JPS6120459B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車両ブレーキ系統用サーボブースター
に関し、特に、ブースターハウジング、該ハウジ
ングを２つの室に分割し、可撓性ダイヤフラムに
より外周をハウジングに封止されたダイヤフラム
支持板を含む可動壁、出力部材、弁体、および上
記ダイヤフラム支持板を弁体に連結する手段、か
ら成り、上記２つの室の間の圧力差により可動壁
に加えられた力が弁体を介して出力部材に加えら
れるようになされた型式のサーボブースターに関
するものである。

上述の型式のブースターでは、可動壁の内周縁
は弁体に対し封止されて上記２つの室を互に隔離
し、弁体には略半径方向に延びる通路が設けられ
て、後側の室（出力部材から遠い方の室）と弁体
内の弁室との間に永久的に流体を連通させる。

上述の型式の先行技術のブースターにおいて、
上記弁体の半径方向外側に位置するスリーブが上
記ハウジングの後壁から前方へ突出し、該スリー
ブが、車両に対し固定される力伝達手段の少くと
も一部を構成するものがある（例えば、特願昭53
−129422号明細書〔特願昭54−77873号公報参
照〕、特願昭54−111630号明細書〔特開昭55−
39891号公報参照〕）。

このようなブースターでは、上記スリーブが邪
魔となり、弁体とブースターの後側室との間に負
圧連結路を設けるのに不便がある。

本発明は、この問題を解消するための改良を目
的とする。

本発明は、上述の型式のブースターにおいて、
上記弁体の半径方向側に位置するスリーブが上記
ハウジングの後壁から前方へ突出し、上記可動壁
の半径方向内周縁が、上記スリーブの半径方向外
周面に係合する封止手段により該スリーブ封止に
することによつて上記ハウジング後壁に対し封止
され、上記弁体内の１つの弁室が通路によりブー
スターの後側室に接続され、上記通路は、上記封
止手段の半径方向外側で上記ダイヤフラム支持板
に設けられ後側室に開口するポートに終つている
ことを特徴とするサーボブースターを提供するも
のである。

本発明のブースターでは、可動壁の半径方向内
周縁がスリーブの半径方向外周面に封止され、弁
体とブースター後側室との間の通路が上記封止手
段の半径方向外側でダイヤフラム支持板に設けら
れから、スリーブの存在にもかゝわらず簡単な構
造で弁体とブースター後側室との間に負圧連結路
を設けることができる。

以下図面を参照しつつ本発明の実施例を詳細に
説明する。

第１図および第２図に示すブースターはプラス
チツクモールド製品の前側ハウジング殻１および
後側ハウジング殻２を有し、これらのハウジング
殻は外周縁３で互にスナツプ係合し、両者の外周
縁の間に楔形の環状の溝４を画成し、該溝の中に
可撓性の主ダイヤフラム６の周縁ビード５が保持
されている。軸方向に可動な可動壁７が、主ダイ
ヤフラム６とモールドプラスチツク製品の支持板
８とから成り、支持板８は略円筒形の弁体９と一
体である。支持板８は、円錐台形の本体１０の外
周に前方へ突出したフランジ１１が、又内周に、
楕円形断面の第１スリーブ１２の後端が接続して
いる。第１スリーブは楕円形断面の第２のスリー
ブ１３から半径方向に均一な間隔を有し（第２
図）、第２スリーブ１３は後側ハウジング殻２と
一体にモールドされ該ハウジング殻から前方へ突
出している。ダイヤフラム支持板８は略均一な厚
さの半径方向に延びてフランジ１１と弁体９とを
結ぶウエブ１５で補強されている。第１スリーブ
１２は、前端が一体構造の環状楕円板１６ゆより
弁体に連結されている。

前側ハウジング殻１および後側ハウジング殻２
は、使用時には、軸方向に延びるタイ１７の形態
の２個の固定した力伝達手段により互に連結され
ている。タイ１７はブースターの一つの直径上に
軸対称に配置され、かつ、スリーブ１２，１３の
長軸上に位置している。各々のタイ１７はスタツ
ド１８から成り、その長さの中間部にスプライン
部１９が設えられ、該スプライン部１９は後側殻
２から前方へスリーブ１３に接して突出したラグ
２２の軸方向の孔２１の雌スプライン部２０に摺
動可能に嵌合している。スプライン部２０，２１
の協働により、ナツト２３をスタツドの前端２４
のねじに締める際にスタツド１８が回転するのが
阻止される。ナツト２３によりスタツド１８は液
圧マスターシリンダ組立体２６のフランジ板２５
に固定される。スタツド１８の前端は前側ハウジ
ング殻１の前方へ突出した管状ボス２７の孔に摺
動自在に嵌合し、スタツド１８はハウジング殻
１，２にそれぞれ環状シール２８，２９により封
止されている。スタツド１８の後端は略正方形の
プレート金属製のアダプター板３１に３０で圧着
されている。アダプター板３１は、一体のスタツ
ド３２を直径上の対向位置に有し、該スタツドに
より車両バルクヘツド（図示せず）に後側ハウジ
ング殻２が取りつけられる。

力伝達手段は、マスターシリンダー２６のフラ
ンジ２５から反力を車両バルクヘツドに伝達し、
ブースターハウジングに該反力が加わるのを防止
する。

主ダイヤフラム６はその半径方向内周縁が楕円
横断面形のローリングダイヤフラム３３と一体的
に接続し、ローリングダイヤフラム３３はスリー
ブ１２と同１３との間に配置されて、可動壁７が
ブースターハウジンング７に対し相対的に前進す
るとスリーブ１２の内面からスリーブ１３の外面
へ移行する。ローリングダイヤフラム３３はスリ
ーブ１３の後端の外面の溝３５に嶢め込まれた周
縁ビード３４によりスリーブ１３に対し永久的に
シールされている。

弁体９は多数の段を有する孔３６が貫通し、後
側ハウジング殻２の中心孔に可撓性のアコーデオ
ン形ブーツ３８と一体の環状シール３７により摺
動可能に封止されている。シール３７はアダプタ
ー板３１の内周縁により保持されている。孔３６
の段４０と段４１との間に第１の環状弁室３９が
画成され、段４１とその後方の段４２との間に第
２の環状弁室４３が画成されている。段４０，４
１、および４２で順次直径が大きくなつている。
第１弁室３９は通路を介して後側ブースター室４
４と永久的に連通している。該通路は、弁体９お
よび上側ウエブ１５と一体の略Ｌ形の腕４７に形
成された孔４５，４６および、腕４７に形成され
該腕に接続された細長い板４９で蓋された溝４８
から成るものである。腕４７はウエブ１５の厚さ
より厚いのが好ましい。主ダイヤフラム６は腕４
７の孔４６の後端の開口５０の周囲に管状プラグ
５１で封止されている。弁室４３は弁体９の壁の
半径方向のポート５３により前側ブースター室５
２と直接連通している。

弁制御部材５４が孔３６の最小直型の小さい部
分５５に摺動可能に嵌り、その後退位置は、該弁
制御部材のくびれ部に担持された「さかとげ」付
き当接リング５６が孔３６の環状溝５７の後端と
係合することにより決定される。弁制御部材５４
の前端は出力部材５９の頭部の後に配置された弾
性体反力円板５８と係合する。出力部材５９の前
端はマスターシリンダーピストン６０と係合して
いる。反力円板５８の機能は当業者には明らかで
ある。

孔３６の段４１は軸方向に可撓性のポペツト弁
部材６２の環状弁頭６１と協働する第１の弁座を
形成し、第２の弁座（図示せず）が弁制御部材５
４の後端に形成され周知の態様で弁頭６１が係合
する。ペダル作動入力棒６３が空気フイルター６
４を貫通し、ポペツト弁部材６２を貫通して弁制
御部材５８と係合している。

入力棒６３が後退位置にある時（第１図）、各
部材は、コイルばね６５によりその位置に偏倚さ
れ、弁頭６１が段４１から離れているから、２つ
のブースター室４４，５２はポート５０、孔４
６、溝４８、孔４５、室３９，４３およびポート
５３を通じて互に連通している。この時は、前側
ハウジング殻１の負圧源連結部（図示せず）によ
り両方の室が負圧源に連結されている。弁頭６１
には弁制御部材５４の第２弁座が係合し、両方の
室を大気から遮断している。入力棒６３を前進さ
せると、弁頭６１が段４１と係合し、弁室３９，
４３を隔離し、従つてブースター室４４，５２を
隔離し、更に入力棒６３を前進させると、弁制御
部材の第２弁座が弁頭６１から離れ、弁室３９と
大気とをフイルター６４を介して連通させ、従つ
て後側の室４４を大気に連通させ、そのため可動
壁７に圧力差が加えられる。

第３図の第１図の各部分に対応する各部分は同
一の参照番号が付されている。第３図のブースタ
ーの第１図および第２図のブースターとの主な相
違は、スタツド１８に相当するスタツドが無く、
スリーブ１３は前方へ延びて、ハウジング１，２
の中心部を互にに連結する管状の力伝達手段を形
成している点にある。スリーブ１３の前半には等
間隔の角度間隔で３つの軸方向に延びるスロツト
６７が形成され、各々の溝に、ダイヤフラム支持
板８のスリーブ１２の前端を弁体９の前端に一体
的に連結する半径方向の腕７１が嵌つている。腕
７１の１つ（第３図に示す）は、Ｌ字形腕４７′
（ｂ破線）に続き、孔４８，４６を有し、孔４８
の半径方向内側の開口端はモールド後に球７８で
閉じられている。

スリーブ１３の前半のスロツト６７で画成され
た腕は前端外面に溝６６が形成され、該溝６６
は、前側ハウジング殻１の半径方向内周縁に設け
られた内側環状ビード６９とスナツプ係合し、断
面が略Ｕ字形の環状の金属製保持具７０によつて
ハウジング殻１に対する連結状態に保持されてい
る。

第１図および第３図の構造はいづれも、前側ブ
ースター室４４と後側ブースター室５２とを互に
隔離するためのシールの数は最少限であり、しか
も力伝達手段が可動壁を貫通することができるよ
うになされていることがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例である負圧作動サ
ーボブースター組立体の第２図のＢ―Ｂ視縦断面
図であり、各部材は後退位置で示され、ブースタ
ー組立体は液圧マスターシリンダーの後端に連結
されている。第２図は第１図のＡ―Ａ視垂直断面
図。第３図は、本発明の第２実施例を示す、第１
図と同様な断面図。 １……前側ハウジング壁、２……後側ハウジン
グ壁、７……可動壁、８……ダイヤフラム支持
板、９……弁体、１３……スリーブ、３３，３４
……封止手段、３９……弁室、４４……後側ハウ
ジング室、４５，４６，４８……通路、４７……
腕、５０……ポート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ブースターハウジング、該ハウジングを２室
   に分割し、可撓性ダイヤフラムにより外周縁を上
   記ハウジングに封止されたダイヤルフラム支持板
   を含む可動壁、出力部材、弁体、および上記ダイ
   ヤフラム支持板を弁体に連結する手段を備え、上
   記両室の間の圧力差により可動壁に加えられた力
   が弁体を介して上記出力部材に伝達されるように
   なされた車両ブレーキ系統用サーボブースターに
   おいて、上記弁体９の半径方向外側に位置するス
   リーブ１３が上記ハウジングの後壁２から前方へ
   突出し、上記可動壁７の半径方向内周縁が、上記
   スリーブの半径方向外周面に係合する封止手段３
   ４，３５により該スリーブに封止することによつ
   て上記ハウジング後壁２に対し封止され、上記弁
   体内の１つの弁室３９が通路４５，４６，４８に
   よりブースターの後側室４４に接続され、上記通
   路４５，４６，４８は、上記封止手段の半径方向
   外側で上記ダイヤフラム支持板９に設けられ後側
   室に開口するポート５０に終つていることを特徴
   とするサーボブースター。 ２ 特許請求の範囲第１項のサーボブースターに
   おいて、上記封止手段はローリングダイヤフラム
   であることを特徴とするサーボブースター。 ３ 特許請求の範囲第１項又は第２項のサーボブ
   ースターにおいて、上記スリーブ１３は車両に対
   し固定される力伝達手段１７；１３の少くとも一
   部を構成し、該力伝達手段は上記封止手段の半径
   方向内側において上記ブースターハウジングの前
   壁１から上記可動壁を貫通して上記後壁２まで延
   在していることを特徴とするサーボブースター。