JPS6121824B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ビードフイラーフリツパリング装置
に関し、詳しくは、円形に成形された裸ビードの
外周面に、全自動的にフイラーを接着しつつ同時
にこの裸ビードとフイラーの裾部とを連接するよ
うフリツパーを装着する装置に関するものであ
る。

第１図に示す完成ビードすなわち円形に成形さ
れた裸ビード１（例えば複数のワイヤａを断面略
四角形に成形したもの）の外周面にフイラー２を
接着すると共に、この裸ビード１とフイラー２と
を覆うようフリツパー３を装着したものを製造す
るいわゆるビードフイラーフリツパリング装置に
おいては、従来フイラー２を前もつて所定の長さ
に切断し、次にこれをフイラーガイドロールの溝
に押し込め、裸ビード１に押し付けるという作業
を行なつているので、次の如き問題点があつた。
すなわち、 (1) 定尺切断されたフイラー２は、その冷え具合
あるいは装着中の引張り具合によつては、裸ビ
ード１に貼つた場合寸法が合わなくなることが
ある。

(2) フイラーガイドロールの溝にフイラー２を手
作業により押し込めなければならないので作業
性が悪い。

(3) このフイラーガイドロールの溝に押込められ
たフイラー２を裸ビード１に押し付ける作業
は、上記(2)と同様に作業者の手作業であつたの
で、フイラー２の先端の位置が不安定であり、
品質上問題がある。

本発明は、上述の現状に鑑みなされたもので、
前記諸問題点をことごとく解決し、全自動化を可
能とした極めて有効適切なビードフイラーフリツ
パリング装置を提供することを目的とするもので
ある。

そしてその特徴とするところは、ビード受けロ
ール、駆動ロール、成形ロール等を備え、裸ビー
ドの外周面にフイラーを接着すると共に、この裸
ビードとフイラーとを覆うようフリツパーを接着
するビードフイラーフリツパリング主装置におい
て、この主装置の上方に昇降自在に配設され、回
転止め装置とフイラー押え装置とを備えたフイラ
ーガイドロールと、前記主装置とフイラーガイド
ロールとの側方に設けられ、所要の時にカツター
が、前記主装置とフイラーガイドロールとの間に
突出してフイラーを切断し得るよう構成したフイ
ラー切断装置と、前記主装置の前面において、前
記ビード受けロールに臨ましめて設けられ、フリ
ツパーアドバンス機構とフリツパー切断機構とを
有するフリツパー切断装置とから構成することに
より、所要の時に前記フイラー切断装置のカツタ
ーが、前記主装置とフイラーガイドロールとの間
に突出し、フイラーを、所望の位置で自動的に切
断すると共に、この切断したフイラーのフイラー
ガイドロール側端末を、前記フイラー押え装置に
より、自動的にフイラーガイドロール内に押え込
むようにした点にある。

以下本発明のビードフイラーフリツパリング装
置を実施例により図面を参照して説明する。

第２図〜第５図に示す本発明のビードフイラー
フリツパリング装置Ｅは、ビード受けロール４、
駆動ロール（図示しない）、成形ロール（図示し
ない）等を備え、前記裸ビード１の外周面にフイ
ラー２を接着すると共に、この裸ビード１とフイ
ラー２とを覆うようフリツパー３を装置するビー
ドフイラーフリツパリング主装置Ｆと、この主装
置Ｆの上方に昇降自在に配設され、回転止め装置
６とガイドロール押え装置７とを備えたフイラー
ガイドロールＧと、前記主装置Ｆとフイラーガイ
ドロールＧと側方に設けられ、所要の時にカツタ
ー８が、前記主装置ＦとフイラーガイドロールＧ
との間に突出してフイラー２を切断するフイラー
切断装置Ｈと、前記主装置Ｆの前面において、前
記ビード受けロール４に臨ましめて設けられ、フ
リツパーアドバンス機構９とフリツパー切断機構
１０とを有するフリツパー切断装置Ｊとから構成
されている。

さらに上述の本ビードフイラーフリツパリング
装置Ｅの構造を詳細に説明する。

前記フイラーガイドロールＧは、第２図及び第
５図ａ，ｂ，b′に示す如く、外側周面に断面略Ｖ
字状のフイラー溝１１ａを設けたロール１１を、
前記主装置Ｆの上方に位置せしめて、機枠（図示
しない）に昇降機構等（図示しない）により昇降
し得るよう回転自在に取り付けることにより構成
されており、前述の如く回転止め装置６とフイラ
ー押え装置７とを備えている。上記のように、フ
イラーガイドロールＧは、機枠に対して昇降可能
になつていることから、作業時やメンテナンス時
等に邪魔にならなず、従つて作業性を向上するこ
とが出来るものである。

この回転止め装置６は、第５図ａに示す如く、
前記ロール１１の回転軸１１ｂに取り付けられた
ブレーキドラム６ａと、シリンダ６ｂにより動作
されるブレーキシユー６ｃとから構成されてお
り、前記主装置Ｆの停止後において、前記フイラ
ー押え装置７を作動し、前記シリンダー６ｂを作
動して、ブレーキシユー６ｃを、前記ブレーキド
ラム６ａに押接することにより、ロール１１の回
転を阻止し、フイラーの切断と、前記フイラー端
末部２ａの溝１１ａ内への押え込みとを容易なら
しめるものである。従つて、未加硫状態で形状変
化の起こり易いフイラー端末部２ａを溝１１ａ内
へフイラー押え装置７によつて押え込むことによ
つて、断面三角形のフイラー形状は、裸ビード１
に貼合せるまで一定に保持され、この結果裸ビー
ド１への貼合せ作業を円滑に、かつ確実に行うこ
とが出来る。

また前記フイラー押え装置７は、第５図ｂ，
b′に示す如く、前記ロール１１の回転軸１１ｂに
回転自在に緩挿したボス１１ｃに、略Ｌ字状のア
ームを突設し、その長腕７ａの先端にフイラー押
え部材７ｂを、その先端がロール１１の外周面近
くにあるよう反時計方向に取り付け、また短腕７
ｃの先端は、ロツド７ｄを介してシリンダー７ｅ
に装着することにより構成されており、前記フイ
ラー２の切断後において、フイラー２の切断端末
部２ａを前記ロール１１の溝１１ａ内に押え込む
場合、前記シリンダー７ｅを作動し、そのロツド
７ｄを引き込むことにより、長腕７ａを介してフ
イラー押え部材７ｂを反時計方向に移動し、この
フイラー押え部材７ｂにより第５図b′に示す如
く、フイラー２の切断端末部２ａを溝１１ａに確
実に押え込むことができるものである。

次に前記フイラー切断装置Ｈは、第２図及び第
３図ａ，ｂに示す如く、前記主装置Ｆとフイラー
ガイドロールＧとの側方に位置して機枠（図示し
ない）に設けられ、上下に平行にガイドロツド
H₁を、それぞれ取り付けた基板H₂、この基板H₂
の各ガイドロツドH₁を軌道として左右に摺動す
るよう設けた摺動板H₃と、前記基板H₂上に取り
付けられ、所要時に前記摺動板H₃を駆動するシ
リンダH₄と、この摺動板H₃に装着した前記カツ
ター８とから構成されている。そしてこのカツタ
ー８は、図示の如く鋏状に構成されており、この
各刃部８_１及び８_２は、前記摺動板H₃上に取り
付けられているカツター駆動用シリンダ８_３及び
８_４によりそれぞれ作動できるようになつてい
る。

従つて、前記主装置が作動され、第２図に示す
如く裸ビード１の外周面にフイラー２が接着され
ると共に、この裸ビード１とフイラー２の裾部を
覆うようにフリツパー３が同時に装着され、主装
置Ｆが停止し、前記フイラーガイドロールＧが上
昇すると、前記シリンダーH₄が作動され、摺動
板H₃が図示右方向に移動する。このように、裸
ビード１とフイラー２及びフリツパー３とを同時
に装着出来るので、作業能率が向上すると共に、
作業時間も短縮し、更に本発明の場合には、特に
フイラー２の裾部を覆うようにフリツパー３を装
着するだけで良いため、装置全体の構成も従来の
ものに比べて簡略化することが出来る。前記鋏状
のカツター８は、カツター駆動用シリンダー８
_３，８_４によつて開かれている。摺動板H₃がさ
らに右方向に移動し、そのキツカーH₅がリミツ
トスイツチH₆を作動すると、摺動板H₃の移動は
停止される。この時前記鋏状のカツター８は、開
いた状態で、フイラー２を左右から挾む位置にあ
り、前記カツター駆動用シリンダ８_３，８_４が作
動されてカツター８の刃部８_１，８_２が閉じら
れ、フイラー２は切断される。そして再びカツタ
ー８は開かれシリンダーH₂の作動によつて摺動
板H₃左方向に移動し、前記キツカーH₅が別のリ
ミツトスイツチH₇を作動して停止され、次の作
動を待つのである。

上述の如くフイラー切断装置は、前記主装置Ｆ
と連動して所要の時にカツター８が前記主装置Ｆ
とフイラーガイドロールＧとの間に突出してフイ
ラー２を、自動的に切断することができるのであ
る。

さらに前記フリツパー切断装置Ｊは、第２図及
び第４図ａ，ｂに示す如く、前記主装置Ｆの前面
においてそのビード受けロール４に臨ましめて設
けられており、前述の如くフリツパーアドバンス
機構９とフリツパー切断機構１０とから構成され
ている。

このフリツパーアドバンス機構９は、フリツパ
ー３のアドバンス用シリンダー９ａと、この作動
により前進及び後退するアドバンスプレート９ｂ
及びフリツパー押圧ばね９ｅとから構成されてお
り、シリンダー９ａが作動されそのロツド９ｃが
突出すると、このロツド９ｃにアーム９ｄを介し
て取り付けられている前記アドバンスプレート９
ｂ及びフリツパー押圧ばね９ｅが前進し、このア
ドバンスプレート９ｂとフリツパー押圧ばね９ｅ
との間に挾み込まれている前記フリツパー３を、
アドバンスプレート９ｂの前進分だけ前進し、こ
のフリツパー３の先端を、前記主装置Ｆのビード
受けロール４の上面に当接できるようになつてい
る。

また前記フリツパー切断機構１０は、シリンダ
ー１０ａと、このシリンダー１０ａにより作動さ
れるカツター１０ｂとから構成されている。そし
てこのカツター１０ｂは、第４図ｂに示す如く固
定刃１０b₁と可動刃１０b₂とを鋏状に組み合わせ
て構成され、シリンダ１０ａが作動してそのロツ
ド１０ｃが図示右方向に作動すると、アーム１０
ｄを介して可動刃１０b₂が閉じ、ロツド１０ｃを
図示左方向に作動すると可動刃１０b₂が開くよう
になつており、所要の時にフリツパー３を自動的
に切断できるものである。

なお第２図中、１２は安全棒で、前記フイラー
切断装置Ｈの基板H₂の下方に位置して設けられ
ており、前記カツター８が開状態で後退した時、
すなわち図示左方向にある時、刃部８_１及び８_２
の各安全突起S₁及びS₂に係合し、前記開状態にあ
る各刃部８_１及び８_２がみだりに閉口しないよう
にするたの安全装置である。

つづいて上述した本ビードフイラーフリツパリ
ング装置Ｅの作動を順を追つて簡単に説明する。

裸ビード１の外周面にフイラー２を接着すると
共にこの裸ビード１とフイラー２とを覆うようフ
リツパー３を装着する作業すなわちビードフイラ
ーフリツパリング作業を完了した完成ビードを、
前記主装置Ｆから取り出すと、一定時間経過後、
自動的に前記フリツパー切断装置Ｆのフリツパー
アドバンス機構９が働き、そのアドバンスプレー
ト９ｂが前進し、前述の如くフリツパー３の先端
が、前記ビード受けロール４の上に送られ本装置
Ｅは待機している。

そこで新しい裸ビード１を前記ビード受けロー
ル４上にセツトし、本装置Ｅを起動すると、自動
的に前記フイラーガイドロールＧが下降し、フイ
ラー２の先端２ａが裸ビード１の上面にくつつい
た後、裸ビード１が主装置Ｆの駆動ロール（図示
しない）により回転を始める。この回転と同時
に、前記フイラーガイドロールＧの回転止装置６
のブレーキシユー６ｃは後退してロール１１を回
転自在にすると共に、前記フリツパーアドバンス
機構９とアドバンスプレート９ｂも後退して旧位
置に復帰する。

主装置Ｆにセツトされた裸ビード１は、成形ロ
ール（図示しない）によつて裸ビード１とフイラ
ー２とを覆うようフリツパーを装着しつつ時計方
向に回転する。そしてその始端が第２図に示す如
く、光電管等検出器Ｐによつて検出されると、そ
の信号により上記回転は停止され、前記下降して
いたフイラーガイドロールＧは上昇し、これが所
定の位置に達すると、その回転止め装置６が働い
て、上昇するまでフリーであつたロールＧの回転
は固定される。

するとフイラー切断装置ＨのシリンダーH₄が
自動的に作動され、摺動板H₃が第２図図示の如
く右方向に移動する。この時鋏状のカツター８
は、カツター駆動用シリンダー８_３，８_４によつ
て開かれており、フイラー２を左右から挾んでフ
イラー２を切断し、切断後カツター８は再び開い
て後退し旧位置に復帰する。

この切断完了後前記フイラーガイドロールＧの
フイラー押え装置７が働き、そのフイラー押え部
材７ｂにより第５図b′に示す如く、フイラー２の
切断端末部２ａは溝１１ａ内に押え込まれる。

また前記主装置Ｆの停止と同時に、フリツパー
切断装置Ｊが働き、そのフリツパー切断機構１０
によりフリツパー３は切断される。

勿論前記フイラー２及びフリツパー３の切断位
置は、主装置Ｆの停止位置とも関連して適切に決
められる。

ここで再び主装置Ｆは起動され、裸ビード１と
フイラー２のフリツパー３によつて覆われていな
い部分が成形ロールを通過すると、主装置Ｆは停
止し、ビードフイラーフリツパリング作業は完了
する。

本発明は上述の如く構成したから、所要の時に
前記フイラー切断装置のカツターが、前記主装置
とフイラーガイドロールとの間に突出し、フイラ
ーを所望の位置で自動的に切断することができる
と共に、この切断したフイラーのフイラーガイド
ロール側端末部を、前記フイラー押え装置により
自動的にフイラーガイドロール内に押え込むこと
ができる。従つて未加硫状態で形状変化の起こり
易いフイラー端末部を溝内へフイラー押え装置に
よつて押し込むことによつて、断面三角形状のフ
イラー形状は、裸ビードに貼合せるまで一定に保
持され、この結果裸ビードへの貼合せ作業を円滑
に、かつ確実に行うことが出来る効果があり、ま
たフイラーガイドロールは、機枠に対して昇降可
能になつていることから、作業やメンテナンス時
等に邪魔にならず、従つて作業性を向上すること
が出来る効果がある。また、本発明は裸ビードの
外周面に全自動的にフイラーを接着しつつ同時に
この裸ビードとフイラーとを連接するフリツパー
を接着することができるから、前記従来の半手動
的な装置と比較して、構成が簡単であり、特にフ
イラーの裾部を覆うようにフリツパーを装着する
だけで良いため、装置全体も簡略化できると共に
メンテナンスも容易であり、更に作業性を著しく
向上することができると共に品質をも向上でき、
極めて経済的に完成ビードを得ることができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
完成ビードの断面図、第２図は本発明装置の概略
正面図、第３図ａはフイラー切断装置の平面図、
ｂは同側面図、第４図ａはフリツパ切断装置の平
面図、ｂは同側面図、第５図ａはフイラーガイド
ロールの回転止め装置を示す説明図、ｂはフイラ
ーガイドロールのフイラー押え装置の説明図、
b′は同作動状態を示す説明図である。 Ｅ……本発明装置、Ｆ……主装置、Ｇ……フイ
ラーガイドロール、Ｈ……フイラー切断装置、Ｊ
……フリツパー切断装置、１……裸ビード、２…
…フイラー、３……フリツパー、４……ビード受
けロール、６……回転止め装置、７……フイラー
押え装置、８……カツター、９……フリツパーア
ドバンス機構、１０……フリツパー切断機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ビード受けロール、駆動ロール、成形ロール
   等を備え、裸ビードの外周面にフイラーを接着す
   ると共に、この裸ビードとフイラーとを覆うよう
   フリツパーを装着するビードフイラーフリツパリ
   ング主装置において、この主装置の上方に昇降自
   在に配設され、回転止め装置とフイラー押え装置
   とを備えたフイラーガイドロールと、前記主装置
   とフイラーガイドロールとの側方に設けられ、所
   要の時にカツターが、前記主装置とフイラーガイ
   ドロールとの間に突出してフイラーを切断するフ
   イラー切断装置と、前記主装置の前面において、
   前記ビード受けロールに臨ましめて設けられ、フ
   リツパーアドバンス機構とフリツパー切断機構と
   を有するフリツパー切断装置とから構成したこと
   を特徴とするビードフイラーフリツパリング装
   置。