JPS6119349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液膜型（フイルムタイプ）気液接触
用充填物に関する考案である。

従来、液膜型の充填物は第６図及び第７図の様
に構成されたものが知られている。即ち、金属又
はプラスチツクの薄板にプレス、真空成形等によ
り波付け加工を施して表面に所定の幾何学的波形
模様１を形成することにより気液接触面積を増大
して気液接触効率の向上を図り、この様な波形板
２をスペーサ３により所定間隔を保たせて適数枚
重ね合せ結合して該波形板から成る充填物を構成
する。

上記波形板２の代表的なものは、第７図に示す
様に山Ｍと谷Ｖがそれぞれ上から下まで連通して
いるため次の様な欠点がある。

山Ｍも谷Ｖも上から下までく字状に屈曲連続
し、く字状の屈曲連続点が横一列状に並んでい
るため、圧縮強度が弱く、上方より荷重がかか
るとアコーデイオン状に収縮し易い。

山Ｍと谷Ｖがそれぞれ上から下まで連通して
いるため、谷の形成した凹部通路を流下する液
体は一つの凹部通路から他の並列凹部通路へは
分散し難いので気液接触効率が悪い。

本考案は、叙上の欠点を改善したもので、複数
の山及び谷が一方向に延び、かつ該複数の山及び
谷の延びる方向の寸法がその幅寸法より長い四辺
形区画を単位区画とし、多数の単位区画を千鳥状
に斜向配列して上位の区画の山及び谷の端部をそ
れぞれ下位の区画の山又は谷の側面に接続せしめ
たことを特徴とする気液接触用充填物に係る。

以下、本考案を第１図乃至第５図に示した実施
例について説明すると、これら各図は波形板を示
した図であつて、複数の山Ｍ及び谷Ｖが一方向に
延び、かつ該山及び谷の延びる方向の寸法がその
幅寸法より長い四辺形区画を単位区画Ｓとして多
数の単位区画を第１図に示した様に千鳥状に斜向
配列して恰も網代編模様の如き外観を呈した波形
板を構成する。この波形板の各単位区画Ｓには第
２図乃至第５図に示した様に３列の山Ｍ及び２列
の谷Ｖを形成し、各区画の山Ｍ及び谷Ｖの端部は
それぞれ下位の区画の側面に接続せしめ、接続し
た山と谷との間には三角形斜面Ｔが形成される。
そして、第５図は山Ｍ及び谷Ｖの線を波状に屈曲
させた例であるが、単位区画Ｓの配列は第１図に
示した千鳥状である。

なお、上記波形板を何枚も重ね合せ結合するた
め、同板所要位置に第６図の様なスペーサを設け
るが、第１図乃至第５図いづれもスペーサは省略
してある。

上記単位区画Ｓに設ける山Ｍ及び谷Ｖの本数を
図では３本と２本にしてあるが、更に増減しても
よい。またその傾きは水平に対し30゜程度にして
あるがこれにも制限はない。更に山Ｍ及び谷Ｖの
断面形状は図では90゜の角になつているが、サイ
ンカーブ状にしてもよい。

本考案は、叙上の構成により従来の欠点を除い
たもので、次に本考案の利点を摘記する。

○イ 単位区画が千鳥状に配列され各区画の山及び
谷が不連続であるため、一つの区画から次の区
画へ流下する液体は上位区画の１本の谷から下
位区画の数本の谷へ分散して流れるので気液接
触効率が向上した。

○ロ 上位区画の山及び谷の端部が下位区画の側面
に接続したため、従来の様にく字状屈曲した連
続点は生じないから、く字状屈曲連続点が横１
列状に並んで強度を弱める従来の欠点はなく、
従つて圧縮強度が増大し上からの荷重に良く耐
えるものとなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の充填物を構成する
波形板の実施例を示すもので、第１図は波形板を
構成する多数の単位区画の配列を示した正面図、
第２図は該波形板の一部を示した正面図、第３図
及び第４図は第２図の３−３及び４−４の各断面
図、第５図は変形した波形板の一部正面図、第６
図は従来の液膜型充填物の側面図、第７図は在来
の充填物の波形板を示した図で、は正面図、
はの上端面図、はの右端面図、はの下
端面図である。 １は波形模様、２は波形板、Ｓは単位区画、Ｍ
は山、Ｖは谷である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の山及び谷が一方向に延び、かつ該複数の
   山及び谷の延びる方向の寸法がその幅寸法より長
   い四辺形区画を単位区画とし、多数の単位区画を
   千鳥状に斜向配列して上位の区画の山及び谷の端
   部をそれぞれ下位の区画の山又は谷の側面に接続
   せしめたことを特徴とする気液接触用充填物。