JPS6120625B2 - - Google Patents
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- JPS6120625B2 JPS6120625B2 JP8141279A JP8141279A JPS6120625B2 JP S6120625 B2 JPS6120625 B2 JP S6120625B2 JP 8141279 A JP8141279 A JP 8141279A JP 8141279 A JP8141279 A JP 8141279A JP S6120625 B2 JPS6120625 B2 JP S6120625B2
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Landscapes
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Description
本発明は機械的性質の異方性が少なく、かつ良
好な型彫加工性を有する種々の型用鋼に関するも
ので、さらに詳しくはSおよびTeを限定した条
件で添加し、鋼中の硫化物系介在物の形態を調整
した熱間加工用型、プラスチツク成型金型などの
型用鋼に関するものである。 近年プレス、鍛造等の加工作業に用いる機械は
大型かつ高性能のものが出現し、作業の能率向上
がはかられているが、これにともなつて成形金型
に対する要求はますます厳しいものとなつてき
た。すなわち、成形金型が従来の機械にくらべて
負荷面で苛酷化されている反面、作業能率の面か
ら耐久性のさらに良好な金型が要求されており、
これらの要求を満たし得る型用鋼の開発が盛んに
進められている。また、一方において金型の複雑
形状化ならびに高精度化に対処して型用鋼自体の
型彫加工性の改善も大きな課題となつている。 型用鋼の被削性を向上させるために従来から主
としてS,Pb等の被削性向上元素を添加した型
用鋼も見受けられ、それなりに効果をあげている
が、一方において被削性元素の添加による機械的
性質の低下は避けられず特に圧延または鍛延によ
り延伸された型鋼は機械的性質の異方性が強く、
金型の耐久性低下の大きな原因となつている。こ
れは被削性の改善に有効に作用するMnS等の硫
化物系介在物が展伸された形態で存在し、そこに
応力集中が生じて介在物を起点とする切欠現象が
起るためと考えられている。 そこで、硫化物系介在物の形状をできるだけ球
状に近くして応力集中を緩和することにより上記
の問題を解決することが試みられている。 本発明者等は熱間加工型用金型またはプラスチ
ツク金型などの素材となる型用鋼についても上記
のような考え方を導入することにより金型の寿命
向上が期待できると同時に良好な型彫加工性を有
する型用鋼が製造できると推考し、多くの研究を
積んだ結果、従来の型用鋼組成にたいしてSおよ
びTeを特定の割合で添加することにより鋼中に
生成される介在物自体の球形度が促進され、特に
大型介在物のほとんどが長短径比10以下の球形に
近い形態を有することを知見した。さらに上記介
在物形態を有する型用鋼は型彫加工性が良好であ
るばかりでなく、機械的性質の異方性が著るしく
少ないという特徴があり、金型成形後の耐久性も
一段と優れたものが得られることを確認した。す
なわち、機械的性質の異方性が少なく、かつ良好
な型彫加工性を兼ね備えるためには含有される硫
化物のうち長径が2μ以上の比較的大型のもの
は、その少なくとも80%が長短径比10以下でなけ
ればならないこと、またこのような硫化物系介在
物はTe/Sの重量割合が0.04〜0.5にえらぶこと
によつて実現できることを確認した。さらには
Te以外の成分を調整した溶鋼にTeを添加して均
一に分散させることにより製造できること、そし
て上記Teの添加に先立つて、溶鋼中に非酸化性
ガスを導入して強制撹拌することにより、被削性
および鏡面仕上げ性シボ加工性などにとつて有害
な主として酸化物系の介在物からなる大きさの介
在物を浮上分離させ除去するのが好ましいことも
知つた。 以上の新規な知見にもとづく本発明の型用鋼と
しては、 (1) 重量%でC:0.50〜1.60%、Si:0.10〜1.50
%、Mn:0.10〜1.50%ならびにTe/Sは0.04
〜0.5のど囲でS:0.002〜0.40%、Te:0.001
〜0.40%を含有し、残余が実質的にFeからな
る組成を有し、鋼中に存在する長径2μ以上の
硫化物系介在物のうち、少なくとも80%が長短
径比10以下であることを特徴とする被削性の優
れた型用鋼。 (2) 重量%でC:0.50〜1.60%、Si:0.10〜1.50
%、Mn:0.10〜1.50%と、Se:0.30%以下、
Ca:0.01%以下のうち1種または2種ならび
にTe/Sは0.04〜0.5の範囲でS:0.002〜0.40
%、Te:0.001〜0.40%を含有し、残余が実質
的にFeからなる組成を有し、鋼中に存在する
長径2μ以上の硫化物系介在物のうち、少なく
とも80%が長短径比10以下であることを特徴と
する被削性の優れた型用鋼。 本発明における各成分元素の役割および範囲
(重量%)の限定理由は以下に示す。 C:0.50〜1.60% 型用鋼としての高い硬さ、及び優れた耐摩耗
性を確保するために、0.50%以上添加する必要
がある。ただし、多量に添加すると靭性が低下
し、実用に適さなくなるため1.60%以下に限定
した。 Si:0.10〜1.50% 溶製時の脱酸効果のほか、基地の強化に有効
な元素であり0.10%以上添加することが必要で
ある。ただし、多量に添加すると地疵が多くな
ると同時に被削性が低下するため1.5%以下に
限定した。 Mn:0.10〜1.50% 溶製時の脱酸効果を持たせるため及び基地を
強化するために有効な元素であり、0.10%以上
添加する必要がある。しかし、多量に添加する
と靭性及び被削性が低下するので、1.5%以下
に限定した。 S:0.002〜0.40% 被削性を改善するために有効な介在物である
MnS系介在物の形成には不可欠であつて0.002
%以上含有する必要がある。多量になるほど被
削性は向上するが、鋼の清浄度を害し、靭性が
低下するため0.40%以下に限定した。 Te:0.001〜0.40% MnS系介在物の形態を調整することと、そ
れ自体で快削性を与える点で重要な元素であ
り、このため0.001%以上含有する必要があ
る。あまり大量では熱間加工性が劣るので0.40
%以下とする。また、硫化物系介在物の形態を
改善するためにはTe/Sの重量割合が0.04〜
0.5であることを要する。 Se:0.30%以下、Ca:0.01%以下 本発明型用鋼にたいして被削性をより一層高
めることを希望する場合にはSe:0.30%以下、
Ca:0.01%以下の1種または2種を添加する
効果がある。 4 硫化物系介在物の形態と分布 型用鋼の型彫加工性および機械的性質の異方性
が鋼中の硫化物系介在物の形態と分布と大きく依
存することを本発明者等は確認し、硫化物の形態
を種々変化させた鋼の特性をしらべた。その結
果、硫化物系介在物のうち長径が2μ以上の比較
的大型のものが強度異方性を左右し、これが長短
径比で10以内であつて極端に縄状に展伸されてい
ない形態をもつならば悪影響を示さないこと、そ
してこのようなものが全硫化物系介在物中の個数
にもとづいて80%またはそれ以上の大部分を占め
るという条件がみたされていればよいことを知つ
たのである。 以上記述した本発明の型用鋼を製造する第1の
ポイントは成分の適確な調整である。 まず、炉内でSを除く快削性付与元素以外の合
金成分の含有量を所定の値と調節した溶鋼を用意
する。なお、好ましくは真空脱ガスなどによりO
量を0.015%以下に低下させ、酸化物系介在物の
生成を抑制するとよい。次に炉、取べあるいはタ
ンデイシユ中にあるこの溶鋼にTe/S0.04〜0.5
の条件をみたすようにTeを添加して、均一に分
散させればよい。Teの添加は注入管中で行なう
こともできる。Se,Caを添加する場合はTの添
加とともにまたは、Te添加の前後に行なえばよ
い。Teの添加に際して、主として酸化物系介在
物である大型の非金属介在物をできるだけ除去す
ることが望ましくこの目的には炉、取べまたはタ
ンデイシユ内の溶鋼中にアルゴンのような非酸化
性のガスを導入して強制撹拌することが効果的で
ある。この操作はTeの添加に先立つて行なうこ
ともできるし、またTeを添加しつつ行なつても
よい。 以下、本発明鋼の特徴を実施例により詳細に説
明する。 実施例 1 第1表に溶製した供試鋼の成分組成を示す。
好な型彫加工性を有する種々の型用鋼に関するも
ので、さらに詳しくはSおよびTeを限定した条
件で添加し、鋼中の硫化物系介在物の形態を調整
した熱間加工用型、プラスチツク成型金型などの
型用鋼に関するものである。 近年プレス、鍛造等の加工作業に用いる機械は
大型かつ高性能のものが出現し、作業の能率向上
がはかられているが、これにともなつて成形金型
に対する要求はますます厳しいものとなつてき
た。すなわち、成形金型が従来の機械にくらべて
負荷面で苛酷化されている反面、作業能率の面か
ら耐久性のさらに良好な金型が要求されており、
これらの要求を満たし得る型用鋼の開発が盛んに
進められている。また、一方において金型の複雑
形状化ならびに高精度化に対処して型用鋼自体の
型彫加工性の改善も大きな課題となつている。 型用鋼の被削性を向上させるために従来から主
としてS,Pb等の被削性向上元素を添加した型
用鋼も見受けられ、それなりに効果をあげている
が、一方において被削性元素の添加による機械的
性質の低下は避けられず特に圧延または鍛延によ
り延伸された型鋼は機械的性質の異方性が強く、
金型の耐久性低下の大きな原因となつている。こ
れは被削性の改善に有効に作用するMnS等の硫
化物系介在物が展伸された形態で存在し、そこに
応力集中が生じて介在物を起点とする切欠現象が
起るためと考えられている。 そこで、硫化物系介在物の形状をできるだけ球
状に近くして応力集中を緩和することにより上記
の問題を解決することが試みられている。 本発明者等は熱間加工型用金型またはプラスチ
ツク金型などの素材となる型用鋼についても上記
のような考え方を導入することにより金型の寿命
向上が期待できると同時に良好な型彫加工性を有
する型用鋼が製造できると推考し、多くの研究を
積んだ結果、従来の型用鋼組成にたいしてSおよ
びTeを特定の割合で添加することにより鋼中に
生成される介在物自体の球形度が促進され、特に
大型介在物のほとんどが長短径比10以下の球形に
近い形態を有することを知見した。さらに上記介
在物形態を有する型用鋼は型彫加工性が良好であ
るばかりでなく、機械的性質の異方性が著るしく
少ないという特徴があり、金型成形後の耐久性も
一段と優れたものが得られることを確認した。す
なわち、機械的性質の異方性が少なく、かつ良好
な型彫加工性を兼ね備えるためには含有される硫
化物のうち長径が2μ以上の比較的大型のもの
は、その少なくとも80%が長短径比10以下でなけ
ればならないこと、またこのような硫化物系介在
物はTe/Sの重量割合が0.04〜0.5にえらぶこと
によつて実現できることを確認した。さらには
Te以外の成分を調整した溶鋼にTeを添加して均
一に分散させることにより製造できること、そし
て上記Teの添加に先立つて、溶鋼中に非酸化性
ガスを導入して強制撹拌することにより、被削性
および鏡面仕上げ性シボ加工性などにとつて有害
な主として酸化物系の介在物からなる大きさの介
在物を浮上分離させ除去するのが好ましいことも
知つた。 以上の新規な知見にもとづく本発明の型用鋼と
しては、 (1) 重量%でC:0.50〜1.60%、Si:0.10〜1.50
%、Mn:0.10〜1.50%ならびにTe/Sは0.04
〜0.5のど囲でS:0.002〜0.40%、Te:0.001
〜0.40%を含有し、残余が実質的にFeからな
る組成を有し、鋼中に存在する長径2μ以上の
硫化物系介在物のうち、少なくとも80%が長短
径比10以下であることを特徴とする被削性の優
れた型用鋼。 (2) 重量%でC:0.50〜1.60%、Si:0.10〜1.50
%、Mn:0.10〜1.50%と、Se:0.30%以下、
Ca:0.01%以下のうち1種または2種ならび
にTe/Sは0.04〜0.5の範囲でS:0.002〜0.40
%、Te:0.001〜0.40%を含有し、残余が実質
的にFeからなる組成を有し、鋼中に存在する
長径2μ以上の硫化物系介在物のうち、少なく
とも80%が長短径比10以下であることを特徴と
する被削性の優れた型用鋼。 本発明における各成分元素の役割および範囲
(重量%)の限定理由は以下に示す。 C:0.50〜1.60% 型用鋼としての高い硬さ、及び優れた耐摩耗
性を確保するために、0.50%以上添加する必要
がある。ただし、多量に添加すると靭性が低下
し、実用に適さなくなるため1.60%以下に限定
した。 Si:0.10〜1.50% 溶製時の脱酸効果のほか、基地の強化に有効
な元素であり0.10%以上添加することが必要で
ある。ただし、多量に添加すると地疵が多くな
ると同時に被削性が低下するため1.5%以下に
限定した。 Mn:0.10〜1.50% 溶製時の脱酸効果を持たせるため及び基地を
強化するために有効な元素であり、0.10%以上
添加する必要がある。しかし、多量に添加する
と靭性及び被削性が低下するので、1.5%以下
に限定した。 S:0.002〜0.40% 被削性を改善するために有効な介在物である
MnS系介在物の形成には不可欠であつて0.002
%以上含有する必要がある。多量になるほど被
削性は向上するが、鋼の清浄度を害し、靭性が
低下するため0.40%以下に限定した。 Te:0.001〜0.40% MnS系介在物の形態を調整することと、そ
れ自体で快削性を与える点で重要な元素であ
り、このため0.001%以上含有する必要があ
る。あまり大量では熱間加工性が劣るので0.40
%以下とする。また、硫化物系介在物の形態を
改善するためにはTe/Sの重量割合が0.04〜
0.5であることを要する。 Se:0.30%以下、Ca:0.01%以下 本発明型用鋼にたいして被削性をより一層高
めることを希望する場合にはSe:0.30%以下、
Ca:0.01%以下の1種または2種を添加する
効果がある。 4 硫化物系介在物の形態と分布 型用鋼の型彫加工性および機械的性質の異方性
が鋼中の硫化物系介在物の形態と分布と大きく依
存することを本発明者等は確認し、硫化物の形態
を種々変化させた鋼の特性をしらべた。その結
果、硫化物系介在物のうち長径が2μ以上の比較
的大型のものが強度異方性を左右し、これが長短
径比で10以内であつて極端に縄状に展伸されてい
ない形態をもつならば悪影響を示さないこと、そ
してこのようなものが全硫化物系介在物中の個数
にもとづいて80%またはそれ以上の大部分を占め
るという条件がみたされていればよいことを知つ
たのである。 以上記述した本発明の型用鋼を製造する第1の
ポイントは成分の適確な調整である。 まず、炉内でSを除く快削性付与元素以外の合
金成分の含有量を所定の値と調節した溶鋼を用意
する。なお、好ましくは真空脱ガスなどによりO
量を0.015%以下に低下させ、酸化物系介在物の
生成を抑制するとよい。次に炉、取べあるいはタ
ンデイシユ中にあるこの溶鋼にTe/S0.04〜0.5
の条件をみたすようにTeを添加して、均一に分
散させればよい。Teの添加は注入管中で行なう
こともできる。Se,Caを添加する場合はTの添
加とともにまたは、Te添加の前後に行なえばよ
い。Teの添加に際して、主として酸化物系介在
物である大型の非金属介在物をできるだけ除去す
ることが望ましくこの目的には炉、取べまたはタ
ンデイシユ内の溶鋼中にアルゴンのような非酸化
性のガスを導入して強制撹拌することが効果的で
ある。この操作はTeの添加に先立つて行なうこ
ともできるし、またTeを添加しつつ行なつても
よい。 以下、本発明鋼の特徴を実施例により詳細に説
明する。 実施例 1 第1表に溶製した供試鋼の成分組成を示す。
【表】
なお、鋼の溶製にあたつては所定量の合金元素
を塩基性電気炉内で調整した後、Teを溶鋼中の
S量に応じて取べ中へ添加し、均一に分散させ下
注法により造塊した。 次に第1表の供試材を用いて鍛練比が10程度の
熱間鍛造を行ない金型の粗形を製造した。つづい
て所定の条件で焼入れ、焼もどし処理した後同粗
形より試料を採取し、衝撃試験(JIS3号シヤルビ
ー試験片)により強度異方性を調べた。また、同
時に衝撃試験後の試験片について硫化物系介在物
の形態および分布状況を調査した。その結果を第
2表にまとめて示した。
を塩基性電気炉内で調整した後、Teを溶鋼中の
S量に応じて取べ中へ添加し、均一に分散させ下
注法により造塊した。 次に第1表の供試材を用いて鍛練比が10程度の
熱間鍛造を行ない金型の粗形を製造した。つづい
て所定の条件で焼入れ、焼もどし処理した後同粗
形より試料を採取し、衝撃試験(JIS3号シヤルビ
ー試験片)により強度異方性を調べた。また、同
時に衝撃試験後の試験片について硫化物系介在物
の形態および分布状況を調査した。その結果を第
2表にまとめて示した。
【表】
同表にみられるごとくいずれの鋼種系において
も従来から用いられている鋼は、鍛造方向と直角
方向の衝撃特性は著るしく低く鍛造方向のそれに
くらべて1/2以下の衝撃値を示しており、機械的
性質の異方性が強いことが確認できる。これにた
いしてSおよびTe量を調整して添加した本発明
鋼はいずれも鍛造方向と直角方向の衝撃特性の低
下は少なく、鍛造方向の衝撃値にくらべて1/2以
上の衝撃値を示すことが確認できた。すなわち、
本発明鋼は鍛造または圧延後における機械的性質
異方性がそれほど強くなく、安定な特性を有する
ことを確認した。この事実の根拠としては、鋼中
の硫化物系介在物の形態および量にある。すなわ
ち、従来鋼では長短径比10以下の比較的球状に近
い硫化物系介在物は全体の20%程度しか分布して
いず他は長短径比10以上の展伸された硫化物系介
在物であるのにたいして本発明鋼では長短径比10
以下の比較的球状に近い硫化物系介在物が大半を
占めている。 したがつて従来鋼の衝撃特性は硫化物系介在物
が展伸されている試料の採取方向によつて大きく
影響されるのにたいして本発明鋼の硫化物系介在
物はそのほとんどが球状に近いものであるため、
試料の採取方向の影響は受けにくいことから本発
明鋼の機械的性質異方性が少ないことは容易に理
解できる。 次に第1表の供試材から製造した金型用粗形を
用いて、フツク製造用の金型を型彫加工し、これ
を実用に供した。 第3表に供試材の型彫加工性(比較鋼を基準に
した、型彫加工に要した時間比)および金型の耐
久性(比較鋼を基準にした型寿命比)を示した。
も従来から用いられている鋼は、鍛造方向と直角
方向の衝撃特性は著るしく低く鍛造方向のそれに
くらべて1/2以下の衝撃値を示しており、機械的
性質の異方性が強いことが確認できる。これにた
いしてSおよびTe量を調整して添加した本発明
鋼はいずれも鍛造方向と直角方向の衝撃特性の低
下は少なく、鍛造方向の衝撃値にくらべて1/2以
上の衝撃値を示すことが確認できた。すなわち、
本発明鋼は鍛造または圧延後における機械的性質
異方性がそれほど強くなく、安定な特性を有する
ことを確認した。この事実の根拠としては、鋼中
の硫化物系介在物の形態および量にある。すなわ
ち、従来鋼では長短径比10以下の比較的球状に近
い硫化物系介在物は全体の20%程度しか分布して
いず他は長短径比10以上の展伸された硫化物系介
在物であるのにたいして本発明鋼では長短径比10
以下の比較的球状に近い硫化物系介在物が大半を
占めている。 したがつて従来鋼の衝撃特性は硫化物系介在物
が展伸されている試料の採取方向によつて大きく
影響されるのにたいして本発明鋼の硫化物系介在
物はそのほとんどが球状に近いものであるため、
試料の採取方向の影響は受けにくいことから本発
明鋼の機械的性質異方性が少ないことは容易に理
解できる。 次に第1表の供試材から製造した金型用粗形を
用いて、フツク製造用の金型を型彫加工し、これ
を実用に供した。 第3表に供試材の型彫加工性(比較鋼を基準に
した、型彫加工に要した時間比)および金型の耐
久性(比較鋼を基準にした型寿命比)を示した。
【表】
同表にみられるごとく従来鋼に比してSおよび
Teの量を調整して添加した本発明鋼はいずれも
型彫加工時間は少なくかつ製造された金型の耐久
性の低下は、極めて少ないことを示している。 実施例 2 第4表に溶製した供試鋼の成分組成を示す。
Teの量を調整して添加した本発明鋼はいずれも
型彫加工時間は少なくかつ製造された金型の耐久
性の低下は、極めて少ないことを示している。 実施例 2 第4表に溶製した供試鋼の成分組成を示す。
【表】
なお、鋼の溶製にあたつては所定量の合金元素
を塩基性電気炉内で調整した後Teを溶鋼中のS
量に応じて取べ中へ添加し、均一に分散させ下注
法により造塊した。 次に第4表の供試材を用いて鍛練比が10程度の
熱間鍛造を行ない金型の粗形を製造した。つづい
て、所定の条件で焼入れ、焼もどし処理を施し、
プラスチツク金型として要求される鏡面仕上げ性
およびシボ加工性を調査した。また同時に硫化物
系介在物の分布形態を調査した。その結果をまと
めて第5表に示した。
を塩基性電気炉内で調整した後Teを溶鋼中のS
量に応じて取べ中へ添加し、均一に分散させ下注
法により造塊した。 次に第4表の供試材を用いて鍛練比が10程度の
熱間鍛造を行ない金型の粗形を製造した。つづい
て、所定の条件で焼入れ、焼もどし処理を施し、
プラスチツク金型として要求される鏡面仕上げ性
およびシボ加工性を調査した。また同時に硫化物
系介在物の分布形態を調査した。その結果をまと
めて第5表に示した。
【表】
同表にみられるごとく比較鋼にくらべて本発明
鋼はいずれも鏡面仕上げ性、シボ加工性ともに優
れておりプラスチツク金型用鋼として好適である
ことを示している。また本発明鋼の場合第4表に
みられるごとく長短径比10以下の比較的球状に近
い硫化物系介在物がほとんどを占めており、比較
鋼にくらべて均一に分布しているため、鏡面仕上
げ性およびシボ加工性にも好影響を及ぼしている
ものと思われる。 以上のごとく本発明鋼はSおよびTeを適量添
加して硫化物系介在物の形態調整を行なつた熱間
加工用型用鋼であつて、型彫加工性が良好である
と同時に硫化物系介在物の形態に基づく機械的性
質異方性が少なく、また金型の鏡要仕上げ性、シ
ボ加工性なども良好であり、各種金型を使用した
場合に優れた耐久性が得られる等総合的に優れた
型用鋼である。
鋼はいずれも鏡面仕上げ性、シボ加工性ともに優
れておりプラスチツク金型用鋼として好適である
ことを示している。また本発明鋼の場合第4表に
みられるごとく長短径比10以下の比較的球状に近
い硫化物系介在物がほとんどを占めており、比較
鋼にくらべて均一に分布しているため、鏡面仕上
げ性およびシボ加工性にも好影響を及ぼしている
ものと思われる。 以上のごとく本発明鋼はSおよびTeを適量添
加して硫化物系介在物の形態調整を行なつた熱間
加工用型用鋼であつて、型彫加工性が良好である
と同時に硫化物系介在物の形態に基づく機械的性
質異方性が少なく、また金型の鏡要仕上げ性、シ
ボ加工性なども良好であり、各種金型を使用した
場合に優れた耐久性が得られる等総合的に優れた
型用鋼である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、C:0.50〜1.60%、Si:0.10〜
1.50%、Mn:0.10〜1.50%ならびにTe/Sは0.04
〜0.5の範囲でS:0.002〜0.40%、Te:0.001〜
0.40%を含有し残余が実質的にFeからなる組成
を有し、鋼中に存在する長径2μ以上の硫化物系
介在物のうち、少なくとも80%が長短径比10以下
であることを特徴とする被削性の優れた型用鋼。 2 重量%でC:0.50〜1.60%、Si:0.10〜1.50
%、Mn:0.10〜1.50%と、Se:0.30%以下、
Ca:0.01%以下のうち1種または2種ならびに
Te/Sは0.04〜0.5の範囲でS:0.002〜0.40%、
Te:0.001〜0.40%を含有し、残余が実質的にFe
からなる組成を有し、鋼中に存在する長径2μ以
上の硫化物系介在物のうち、少なくとも80%が長
短径比10以下であることを特徴とする被削性の優
れた型用鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8141279A JPS566758A (en) | 1979-06-29 | 1979-06-29 | Steel for mold and its production |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8141279A JPS566758A (en) | 1979-06-29 | 1979-06-29 | Steel for mold and its production |
Related Child Applications (9)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25724185A Division JPS61130469A (ja) | 1985-11-16 | 1985-11-16 | プラスチック成形金型用鋼 |
JP25724085A Division JPS61130468A (ja) | 1985-11-16 | 1985-11-16 | プラスチック成形金型用鋼 |
JP25724385A Division JPS61130471A (ja) | 1985-11-16 | 1985-11-16 | 型用鋼 |
JP25724585A Division JPS61130473A (ja) | 1985-11-16 | 1985-11-16 | 型用鋼 |
JP25723885A Division JPS61130466A (ja) | 1985-11-16 | 1985-11-16 | プラスチック成形金型用鋼 |
JP25724685A Division JPS61130474A (ja) | 1985-11-16 | 1985-11-16 | 型用鋼 |
JP25724485A Division JPS61130472A (ja) | 1985-11-16 | 1985-11-16 | プラスチック成形金型用鋼 |
JP25723985A Division JPS61130467A (ja) | 1985-11-16 | 1985-11-16 | プラスチック成形金型用鋼 |
JP25724285A Division JPS61130470A (ja) | 1985-11-16 | 1985-11-16 | 型用鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS566758A JPS566758A (en) | 1981-01-23 |
JPS6120625B2 true JPS6120625B2 (ja) | 1986-05-23 |
Family
ID=13745617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8141279A Granted JPS566758A (en) | 1979-06-29 | 1979-06-29 | Steel for mold and its production |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS566758A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57161051A (en) * | 1981-03-31 | 1982-10-04 | Daido Steel Co Ltd | Steel for plastic mold |
JPS5947362A (ja) * | 1982-09-09 | 1984-03-17 | Hitachi Metals Ltd | 鋳造工具鋼 |
JPS61163248A (ja) * | 1985-01-09 | 1986-07-23 | Kobe Steel Ltd | プラスチツク成形用金型鋼 |
-
1979
- 1979-06-29 JP JP8141279A patent/JPS566758A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS566758A (en) | 1981-01-23 |
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