JPS6120121B2 - - Google Patents

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JPS6120121B2
JPS6120121B2 JP6925883A JP6925883A JPS6120121B2 JP S6120121 B2 JPS6120121 B2 JP S6120121B2 JP 6925883 A JP6925883 A JP 6925883A JP 6925883 A JP6925883 A JP 6925883A JP S6120121 B2 JPS6120121 B2 JP S6120121B2
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JP
Japan
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resin composition
weight
mold
frame member
coil
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Application number
JP6925883A
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JPS5927403A (ja
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Kaneji Ikeda
Yoshinari Ogawa
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Teijin Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP6925883A priority Critical patent/JPS5927403A/ja
Publication of JPS5927403A publication Critical patent/JPS5927403A/ja
Publication of JPS6120121B2 publication Critical patent/JPS6120121B2/ja
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  • Insulating Of Coils (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はコイル又は変成器の如き電気機器の製
造法に係るもので、更に詳しくは、特定の樹脂組
成物により電気機器を一体成型する製造法に係
る。 従来技術にあつては、コイル又は変成器を絶縁
加工するに際し、次の手段が講じられてきた。 第1の手段は、コイルまたは変成器(これらは
導電性の細線を線輪となるように枠部材に巻装し
たものであつて、必要に応じ枠部材にはフエライ
ト、金属性ヨークまたは鉄芯が装着されるものも
ある)の導線を予めワツクス、無溶剤ワニスまた
は耐熱ワニスにより含浸せしめ、次いで絶縁紙を
被覆し、再度ワニスにより含浸被覆するデイツピ
ング法である。 第2の手段は、コイルまたは変成器をケースに
装填し、このケース内に粘度の低い液体樹脂を注
型し、減圧下で脱泡しつつコイルまたは変成器の
導線に液体樹脂を含浸させ絶縁被覆を図るもので
ある。この方法はケースを利用したボツテイング
法である。 第3の手段は、第1手段で得た絶縁被覆された
コイルまたは変成器を更に樹脂により肉厚にデイ
ツピングする改良法である。 これらの手段は次の問題点がある。第1の手段
は含浸作業、ワニス塗装作業が煩雑であり、乾
燥、焼付、硬化等の設備を要する点で効率、設備
生産性が低い。しかも絶縁加工されたコイルや変
成器を鋼板等の支持部材に固定する必要があるか
ら軽量化、取扱いの容易さの点でも満足できな
い。第2手段は液体樹脂の脱泡、硬化処理に長時
間を要する点で生産性が劣る。また絶縁性を高く
維持するには予め導線を洗滌し液体樹脂の含浸充
填が完全となるように前処理を施す必要もある。
第3手段は導線部分に浸漬されるワニス、ワツク
ス等と外装の樹脂被覆とが剥離すること、デイツ
ピングに特殊な治具を要すること等作業性の問題
がある。 従来技術に共通した問題は絶縁性の樹脂が成型
後収縮変形を生じ易く、残留歪に起因するクラツ
クの発生による絶縁抵抗の減少等を回避できな
い。本発明は成型変形のない特殊な樹脂組成物を
使用して、コイルまたは変成器の線輪間隙に樹脂
組成物を含浸せしめ得ることから絶縁性を高める
とともに、コイルまたは変成器をこの樹脂組成物
により封入して成型体とするものである。 本発明はコイルまたは変成器の含浸作業と被覆
組立作業とを一工程で達成できる画期的な技術を
提供することを目的とする。本発明は、成型され
たコイルまたは変成器(以下電気機器という)の
製造法を提供するものであつて、この製造法によ
つて得られた電気機器は絶縁性に優れると共に耐
湿熱性、耐寒性、耐疲労性が改良されている。 この発明は、導電性の線輪と端子と枠部材とを
樹脂組成物により成型する電気機器の製造法であ
つて、その樹脂組成物が線輪に含浸されていると
共に線輪と端子とが枠部材に巻装、固定されたま
まで該樹脂組成物によつて被覆されかつ組立られ
るようにしてなる電気機器の製造法である。しか
して、該樹脂組成物は比重が1.5乃至1.95の範囲
であり、かつ (A) α・β−エチレン系不飽和ポリエステル、 (B) 不飽和ポリエステル(A)と共重合可能な液状の
エチレン系不飽和単量体、 (C) 水和アルミナを必須成分として含む無機フイ
ラー、 (D) 前記エチレン系不飽和単量体(B)に対し溶解作
用または膨潤作用を呈する熱可塑性重合体、 (E) 繊維状補強材 とからなる特徴を有するものである。 以下、本発明を説明する。 第1図乃至第3図は本発明の製造法で成型され
た電気機器の実施例である。 第1図は本発明で使用する特定の樹脂組成物に
より組立成型されたコイルの斜視図であり、第2
図は第1図の縦断面図である。耐熱性の合成樹脂
等の絶縁性の枠部材11に銅、アルミニウム等の
導電性の細線が線輪12を形成するように巻装さ
れている。この細線はピン等の固着部材17より
枠部材11に固着されている。そして、この固着
部材を介して端子13の一端が取付けられてい
る。枠部材に巻装された線輪を含めて、枠部材に
固着されていない自由端(他端)の端子を除い
て、特定の樹脂組成物18により線輪12を含浸
し絶縁加工すると共に全体として一体成型されて
いる。コイルは電気機器として利用し易いように
構造体の一部に穴20を設けることができる。 第3図は構造体のコアに金属性ヨーク15が装
着されたものである。このように金属性ヨーク、
フエライト、鉄芯等の装着されたソレノイドコイ
ルも本発明の技術である。また枠部材及び線輪が
2層に組合されて一次コイルと二次コイルとを形
成する変成器も本発明の適用範囲の電気機器であ
る。 本発明に供し得る枠部材の材質は合成樹脂の場
合には熱変形温度が100℃以上であることが好ま
しい。この熱変形温度はASTM D−648によつ
て決め得る。枠部材は特定の樹脂組成物と密着性
のあるスチレン系樹脂が好ましい材料である。 線輪を構成する銅、アルミニウム等の細線はエ
ナメルで被覆されたものであれば一次絶縁は充分
である。本発明では線輪を予め洗滌すること、ワ
ツクス、ワニス等で前処理する必要はない。端子
と線輪のリード部分とのピン等の金具による固着
又はハンダ付等公知の固着方法が本発明において
もそのまま採用できる。 本発明に供する樹脂組成物は、成型収縮が殆ど
無く誘電率が低いものであつて、かつ成型時の流
動性も高いものである。この結果、樹脂組成物が
線輪の間隙に浸透すること及び絶縁性が保証さ
れ、電気機器として誘電ロスが少く、発熱も殆ど
無いため樹脂組成物の耐久性も高くなる特徴があ
る。 本発明に供する樹脂組成物は、(A)α・β−エチ
レン系不飽和ポリエステルと(B)エチレン系不飽和
単量体とが全組成中で15〜40重量%の範囲、(C)無
機フイラーが10〜60重量%、(D)熱可塑性重合体が
5〜20重量%、(E)繊維状補強材が10〜35重量%か
らなる。そして、少量(約5重量%以下)のラジ
カル重合触媒、重合禁止剤、離型剤等が添加さ
れ、更に着色剤、金属酸化物等を添加することが
できる。しかして、樹脂組成物は成型後の比重が
1.5〜1.95の範囲となるように、組成を選択す
る。比重はASTM D−792に規定された測定方
法に依るもので室温における比重(g/cm2)を示
す。 本発明に供する樹脂組成物は、従来から使用さ
れているプリミツクスと称される乾式ポリエステ
ルコンパウンドと相違し、成型時の収縮が殆どな
く、流動性、含浸性、硬化反応速度が改良されて
いる湿式ポリエステルコンパウンドである
(SMC、DMC、BMC、湿式プリミツクスと略称
されている)。比重が上記の範囲となるように無
機フイラー、繊維、補強材を選ぶと樹脂組成物の
含浸性が高められ、ひいては電気機器としての絶
縁性が優れている。 即ち本発明において使用する樹脂組成物は次の
特徴をもつ。 成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物は一般に
組成物全量に対してα・β−エチレン系不飽和ポ
リエステル樹脂15〜40重量%、無機充填材10〜60
重量%及び繊維補強材10〜35重量%からなるが、
その他5重量%以下のラジカル重合触媒、重合禁
止剤、離型剤等が添加され、更に着色剤、金属酸
化物が添加される場合がある。 更にこれらの成形材料の成形時硬化収縮率を低
下せしめ成形物表面の平滑性を向上させる目的
で、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレー
ト、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル等の一般にエ
チレン系不飽和単量体に溶解ないしは膨潤する熱
可塑性重合体を数重量%ないし十数重量%添加す
ることも一般には知られている。例えばこれら樹
脂組成物は特公昭42−16427号公報、特公昭46−
14541号公報等に記載されている。 しかし、これらには成形品の誘電率を低下する
のに、特定の熱可塑性重合体と特定の無機フイラ
ーとを特定の量割合で組合せることが有効である
ことについて何ら記載されていない。本発明によ
れば成形品の誘電率低下には前記ポリスチレン、
ポリメチルメタアクリレート、ポリ酢酸ビニル、
ポリエチレン、ポリプロピレン等の如きエチレン
系不飽和単量体に溶解ないしは膨潤する熱可塑性
重合体、特にポリスチレン、ポリエチレン、ポリ
メチルメタアクリレートが有効であることが判明
した。これらの熱可塑性重合体は単独使用しても
よく、また2種以上を混合使用してもよい。 また、かかる熱可塑性重合体の添加量は全組成
物中5〜20重量%である。熱可塑性重合体の量が
5重量%より少くなると成形品の誘電率は4.0よ
り大きくなり実用的に従来公知の方法による樹脂
組成物によるものと差がなく、本発明の目的とす
る低誘電率成形品とは云い難く、また20重量%よ
り多くなると成形品の誘電率そのものは小さくな
つて好ましいが、成形時の金型からの脱着が悪く
なり、熱変形温度が極端に低下するなど他の特性
を低下させる結果が現われるので好ましくない。 無機フイラーは、水和アルミナを含むものであ
る。この無機フイラーは樹脂の含浸性、誘電率の
低減のために水和アルミナが必須成分となる。勿
論無機フイラーには炭酸カルシウムや酸化硅素等
を併用することができる。この水和アルミナは樹
脂組成物中に上述の熱可塑性重合体が添加されな
い場合や、その量が少ない場合には、成形品の誘
電率低下に全く寄与しないか、或いは寄与する効
果が少なくなる。 しかし水和アルミナと10重量%以上の前記熱可
塑性重合体とを併用する場合には、他の無機フイ
ラー、例えば炭酸カルシウム、クレー等を使用し
た場合とは異なり、明らかに特異的な誘電率低下
の効果をもたらす。 本発明において用いられる水和アルミナは、そ
の吸油量が10〜100、特に20〜80のものが好まし
い。ここで云う吸油量とはJISK−5101で規定さ
れる吸油量である。 水和アルミナ及び他の無機フイラーの配合量は
全組成物中10〜60重量%であることが好ましく、
更に好ましくは30〜50重量%である。 前記水和アルミナは、他の無機フイラーと併用
することは何らさしつかえない。しかし、他の無
機フイラーを併用した場合には成形品の誘電率は
水和アルミナだけを使用した場合より若干大きく
なるので注意する必要がある。水和アルミナと併
用可能な無機フイラーとしては、例えば炭酸カル
シウム、酸化硅素の他に、酸化アルミニウム、硫
酸バリウム、石英、タルク、ガラスビーズ、雲
母、ケイ酸マグネシウム等を挙げることができ
る。これらは1種以上を用いることができる。 本発明において用いられるα・β−エチレン系
不飽和ポリエステルは、それ自体は独特なもので
はなく、その製造方法は斯界で良く知られてい
る。この様な不飽和ポリエステルはα・β−エチ
レン系不飽和ジカルボン酸、その酸無水物又はそ
れらの混合物を、更に必要な場合には飽和ジカル
ボン酸、その酸無水物、飽和モノカルボン酸又は
不飽和モノカルボン酸等をも用いてアルコール類
即ちグリコール類、一価アルコール類、多価アル
コール類等と縮合反応させることにより製造する
ことができる。 前記α・β−エチレン系不飽和ジカルボン酸及
びその酸無水物としては、例えばマレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸等及びこれらの酸無水物を挙
げることができる。飽和ジカルボン酸及びその酸
無水物としては、例えばフタル酸、無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、
コハク酸、セバシン酸、メチルコハク酸、テトラ
クロロテレフタル酸等を挙げることができる。更
に飽和モノカルボン酸としては、例えば酢酸、安
息香酸等を、及び不飽和モノカルボン酸として
は、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、大豆油
脂肪酸等を挙げることができる。 また、グリコール類としては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、ブタンジオール等を挙げることがで
きる。多価アルコール類としては、例えばグリセ
リン、ヘキサントリオール、ソルビトール等を挙
げることができる。更に一価アルコール類として
は、例えばエタノール、アリルアルコール等を挙
げることができる。これらの酸類及びアルコール
類は2種以上を併用することもできる。 前記α・β−エチレン系不飽和ポリエステルは
分子量700〜4000のものが好ましい。 本発明において用いられる単量体はα・β−エ
チレン系不飽和ポリエステルと共重合可能な液状
単量体、すなわち一分子量当り少くとも1個の重
合可能な反応性CH2=C〓基を有する液状のエチ
レン系不飽和単量体である。この様なエチレン系
不飽和単量体としては、例えばスチレン、メタク
リル酸メチル、ビニルトルエン、ジアリルフタレ
ート等が挙げられる。これらは単独で用いること
ができるが、2種以上を混合して用いることもで
きる。これらのうちスチレンが最も好ましい。 エチレン系不飽和単量体の配合量は、該単量体
とα・β−エチレン系不飽和ポリエステルの混合
物100重量部に対して20〜60重量部であることが
望ましい。 本発明においては組成物に有機及び/又は無機
の繊維状補強材、例えばガラス繊維、芳香族ポリ
アミド系繊維、ポリエチレンテレフタレートの如
きポリエステル系繊維、ポリビニルアルコール系
繊維、カーボン繊維、サイザル麻、アスベスト、
ウイスカー等を配合する。これらの補強材の量は
全組成物に対して10〜35重量%であることが望ま
しい。 本発明において使用される不飽和ポリエステル
樹脂組成物を硬化するに際しては、該組成物に過
酸化物、他の通常な開始剤の如き硬化触媒を配合
する。 有用な硬化触媒としては、例えばベンゾイルパ
ーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブ
チルバイドロパーオキシド、ラウロイルパーオキ
シド、t−ブチルパーオクトエート等が例示でき
る。これらの硬化触媒の量はα・β−エチレン系
不飽和ポリエステル及びエチレン系不飽和単量体
の混合物総重量に対して1〜3重量%であること
が望ましい。 樹脂組成物の硬化方法は通常の不飽和ポリエス
テル樹脂の硬化方法が採用される。硬化方法の典
型的な例としては、密閉した金型中で加熱加圧し
て硬化する方法が挙げられる。 硬化に要する温度、時間、圧力等は組成物に使
用される成分、並びに成形装置、成形物要求特性
等により決定されるが、通常は圧力20〜200Kg/
cm3、温度100〜180℃、時間30秒〜5分の条件で行
なわれる。 本発明において使用される不飽和ポリエステル
樹脂組成物は必要に応じて酸化マグネシウム、酸
化カルシウム、水酸化カルシウム等の如き増粘
剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム
等の如き離型剤、ハイドロキノン、ターシヤリー
ブチルカテコール、ナフトキノン、p−ベンゾキ
ノン等の如き硬化安定剤、或いは着色剤等を加え
ることができる。 次に本発明の成型方法を説明する。 導電性の線輪12を絶縁性の枠部材11に巻装
し、該枠部材11に端子13の一端を固着し、該
枠部材11を挿入子とし該挿入子の中心コアまた
は該端子13の他端を保持固定するように成型金
型内に収納し、該成型金型内に樹脂組成物を圧送
ないし圧入し、該樹脂組成物により該挿入子を封
入含浸せしめた後該樹脂組成物を固化せしめ、次
いで該成型金型より成型物を取出すことからなる
樹脂組成物により一体成型された電気機器の製造
法である。 本発明では、枠部材に線輪を巻装し、該線輪の
リード部分を端子の一端と固着したものを所定の
金型に収納する。この金型に挿入する挿入子が線
輪が巻装された枠部材となる。従つて、枠部材は
金型内で樹脂組成物が加熱エージングされる際に
熱変形しないような材質が必要である。 金型は所望の形状を呈する電気機器となるよう
に設計することができる。そして、この金型の中
に枠部材を収納する。枠部材を収納するに際し、
金型に対し枠部材は挿入子の関係となる。従つ
て、枠部材に固定されている端子、金属ヨーク・
フエライト芯等は金型内で保持されるように収納
されねばならない。挿入子(枠部材)と金型とは
次の関係にある。 (1) 射出成型法乃至トランスフアー成形法用に供
し得る金型。 (2) 挿入子のボビンを中心金型コアをして金型に
中空に保持する手段形状として利用する、又は
金属性ヨーク中空部を同様に利用する。 (3) 挿入子のボビンに巻装された銅線のリード線
端子金具を金型コイル及び変成器の挿入子を中
空に保持する目的のためにリード線金属端子は
比較的堅牢にボビン本体に装着されていて、(2)
同様金型に中空に保持する手段形状として利用
する。 (4) 挿入子の端子は必ずしも金型分割面即ちパー
テイング面に限定する必要はなく、金型の可動
型または製品設計上補助的に金型の固定型に設
定することができ、入駒は必ずしも要しない。 (5) 金型のゲートは対称軸の上方に設け、樹脂注
入が円滑、均一に浸透するようにする。 本発明の樹脂組成物は硬化条件が適切であれば
5分間以内で固化し、金型から離すことができ
る。 本発明の封入、含浸一体化法により成型された
電気機器は線輪間隙に樹脂が浸透し、高い絶縁性
を呈する効果がある。更に、誘電率が低い特徴が
ある。加うるに、温度、湿度の変化に対し、耐久
性と信頼性が高められている効果がある。 本発明で使用される樹脂組成物は、 (1) 速硬化性である。 (2) 流動性がよく機械のゲージ圧力で20〜70Kg/
cm3の低圧で成形加工ができるので挿入子として
のコイル及び変成器の変形、断線及び偏芯がな
い。 (3) 材料温度が高々20〜60℃で金型内に入るので
挿入子たるコイル及び変成器のボビンに著しい
熱的損傷がない。 (4) 低収縮性であり、主成分たる高反応性ポリエ
ステル樹脂は速硬化性で且つ発熱反応を呈する
ので金型から熱は最小でよく且つ短時間で成形
が完了する。 (5) 成形時の樹脂組成物の収縮率は0.3%以下で
あり、成形后の封入含浸一体成形品は低歪でコ
イル及び変成器に対し内部応力がかからず製品
機能を低下させない。 (6) 繊維強化材料で容易に自消性難燃化材料組成
物とし得るのでコイル及び変成器に必須の耐ア
ーク・トラツキング性をはじめとする電気的強
度並びに耐クラツク、膨脹、収縮に対する安定
性も含め機械的強度が優れている。 本発明は繊維強化された特殊のポリエステルコ
ンパウンドを用いて射出成形法またはトランスフ
アー成形法によつて含浸絶縁と被覆絶縁を図つた
コイル、変成器の如き電気機器の製造法であり、
この方法で得られた電気機器は耐電圧、機械強度
が向上し、軽量化、小型化も満足できるものであ
る。 以下、本発明の実施例を挙げて更に説明を加え
る。 実施例 1 無水マレイン酸、イソフタル酸及びプロピレン
グリコールの縮合物にスチレンモノマーを添加し
たもの26重量部、水和アルミナ(昭和電工(株)製ハ
イジライトH−42)44重量部と石英砂(林化成(株)
製ハイシレツクス)4重量部とからなる無機フイ
ラー48重量部、粉末ポリエチレン15重量部、ガラ
ス繊維18重量部、硬化触媒約3重量部よりなる樹
脂組成物は硬化後比重が1.67となることが確めら
れている。この樹脂組成物を住友重機製ジユロマ
ツトDMC120射出成形機を使用し、成形圧力30
Kg/cm3、金型温度130℃、射出時間15秒、硬化時間
4分に設定し、封入用成形用金型に射出硬化しガ
ラス繊維強化ポリエチレンテレフタレートからな
る枠部材を挿入子として変成器を成形した。その
結果一次低圧コイルと二次高圧コイル間の樹脂に
よる被覆は完全であり、それぞれのコイル巻線間
隙にも樹脂が含浸充填されていた。被覆した樹脂
成形部は最小2.0mm、最大4mmの肉厚であつた
が、この構造部は全てボイドレスであつた。この
一体封入被覆化された変成器は実用電圧24KVに
対し耐電圧試験1000hrs連続試験の結果トラツキ
ングはなく、インパルス耐電圧は30KV以上の値
を得た。また、この変成器の誘電率(1MHz;
ASTM D−150による測定)は3.5であつた。 比較例 1 実施例1の組成において、粉末ポリエチレンの
量を4重量部と減じ、無水マレイン酸、イソフタ
ル酸及びプロピレングリコールの縮合物にスチレ
ンモノマーを添加したものの量を37重量部とした
とき、変成器の誘電率(1MHz;ASTM D−150
による測定)は4.9であつた。 実施例 2 無水マレイン酸、無水フタル酸、プロピレング
リコールの縮合物に微少量のハイドロキノン、縮
合物の半量のスチレンモノマーを加えた液状の不
飽和ポリエステルを24重量部、水和アルミナ50重
量部、ポリメチルメタアクリレート13重量部、ガ
ラス繊維20重量部とからなる樹脂組成物(比重
1.79)を用いて、松田製作所(株)製のT−28Eトラ
ンスフアー成形機を使用し、第2図の如きコイル
をトランスフアー用封入金型に挿入子として保持
し、圧力28Kg/cm2、金型温度150℃、プランジヤ降
下速さ10秒で硬化時間1分30秒で成形し変成器用
コイルを得た。この樹脂組成物で封入一体化した
変成器用ボビンは被覆絶縁が完全で、巻線間隙に
も樹脂が含浸し且つガラス繊維入り変性POM樹
脂(エンジニアリングプラスチツク(株)製ノリル
)GFN2製の枠部材の壁と本樹脂組成物との密
着もよく1hrs沸水浸漬后のAssy、コイルの耐電
圧及び絶縁低抗は、それぞれ10KV以上、及び
1010Ω以上であつた。また、このコイルの誘電率
(1MHz)は3.8であつた。 比較例 2 実施例2の組成において、水和アルミナ50重量
部を炭酸カルシウム50重量部に代えた場合、コイ
ルの誘電率(1MHz)は4.8であつた。 次に上記実施例2の樹脂組成物(以下「樹脂
イ」と云う)で成型されたコイルと比較例2の樹
脂組成物(以下「樹脂ロ」と云う)で成形された
コイルをフライバツクトランス用コイルとして用
いた場合のフライバツクトランスの性能の比較結
果を示す。尚、試料として使用するフライバツク
トランスNo.1〜No.6の仕様及びそれを駆動するテ
レビジヨンセツトの回路定数は一定とする。 〔電気性能〕 フライバツクトランスの一次巻線に発生する一
次パルスの波高値A,B,Cを第4図の如く定義
し、二次巻線に発生する二次パルスに続くリンギ
ングの大きさを第5図に示すD,Eの比の百分率
〔E/D×100(%)〕で定議するものとする。 電気性能を第1表に示す。
【表】
〔温度上昇度〕
樹脂イ及び樹脂ロで成形したコイルを用いたフ
ライバツクトランスを周囲温度40℃、湿度90%の
雰囲気中に放置し、高圧出力を定格より10%上昇
させた状態を維持させたまま4時間連続動作させ
て、前記フライバツクトランスの一次巻線の温度
上昇を巻線抵抗法で測定した。その結果を第2表
に示す。
【表】 以上のことから、樹脂イで成型したコイルを用
いたフライバツクトランスは樹脂ロを用いたもの
に比べて、一次パルスの切込み〔B/A×100
(%)〕が12%、帰線期間(t)が約0.3μsec、一
次電流が約3.4%、リンギングが7〜10%、温度
上昇が約4℃改良でき、フライバツクトランスと
しての性能が格段に向上していることが明らかで
ある。 実施例 3 不飽和ポリエステル12重量部、スチレンモノマ
ー6重量部、水和アルミナ45重量部と炭酸カルシ
ウム(竹原化学製軟質炭酸カルシウム)13重量部
とからなる無機フイラー58重量部、ポリエチレン
粉末6重量部、硬化剤2重量部、ガラス繊維16重
量部とからなる樹脂組成物(比重1.90)を用い、
松田製作所製射出成形機SL−100D/S50/90Fを
使つてコイルを封入用金型に挿入子とし、圧力50
Kg/cm3、金型温度130℃、射出時間4秒、硬化時間
2分で成形し、電磁弁用コイルを得た。この変成
用電磁弁コイルは被覆が完全で、巻線間隙にも樹
脂が含浸していた。電磁弁用鉄芯ヨークは樹脂圧
で偏芯することなく設計寸法が正確に出ていた。
且つ20KV、0.2〜0.4Ampでの90%R.H.湿度下で
の長期劣化試験に合格し、トラツキング損傷はな
かつた。 実施例 4 不飽和ポリエステル及び単量体25重量部、ポリ
エチレン(製鉄化学(株)製フローセンUF−4)6
重量部とポリスチレン粉末(旭ダウ製スタイロン
666)6重量部、無機フイラー45重量部、ガラス
繊維14重量部及び触媒顔料4重量部からなる無収
縮タイプ(比重1.70)樹脂組成物を用いて住友重
機械ジユロマツトDMC120射出成形機を使用し、
圧力90Kg/cm3、金型温度140℃、射出時間8秒で硬
化時間1分30秒で、トランス用変成器を得た。 実用100Volt、0.5mAの使用規格に対し耐湿
熱:−50℃〜+80℃の20サイクルサーマルシヨツ
クテスト后の耐電圧試験に合格した。且つ従来の
銅板保持具を使用した同種設計の変成器に比較
し、使用時の騒音発生が著しく減少した。 以上の通り本発明は、流動性が良く且つ速硬化
性の特定の樹脂組成物を、コイルまたは変成器が
収納された金型内に圧入するようにしているの
で、コイルまたは変成器の含浸と被覆作業が一工
程で行えるとともにその作業が極めて迅速に行え
るから非常に生産性が高いという利点がある。 本発明の製造手法とそれに使用する上記樹脂組
成物の組合せは金型内に低圧で樹脂組成物を圧入
して成形加工できるから成形時におけるコイル及
び変成器の変形、断線及び偏芯がなく、また樹脂
組成物を高々20〜60℃にして金型内に入れること
ができるのでコイル及び変成器のボビンに著しい
熱的損傷がなく、歩留まりが非常に良いという効
果があり、又更に比較例との対比から顕著な様に
誘電体損失の少い電気機器を製造し得る等本発明
は極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電気機器の製造法により得ら
れた電気機器(コイル)の斜視図、第2図及び第
3図は本発明の電気機器の製造法により得られた
電気機器の断面図、第4図及び第5図は本発明の
電気機器の製造法により得られた電気機器の特性
を示す為の電圧波形図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 導電性の線輪を絶縁性の枠部材に巻装し、該
    枠部材に端子の一端を固着し、該枠部材を挿入子
    の中心コアまたは該端子の他端を保持固定するよ
    うに成型金型内に収納し、該成型金型内に樹脂組
    成物を射出成型法又はトランスフア成型法により
    圧入し、該樹脂組成物により該挿入子を封入含浸
    せしめた後、該樹脂組成物を固化せしめ、次い
    で、該成型金型より成型物を取出すことからなる
    樹脂組成物により一体成型された電気機器の製造
    法。 但し、該樹脂組成物は比重が1.5〜1.95の範囲
    であつて、下記の組成 (A) α・β−エチレン系不飽和ポリエステル、 (B) 不飽和ポリエステルと共重合可能な液状のエ
    チレン系不飽和単量体、 (C) 水和アルミナを主成分とする無機フイラー、 (D) 前記エチレン系不飽和単量体に溶解または膨
    潤し得る熱可塑性重合体、及び (E) 繊維状補強材 からなるものである。
JP6925883A 1983-04-21 1983-04-21 樹脂組成物が封入含浸されてなる電気機器の製造法 Granted JPS5927403A (ja)

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