JPS6117969Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、生地の延反精度を高め得る生地案内
装置に関し、特に、従来延反機では延反できない
とされていたくせのある延反しにくい生地の延反
を可能とすることを目的とする。

非常に薄手で軽い生地、かなりの伸縮性を有し
ている生地等くせがあり、延反しにくい生地をも
最も自然な状態で延反可能とすることは極めて重
要であるが通常の延反機を使用して延反作業を行
なうと、生地目が通らないことが殆どであり、型
紙にあわせて裁断した後、生地が縮むことによる
縫製トラブルが多発する等致命的な欠点が生ずる
のである。

従つて、前記生地の延反を行なう場合には、熟
練した作業者による手作業で行なわれており、極
めて延反能率が悪いのが現状である。

そして、このように手作業で延反を行なう場合
でも通常前記生地の端部と中央部とでは８cm以上
生地目がずれ（第１図ａ参照）、斜向生地の場合
には生地の右端部と左端部とで約８〜12cm生地目
がずれ（第２図参照）ることとなつており、延反
の具合が悪かつた。

即ち、第１図ａに示す状態の前記生地に型紙を
あてて前記生地を裁断し、その後縫製しようとす
ると、裁断した前記生地が同図ｂ中一点破線で示
すように、型紙の形状（同図ｂ中破線参照）とは
著しいずれを見せるようになり、全く縫製できな
いこととなつていたのである。

本考案は新規な生地案内装置を提供することに
より上記の欠点を解消したものであり、以下実施
例を示す添付図面によつて詳細に説明する。

第３図は本考案の生地案内装置を示す一部切欠
斜視図であり、生地案内装置１は、側面形状がＬ
字形の固定枠２と、該固定枠２の所定位置に設け
たクツシヨン材３，３…と、該クツシヨン材３，
３…にて固定枠２と稍々離間した状態に支持され
る振動板４と、前記固定枠２及びクツシヨン材
３，３とで形成される空間に固定される振動モー
タ５とから構成されている。尚、該振動モータ５
の出力軸は振動板４と連結されている。また、前
記振動板４の表面にはテフロンコーテイング層
４′を形成している。

第４図は生地の解反、送り出しの状態を示す簡
略図であり、所定位置に原巻反物支持装置７、解
反ロール８及び送りロール９を設けた延反機本体
６の生地送り出し口に前記生地案内装置１を設け
ている。

尚、送りロール９に近接させてニツプロール１
０を移動可能に設け、更に、生地案内装置１の生
地送り出し側側面に近接させてブレード１１を揺
動可能に設け、前記生地案内装置１とブレード１
１との間において生地を裁断するカツター１２を
設けている。

以上の構成になる本考案装置の作用は次のとお
りである。

原巻反物支持装置７に原巻反物１３を支承させ
た後解反ロール８を駆動して原巻反物１３を所定
長さ解反し、該解反された生地１３′を、送りロ
ール９とニツプロール１０との空間を通して生地
案内装置１上に位置させる。

このとき、振動モータ５，５…を作動させれ
ば、振動板４が振動して生地１３′のしわを解消
するとともに生地を縮絨することができる。

その後、ニツプロール１０を移動させて、送り
ロール９との間に生地１３′を挾圧することによ
り延反動作準備を完了する。

従つて、その後解反ロール８、送りロール９、
振動モータ５，５…及び延反機本体６を走行駆動
する原動機（図示せず）を作動させることにより
生地１３′を正確に延反することができる。

その詳細は次のとおりである。即ち、解反ロー
ル８によつて解反され、送りロール９によつて延
反機本体６の走行速度と同期して送られる生地１
３′は、生地案内装置１上を通過する際、振動モ
ータ５，５…により駆動される振動板４によつて
振動されるので、たとえ生地１３′にしわを生じ
ていてもしわを解消することができるのみなら
ず、生地１３′が伸張した状態であつても伸張状
態を解消することができる。

また、振動板４の表面にテフロンコーテイング
層４′を形成しているので、振動板４上の生地１
３′はどの部分においてもスムーズに送り出さ
れ、延反台上にキヤツチヤを設けていなくても正
確な延反を行なうことができる。

尚、所定距離延反を行なつた後は、カツター１
２を走行させることにより生地１３′を裁断す
る。

また、振動モータ５，５…から発生する騒音
は、前記クツシヨン材３としてシリコン系ウレタ
ンスポンジを使用することにより効果的に遮蔽す
ることができ、延反作業現場を静粛に保つことが
可能となる。

更に、テフロンコーテイング層４′を振動板４
よりも大きく成形し、テフロンコーテイング層
４′がブレード１１の上面を蔽うようにすれば、
更に優れた効果を奏する。

従つて、以上のようになる生地案内装置を従来
汎用されている延反機に装設するのみで、従来手
作業によるしかなかつた薄生地の延反を行なうこ
とができ、薄生地を延反した場合における生地目
のずれは約２cm以下（第５図参照）であつた。

また、ニツト生地の延反を行なう場合において
も生地を充分に縮絨させることができるので極め
て精度の高い延反を行なうことが可能となる。

尚テフロンコーテイング層４′以外のものであ
つても、生地のすべりをよくするものを設けるこ
とにより同様の効果を奏する。

以上のように、本考案は従来不可能とされてい
たくせがあり延反しにくい生地の正確な延反を可
能とし、更には生地の延反精度を著しく向上させ
得る等特有の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ及び第２図は手作業で薄くて伸びやす
い生地の延反を行なつた場合の生地目を示す図、
第１図ｂは第１図ａの要部拡大図、第３図は本考
案の生地案内装置の一部切欠斜視図、第４図は生
地の解反、送り出しの状態を示す簡略図、第５図
は本考案装置を用いて薄くて伸びやすい生地の延
反を行なつた場合の生地目を示す図。 １……生地案内装置、２……固定枠、３……ク
ツシヨン材、４……振動板、４′……テフロンコ
ーテイング層、５……振動モータ、６……延反機
本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定枠２と該固定枠２に取り付けられる振動モ
   ータ５及び該振動モータ５の出力軸に連結される
   滑らかな表面層を有する振動板４とから成り、延
   反機本体の生地送り出し部に該振動板４が傾斜し
   て取り付けられ、生地に振動を与えつつ送り出す
   ようにした事を特徴とする延反機の生地案内装
   置。