JPS6115830Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、底部に回転翼を有する洗濯槽の開口
部に、洗濯槽内に配設される網状容器の口縁を回
転自在に支持し、かかる網状容器の中へ毛布等の
回転翼に触れると布傷みの生じる大物を入れて洗
濯するようにした洗濯装置に関し、毛布のような
大物の他に、下着等のデリケートな繊維の小物を
も布傷みを起こすことなく充分に洗濯できるよう
にするものである。

従来毛布等の布傷みの生じ易い大物は家庭用の
洗濯機で洗濯できないというのが常識であつた
が、最近になつて洗濯槽内に網状容器を回転自在
に入れてこの容器の中へかかる布傷みの生じやす
い大物を入れて洗濯するものが開発製品化され
た。このものは、なるほど毛布等の大物に対して
は網状容器の回転に伴なつて中の毛布等も洗濯槽
内を回転することになり、洗いむらが少なくなつ
てよいが、毛布以外の布傷みの生じやすい下着な
どの小物を洗濯するには、網状容器の回転はあま
り意味がなく、かえつて網状容器によつて回転翼
により生起する水流が容器内で弱められるので、
下着などの小物に対する洗浄力が弱まり、充分に
洗えないという問題があつた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、毛
布等大物が従来通り洗濯できることは勿論、網状
容器の底の表裏を凹凸状にして、容器の回転によ
り容器内にこの凹凸によつて弱い水流を生起し、
この水流によつて回転翼による水流が弱められた
のを補なうようにして、容器内に入れた小物を充
分に洗濯できるようにするものである。

以下本考案を一実施例として示した図に基づき
説明する。

１は脱水槽を兼ねる円筒状の洗濯槽で、その周
壁には多数の脱水用小孔２を有し、その底部には
回転翼３が配設されている。４は洗濯槽１を内装
する外槽で、その底部には回転翼３及び洗濯槽１
を回転せしめる駆動モーター５や軸受ケース６が
装着され、かかる外槽４は、防振機構を有する複
数の吊棒７にて機枠８上部より吊下されている。

洗濯槽１の口縁には、内部に液体９を封入した
バランスリング１０が装着され、このバランスリ
ング１０の内側壁下端より内側へ向けて環状レー
ルとなる洗濯槽１の口縁に沿う環状溝１１が一体
に延設されている。

１２は洗濯物を入れる網状容器で、上部枠体１
３と、ネツトよりなる側面１４と、底体１６とで
構成される。底体１６は、第２図の如くその表裏
が凹凸状、具体的にいうと凹凸が放射状に配列さ
れていて回転翼のような形状をしている。ネツト
１４は底体１６の外周壁に溶着１５されている。
上部枠体１３の外側には複数の支軸１８が突設さ
れ、この支軸にローラー１９が枢支されている。
そしてこのローラー１９を前記環状レール１１に
載置することにより、前記容器１２が回転自在に
洗濯槽１内に配設される。勿論容器１２は洗濯槽
に対し着脱自在となつている。

前記回転翼３の裏側には複数の裏羽根２０が一
体成形され、回転翼３の回転時、この裏羽根２０
のポンプ作用により外槽４と洗濯槽１間の液（結
局洗濯槽１内の液となる）が通水孔２２を通つて
矢印の如く回転翼側のポンプ室２１へ吸込まれ
る。この吸込まれた液は、圧力を高められて洗濯
槽１の外底面から外側面の上端にかけて装着され
た送水カバー２３によつて形成される水路２４へ
送り込まれる。

この水路２４の上端には内方へ向かうパイプ２
５が接続され、このパイプ２５の先端に吐出口ア
タツチメント２６が着脱自在に取付けられる。こ
のアタツチメント２６は前記パイプ２５に着脱自
在に接続される小径パイプ２７と大径パイプ２９
とよりなり、大径パイプ２９は小径パイプ２７の
外周を摺動できるようになつている。そして大径
パイプ２９を第１図で左方へいつぱい引き出した
状態では、その先端開口が図の如くほぼ洗濯槽１
の上部中央へ位置するものである。

かかる構成のものにおいて、毛布等の布傷みの
生じやすい大物(A)を洗濯する場合、この洗濯物(A)
を入れた容器１２を第１図の如く洗濯槽１内へ配
置し、前記アタツチメント２６をパイプ２５に取
付けて第１図の如く大径パイプ２９を中央へ引き
出す。そして回転翼３を回転すると、渦巻水流(C)
が発生しこの水流(C)が容器１２内へ侵入して洗濯
物(A)へ侵透する。又、裏羽根２０のポンプ作用に
よりポンプ室２１へ吸引された洗濯槽内の液は、
矢印の如く前記水路２４パイプ２５、アタツチメ
ント２６を通り、洗濯物(A)の中央部上に放出され
る。従つて洗濯物(A)は、前記渦巻水流(C)の他にこ
の上から放出される液(B)も加わつて複雑になつた
水流が洗濯物(A)を通過することにより洗濯され、
この際回転翼３に触れることがないので布傷みを
生ずるようなことがない。

又、渦巻水流により容器１２が比較的低速度で
その水流と同方向へ回転する。従つて洗濯物(A)は
容器１２に伴なつて回転し、その位置を常に変化
させているので、前述の如く複雑となつた水流が
洗濯物に万遍なく侵透しむらなく洗濯することが
できる。特に本考案では容器１２の底体１６の裏
面が凹凸状になつているので、回転翼３による渦
巻水流をこの凹凸部分で受けて容器１２の回転を
促進しており、洗いむらを少なくして洗浄効果を
向上させることができる。

毛布等の大物(A)以外の布傷みの生じやすい下着
等の小物(D)を洗濯する場合、同様に小物(D)を容器
１２へ入れて洗濯するのであるが、この時容器１
２の回転は洗浄効果の面であまり意味がない。む
しろ、小物(D)に与える水流の強さをみると、容器
の存在によつて回転翼３により生起せしめられた
渦巻水流が弱められることになる。しかしながら
本考案によると、容器底体１６の表面の凹凸によ
つて容器の回転に伴なつて弱い水流が発生し、回
転翼による渦巻水流が弱くなつたのを補なうよう
になり、洗浄力の低下を防ぐことができ、小物(D)
も充分に洗濯できるものである。勿論小物(D)は回
転翼に触れないので布傷みを生じることがない。

洗濯物を容器から取り出す場合や入れる場合
は、大径パイプ２９を第１図で右側へ移動させれ
ば、作業しやすくなる。又容器１２を洗濯槽１か
ら取り出す場合には、アタツチメント２６をパイ
プ２５から外せばよい。そして容器を取り出せ
ば、洗濯槽１内で生地の丈夫な布傷みの生じにく
い物を従来通り回転翼により直接洗濯することが
できる。

以上の如く本考案の洗濯装置によれば、網状容
器の底の表裏を凹凸状としたので、布傷みの生じ
やすい毛布等の大物を中へ入れて洗濯する場合
は、容器の底の裏面の凹凸により回転翼による渦
巻水流を受けて容器の回転を促進して、洗いむら
を少なくすることに寄与でき、下着等の小物を中
へ入れて洗濯する場合は、容器底の表面の凹凸に
より水流を発生させて、回転翼による渦巻水流の
弱化を補い、洗浄力を落すことなく充分に小物も
洗うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を示し、第１図は網状容器使用時
の洗濯装置全体の縦断面図、第２図は網状容器の
底部を示す一部破断せる斜視図、第３図は第２図
−線に基づく断面図である。 ３……回転翼、１……洗濯槽、１２……網状容
器、１６……網状容器の底。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部に回転翼を有する洗濯槽の開口部に、洗濯
   槽内に配設される網状容器の口縁を回転自在に支
   持したものにおいて、前記網状容器の底の表裏に
   放射状の凹凸を配列したことを特徴とする洗濯装
   置。