JPS6110726Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はフイルタプレスの布吊持装置に関
する。

フイルタプレスにおいて隣接する板間毎に
布を吊持する装置として、板の両側部もしくは
上部に突設した一対の支持アーム間に吊持棒を弾
性的に横架し、この吊持棒に布を懸架するよう
にしたものが公知である、この従来例の一つを第
１図に示す。

同図において、１は上部連結部材で、例えば
板の両側部より上方に向け突設された図示しない
一対の支持アームにピン２で枢着されている。前
記上部連結部材１の下半部は円筒状をなし、この
円筒部に対しシリンダー部材３が螺合されてい
る。そして、下端にフツク部４ａを有する下部連
結部材４が、前記シリンダー部材３の底部３ａの
ガイド穴５より挿入されている。下部連結部材４
の上端部には、ナツト６，６によりばね受け材７
が挟着されている。このばね受け材７とシリンダ
ー部材底部３ａの間にはコイルばね８が介装さ
れ、これによりフツク部４ａに係架された吊持棒
９が弾性支持されるようになつている。

ところが、このような構成では、シリンダー部
材３内に下部連結部材４、ばね受け材７、コイル
ばね８などを装着しなければならず、これらの部
材を収置する空間を確保する必要上、シリンダー
部材３が大型化するだけでなく、シリンダー構造
およびその内外周にねじを形成するなど、加工も
簡単ではない。さらに、分解・組立やコイルばね
８の交換のさいは、上部連結部材１とシリンダー
部材３との螺合を解き、下部連結部材４の上端部
からナツト６，６を解いてばね受け材７を取り外
し、しかる後、シリンダー部材３から下部連結部
材４およびコイルばね８を取り出すといつた手順
が必要で、その作業が面倒である。

この考案は、従来例における如上の問題点を解
消し、所要部材が少なく加工も容易で、分解・組
立作業も簡単に行うことのできるフイルタプレス
の布吊持装置を提供することを目的とする。

この考案の一実施例を第２図ないし第８図に基
づいき以下に説明する。

この実施例の布吊持装置は、第２図に示すよ
うに、前後の機枠１１，１２間に並設した一対の
サイドバー１３，１３間に複数板１４…を摺動
自在に係架するとともに、これら板１４の両側
把手部１４ａにそれぞれ一対宛、吊持アーム１
５，１５を枢結し、各吊持アーム１５，１５の先
端部を前後に隣接する板１４，１４の１つの吊
持アーム１５の先端部に枢結して、吊持アーム１
５…によつて構成されるリンクにより板１４，
１４間を連結した単式のフイルタプレスに適用し
たものである。第２図および第３図において、１
６は前後板１４，１４の吊持アーム１５，１５
の先端部同士を結ぶ枢結ピン１７に取り付けたこ
の実施例の布吊持装置、１８は左右の布吊持
装置１６，１６間に係架した吊持棒１９を介して
板１４，１４間に懸架した布、２０は固定
板、２１は板１４…を固定板２０側に押動して
ケークの圧搾処理をはかる可動板、２２は可動板
２１を進退駆動する油圧シリンダー、２３は各
布板１４を後退側へ移送する板送り装置であ
る。

前記布吊持装置１６は、第４図に示すように
支持板２５、連結ロツド２６、ばね受け鍔部材２
７、圧縮コイルばね２８、係架部材２９などから
なる。

支持板２５は、ガイド穴３０を有するばね受け
座２５ａを下端部に形成したＬ字状で、その上端
部の取付穴３１を吊持アーム１５，１５の枢結ピ
ン１７に嵌め込み、ナツト３２で締付固定してい
る。ガイド穴３０にはばね受け用カラー３３を嵌
入している。

連結ロツド２６は、下部に抜止鍔２６ａを有し
前記ばね受け座２５ａの下方よりガイド穴３０の
カラー３３に上下動自在に挿入するとともに、ば
ね受け座２５ａ上方側に突出する連結ロツド２６
上部に管状のばね受け鍔部材２７を挿入し、さら
に連結ロツド２６上端部周面に形成した図示しな
い周溝に割りリング３４を嵌着して、ばね受け鍔
部材２７の抜止めをはかつている。

圧縮コイルばね２８は、連結ロツド２６に挿入
して、その一端をばね受け用カラー３３、他端を
ばね受け鍔部材２７の鍔部２７ａで受け止め、連
結ロツド２６の上方へ付勢している。

係架部材２９は、下端に布１８の吊持棒１９
の端部を係架する係架部２９ａを有し、上半部に
形成した雄ねじ部２９ｂを、前記連結ロツド２６
の下半部に形成した雌ねじ部２６ｂに螺合するこ
とにより、連結ロツド２６との連結をはかるとと
もに、係架部材２９と連結ロツド２６の間の相対
回動により係架部材２９の高さ調節を行いうるよ
うにしている。係架部材２９の雄ねじ部２９ｂに
は、別にナツト３５を螺合して、このナツト３５
を連結ロツド２６の抜止鍔２６ａ下面に締め付
け、連結ロツド２６に対する係架部材２９の螺合
の緩みを防止するようにしている。

支持板２５は、ばね受け座２５ａから縦片部に
及ぶ両側縁に補強板２５ｂ，２５ｂを付設して、
ばね受け座２５ａにかかる下向きの荷重に十分耐
えられる強度を与えている。

なお、前記ばね受け座２５ａのガイド穴３０に
嵌入するばね受け用カラー３３を省略して、第７
図に示すように六角形などの非円形のガイド穴３
０′を形成する一方、連結ロツド２６′の外形をこ
のガイド穴３０′に緩嵌合しうる同一非円形とし
て、支持板２５に対する連結ロツド２６′の回動
を規制することにより、連結ロツド２６′と係架
部材２９の間で螺合に緩みが生じるのを防止する
ようにしてもよい。

また、連結ロツド２６に対するばね受け鍔部材
２７の装着は、第８図に示すように、連結ロツド
２６に雄ねじ部２６ｃを形成する一方、ばね受け
鍔部材２７の内周に雌ねじ部２７ｂを形成して、
互に螺合することにより着脱可能に装着してもよ
く、この場合には割りリング３４などの抜止部材
を省略することができる。

この考案の布吊持装置によれば、ガイド穴を
有するばね受け座を下部に形成したＬ字状の一対
の支持板の上端部を前記各支持アームにそれぞれ
固定し、下部に抜止鍔を有する連結ロツドを前記
ばね受け座の下方よりガイド穴に上下動自在に挿
入するとともにばね受け座上方側に突出する連結
ロツド上部に管状ばね受け鍔部材を挿脱可能に装
着し、前記ばね受け座とばね受け鍔部材の間に圧
縮コイルばねを介装して連結ロツドを上方側へ付
勢し、布吊持棒の端部を係架する係架部を下端
に有する係架部材の上端部を前記連結ロツドの下
端部に螺合したから、次に挙げるような効果が得
られる。

(イ) Ｌ字状支持板の下部ばね受け座に、係架部材
と一体の連結ロツド、圧縮コイルばねを装着す
る構造であり、構成が簡単で所要部材が少なく
て済み、加工も容易である。

(ロ) ばねその他の部品の交換などのさいの分解・
組立の手順は、連結ロツドからばね受け鍔部材
を取り外したあと、ばね受け座より圧縮コイル
ばねおよび連結ロツドを取り外せばよく、その
作業が簡単である。

(ハ) 吊持棒を係架する係架部材は、連結ロツドに
螺合しているので、係架部材を回動することに
より吊持棒すなわち布の高さ調節を容易に行
うことができる。

(ニ) 殊に隣接する板間の吊持アームを枢結して
リンク機構を構成した実施例のフイルタプレス
などに適用した場合、吊持アームの枢結ピンに
支持板を懸吊するだけで、板開閉に伴う吊持
アームの揺動作用を妨げることなく簡単に取り
付けることができる。しかも、吊持アームの揺
動に対し、装置が常に垂直姿勢を保つから、
板の開閉動作時の板からの布の剥離が円滑
に行われ、ケークの離脱効果を上げることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図はこの考
案の適用される単式フイルタプレスの概略を示す
側面図、第３図はこの考案の一実施例を装置した
フイルタプレスの断面図、第４図はその実施例の
一部を破断して示す拡大図、第５図および第６図
はそれぞれ支持板の縦断面図および正面図、第７
図は一変形例を示す要部分解斜面図、第８図は他
の変形例を示す要部断面図である。 １５……吊持アーム、１７……枢結ピン、１９
……吊持棒、２５……支持板、２５ａ……ばね受
け座、２６，２６′……連結ロツド、２６ａ……
抜止鍔、２６ｂ……雌ねじ部、２７……ばね受け
鍔部材、２７ａ……鍔部、２８……圧縮コイルば
ね、２９……係架部材、２９ａ……係架部、２９
ｂ……雄ねじ部、３０……ガイド穴、３４……割
りリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板両側部に設けられる一対の支持アーム間に
   布吊持棒を支架する布吊持装置であつて、ガ
   イド穴を有するばね受け座を下部に形成したＬ字
   状の一対の支持板の上端部を前記各支持アームに
   それぞれ固定し、下部に抜止鍔を有する連結ロツ
   ドを前記ばね受け座の下方よりガイド穴に上下動
   自在に挿入するとともにばね受け座上方側に突出
   する連結ロツド上部に管状ばね受け鍔部材を挿脱
   可能に装着し、前記ばね受け座とばね受け鍔部材
   の間に圧縮コイルばねを介装して連結ロツドを上
   方側へ付勢し、布吊持棒の端部を係架する係架
   部を下端に有する係架部材の上端部を前記連結ロ
   ツドの下端部に螺合したことを特徴とするフイル
   タプレスの布吊持装置。