JPS6118973B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は建設現場において使用する組立式の
地盤強度試験機に関するもので、日本工業規格あ
るいは土質工学会規準に規定される土の一軸圧縮
試験機（試料成形を含む）および静的コーン貫入
試験等を同一の機械で実施できる構造としたもの
である。

建設工事などにおける地盤調査は現地盤におい
てボーリングにより採取した試料を試験室まで持
ち帰えり各種の試験を行なうのが一般的である。
しかし、この場合ボーリング終了後試験結果が出
るまでに一般に一週間以上を要し、現場に出張し
た土質技術者がその場で適切な判断、特に土の強
度に関する評価を下せない場合が多く見られる。

そこで従来現場において早急に地盤強度を求め
る場合には、簡便な方法としてサウンデイング調
査が行なわれてきた。各種方法のうちで最も一般
に利用されているのが静的コーン貫入試験機であ
り、先端コーンの貫入抵抗を求めることにより地
盤強度を間接的に算定することができる。

第１図および第３図は上述のような土質試験機
のうち簡易で最も良く利用される一軸圧縮試験機
と静的コーン貫入試験機を示したものである。こ
れらの機械は目的によつて使い分けられ、従来そ
れぞれ別の試験機として製作され、市販されてき
た。しかし現在一般に用いられている第１図およ
び第３図のタイプのものを比較してみると共に力
計を用いており、その他の構成部材にも類似した
部分が多い。この発明はこの点に注目して、これ
ら二種の試験機を共通の部材から組み立て、同一
の機械によつて二種の異なる試験および調査を可
能にしようとするものである。

また、一軸圧縮試験の実施にあたつてはあらか
じめ採取試料を所定の寸法、形状に成形すること
が必要である。そのため一般に第２図に示すよう
なトリマーが使用される（マイターボツクス等付
属器具は図示省略）。このトリマーは従来一軸圧
縮試験機とは別に市販されているものであるが、
第１図と第２図を比較すると一軸圧縮試験機とト
リマーも非常に類似の形状をしていることがわか
る。この発明はこの点にも注目し、一軸圧縮試験
機のフレームその他を利用して試料成形ができる
構造となつている。

以下、この発明の組立土質試験機を図示した実
施例に基づいて説明する。

第４図はこの発明の組立式地盤強度試験機を一
軸圧縮試験機に組み立てた状態を示したものであ
る。フレームは上下のフレーム板３と、この上下
のフレーム板３とネジで固定される複数本（４本
あるいは６本程度）のロツド４で構成される。ハ
ンドル１はネジ切りロツド８を介して力計２（プ
ルービングリングとダイヤルゲージで構成される
通常のタイプ）に接続され、力計２の下端には変
位板６（アーム）を挾んで加圧板５（圧縮板）が
連結される。

一軸圧縮試験は前記加圧板５と下側のフレーム
板３上に設けられた加圧板５′との間に成形した
供試体１２（第４図では図示せず）を設置して行
なう。ハンドル１を所定の速度で回転させること
により、上側のフレーム板３に設けられたメネジ
とネジ切りロツド８の組み合わせで加圧板５が下
降し、供試体１２に圧縮力が与えられる。このと
き、力計２により圧縮力が、下側のフレーム板３
に取り付けたダイヤルゲージ７により変位板６を
介して変位量（1/100mm単位）が測定され、また
供試体１２の変形が観察される。

以上述べた一軸圧縮試験機の組み立てにおい
て、ハンドル１、力計２、上下フレーム板３、複
数本のロツド４、および加圧板５はねじによる螺
合あるいは嵌合等の方法で互換的に接続できるよ
うになつている。そして、これらを適当に組みか
え、若干の部材を加えることにより第５図および
第６図のトリマー、第７図の静的コーン貫入試験
機が組み立てられる。

すなわち、第５図あるいは第６図に示すよう
に、前述のハンドル１とネジ切りロツド８の間に
つなぎ用ロツド１０を接続し、ネジ切りロツド８
の下端に直接加圧板５を取り付ける。そして、下
端のフレーム板３にガイド用のロツド（トリマー
ガイド９）をネジ固定してトリマーが構成され
る。このトリマーガイド９にワイヤーソーをあて
ることにより所定寸法の供試体１２が成形され
る。

また第７図に示すようにハンドル１に直接力計
２を接続し、力計２の下端には一軸圧縮試験機の
フレームを構成する複数本のロツド４を縦に接続
し、先端コーン１１を取り付けることにより静的
コーン貫入試験機となる。

この静的コーン貫入試験は前述のハンドル１に
人力で載荷し、ロツド４の目盛によつて与えられ
る貫入量と力計２の測定値から地盤強度が得られ
る。

なおこの組立式地盤強度試験機は運搬時は第４
図の一軸圧縮試験機とし、試料成形のマイターボ
ツクスを上下の加圧板５，５′間に挾み、その他
のつなぎ用ロツド１０、ワイヤーソー、先端コー
ン１１等は止め具でフレーム板３等に固定するこ
とができ、ハンドル１をグリツプとして人力で容
易に運搬できる。

この発明の組立式地盤強度試験機は以上の構成
からなり、次のような特徴を有する。

(1) 前述した第１図〜第３図の試験機の市販品の
重量を合計すると軽量タイプと呼ばれるものの
みを利用しても50Kg〜70Kgとなり人力によつて
運搬するのは容易でない。それに対し、この発
明の組立式地盤強度試験機はこれら３台のすべ
ての機能を一台で有するにもかかわらず、かな
り軽量（10Kg程度にすることができる）であ
り、コストも従来の市販品一式（３台）より大
幅に安価となる。

(2) この発明の土質試験機は簡便型ではあるが、
以上述べたように非常に軽量のうえ、コストも
安く、国内および海外の現場に出張者が手軽に
持ち込み現地でたやすく必要な強度データを得
ることができ、工事の進捗を促進することが可
能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一軸圧縮試験機の斜視図、第２
図は従来のトリマーの斜視図、第３図は従来の静
的コーン貫入試験機の正面図、第４図〜第７図は
この発明の実施例を示したもので、第４図は一軸
圧縮試験機に組み立てた状態を示す正面図、第５
図はトリマーに組み立てた状態を示す正面図、第
６図はその斜視図、第７図は静的コーン貫入試験
機に組み立てた状態を示す正面図である。 ａ……回転ハンドル、ｂ……力計、ｃ……ダイ
ヤルゲージ、ｄ……圧縮板、ｅ……供試体、ｆ…
…圧入用ハンドル、ｇ……力計、ｈ……ロツド、
ｉ……先端コーン、１……ハンドル、２……力
計、３……フレーム板、４……ロツド、５，５′
……加圧板、６……変位板、７……ダイヤルゲー
ジ、８……ネジ切りロツド、９……トリマーガイ
ド、１０……つなぎ用ロツド、１１……先端コー
ン、１２……供試体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一軸圧縮試験機の回転ハンドルと静的コーン
   貫入試験機およびトリマーの押し込みハンドルを
   兼ねたハンドルと、一軸圧縮試験機の力計と静的
   コーン貫入試験機の力計を兼ねた力計と、一軸圧
   縮試験機およびトリマーにおける上下フレーム板
   を接続する複数本のフレームロツドと静的コーン
   貫入試験機の接続ロツドを兼ねる複数本のロツド
   と、一軸圧縮試験機の圧縮板とトリマーの成形板
   を兼ねた加圧板とが互換的に接続できるようにな
   つており、かつ前記ハンドル、力計、上下フレー
   ム板、複数本のロツド、および加圧板と、これら
   に取り付けられる一軸圧縮試験機の変位板と変位
   測定のためのダイヤルゲージ、トリマーのマイタ
   ーボツクス、トリマーガイド、つなぎ用ロツドお
   よび静的コーン貫入試験機の先端コーンから構成
   される組立式地盤強度試験機。