JPS6058146B2 - 糊付単板の自動積み重さね装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は糊付単板の自動積み重さね装置に関するもので
あり、更に詳細には、合板に形成すべく板面に糊（接着
剤）を塗布した糊付単板と他の単板、例えば表裏板とを
交互に積み重さねる場合などに用いる糊付単板専用の自
動積み重さね装置に関するものである。

従来、通常の板状物を順次堆積する手段としては、例え
ば１板材の積み取り装置Ｊ（実公昭４６一７５３８号公
報）・１板揃え装置Ｊ（特公昭４７−３４２２０号公報
）・１板材積取装置Ｊ（実公昭４９−４２６■号公報）
等に開示される如き種々の装置が存在するが、それらは
いずれも、外形が一定寸法に成形され且つ表裏両面が滑
らかな板状物のみを対象とし、而も該板状物同志を順次
堆積すべく、堆積すべき板状物を直接又は一旦仮受けし
て既に堆積した板状物群の上に自由落下させ、最終的に
は、堆積位置の近傍に揺動或は摺動可能に配設したガイ
ド枠・板材受・そろえ板等を用いて、板状物群上に落下
した堆積すべき板状物を摺動させて正確な位置決めを行
なうよう構成されたものであるから、糊付単板の自動積
み重さね装置に適用するには著しく不向きであつた。

即ち、本発明が対象とする糊付単板は、公知の如くその
外形寸法が必ずしも正確に成形されておらず、而も糊の
塗布に伴い摺動性が極めて劣悪であつて、接触する全て
の部材に付着せんとする特性があり、前記公報に開示さ
れる如き装置を適用して堆積を行つた場合には、例えば
糊付単板が所望堆積位置まで落下せず、不完全な堆積と
なつたり、或は仮受け用の障害板等に糊付単板が付着し
て所望堆積位置からずれ、又は既に堆積された単板に糊
付単板が付着して該既に堆積された単板がずらされるこ
とにより、結果的に重ね合わせ精度が悪化したり、或は
既に堆積された単板上を円滑に摺動し得ないことにより
、既に堆積された単板を損傷したりするなどの不都合が
生じ、更には他の単板等を積み重さね得る空間が堆積位
置の上位に存在しないなどの不具合があるので、結局、
前記公報に開示される如き装置を糊付単板の自動積み重
さね装置に適用するのは実用上困難である。

本発明は前述の如き特性を有する糊付単板を対象として
適用出来るように工夫された積み重さね装置を提供する
ものてあり、他の単板等を積み重さね得る空間を上位に
確保しつつ、既に堆積された単板を損傷することのない
適確な重ね合わせを可能化し、接着剤の付着による故障
の排除・高速化による堆積能率の向上並びに設置空間の
大幅な縮少等も併せて改良した装置てある。以下本発明
装置を図面に例示した実施例に基づいて説明すれば次の
通りである。

第１図に於て、１は機枠で糊付単板Ｓの堆積位置Ａの空
間を側方から囲む様に備えてある。

前記糊付単板Ｓはその前位に配置された糊付装置３によ
つて板面に糊（接着剤）を塗布され挿入コンベア２上を
矢印ａの方向に進行する。例えば３フライ合板を製造す
る場合には、糊付単板Ｓは図示する如く繊維方向と同方
向を進行方向として前記堆積位置Ａまて移送して堆積し
、次いで上方に配設したコンベア又は人為的手段（いづ
れも図示省略）によつて、前記糊付単板Ｓ上へ表裏板（
図示省略）をその繊維方向を交叉させて重さね合わすも
のであり、その為に堆積位置Ａの上位は、後述する如く
完全に空間が確保されるよう構成されている。４，４″
は前記糊付単板Ｓが堆積位置Ａへ達した事を検知する光
電管等の検出器、５，５″は昇降台６上へ既に堆積され
た糊付単板Ｓの最上面の高さを検出する光電管等の検出
器て、前記昇降台６の駆動モーター（図示省略）を０Ｎ
，０ＦＦして常に一定高さを保つ様にしたものである。

７，７は機枠１の左右両側方へ糊付単板Ｓの進行方向と
同方向に平行に配置された一対のガイドレールであり、
該ガイドレール７，７の各々には、該ガイドレール７，
７の上位ガイド面７ｂ，７ｂに接して転動する上部保持
ロール１０を介して保持部材９が前記ガイドレール７，
７に沿つて移動可能に装設されおり、而も該保持部材９
は軸受８ａを介して回転軸８を糊付単板Ｓの進行方向と
直交方向に枢支する。

また更に前記回転軸８は、ガイドレール７，７に接して
転動するよう枢子され、而も後退する場合に、その外周
が後退速度よりも速い速度で回転するよう、ガイドレー
ル７，７の下位ガイド面７ａ，７ａに接して転動する部
分の外径８ｃが、糊付単板Ｓを支持する円柱状の部分８
ｂの外径よりも小さく形成されており、該回転軸８の後
退に際し、糊付単板Ｓが回転軸８に付着して所望の堆積
位置からずれるなどの不具合が発生しないよう構成され
ている。Ｂは保持部材９を介して回転軸８を往復移動せ
しめるべく該保持部材９に連結する往復作動機構であり
、回転軸８が、堆積位置Ａの中央部から適宜距離だけ一
側末端部（第１図右側）寄りの位置から、堆積位置Ａの
一側末端部へ向けて後退する様に備え、糊付単板Ｓの円
滑な堆積を可能化すると共に、堆積位置Ａの上位に表裏
板等の他の単板を導入する為の完全な空間を確保する。

即ち、機枠１側面のガイドレール７，７の下方部に無端
チェーン１１，１「をスプロケット１１ａ，１１ａ，１
１ｂ，１１ｂに掛け回して備え、この一側の無端チェー
ン１１を電磁クラッチブレーキ等の間歇駆動装置１２に
よつて断続的な回動が可能に設け、更に前記保持部材９
と無端チェーン１１とを連結棒１３で連結する。従つて
前記連結棒１３がチェーン１１の上位と下位を走行する
事によつて、保持部材９を介して回転軸８は往復走行す
るのである。尚、１４は機枠１の両側面に備えた中間接
続用の無端チェーン１「を連動可能に接続する接続軸で
あり、また１５は糊付単板Ｓの端面を規正して正確な定
規出しを行なうよう、回転軸８の後退方向と逆方向の堆
積位置Ａの末端部へ備えたストッパーである。尚、第２
図に例示した実施例は、第１図に例示した実施例と勝手
違いの装置であつて、回転軸８が糊付単板Ｓの進行方向
と逆方向へ後退する様に往復作動機構Ｂを連結すると共
に、ストッパー１５を堆積位置Ａの糊付単板進行方向先
端部へ設けたものであり、その他の構成は第１図の装置
と同様である。

また回転軸８の他の実施態様は、例えば第３図に例示す
る如く、糊付単板を支持する部分８ｂへ多数の円盤８ｄ
を嵌合する。

この様に備えた場合には、回転軸の外周速度と後退速度
とを大幅に異ならせる事が出来ると共に、接着剤による
悪影響を大幅に低減する事が出来る。また第４図は、複
数本の回転軸８，８へプ−リー・スプロケット等から成
る巻掛伝動車８ｅを嵌合すると共に、該巻掛伝動車８ｅ
にベルト・チェーン等から成る巻掛伝動節８ｆを巻掛し
た他の実施態様、第５図は、第１図又は第２図に於て、
ストッパー１５側から見た場合に右側は右回り左側は左
回りとなるスパイラル環８ｇを、回転軸８の中央部から
端部に向けてそれぞれ備えた他の実施態様を示し、第５
図の如く構成すれば、スパイラル環８ｇの回転に伴つて
糊付単板Ｓが両側に引延ばされるので、堆積時に糊付単
板にしわや重なりが生じにくく効果的である。また往復
作動機構としては、図示は省略したが、例えば流体シリ
ンダーを保持部材９へ連結して用いても、要は保持部材
を介して回転軸を往復移動せしめ得るものであれば差支
えない。例えば前記の如き構成で成る糊付単板の自動積
み重さね装置の作用は次の通りである。即ち、第６図に
示すように糊付装置３によつて板面に接着剤を塗布され
た糊付単板Ｓが挿入コンベア２上を搬送され、該糊付単
板Ｓの先端が検出器４，４″によつて検知されると、こ
の検知信号に基づき間歇駆動装置１２が作動して、回転
軸８を堆積位置Ａの一側末端部から中央部寄りの位置ま
で往動させ、糊付単板Ｓの進入を待機させる。

次いで糊付単板Ｓが更に進行して第７図に図示する如く
回転軸８の上面に乗ると、回転軸８との摩擦によつて慣
性がうち消され、該糊付単板Ｓはｊ適宜位置で停止する
が、前記回転軸８は堆積位置Ａの中央部よりも適宜距離
１だけ一側末端部寄りにあるので、必然的に図示する如
くストッパー１５側の後端が先に落下しかかる。更に前
記落下に先立つて糊付単板Ｓの後端の通・過を検出器４
，４″が検知するので、該検出信号に基づく間歇駆動装
置１２の作動によつて、第８図に図示する如く回転軸８
が堆積位置Ａの一側末端部に後退せしめられ、糊付単板
Ｓの前端側が落下して堆積が行なわれることになるが、
前述の如）く該回転軸８の外周は後退速度よりも速く回
転する様に構成してあるので、糊付単板Ｓの後端は回転
軸８の後退に伴い落下途上に於て又は落下とほぼ同時に
ストッパー１５へ押し付けられ、堆積と同時に極めて正
確な定規出しが行なわれる。前記の如く回転軸８が後退
して糊付単板Ｓの堆積が完了すると、該糊付単板Ｓの上
位、即ち堆積位置の上方には空間が確保され、別途手段
により表裏板等が該糊付単板Ｓの上に積み重さねられ、
以下同様の動作の繰返しによつて順次合板の仕組が行な
われる。無論、回転軸８の後退に際し、糊付単板Ｓが回
転軸８に付着するとしても、その外周が後退速度よりも
速い速度で回転するよう構成されているので、先述した
従来公知の通常の堆積装置を転用する場合の如く、糊付
単板Ｓが所望の堆積位置からずれたり、或は既に堆積さ
れている表裏板等の他の単板が損傷したりするなどの不
具合が発生する虞はまつたくなく、極めて円滑に精度良
い堆積が行ない得、また回転軸８によつて都度糊付単板
Ｓをストッパー１５へ押し付ける勝手であるから、糊付
単板Ｓの形状精度如何にかかわらず、常に正確な定規出
しを行うことができる。

尚、回転軸８上に於ける糊付単板Ｓの停止位置をより正
確にする為には、第１図に例示する如く、回転軸８の進
行を妨げない様にシリンダー等によつて旋回可能に構成
された規正板１６を別に設けるのが望ましいが、第２図
に例示した勝手違いの装置に於ては、糊付単板Ｓの進行
方向先端部にあるストッパー１５に直接先端を当接せし
めて停止位置の正確な規制を行なうことができ好便であ
る。

また第９図に例示した実施例は、機枠１を堆積位置Ａの
後位に備えると共に、糊付単板Ｓの進行方向と同方向に
平行に配設した左右一対のガイド．レール７の各々には
、該ガイドレール７の上位ガイド面７ｂに接して転動す
る上部保持ロール１０及び下位ガイド面７ａに接して転
動する下部保持ロール１７を介して保持部材９を前記ガ
イドレール７に沿つて移動可能に装設し、更に該保持部
材！９を機枠１の前位に設定した堆積位置Ａの両側部へ
向けて延長し、該延長部分の先端部て回転軸８を糊付単
板Ｓの進行方向と直交方向に枢支し、更に該回転軸８が
前記下部保持ロール１７の転動に伴つて一体的に回転す
るよう、ベルト・チェーン４等から成る巻掛伝動節１８
等を介して双方を連動回転可能に連結し、而も前記回転
軸８が堆積位置Ａの中央部よりも適宜距離だけ一側末端
部寄りの位置から、堆積位置Ａの一側末端部へ向けて後
退するよう、間歇駆動装置１２、チェーン１９、スプロ
ケット２０、連結棒２１等から成る往復作動機構を、保
持部材９に連結して構成したもので、挿入コンベア２・
糊付装置３・検出器４，５・回転軸８・ストッパー１５
等の態様は、第１図或は第２図に例示した装置と同様で
あり、また２２は回転軸８の往復作動を妨げないように
シリンダー等によつて旋回可能に構成された規正板であ
つて、第１図に例示した装置に於ける規正板１６と）同
様、糊付単板Ｓの停止位置をより正確にする為に必要に
応じて設ける。

前記の如く構成した装置に於ても、回転軸８は、第１図
或は第２図の実施例と同様に、糊付単板Ｓをストッパー
１５へ押し付けるように回転し・ながら後退するので、
糊付単板Ｓの堆積と同時に極めて正確な定規出しが行な
える。

この装置の利点は、常態に於て堆積位置の側方及び上方
に機枠等人為的な作業を妨げるものがなく、安全な作業
が行なえる点、及び糊付装置３か゛ら装置本体が遠ざけ
てあるから、接着剤による悪影響をより受けにくい点で
ある。

尚、回転軸或は往復作動機構は、第１図に例示した装置
のものと同様に、種々の形態で実施し得るが、回転軸の
外周を後退速度よりも速い速度で回転せしめる手段とし
ては、回転軸の外径を連動回転する保持ロールの外径よ
りも大きくする手段の他に、例えは巻掛伝動節を巻掛す
る巻掛伝動車の直径を、回転軸側で小さくする様な手段
であつても、要は回転軸の外周を後退速度よりも速い速
度で回転せしめ得る手段であれば差支えない。

以上明らかなように本発明に係る装置は、糊付単板を自
動的に定規出ししながら堆積を行なうものであり、糊付
単板を回転軸で支持するものであるから、接着剤の付着
による故障が生じにくいのは勿論のこと、糊付単板の形
状精度如何にかかわらず、糊付単板が所望の堆積位置か
らずれたり、或は既に堆積されている表裏板等の他の単
板が損傷したりするなどの不具合が発生する虞はまつた
くなく、而も該回転軸の移動距離が短かいので、著しく
能率的な堆積が行ない得ると共に、極めて少ない設置空
間ですみ、従来の糊付装置の堆積空間を殆どそのまま活
用して効果的な糊付単板の重さね合せを行なうことがで
きるものであり、合板工場に於ける糊付単板の積み重さ
ね工程の合理化に寄与すること多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明を説明する為のものであつて、第１図は本
発明に係る装置の斜視説明図、第２図及ひ第９図は他の
実施例の概略側面説明図、第３図乃至第５図は回転軸の
他の実施態様を説明する為の概略説明図、第６図乃至第
８図は第１図に例示した装置の動作を説明する為の動作
説明図である。 １・・・・・・機枠、３・・・・・糊付装置、４，４″
，５，５″・・・・・・検出器、６・・・・・・昇降台
、７・・・・・ガイドレール、７ａ・・・・・・下位ガ
イド面、７ｂ・・・・・上位ガイド面、８・・・・・・
回転軸、９・・・・・・保持部材、１０・・・・上部保
持ロール、１２・・・・・・間歇駆動装置、１３・・・
・・連結棒、１５・・・・ストッパー、１６，２２・・
・・規正板、１７・・・・・下部保持ロール、Ａ・・・
・・・堆積位置、Ｂ・・・・・・往復作動機構、Ｓ・・
・・・・糊付単板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 糊付単板の進行方向と同方向の左右側方へ平行に配
   設した一対のガイドレールの各々へ、保持ロールを介し
   て適宜形状の保持部材を前記ガイドレールに沿つて移動
   可能に装設すると共に、該保持部材によつて１又は２以
   上の回転軸を糊付単板の進行方向と直交方向に枢支し、
   更に該回転軸が、堆積位置の中央部よりも適宜距離だけ
   一側端部寄りの位置から、堆積位置の一側末端部へ向け
   て後退する様に、前記保持部材に往復作動機構を連結し
   、且つ前記回転軸の後退方向と逆方向の堆積位置末端部
   へは、載置される糊付単板の姿勢を規正するストッパー
   を設け、而も前記回転軸の外周が後退速度よりも速い速
   度で回転する様に構成した事を特徴とする糊付単板の自
   動積み重さね装置。 ２ クラッチブレーキ等の間歇駆動装置を介して間歇駆
   動される無端チェーンに連結棒の一端を連結し、他端を
   回転軸の保持部材に連結した往復作動機構で成る特許請
   求の範囲第１項記載の糊付単板の自動積み重さね装置。 ３ 流体シリンダーを用いた往復作動機構で成る特許請
   求の範囲第１項記載の糊付単板の自動積み重さね装置。
   ４ 回転軸がガイドレールに接して転動するよう枢支さ
   れ、而も該回転軸のガイドレールに接して転動する部分
   の外径が、糊付単板を支持する部分の外径よりも小さく
   形成されて成る特許請求の範囲第１項又は第２項又は第
   ３項記載の糊付単板の自動積み重さね装置。５ 回転軸
   とガイドレールに接して転動する保持ロールとが、該回
   転軸及び保持ロールの各々へ嵌合された巻掛伝動車と、
   該巻掛伝動車に巻掛された巻掛伝動節とを介して連動回
   転可能に連結され、而も該回転軸の外径が、保持ロール
   の外径よりも大きく形成されて成る特許請求の範囲第１
   項又は第２項又は第３項記載の糊付単板の自動積み重さ
   ね装置。 ６ 回転軸とガイドレールに接して転動する保持ロール
   とが、該回転軸及び保持ロールの各々へ嵌合された巻掛
   伝動車と、該巻掛伝動車に巻掛された巻掛伝動節とを介
   して連動回転可能に連結され、而も回転軸側の巻掛伝動
   車の直径が、保持ロール側の巻掛伝動車の直径よりも小
   さく形成されて成る特許請求の範囲第１項又は第２項又
   は第３項記載の糊付単板の自動積み重さね装置。 ７ 糊付単板を支持する部分が円柱状の回転軸で成る特
   許請求の範囲第１項又は第２項又は第３項又は第４項又
   は第５項又は第６項記載の糊付単板の自動積み重さね装
   置。 ８ 糊付単板を支持する部分へ、多数の円盤を嵌合した
   回転軸で成る特許請求の範囲第１項又は第２項又は第３
   項又は第４項又は第５項又は第６項記載の糊付単板の自
   動積み重さね装置。 ９ 複数本の回転軸の各々の糊付単板を支持する部分へ
   、巻掛伝動車を嵌合すると共に、該巻掛伝動車に巻掛伝
   動節を巻掛した回転軸で成る特許請求の範囲第１項又は
   第２項又は第３項又は第４項又は第５項又は第６項記載
   の糊付単板の自動積み重さね装置。 １０ 糊付単板を支持する部分の中央部から端部へ向け
   て夫々右回り及び左回りのスパイラル環を備えた回転軸
   で成る特許請求の範囲第１項又は第２項又は第３項又は
   第４項又は第５項又は第６項記載の糊付単板の自動積み
   重さね装置。