JPS6118233Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はロータリー式密閉型電動圧縮機におい
て、シリンダーの内部を吸入空間と圧縮空間とに
区分する仕切板をピストンローターに圧接する仕
切ばねの改良に関するものである。本考案の改良
の対称となる仕切ばねを備えた従来の密閉型電動
圧縮機を第１図ないし第３図によつて説明する。
１は密閉容器、２は密閉容器１の内壁に固定され
た電動機の固定子、３は固定子コイルである。４
は電動機の回転子、５は圧縮機構の駆動軸であ
る。６は圧縮機構のシリンダーで、その外周にこ
れと一体に設けた支持枠７によつて密閉容器１に
固定されている。８はシリンダー６の軸方向の開
口部を密閉する軸受フランジで、駆動軸５を回転
自在に保持する。９は軸受フランジ８をシリンダ
ー６に固定するボルトである。１０は駆動軸５に
偏心して取付けた円筒状のピストンローターで、
その一部がシリンダー６の内周面に摺接して回転
する。１１はシリンダー６および支持枠７に設け
た仕切溝１２に摺動自在に挿入された仕切板で、
仕切ばね１３によつてピストンローター１０の外
周面に圧接するよう付勢されており、シリンダー
６の内部空間を、冷媒の吸入空間と圧縮空間とに
区分する。１４は軸受フランジ８に固定された給
油器で、密閉容器１の底部に溜つている潤滑油１
５を圧縮機構に供給する。なお、密閉容器１に設
けられる冷媒の流入管および吐出管並びにシリン
ダー６の冷媒の入口および出口は図示してない。

上記従来の密閉型電動圧縮機における仕切ばね
１３は線材により半円形のループ状に形成されて
いて、その両端は仕切板１１の下部に埋設固定さ
れており、中間部分は仕切板１１と180゜の位置
にある支持枠７に設けた通孔１６に係止してあ
る。ところで上記従来の仕切ばね１３はその中間
部分が通孔１６によつて支持されているので仕切
板１１の上下運動によつて通孔１６内を前後に回
動する。そのために仕切ばね１３と通孔１６との
間に摩擦を生じ、長期間の使用中に、仕切ばね１
３と通孔１６の双方又はそのいずれか一方が消
耗、欠損して電動圧縮機の運転に支障を生ずるよ
うになる。本考案はこの問題を解決することを目
的とするものである。

本考案の実施例を第４図ないし第６図によつて
説明する。本考案の仕切ばね１７は第６図に示す
ように線材によつて半円形に形成され、その一端
は仕切板１１の下部に埋設固定され、他端は金属
丸棒よりなる係止棒１８に同様に埋設固定してあ
る。この係止棒１８の径は支持枠７の通孔１６の
径よりも僅かに小さく設定されており、通孔１６
に回動自在に挿入されている。以上のように、本
考案の密閉型電動圧縮機は密閉容器１の内部に電
動機の固定子２と、支持枠７を一体に有する圧縮
機構のシリンダー６を固定し、電動機の回転子４
を固定した駆動軸５にその一部がシリンダー６の
内周面に摺接して回転するピストンローター１０
を偏心的に取付け、シリンダー６の内部を冷媒の
吸入空間と圧縮空間とに区分する仕切板１１をシ
リンダー６およびその支持枠７に設けた仕切溝１
２に摺動自在に設け、該仕切板１１を仕切ばね１
７によつて前記ピストンローター１０の外周面に
圧接させる回転圧縮機において、前記仕切ばね１
７は線材によつて半円形に形成されその一端は仕
切板１１の下部に埋設固定され、他端は仕切板１
１と180゜の位置にある前記支持枠７に設けた通
孔１６に回動自在に挿入された金属製の係止棒１
８に同様に埋設固定されており、係止棒１８の径
は通孔１６の径よりも僅かに小さくしてあること
を特徴とする。

本考案は以上の構成を有するので駆動軸５の回
転に伴い、シリンダー６内でピストンローター１
０が偏心回転し、これに従動して仕切板１１が出
入の動作を行ないその結果、仕切ばね１７はわん
曲しながら仕切板１１をその出入の方向に付勢す
る。このとき係止棒１８は仕切ばね１７のわん曲
変形に伴つて通孔１６内を軸方向に往復回転し、
また、ピストンローター１０の回転数等によつて
径方向にも動く複雑な動作をする。したがつて係
止棒１８には摩擦力の他に衝突力も加わることに
なるが、係止棒１８の径は通孔１６の径よりも僅
かに小さく、すなわち、仕切ばね１７の径よりも
はるかに大きい径であるため、係止棒１８と通孔
１６の内面との接触面積が大となり、その結果、
単位面積当りの荷動応力が小となつて仕切ばね１
７の摩耗、欠損が抑止され、その寿命の長期化が
可能となる。したがつて第１図の従来の仕切ばね
１３のもつ前記問題点が解消されるので考案の目
的を達成する効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の密閉型電動圧縮機の縦断面図、
第２図は第１図AB線を矢印の方向からみた断面
図、第３図は第１図CD線を矢印の方向からみた
断面図、第４図は本考案の要部（圧縮機構）断面
図、第５図は第４図EF線を矢印の方向からみた
断面図、第６図は本考案の仕切板、仕切ばねおよ
び係止棒の斜視図。 記号、１……密閉容器、２……固定子、３……
固定子コイル、４……回転子、５……駆動軸、６
……シリンダー、７……支持枠、８……軸受フラ
ンジ、９……ボルト、１０……ピストンロータ
ー、１１……仕切板、１２……仕切溝、１３……
従来の仕切ばね、１４……給油器、１５……潤滑
油、１６……通孔、１７……本考案の仕切ばね、
１８……係止棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 密閉容器の内部に電動機の固定子と、支持枠を
   一体に有する圧縮機構のシリンダーを固定し、電
   動機の回転子を固定した駆動軸にその一部が前記
   シリンダーの内周面に摺接して回転するピストン
   ローターを偏心的に取付け、前記シリンダーの内
   部を冷媒の吸入空間と圧縮空間とに区分する仕切
   板を前記シリンダーおよびその支持枠に設けた仕
   切溝に摺動自在に設け、該仕切板を仕切ばねによ
   つて前記ピストンローターの外周面に圧接させる
   回転圧縮機において、前記仕切ばねは線材によつ
   て半円形に形成され、その一端は前記仕切板の下
   部に埋設固定され、他端は前記仕切板と180゜の
   位置にある前記支持枠に設けた通孔に回動自在に
   挿入された金属製の係止棒に、同様に埋設固定さ
   れており、前記係止棒の径は前記通孔の径よりも
   僅かに小さくしてあることを特徴とする密閉型電
   動圧縮機。