JPS6117419Y2 - - Google Patents

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JPS6117419Y2
JPS6117419Y2 JP17786479U JP17786479U JPS6117419Y2 JP S6117419 Y2 JPS6117419 Y2 JP S6117419Y2 JP 17786479 U JP17786479 U JP 17786479U JP 17786479 U JP17786479 U JP 17786479U JP S6117419 Y2 JPS6117419 Y2 JP S6117419Y2
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【考案の詳細な説明】 本考案はX線、γ線などの放射線により発光す
る微粉末結晶シンチレータ(螢光体粉末)を用い
た放射線検出器、特にコンピユータ化されたX線
断層写真装置(X線CT)に用いて好適な放射線
検出器に関する。更に具体的に言えば、一定量の
X線、γ線などの放射線によつて励起されるシン
チレータ(螢光体粉末層)からの発光出力を高め
る構造に関する。
本考案によれば、螢光体粉末層で散乱された散
乱X線および光電効果によつて二次的に発生され
る螢光X線をも光に変換して検出効率を高めると
共に、螢光体粉末層をX線が通過する際に生じる
X線エネルギーの強度分布変化すなわち、線質変
化を補正して線量(X線総強度)に対するシンチ
レータの光変換直線性を高めることが可能なシン
チレータ構造が得られる。
螢光体粉末層内の螢光体粒子が通過するときに
電離、励起作用などによつて光(可視および近可
視スペクトル領域の電極放射)を放出するシンチ
レータ現象において、X線光子のエネルギーが弱
い場合にはX線光子は螢光体粒子内でエネルギー
を失つて一部が光となつて放出されるが、エネル
ギーが強い場合にはその一部が失われるのみで大
部分が通過してしまう。この際に散乱した散乱X
線は隣接した螢光体粒子に向い同様な現象を繰返
し最終的に完全に吸収されてしまう。しかし、螢
光体粉末層の厚みが薄い場合、もしくは螢光体粉
末層の密度が低い場合には散乱X線は螢光体粉末
層で完全に吸収されずに透過して螢光体粉末層外
に出て来る。散乱X線の進路は不規則であるため
必ずしも螢光体粒子に当るとは限らず螢光体層の
外壁などに吸収され損失される。また散乱X線の
外に光電効果により二次的に発生する螢光X線も
同様に損失されることが多い。
さらに、螢光体粉末層を用いたシンチレータに
おける特性上の問題点として線質依存性がある。
これは入射するX線光子の質が物質を透過するこ
とにより硬く(波長の長いX線が物質に吸収され
短い波長部分だけを有するX線スペクトルとな
る)なつた場合にX線強度に比例したシンチレー
シヨンを示さなくなり、直線性から外れて来る現
象である。第1図は螢光体粉末Gd2O2S(Pr)を
5.5g/cm3の密度でポリビニールアルコールをバ
インダーにして凝固させた各種厚さの螢光体粉末
層に平均エネルギーが65KeVの白色X線を照射し
た場合のシンチレーシヨン出力量と、螢光体粉末
層の直前にアルミニウムフイルタを入れ、X線を
減弱させた場合のシンチレーシヨン出力量の関係
を実験的に求めたグラフである。同図中、実線で
示したものはX線光子の入射方向に放射されたシ
ンチレーシヨン出力量(見かけ上、反射光となる
もの)を示し、点線で示されたものはX線光子の
入射方向とは正反対の方向に放射されたシンチレ
ーシヨン出力量(見かけ上、透過光となるもの)
をそれぞれ示す。同図に示す通り、白色X線がア
ルミニウムフイルタによつて減弱され、線質が硬
くなるに従い直線性からの外れ率は多くなる。点
線で示した“透過光”はプラス方向即ち出力過多
の方向に外れ、螢光体層の厚さが厚いほどその外
れ率は多くなる。実線で示した“反射光”は逆に
マイナス方向即ち出力過少の方向に外れ、螢光体
粉末層の厚さが厚いほどその直線性からの外れ率
は少なくなつている。しかし、いずれも直線性か
ら外れる結果となつている。
本考案は螢光体粉末層を用いたシンチレータの
これらの問題点を改善するシンチレータ構造を示
すものである。
螢光体粉末層構造のシンチレータに線質依存性
が生ずる主原因は螢光体粉末層内での光吸収であ
る。したがつて本考案においては、上記螢光体層
の内部での光の吸収を少なくし光の取り出し効率
を高めるため、厚さを薄くした透過側の発光を主
に取り出す螢光体層と、入射した放射線をより多
く吸収させるため厚さを厚くした入射側の発光を
主に取り出すことを目的とした螢光体層の1組、
2つの層からなつている。また厚さの薄い螢光体
層からの透過側発光は前述の通り線質が硬くなる
にしたがい直線性からの外れ率が出力過多の方向
に外れ、逆に厚さの厚い螢光体層からの反射側発
光は直線性からの外れ率が出力過少の方向に外れ
る。したがつてこれら薄い螢光体層、厚い螢光体
層の厚さを第1図の中から理想的に組合せること
により直線性からの外れ率を互いに相殺した直線
性を成立させ線質依存性を減少することが出来
る。
本考案ではさらに線質依存性の原因となる光吸
収を減少させるべく以下のような構造を提案す
る。即ち第2図は上述のGd2O2S(Pr)の螢光体
粉末層3とX線光子軸10との間にある角度Θを
持たせX線光子入射側にシンチレーシヨンが放射
された状態を示すが、このような状態でΘを変化
させるとシンチレーシヨン出力の直線性からの外
れは第3図に示すようにほぼsinΘに比例して変
化する。すなわちΘが90゜の時の直線性からの外
れ率を最大の100とするとΘが10゜では約17に減
少していることがわかる。これはX線光子の経路
と光の経路との比がΘによつて変化するために光
の放出効率が向上し、線質依存性が減少するもの
である。
第4図は実施例1の構造を示すもので、X線
CT装置などのように多素子の検出器を形成する
際の本考案のシンチレータ構造の変形応用例であ
る。多素子検出器の場合には隣接する検出器との
間を開くことは線量のロスになるため各検出器間
は密にする必要がある。したがつてスペースの関
係上、同図に示すような箱形構造とし、素子間の
仕切りとしてX線吸収の高いW、Ta、Moなどの
材料の薄板(0.3〜0.6mmt)を用いたX線遮蔽板1
2を設ける。X線遮蔽板12は箱の外へ出てコリ
メータを兼ねるが、外に出たコリメータ部分を除
き表、裏ともに螢光体粉末層3cを設ける。これ
は変換光を反射させて受光素子7に効率よく光を
導く働きと、散乱X線、螢光X線を逃さずに変換
させる働きをする。X線入射窓5はAl、Beなど
のX線吸収の少ない材料の板(板厚は0.1〜0.5mmt
程度)を用い、箱の内側には0.05〜0.1mm程度の
厚さの螢光体粉末層3bを設ける。この螢光体層
は厚さを薄くした透過側の発光を主に取り出すこ
とを目的とする。標的板2は二列向い合せの検出
器構造を取るため二等辺三角形とする。標的板の
材質はX線遮蔽板12と同様なW、Ta、Moなど
を用いるのが理想であるが、比重が多きく重くな
るのでアルミニウム合金などを用いても問題はな
い。標的板2の傾斜角度はX線光子軸に対して30
゜以下とすることが線質依存性を少なくする効果
が高い。また傾斜面には0.5〜2.0mmの厚さの螢光
体粉末層3aを設ける。この螢光体層は厚さを厚
くした入射側の光を主に取り出すことを目的とす
る。このような構造に変形した場合でも検出器と
しての特性は低下することが少ない。
第5図は本考案の実施例2の構造を示す一部欠
斜視図である。X線吸収の高い物質例えばW、
Ta、Moなどの薄板(0.3〜0.6mmt)を用いた素子
間の仕切りとなる二枚のX線遮蔽板12に挾まれ
た空間に中央部分が頂点となつた山形の板に第6
図に示すように両面に異なる厚さの螢光体粉末層
を設けた標的板2が一定の間隔で配列されてい
る。この標的板2はX線の吸収が少なく、光を遮
る物質、例えばAl、Beなどの薄板(0.05〜0.1mmt
程度の厚さ)を用いる。標的板2の両面に設ける
螢光体粉末層3の厚さは用いる螢光体粉末の種類
によつて異なるがGd2O2S:Prを用いる場合、螢
光体粉末層体積密度5.5g/cm3で、X線の入射側
(凸側)は0.03〜0.06mmX線の射出側(凹側)は
0.01〜0.03mmとし、この比率は約2対1とする。
標的板2の山形となる傾斜角度はX線光子軸に対
し60゜以下とする。X線入射窓5は標的板2と同
じ材質、板厚のものを用い、X線の射出側(内
側)のみに螢光体粉末層(0.01〜0.03mm)を設け
る。
底部には変換された光をシンチレータ外部へ逃
さず、外光を遮る目的および残留X線を外に出さ
ない目的でX線入射側だけに0.1〜0.5mm厚さの螢
光体粉末層を設けた底部X線遮蔽板13を設け
る。この底部X線遮蔽板13は仕切用のX線遮蔽
板12と同質、同じ厚さのものを用いる。山形の
標的板の両面にはX線光子軸と平行に受光面を配
列できる形で受光素子7(例えばシリコンホトダ
イオード)を設ける。受光素子の受光面にはX線
を遮り、変換された光だけを透過する例えば鉛硝
子板6を張付ける。X線遮蔽板12、底部X線遮
蔽板13、受光素子6、X線入射窓5の互に接触
する部分は全て光漏れのないようにシール材など
を用いて完全に密閉する。
以上のシンチレータ構造の検出器のX線検出プ
ロセスは次のようになる。X線入射窓5に入射し
たX線光子9は窓材による吸収が殆と無く透過
し、裏面に設けられた螢光体粉末層3に入射す
る。螢光体粉末層3に入射したX線光子9は電
離、励起作用などによつて光を放出するととも
に、螢光体粉末粒子によつて散乱され散乱X線を
あらゆる方向に放出する。また同時に螢光体粉末
粒子との間の光電効果によつて螢光X線をも放出
しそのエネルギーの一部を損失し大部分は次の経
路にある標的板へと向う。第7図はこれらの経路
を示したものであ。同図に示す通り、放出された
光(点線で示す)は直接、受光素子7に入射する
か、あるいは仕切用のX線遮蔽板12、標的板2
の表面に設けられた螢光体粉末層3で反射されて
受光素子7に入射して検出される。既に述べた通
り、螢光体粉末層は光に対する反射率が高いため
光を有効に受光素子へ導くことができる。光と同
時に放出された散乱X線および螢光X線(一点鎖
線で示す)は、光と同様にX線遮蔽板12、標的
板2の表面の螢光体粉末層3に向うが、そのエネ
ルギーが低いため、ここで殆どが吸収され、その
一部が光に変換され上述の光と同様に反射を繰り
返しつつ受光素子に導かれる。したがつて、これ
らのX線を有効に利用することができる。一方透
過して一部のエネルギーを損失し標的板2へ直進
したX線光子9は、標的板2の表面に設けられた
螢光体粉末層に入射し同様に光放出、散乱X線、
螢光X線の放出をし、さらに一部のエネルギーを
損失し、標的板2を透過して標的板2の表側に設
けられた螢光体粉末層に入射する。このようなプ
ロセスを経路上の各標的板で繰り返し光に変換さ
れ、しだいにエネルギーを損失して行き、底部X
線遮蔽板13およびその表面に設けられた螢光体
粉末層で全てのエネルギーを失ない消滅する。
以上のプロセス中で、螢光体粉末層3から放出
される光はX線の入射側に放出される光(見かけ
上、反射光となる)と、X線の射出側に放出され
る光(見かけ上、透過光となる)の二通りの光が
受光素子に入射することになる。先にも述べた通
り、二者の光は螢光体粉末層の厚さが同じ場合、
X線減弱に対する直線性の外れ方向が正、負逆転
し、しかも第1図に示した通りその絶対値は約3
対1となる。この比率は螢光体粉末層の傾斜角度
を60゜にすることにより約2対1となる。さらに
螢光体粉末層の厚さを第6図に示す通りX線入射
側(見かけ上、反対側)3と、X線射出側(見か
け上、透過側)3′との比を約2対1とすること
によつて直線性からの外れは−1対+1となる。
これらの正負の光が受光素子に混入することに
より直線性からの外れは相殺されほぼゼロとな
る。以上の補正によつて本検出器の直線性はX線
減弱約300分の1で±0.2%以内とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はX線減弱量とシンチレーシヨン出力量
の直線性からの外れ量との関係を示す特性曲線
図、第2図は螢光体層を傾けて配置した場合を説
明するための図、第3図はその場合のシンチレー
シヨン出力量の直線性からの外れ量を示す特性曲
線図、第4図〜第5図はそれぞれ本考案の一実施
例の構成を示す図、第6図及び第7図は本考案の
要部の実施例の構成を示す図である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 放射線により発光するけい光体粉末層からなる
    シンチレータと、上記シンチレータの発光出力を
    検出する光検出器とからなる放射線検出器におい
    て、上記シンチレータは少なくとも1組の厚さの
    異なる2つのけい光体粉末層で構成され、その
    各々の放射線入射面が放射線入射方向に交差する
    と共に、そのいずれかの層が上記放射線入射方向
    に対し傾斜して配置されていることを特徴とする
    放射線検出器。
JP17786479U 1979-12-24 1979-12-24 Expired JPS6117419Y2 (ja)

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JPS6049280A (ja) * 1983-08-24 1985-03-18 アメリカン サイエンス アンド エンジニアリング インコ−ポレイテツド X線検出器
JP5638914B2 (ja) * 2010-10-27 2014-12-10 株式会社アールエフ 放射線撮像装置

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JPS5694974U (ja) 1981-07-28

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