JPS6114490B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、車輌等に搭載され目標物体を追尾観
察するための光学装置に係り、特にサーボ系で駆
動されるパノラマ眼鏡のような光学装置に用いる
に好適な旋回頭部構造の改良に関するものであ
る。

パノラマ眼鏡のような光学装置においては、よ
く知られているように望遠鏡部分の頭部に光路可
変用ミラーが設けられており、このミラーが俯仰
及び旋回動作可能なようになつている。このよう
な光路可変用ミラーは、光を通す窓が設けられた
筒状構造体、すなわち頭部カバー内に組み込ま
れ、パノラマ眼鏡の旋回頭部として望遠鏡部分に
対して旋回し得るよう構成される。またこの種の
光学装置においては、あらゆる気象条件下にあつ
てもミラー、レンズ等の光学素子に曇りが生ずる
ことを防止するために気密構造が要求される。

このような光学装置の旋回頭部をサーボ系で精
度よく駆動させるためには、旋回頭部の旋回機構
部を極力摩擦を小さくして構成することが望まし
いが、同時に旋回頭部の旋回機構を気密構造にす
るためには旋回部に気密シールが必要であり、こ
のことは旋回頭部の旋回機構での摩擦力を小さく
するということに相反する条件となり、あまり良
好な結果が得られていないのが実情である。

第１図はサーボ系で駆動されるパノラマ眼鏡と
称される光学装置の従来構造の一例を示す断面図
である。図中１は対物レンズ、２は像姿勢補正用
のペチヤンプリズム、３は光路変換用プリズム、
４はレチクル、５は接眼レンズを示しており、こ
れらの光学素子は筐体６に組み込まれ望遠鏡部を
構成する。ここでペチヤンプリズム２は図示して
いないが後述の光路可変ミラー７の旋回角の1/2
で回転するように構成され、光路可変ミラー７の
旋回に伴う像姿勢の回転補正機能をもつ。

望遠鏡部筐体６には円筒状の中空部分を有する
固定台座部８が固定され、さらに固定台座部８の
一部にはサーボ系の一部を構成するモータ９及び
シンクロ発振器のような位置検出素子１０が組み
込まれている。また、固定台座部８の中空部分に
はベアリング１８，１８′が挿入されており、ベ
アリング１８，１８′を介して旋回部回転台座部
１１が前記固定台座部８に対し回転自在に取付け
られている。旋回部回転台座部１１は、その底部
外周に形成されたギヤ１２が、モータ９に取付け
られたギヤ１３及び位置検出素子１０に取付けら
れたギヤ２０と噛合しており、モータ９によつて
旋回されると共にその旋回位置情報は位置検出素
子１０を介して得られるよう構成されている。旋
回部回転台座部１１には図示のように、その内部
には対物レンズ１を通る光線束を通過させるよう
中空部があり、またこの回転台座部１１の上部に
は光路可変ミラー７を支持するミラー支持部材１
４及びミラー７を保護するための旋回頭部カバー
１５が固定して取付けられている。なお光路可変
ミラー７はミラー支持部材１４に取付けられたサ
ーボ系及び位置検出部等のモータ１６によりその
俯仰角度の制御ができるようになつている。窓ガ
ラス１７は旋回頭部カバー１５の光を通す窓に取
付けられており、Ｌは窓ガラス１７に入射した光
の光路である。

このようなパノラマ眼鏡のような光学装置にお
いて気密性を保つためには、旋回機構部に気密シ
ールを施す必要があり、このため第１図において
旋回頭部カバー１５と固定台座部８との間にオイ
ルシール１９を設けて気密を図ることが行われ
る。ところがこの構成では、前述のように旋回駆
動時の摩擦が大きくなり、旋回頭部をサーボ系で
精度良く駆動させることが困難となつてくる。

本発明は、第１図に示したような光学装置のも
つ難点を解決するものであり、前記光学装置の旋
回頭部の旋回機構を二重構造とし、光学装置の気
密性と旋回頭部の旋回運動を精度良く実現させる
という相反する要求を同時に満足させる新規な構
造を提示するものである。このような本発明装置
の構成は、光を通す窓を有する旋回頭部カバー
と、前記旋回頭部カバー内に収納された光路可変
ミラーとを各々旋回自在に固定台座に取付け、前
記旋回頭部カバーと固定台座との間に気密を保つ
ためのシール部材を設け、これらの旋回頭部カバ
ーと光路可変ミラーとを個別の駆動用モータで関
連制御して旋回駆動させるというものである。こ
のような構成によれば気密構造であると共に旋回
頭部の駆動が精度良く実現できるので、光学装置
を車輌等に搭載した際でも光学装置に伝わる振動
を検出し、サーボ系でこの振動を補償するような
像安定系の光学装置等にも利用することができ、
広い応用範囲が期待できる。

以下、図面に従つて本発明の一実施例に関して
さらに詳述する。

第２図において、対物レンズ１、ペチヤンプリ
ズム２、光路変換用プリズム３、レチクル４、接
眼レンズ５で構成される望遠鏡部及び筐体６、さ
らに旋回部回転台座部１１、その上部に取付けら
れるミラー支持部材１４、光路可変ミラー７、ま
たこれらを駆動するモータ１６等は第１図の例と
同様のものである。

第２図に示す本発明の一実施例においては、固
定台座１０８の一部に組み込まれていてサーボ系
の一部を構成するモータ９及び位置検出素子１０
によつて旋回部回転台座部１１が旋回駆動される
と共に旋回回転位置情報が得られるようになつて
いる。また、旋回部回転台座部１１の上部にミラ
ー支持部材１４を介して取付けられた光路可変ミ
ラー７は、破線で示すようにモータ１６によつて
その俯角、仰角が制御される。

ところで第２図に示す装置は第１図のものと異
なり、窓ガラス１７が設けられた旋回頭部カバー
１０１が旋回部回転台座部１１とは別個に独立し
て旋回できるようにベアリング１０５を介し固定
台座１０８に取付けられている。そして旋回頭部
カバー１０１の内側に設けられたギヤ１０４がモ
ータ１０２に取付けられたギヤ１０６、位置検出
素子１０３に取付けられたギヤ１０７と噛合つて
おり、旋回頭部カバー１０１は、モータ１０２、
位置検出素子１０３によつて、旋回部回転台座部
１１と共に旋回する光路可変ミラー７の旋回運動
にほぼ同期するように旋回駆動制御される構造と
なつている。この旋回頭部カバー１０１と固定台
座１０８との間にはオイルシール１９が設けられ
光学装置の気密が保たれている。このように旋回
頭部カバー１０１と光路可変ミラー７（旋回部回
転台座部１１）の旋回が個別に設けられたサーボ
系モータ９，１０２によりそれぞれ旋回駆動され
るようにすると、光路可変ミラー７は旋回の摩擦
力が小さな状態で駆動できることになり、サーボ
系の精度を上げて高精度の旋回駆動ができる。一
方、旋回頭部カバー１０１は気密用オイルシール
１９を組み込みのまま旋回されることになるため
旋回時の摩擦が大きくなり、必然的に高精度の旋
回駆動が困難となるが、この旋回頭部カバー１０
１に関してはその窓ガラス１７を通し光を光路可
変ミラー７に導き入れることができるように光路
可変ミラー７（旋回部回転台座部１１）に追従あ
るいる連動して旋回でき得れば足りる。すなわ
ち、本実施例装置における旋回駆動精度は総合的
には光路可変ミラー７の旋回精度に支配されるの
で、この光路可変ミラー７、すなわち旋回部回転
台座部１１を高精度で旋回駆動し得る上記構造は
極めて好都合のものである。

以上述べてきたように、本発明においては旋回
駆動を要する部位をその機能的特質のもとに２分
し、それぞれ個別の駆動系により旋回駆動制御が
できるように構成したので、従来より難点とされ
てきた旋回駆動制御精度の向上と、光学装置の確
実な気密という互いに相反する要求を同時に満足
するものであり、この種装置の機能向上に資する
ところ大である。

なお、本発明思想によれば必ずしも図示の実施
例のみに限定されるものではなく、当業者におい
ては他の種々の変形例をもとり得ることは了解さ
れることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の光学装置の一例を示す断面図、
第２図は本発明の光学装置の一実施例を示す断面
図である。 １……対物レンズ、２……ペチヤンプリズム、
３……光路変換用プリズム、４……レチクル、５
……接眼レンズ、６……望遠鏡部筐体、７……光
路可変ミラー、８……固定台座部、９……モー
タ、１０……位置検出素子、１１……旋回部回転
台座部、１５……旋回頭部カバー、１７……窓ガ
ラス、１９……オイルシール、１０１……旋回頭
部カバー、１０２……モータ、１０３……位置検
出素子、１０５……ベアリング、１０８……固定
台座。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 光を通す窓を有する旋回頭部カバーと、前記
   旋回頭部カバー内に収納された光路可変ミラーと
   を各々旋回自在に固定台座に取付けると共に、前
   記旋回頭部カバーと前記固定台座との間に気密を
   保つためのシール部材を設け、前記旋回頭部カバ
   ーと前記光路可変ミラーとを個別に設けた駆動用
   モータにて相互に関連させて旋回駆動するように
   したことを特徴とする光学装置。