JPS61151157A - タンパク質を加水分解する方法 - Google Patents

タンパク質を加水分解する方法

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JPS61151157A
JPS61151157A JP59279312A JP27931284A JPS61151157A JP S61151157 A JPS61151157 A JP S61151157A JP 59279312 A JP59279312 A JP 59279312A JP 27931284 A JP27931284 A JP 27931284A JP S61151157 A JPS61151157 A JP S61151157A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アミノ酸分析の前処理であるタンパク質の加
水分解の方法に関する、特に、気相・固相反応により固
体表面上に吸着したタンパク質を混合蒸気により加水分
解する新しい方法を提供しようとするものである。
〔従来の技術〕
従来、アミノ酸分析の前処理である加水分解は、蒸留し
た共沸点塩酸を用い、空気を除去した封管中、100″
C〜110℃で少なくとも24〜144時間の長時間加
熱が必要であった。ところが、最近、次田らによって開
発された塩酸(HCl)、トリフルオロ酢酸(CF3C
OOH,以下TFAと記す)と水(H2O)の混合溶液
を用いる加水分解法は゛、25〜50分間で迅速に加水
分解を行うことができる。(文献(11〜(4))次田
らの開発した方法の骨子は次の2点から成り立っている
(i)加水分解の反応速度を上げるため、反応温度を高
くする。(温度が10℃上がると反応速度は約2倍とな
る。60℃上げると2”=64倍、すなわち時間がおお
よそ“分”のオーダーになる。)(ii)有機溶媒、と
くに酸性の強い有機酸を加えると、疎水性のペプチド部
分が加水分解を受けやすくなる。
はじめに、温度を上げることによって加水分解の速度を
上げることを示す。第5図に、酸加水分解をうけにくい
とされているジペプチドVal−Gluの加水分解率と
温度の関係を示す。加水分解時間は、25分間、比較の
ために、6MHClを用いた場合も合わせ示した。図よ
り明らかなように、温度が上がると反応速度は上がって
いる。
また、TFAと塩酸の混合物(CF a Co 2 H
:HCI  (1: 2))を用いた場合の方が、6M
HClの場合よりも著しく反応速度が大きい。
次に、どのような有機酸の添加が効果があるかを示す。
第1表に、比較的効果の大きい揮発性有機酸の結果をま
とめた。この表からTFAの添加が最も有効であること
が分る。
(第1表)Val−Gluからのアミノ酸の回収率以上
より、加水分解の温度を上げ、TFAを添加することが
、加水分解を迅速に行う上で非常に効果があることが理
解できる。
さらに、既知のタンパク質であるミオグロビンを用い、
加水分解を行った例を示す。第6図に、ミオグロビンを
TFA/塩酸(1: 2)で、10分、25分間分解し
てアラニンの回収率からタンパク質の分解率を示した。
166℃付近25分間で100%の回収率が得られてい
ることが分る。
□参考文献□ (11次1)晧、蛋白質 核酸 酵素 27(12)(
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bors、Carl   Jone   and   
Rudorf   van   den   Broe
k;Z、  Physiol、  Chem、  36
5  (1984)343゜ 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の蒸留した共沸点塩酸を用いるタンパク質加水分解
法は、110℃で24〜144時間の長時間加熱が必要
であるという欠点があった。
また、次田らが開発した塩酸、TFAと水の混合溶液を
用いる加水分解法は、20〜50分内で迅速に加水分解
を行うことが出来るが、溶液法であるため溶媒よりの汚
染がありアミノ酸分析値に誤差が出やすい欠点があり、
加水分解後の煩雑な蒸発操作による酸の除去が必要なた
め、自動化が困難であると同時に、アミノ酸分析前まで
の時間が長くなりアミノ酸分析装置と同期化が困難であ
った。
c問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記欠点を除去するためになされたものであ
°す、次田らの混酸溶液法をさらに発展させ、固体表面
に吸着したタンパク質を、酸混合蒸気との固相・気相反
応により加水分解することで、次田らが開発した溶液法
、分解時間の迅速さを生かしながら分解したアミノ酸の
汚染を防ぎ、煩雑な操作をなくして、タンパク質分解の
自動化及びアミノ酸分析の同期化を可能にするものであ
る。
〔実施例〕
以下にこの発明の詳細な説明する。
実施例 1 本実施例においては、気相・固相反応によって加水分解
を行う基本的方法を示す。
簡単のために、Val−Gluのジペプチド1を第1図
に示すように小さい試験管2に2.5nmole取り、
充分真空乾燥させる。次にこの試験管2を大きい試験管
3に入れる。この試験管3の底には、あらかじめHCI
 :TFA (3: 2)の酸混合物4が500μl入
れられている。次にこの試験管3を氷で冷却しながら、
アンプル形状(5)に真空封止する。封止した試験管を
温度166℃のオイルバスに入れ、30分間加熱する。
この加熱の際、酸混合物4は気化し、ジペプチド1と気
相・固相反応により加水分解反応を行う。
30分間の加熱後、試験管2を取り出し、真空デシケー
タ−で充分酸を除去する。乾燥した試験管2に0.OI
MHCIを80μβ入れ、加水分解生成物を溶解し、ア
ミノ酸分析装置(Durrum社製)にて分析したとこ
ろ、ジペプチドの構成アミノ酸の回収率は、100%で
あった。また混在しやすいとされているGIyやSet
による汚染は10pmole以下(分析装置の感度以下
)に押さえることができた。(従来法では100〜30
0pmole) 本実施例より明らかなように、気相・固相反応により加
水分解反応が行われることは明らかである。
実施例 2    ′ 本実施例においては、塩酸(HCl)とTFAの酸混合
物蒸気の温度を上げることによって加水分解反応の速度
が著しく加速されることを示す。
実施例1と同様の実験をVal−Gluジペプチドにつ
いて、種々の温度(110℃〜210℃)にて加水分解
率を求めたところ、第2図の曲線Cの結果を得た、。比
較のため、第2図には、従来の塩酸法、また次田らによ
って開発された液相法の結果もあわせ示した。
図中、 a:従来の塩酸法、6MHCl     25分間b:
次田らの液相法、TFA:塩酸= (1: 2)25分
間 C二本発明、TFA:塩酸=(2:3)25分間の各条
件の結果を示す。
本実施例より明らかなように、酸混合物蒸気の温度をあ
げると反応が著しく加速されていることが分る。さらに
本発明による方法がもっとも迅速に加水分解反応を行っ
ていることも明らかである。
実施例 3 本実施例においては、本発明による方法にアミノ酸回収
率が充分目的にあったものであることを示す。
実施例1と同様の方法で種々のアミノ酸について加水分
解条件時での、回収率を求めたところ第2表の結果を得
た。比較のために、次田らによって詳細に検討された酸
混合物溶液を用いた場合についても合わせまとめた。第
2表中の数値は、気相(TFA:I(C1=2 : 3
)中166°C1液相(TFA:HC1=1 : 2)
中170℃で、加熱後の回収率を示す。アミノ酸の回収
率はグルタミン酸の値を100%として表されている。
第2表の結果より明らかなように、本発明による酸混合
物蒸気による加水分解法は、液相法と同様に、その目的
に合ったものであることは明らかである。
(第2表) アミノ酸の回収率 気相       液相 15 min  30 n+in   25 min 
 50 min^sp   94   97    9
9  103Thr   89   82    92
   84Ser   75   61    85 
  78Glu   100  100   100 
 100Pro   84   85    96  
 98Gly   93   91   104  1
08^1a   113  110   115  1
01Val   102  102    98   
98Met   70   65    87   7
611e   97   99    93   95
Lea   96  100    92   94T
yr   92   94    89   81Ph
e   99  101    90   87His
   106  101    96   99Lys
   101  101    95   98Arg
   108  106100  100実施例 4 本実施例においては、本発明による酸混合蒸気を用いる
加水分解法を種々のタンパク質に応用した例を示す。実
験は、実施例1と同様の方法を用いた。用いたタンパク
質は下記のものである。
・グルカゴン ・チトクロームC ・チモトリプシノーゲンA ・ミオグロビン 約5μgの各タンパク質試料を溶解した水溶液を、実施
例1と同じ小試験管の取り、充分真空乾燥後、実施例1
と同様の方法を用いて加水分解を行った。酸混合蒸気を
用いる加水分解法は、161℃の温度で22.5分間(
表中22.5Vと記す)と45分間(表中45Vと記す
)行った。試験管の底部に用いた酸混合物は、TFAと
塩酸の比が(2: 3)のものを用いた。加水分解後の
試料は、80μlの0.OIMHCIに溶解後、通常の
アミノ酸分析装置にてアミノ酸組成を分析した。結果を
第3表にまとめた。比較のために、吹田らが開発した酸
混合物を用いる方法と共沸点塩酸(5,7M)を用いる
方法による結果も合わせ第3表にまとめた。酸混合物を
用いる方法は、TFAと塩酸の混合比が(1: 2)の
ものを用い、温度166℃で、加水分解時間は25分間
(表中125Lと記す)と50分間(表中5OLと記す
)であり、5.7Mの共沸点塩酸を用いる方法は、温度
106℃で時間は24時間(表中24Cと記す)と72
時間(表中72Cと記す)の各条件の結果である。また
表中、Tの項はタンパク質−次構造から得られた理論値
であり、ThrとSetの()内は、0時間外挿値であ
る。
第3表より明らかなように、アミノ酸組成は実験値と理
論値はよく一致しており、本発明による酸混合蒸気によ
るタンパク質を加水分解する方法が、非常に有効である
ことを示している。
(第3表−1) (第3表−2) (第3表−3) 実施例 5 本実施例においては、自動アミノ酸分析装置と同期連結
可能な、気相・固相反応を利用した加水分解装置の一例
を示す。第4図に示すように加水分解装置の全体は4つ
のステージに分かれており、試料ホルダー6は各ステー
ジをカスケードにより移動し、各操作はパルプの開閉に
よりN2ガス、酸混合蒸気やO,OIMHCIが導入さ
れる。
試料サンプルは、第3図に示すような試料ホルダー6中
のガラスピーズ7にタンパク質を単分子膜に近い状態と
してあらかじめ溶液から吸着させ乾燥しである。この試
料ホルダー6の容量は100μ!である。この試料ホル
ダー6は自動的に、気相・固相加水分解装置に挿填され
、順次第4図のtl)から(4)の各ステージを進む。
第1ステージ(1)に挿填された試料ホルダー6は、N
2ガスを通気されたのち、第2ステージ(2)に移りヒ
ーター8によって160℃に加熱される。次に、ヒータ
ー10によって加熱された容器9より蒸発したTFA、
塩酸、水の混合気体は、N2ガスによって輸送され、ヒ
ーター11によって加熱されたノ々イブにより誘導され
試料ホルダー6に導入される。
この加熱された混合気体は、試料中のガラスピーズ7に
吸着したタンパク質を気相、固相反応により加水分解す
る。余剰の混合蒸気は、冷却器12によって液化され、
容器13に補集される。25〜50分間の加水分解を終
了した試料ホルダー6は、第3ステージ(3)に移りN
2ガスを通気シながら冷却される。第4ステージ(4)
に移った試料ボルダ−6は、試料ホルダー中の空隙(1
00μりより少し容量の小さいO,OIMHCI(98
μa)を注入され、次段のアミノ酸分析装置へと送り込
まれる。
本実施例は、基本的には実施例1と同様のことを示して
いるが、本発明の気相・固相反応による加水分解は自動
化が容易であり、さらに次段のアミノ酸分析装置へと同
期が可能であることを示していることがもっとも重要で
ある。
〔発明の効果〕
以上5つの実施例により本発明を簡単に説明したが、さ
らに本発明の効果をまとめれば、次のようになる。
(11汚染が殆どない。(気相法であるため、溶液法に
比べ溶媒よりの汚染が本質的に殆どない)(2)迅速性
がある。(加水分解時間自体が短い。
気相法であるため、各操作時間が短い。たとえば煩雑な
蒸発操作によ゛る酸の除去がない。そのため、アミノ酸
分析装置と同期可能である。)(3)  自動化が容易
である。(人為的誤差をさけることができ、一定条件下
で再現性の高い実験を行うことができる。また、一連の
操作中同一容器を用いるため、移し替えによる容器より
の汚染が少ない。) 以上のように、本発明による混合蒸気によりタンパク質
を加水分解する方法は、従来にない優れた点がありその
工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図; 実施例1の気相法のための実験容器の断面図
。 第2図; 本発明(C)、液相法(b)と従来法(a)
によるVal−Gluの加水分 解(温度と加水分解率)曲線図。 第3図; 実施例5のアミノ酸分析装置と同期可能な加
水分解装置用試料ホルダーの断 面図。 第4図; 実施例5の気相・固相加水分解装置の各ステ
ージ概略図。 第5図; 液相法と従来法によるVal−Gluの加水
分解(温度と加水分解率)曲線 図。 第6図;  TFA:HCI  (1: 2)に・よる
ミオグロビンの加水分解曲線図。 1−−−−−−−− V a l −G l uのジペ
プチド2−・−・−試験管 3・−・−一−−−試験管 4−・−−−−一酸混合物 5・・−・−−−−一真空封止 6・−・−−−−・試料ホルダー 7−・−・−・・−ガラスピーズ 8−−−−一・−ヒーター 9−−−−−−−・・容器 10・−・・・・・−ヒーター 11・・・・・−−−−ヒーター 12・−・−・−冷却器 13−−−−−−・−容器 以上

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)固体表面上に、吸着したタンパク質を酸混合蒸気
    との固相・気相反応により、加水分解することを特徴と
    するタンパク質を加水分解する方法。
  2. (2)酸混合蒸気は、濃塩酸(HCl)、トリフルオロ
    酢酸(CF_3COOH)と水(H_2O)の混合気体
    であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載
    の方法。
  3. (3)酸混合蒸気にフェノールおよび揮発性還元剤を加
    えることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項もしく
    は第(2)項記載の方法。
  4. (4)酸混合蒸気は、少なくとも100℃〜180℃の
    間にあることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項も
    しくは第(2)項記載の方法。
  5. (5)酸混合蒸気の組成は、少なくとも濃度5.7M〜
    10MHCl、濃度5〜50%トリフルオロ酢酸である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項もしくは第
    (2)項記載の方法。
  6. (6)固体表面は、ガラス(または、耐熱性樹脂)のビ
    ーズまたは多孔性に加工したものであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  7. (7)固相・気相反応による加水分解時間は、5分から
    120分の間にあることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の方法。
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