せなか
つた。 本考案の目的は上記の欠点を解決し、複数の効
果をもたせることができるブラウン管用アース線
装置を得ることである。 以下、第３図、第４図を参照して本考案の第１
実施例を説明する。第３図は本考案のアース線装
置を構成するアース線を示す展開図で、第４図は
第３図のアース線をブラウン管背面に取り付けた
状態を示すアース線装置の正面図である。 アースとして使用される導線１５の両端に、ブ
ラウン管２の各コーナに設けられた取付金具３
ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄに挿入可能な大きさの輪９
ａ，９ｄを設ける。次にコイルスプリング１６の
一端に、紐や導線でつくられ前記輪９ａ，９ｄと
同様の輪１７を設け、輪１７の設けられていない
一端を前記導線１５の略中央部に接続する。コイ
ルスプリング１６と導線１５の接続は、半田付に
よる固定、又は製造上のバラツキや作業性を考慮
して、導線１５にそつて移動する移動可能な取り
付けのどちらでも良い。このように加工された導
線１５をアース線１８とする。 本考案のアース線１８と従来例のアース線７と
の構成上の比較を明確にすると、コイルスプリン
グ１６の取り付け位置が相違すること、取付金具
３ｃに挿入する為の輪４ｃがないことである。 上記の如く構成されたアース線１８に設けられ
ている輪９ａをブラウン管２の取付金具３ａに挿
入し、導線１５を順次、取付金具３ｂ，３ｃと引
つ掛けて取付金具３ｄに輪９ｄを挿入する。この
場合取付金具３ｂ取付金具３ｃ間の導線１５は第
４図に示す点線の如く配置されるが、コイルスプ
リング１６の先端に設けた輪１７を、取付金具３
ａに挿入させることで導線１５は、実線の如く、
ひつぱられブラウン管２の背面に密着した略Ｎ字
形の状態で取り付けられる。 以上記載したように本考案の第１実施例によれ
ばブラウン管２の各コーナに設けられた取付金具
３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄの全てに従来例の如く導
線の輪を挿入させることがない為作業性が向上す
る。アース線１８の形状が単純化できる。又、第
２実施例で説明するように、この形状を基本とし
て、他の部品保持装置に展開できる等の効果が得
られる。 以下第５図、第６図を参照して本考案の第２実
施例を説明する。第５図は本考案のアース線を取
り付けたアース線装置の正面図で、第６図は第５
図のアース線装置に消磁コイルを取り付けた正面
図である。 第１実施例で説明したアース線１８の互いに対
抗する位置、すなわちブラウン管２に設けられた
取付金具３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄのうち取付金具
３ａと取付金具３ｂ間のそれぞれの取付金具付近
に複数のリード抑え２０を、取付金具３ｃと取付
金具３ｄ間には、複数のリード抑え２１を取り付
けたものが第２実施例のアース線２４である。
（以下互いに対抗する位置とは取付金具３ａ，３
ｂ間と取付金具３ｃ，３ｄ間を言う）リード抑え
２０，２１は、それぞれの近くにある輪９ａ，９
ｄを基準として、一定の位置に設けておけば、コ
イルスプリング１６の強さに関係なく、ブラウン
管２との関係位置はいつも一定にすることができ
る。前記リード抑え２０とリード抑え２１は同一
形状で良く具体的な形状としては第８図に示すよ
うに板体状の一方には消磁コイル２５を引つ掛け
て支持できる断面円弧状の支持部４０と支持部４
０の反対側には孔４１を設けて、孔４１とアース
線２４を紐で固定した構成、又９図に示すように
針金状の材料で一方には消磁コイル２５を支持で
きる比較的大きな円弧４２と他方にはアース線２
４を挿入してカシメが可能な小円弧４３をもつた
構成等でアース線２４に固定され要は消磁コイル
２５を保持できる構成であればどのような形状で
も良い。この様な構成のリード抑えに第６図に示
す通り消磁コイル２５を取り付けた場合、アース
線２４に設けられたコイルスプリング１６の効果
によりアース線２４の前記互いに対向する部分は
最短距離になり、消磁コイル２５は両側に引つ張
られブラウン管２の背面に密着する状態で取り付
けられる。又、消磁コイル２５の取り付けは片側
を複数のリード抑え２１に挿入し、反対側に設け
られたリード抑え２０側に引つ張りながら、複数
のリード抑え２０に引つ掛けるだけのワンタツチ
による取り付けが可能である。 尚、消磁コイル２５の保持力増加と取り付け作
業性の向上を計る為に第７図の如く前記互いに対
向するアース線間のどちらか一方例えば取付金具
３ａと取付金具３ｂ間のアース線中央部にコイル
スプリング１９を更に追加すれば一層効果が増
す。この場合取付金具３ｂにはアース線を引つ掛
けるだけでなく輪２６を追加して挿入すればアー
ス線２８の動きが二分割され、リード押え２０，
２１が関連して移動しないので消磁コイル２５の
取り付作業性が更に向上する。 以上記載したように、本考案によればキヤビネ
ツト１にブラウン管２を取り付ける前に、すなわ
ちブラウン管単体で消磁コイル２５を保持するこ
とが可能であり、取り付けの作業性が向上する。
又、消磁コイルの部品交換時に行う取り外しも容
易にできるのでサービス性が向上する。 消磁コイルはブラウン管の背面に密着された状
態であり製品輸送中の移動が防止できる。消磁コ
イルはブラウン管の背面に取り付けられるので外
径の小形化ができる。 従来例の如く消磁コイルはブラウン管の外周で
固定しない為シヤーシとブラウン管の距離を少な
くすることができる。又、ブラウン管とキヤビネ
ツト内側の壁面間距離も少なくすることが可能で
あり、このことはキヤビネツトの外形を小型化で
きることであり、ひいては包装材料までも小型化
できると言う大きな効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示すカラーテレビジヨン受像
機の背面図、第２図は第１図の一部破断側面図、
第３図は本考案のアース線装置を構成するアース
線を示す展開図、第４図は第３図のアース線をブ
ラウン管背面に取り付けた状態を示すアース線装
置の正面図、第５図は本考案のアース線装置の正
面図、第６図は第５図のアース線装置に消磁コイ
ルを取り付けた正面図、第７図は本考案のアース
線装置の変形例を示す正面図、第８図は本考案の
アース線装置を構成するリード抑えを示す斜視
図、第９図は同じくリード抑えの他の例を示す斜
視図である。 ２……ブラウン管、３……取付金具、１５……
導線、１６……コイルスプリング、１８……アー
ス線、２０……リード抑え、２４……アース線、
２５……消磁コイル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ブラウン管の各コーナに設けられた取付金具
   と、この取付金具に挿入される輪を両端に設け
   たアース線本体と、このアース線本体の中間部
   に接続されアース線本体をブラウン管に密着す
   る弾性体とからなり、前記アース線本体をブラ
   ウン管に略Ｎ字形に配設すると共に前記取付金
   具の対向する位置間を最短距離にしたことを特
   徴とするブラウン管用アース線装置。 (2) 前記取付金具の対向する位置間に配設された
   アース線にリード抑えを設けたことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のブラウ
   ン管用アース線装置。