JPS6118729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は野球靴用Ｐ皮の改良に関するもの
で、その目的は、耐摩耗性と耐水性を付与すると
ともに、硬化を予防して有効寿命を高めることに
ある。

野球靴用Ｐ皮は、主として皮革で略半球状に形
成し、野球靴の爪先部に固着して該部の摩損を予
防するものであり、爪先部の運動性を阻害しない
軽量で柔軟性に富んだものが望ましく、かつ、耐
水性を付与することも必要であり、近年は、皮革
で形成したＰ皮本体の要部に合成樹脂液を塗布又
は含浸硬化せしめたものが提供されている。

しかし、合成樹脂をＰ皮本体の表面に塗布又は
含浸せしめたものでは、該合成樹脂は空気にふれ
て時日の経過と共に硬化が進行して、変質するな
どから、屈曲性が悪化して爪先部の屈曲を阻害す
るとともに、合成樹脂の表面にひび割れが生じる
欠点があつた。

そこで、この考案はかかる欠点を解消するもの
で、その実施例を図面について説明すると、１は
皮革で形成するＰ皮本体であり、２は該Ｐ皮本体
と一体に連続した紐挿通部２であり、紐挿通部２
を除くＰ皮本体１の裏面には、該本体１と略同形
の皮革、布、ゴムシート等の補強材３を重ね合わ
せて二重とし、重ね合せ内部にポリウレタン等の
合成樹脂液若しくは合成樹脂シート４を封入して
一体としたことを特徴とする野球靴用Ｐ皮とし
た。

なお、Ｐ皮本体１と補強材３との重ね合わせ周
縁部は、縫着若しくは接着により一体とするもの
である。

この考案は上記のように、Ｐ皮本体１と補強材
３との間に合成樹脂液若しくは合成樹脂シート４
を封入し一体とした構成であるから、Ｐ皮本体１
は補強材３によつて補強されて強度が増すと共
に、Ｐ皮本体１の表面には合成樹脂が表出しな
い。

又合成樹脂液４を封入した場合は、該合成樹脂
液がＰ皮本体１と補強材３とを密着せしめる接着
剤の効果も奏する。

さらに、合成樹脂液若しくは合成樹脂シート４
をＰ皮本体１と補強材３内に封入したことによつ
て、該合成樹脂液若しくは合成樹脂シートは空気
にふれないから時日が経過しても硬化が進行した
り、変質したりするおそれはなく当初の柔軟性を
保有し、屈曲性を阻害することなく、もちろん、
ひび割れの生ずることもない。従つて、野球靴用
Ｐ皮としての有効寿命が永く維持できて有益であ
る。

【図面の簡単な説明】

この考案の実施例を示すもので、第１図は斜視
図、第２図は断面図である。 １……Ｐ皮本体、２……紐挿通部、３……補強
材、４……合成樹脂液若しくは合成樹脂シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｐ皮本体と一体に連続した紐挿通部を有し、該
   紐挿通部を除くＰ皮本体の裏面に、該本体と略同
   形の補強材を重ね合せて二重とし、この内部に合
   成樹脂液若しくは合成樹脂シートを封入して一体
   としたことを特徴とする野球靴用Ｐ皮。