JPS6111787Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、小型電子式計算機などのキーボー
ドスイツチ装置に関する。

〔従来技術およびその問題点〕

近年、小型電子式計算機は小型、薄型の傾向に
あり、置数、演算命令など入力を行うキーボード
スイツチ装置も薄型のものが望まれている。とこ
ろで、従来キーボードスイツチ装置として、基板
上に各キーごとに一対の固定接点を設け、この固
定接点上に離間対向して、かつ裏面に可動接点部
分を膨出形成した絶縁ゴムよりなる接点シートを
介在し、この接点シートを介して入力を行う構成
のものが知られている。

しかしながら、上記構成のキーボードスイツチ
装置では接点シートの各キー部分を膨出成形して
いるため装置全体の薄型化を計ることができな
い。また、基板上の固定接点に防蝕用の金メツキ
等の表面処理を施す必要があるためコストアツプ
になり、更に基板上に接点シートを介在させるた
め部品点数が多くなり組立工程が複雑化するとい
う欠点があつた。

このため、回路基板上に多数の接点電極を形成
した上、この接点電極上に加圧導電性シートおよ
び導電性シートを配置する構成としたキーボード
スイツチ装置が考えられている。加圧導電性シー
トは通常如何なる方向に対しても絶縁性を呈し、
圧縮された時に厚み方向にのみ導通する特性を有
しているため、これをキーボードスイツチ装置に
用いる場合には、接点電極および導電性シートを
加圧導電性シートに接触させた状態に配置するこ
とが可能となり、薄型化には大変都合が良い。

しかしながら、従来のこの種のキーボードスイ
ツチでは、多数の電極が形成された回路基板全体
に亘り、一枚の加圧導電性シートを配置している
ため、押圧操作時に隣接する接点電極やこの接点
電極付近の回路パターン間が導通されてしまうと
いう欠点があつた。勿論、各キー入力部毎に加圧
導電性シートを１つ１つ切つて配置することも可
能である。しかし、接点電極毎に加圧導電性シー
トを１つ１つ配置する斯様な構造では、部品点数
が極めて多くなるため高価となり、また生産性も
著しく低下してしまうという欠点があつた。

〔考案の目的〕

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
部品点数を削減することができるとともに薄型化
が可能とされ、かつ、生産性にも優れたキーボー
ドスイツチ装置を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

この考案のキーボードスイツチ装置は、各々第
一接点部を含む第１のパターン群および各々接続
端子部を含む第２のパターン群が形成された回路
基板に、前記各キー接点部に対応して圧縮された
部分が導電性を呈する加圧導電層を、また、前記
各加圧導電層および前記各接続端子部を除いて絶
縁層を印刷により形成し、さらに、前記第１のパ
ターン群に対してキーマトリクスを形成し且つ前
記各接続端子部に接続される第３のパターン群を
印刷により設けたものである。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例につき第１図ないし
第４図に基づいて説明する。まず、第１図に基づ
いてこの考案のキーボードスイツチ装置を製造す
る際の工程について説明する。図中符号１は小型
電子式計算機に使用されるプリント基板であり、
このプリント基板１の表面には各々５個のキー接
点部２ａを有する行方向に配列された４本の第１
のパターン２、……と、各々が接続端子部３ａを
含む５本の第２のパターン３、……が形成されて
いる。第１のパターン群２は、例えば集積回路チ
ツプのキー信号出力端子（図示せず）に接続さ
れ、第２のパターン群３は集積回路チツプのキー
信号入力端子（図示せず）に接続されるもので、
後述する如く、この実施例のキーボードスイツチ
装置は、コモン別に接続された５行４列のキーマ
トリツクス回路を形成する。しかし、この考案の
要旨は如何なる場合にもこれに限定されるもので
はない。次に、第１図Ｂに示すように各キー接点
部２ａの上面には、加圧時には導電性を非加圧時
には絶縁性を有する加圧導電ゴム４がスクリーン
印刷法によつて印刷形成される。その後、第１図
Ｃに示すように前記各接続端子部３ａおよび加圧
導電ゴム４の上面を除き、シリコンゴムなどの絶
縁材料５がスクリーン印刷などによつて印刷形成
され、更に列方向に配列された４個の加圧導電ゴ
ム４の上面と、この４個の加圧導電ゴム４と対応
する接続端子部３ａの上面とを共に導電ゴムより
なる５本の第３のパターン６，６が各列ごとに印
刷形成される。これにより、各第３のパターン６
は対応する各第２のパターン３に接続端子３ａを
介して接続される。しかして、第２図に示すよう
に第１のパターン群２に含まれる各々のキー接点
部２ａは各行の第１のパターン毎にそれぞれ異な
る列の第３のパターン６に加圧導電ゴム４を介し
て対向され、キー信号の導入が可能な５行４列の
コモン配線で形成されるキーボードスイツチ装置
が完成する。

第３図は、前述のように構成されたプリント基
板１によつて組み立てられた小型電子式計算機の
分解斜視図を示し、前記絶縁材料５および第３の
パターン６の上面には絶縁材料５形成面と同じ長
方形状に成形された絶縁性の弾性シート７が積層
される。この弾性シート７の上面には、前記各キ
ー接点部２ａと対向する位置に数字あるいは記号
によつてキー名称が設けられたキー８が印刷形成
されている。そして、弾性シート７は上部本体ケ
ース９に収納され、この上部ケース９にはキー８
がすべて露出する大きさの窓部９ａが切り抜かれ
ている。また、プリント基板１は下部ケース１０
に収納され、この結果、第４図に示すように、上
部ケース９および下部ケース１０によつて前述し
たプリント基板１および弾性シート７が外装され
るものである。

次に、前述のように構成されたキーボードスイ
ツチ装置の作用につき第４図を参照して説明す
る。いま、キー８に押圧力が働らいていない状態
では加圧導電ゴム４は加圧されていないから絶縁
状態にあり、このためキー接点部２ａと接続端子
部３ａとの間は電気的に遮断されている。このと
き、所定のキー８を押圧し、第４図矢印に示す方
向に押圧力を加えると、キー８の下の弾性シート
７は下方に変形し、この結果、加圧導電ゴム４は
加圧されて導電状態になる。この結果、キー接点
部２ａは加圧導電ゴム４、第３のパターン６およ
び接続端子部３ａを介して第２のパターン３と電
気的に接続されることになる。従つて、押圧され
たキー８に対して集積回路チツプの出力端子から
のキー走査信号が入力され、キーの判別が行われ
る。この状態から前記キー８の押圧力を取り除く
と、弾性シート７は復元力によつて元の平面状態
へと戻り、加圧導電ゴム４への加圧が解除されて
再び絶縁状態となり、キー接点部２ａと第２のパ
ターン３との間が電気的に遮断される。

なお、前記実施例においては弾性シート７上に
キー８を印刷形成した構成としたが、これに限定
されず、各キー接点部２ａと対応した導電ゴム上
にキー釦を個別に設けた構成としてもよく、要
は、加圧導電ゴム４が押圧できるように構成すれ
ばよい。

〔考案の効果〕

以上の通り、本考案のキーボードスイツチ装置
は、加圧導電層、導電層およびスペーサとしての
絶縁層を印刷により形成したため、部品点数の大
幅な削減を可能にして安価なものにすることがで
きる。また、装置の薄型化も極めて容易となる
上、生産性にも大変優れている等の利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案の一実施例を示
し、第１図Ａ，Ｂ，Ｃは同実施例の組立順序を説
明する為の図、第２図は第１図の−線に沿つ
た断面図、第３図は同実施例の小型電子式計算機
の分解斜視図、第４図は第３図の如く構成された
キーボードスイツチ装置の断面図である。 １……プリント基板、２……第１のパターン、
２ａ……キー接点部、３……第２のパターン、３
ａ……接続端子部、４……加圧導電ゴム（加圧導
電層）、５……絶縁材料（絶縁層）、６……第３の
パターン、８……キー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各々がキー接点部を含む第１のパターン群およ
   び各々が接続端子部を含む第２のパターン群を有
   する回路基板と、前記各キー接点上に印刷により
   形成され常時は絶縁性を有し圧縮された場合に圧
   縮された部分が導電性を呈する加圧導電層と、少
   なくとも前記各加圧導電層および前記各接続端子
   部を除いた前記基板上に印刷形成された絶縁層
   と、前記加圧導電層上および前記絶縁層上に前記
   第１のパターン群に対してキーマトリクス回路を
   形成するように印刷形成され且つ各々が対応する
   前記各接続端子部に接続された第３のパターン群
   とを具備してなるキーボードスイツチ装置。