JPS605781B2 - 偏流装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガスタービンェンジンのスラストリバーサ、
垂直離陸（ＶＴＯ）ノズル、およびその他の偏流装置に
関するものである。

本発明はト特に、これに限定されるものではないが、ダ
クト式ファン、ガスターピンェンジン用並進カウル式ス
ラストリバーサに関する。一般に、すべてのガスタービ
ンェンジンはト放射方向内側壁と放射方向外側壁との間
に少なくとも１本のガス流通路を備えている。

並進カゥル式スラストリバーサにおいては、この様な通
路の放射方向外側壁、例えばダクト式ファンガスタービ
ンエンジンの中のファンカウル、の一部が軸万向に並進
自在と成されて、この外側壁の中にァパチュアを形成し
、各アパチュアはガス流通路と蓮適する入口と、大気に
蓮適する出口とを有する。

このァパチュアの上流側壁と下流側壁は、アパチュアが
閉鎖される時に相互に当綾するのであるが、ガス流をア
パチュアの出口から前向き速度成分をもって排出する様
に湾曲されている。並進運動する外側壁部分と共働して
ガス流通路を閉塞し、通路内のガス流をアパチュアの入
口の中に偏向させる手段が備えられている。本明細書に
おいて使用される“前方”“後方”“上流”“下流”と
いう用語はエンジン中のガス流の全体的方向を指すもの
である。

上述のスラストリバ−サにおいては前向き速度成分を生
じるためにアパチュアの中に転流翼をカスケード状に配
置してガス流の偏向を助長することが普通である。

このようなカスケ−ド構造はェンジンに対して重量ペナ
ルティを与えるので、スラストリバーサの効率の大きな
損失を伴わないでこの構造をエンジンから除去すること
ができれば、大きな利益となる。スラストリバーサの効
率は、ガス流を転流させる角度の関数である。

並進カウル式スラストリバーサにおいては、上流側壁と
下流側壁の曲率は、アパチュア区域におけるカウルの放
射方向深さによって制限される。カウルの厚さが比較的
薄い個所では「アパチュアの側壁の曲率が非常に大とな
るので、ァパチュァを通る際に方向変換する主ガス流に
対して内側端部を成すアパチュア上流側壁からガス流が
分離する懐向を示す。このような主ガス流分離効果はス
ラストリバース効率を低下させる。なぜかならば、主ガ
ス流の前向き成分とアバチュァの有効排出面積が共に低
減するからである。カスケード構造が使用される場合「
上流側壁〜即ち主ガス流の内側端部、に近い翼の主ガス
流偏向作用が上述のスラストリバース効率の低下を最小
限にする。

しかし「カスケードなしスラストリバーサにおいては、
下流側壁、即ち主ガス流の外側端部の偏流効果は、上流
側壁から遠すぎるので、なんら顕著な効果を示すことが
できない。この問題に対する１つの解決法は、ガス流の
外側端部においてアパチュア出口に隣接して、下流側壁
から上流に突出したエンドプレートを配設するか、また
はこの下流側壁がアパチュア出口から軸万向に上流に向
って突出する構造とするにある。この構造は、出口から
出るガス流の前向き角度を増大するのであるが、有効出
口面積を更に低減させる。ガス流の内側端部において、
上流側壁から「 この側壁に隣接する主ガス流分離区域
の中まで下流（軸方向後方）に向って突出したプレート
を備えることにより、主ガス流の上流側壁からの分離を
遅らせて良Ｐち分離する位置を湾曲通路の上流側壁の出
口側に寄らせてアパチュア出口の有効面積を増大させう
ろことを出願人は発見した。

このように主ガス流の分離を遅らせることにより、より
大きな角度で主ガス流を偏流させ、より大きなリバース
スラストを生じることができる。このようなプレ町卜は
一見トアパチュァの出口面積を更に減少させるように思
われるが、実際はその逆であることが発見された。

このような驚くべき事実により、カスケードなし並進カ
ウル式スラストリバーサにおいても十分に高いスラスト
リバース効率が得られる程にスラストリバーサ性能が向
上させられたのである。本発明は上記のスラストリバー
サ装置に制限されるものでなく、デフレクタの壁の１つ
の案内面において分離が正常に生じる速度においてガス
流を一定角度偏向させることが望ましい他の任意のケー
スにも応用され得ることは明白である。

本発明は、かかる点に鑑みなされたものであり、より大
きな角度で主ガス流を偏流させることができ、しかも出
口におけるガス流の排出面積を増大させることができる
偏流装置を提供することを目的とする。本発明によれば
、ガス流の入口および出口と、湾曲通路内においてガス
流を一方向から他方向にそらせる形状を有しまたこの湾
曲通路の外側磯部を成す面を形成する第１の構造と、上
記湾曲遍路の内側端部を成し、その近傍においてガス流
が上記湾曲通路に沿って進む時に主ガス流分離区域が生
じる第２の構造とを有する偏流装置において、上記第２
の構造に、上記主ガス流分離区域に部分的に入る程度ま
で突出する寸法を有するプレートを設け、このプレート
と上記内側端部とにより上言己主ガス流分離区域に向け
て開くくぼみを形成し、操作中（ガス流が上記湾曲通路
に沿って進む時に）、ガス流が上記くぼみの中で減圧を
生じて、上言己内側端部からの主ガス流の分離の開始を
遅らせる様にした偏流装置が提供される。本発明の実施
態様においては、スラストリバ−スアパチュアの上流側
壁は、アバチュアの出口に隣接したプレートを備え、こ
のプレートは、作動中、アパチュアの上流側壁に隣穣し
た主ガス流分離区域の中にのみ入る程度まで上流側壁か
ら下流に向って突出するようにしたガスタービンェンジ
ン用並進カウル式スラストリバーサが提供される。

上記のスラストリバーサは、更にアパチュアの出口近傍
において、その下流側壁から上流方向に突出したプレー
トを備えている。

本発明の特定の実施態様においては、ガスタービンェン
ジンはダクト式ファンガスタービンェンジンであって、
スラストリバーサは、エンジンのファンダクトを通るガ
ス流を逆転するように配置されている。

本発明の他の実施態様においては、ガスタービンェンジ
ンノズルは、ノズルの排出ガスを実質的に包囲するデフ
レクタフードを備え、このフードは９０ｏ湾曲して、排
出ガスを垂直離陸等の操作のために下方にそらせる。

この場合、フード湾曲部の内側のノズル肇に、フードの
排出面に隣接した主ガス流分離区域の中まで突出したプ
レートを備える。以下、本発明を図面に示す実施例につ
いて詳細に説明する。

付図について説明すれば、ファン２を駆動するように配
置されたコアヱンジン１を含むダクト式ファンガスタ−
ビンェンジンが略示されている。

このファンは、ファンカウル４とコアエンジンの外側ケ
ーシング５との間に限定された環状ファンダクト３の中
に配置されている。ファンカウルの下流端の一部１０は
、通常のモータ１１と、ねじジャッキ１２と、ナット９
とによって鞄方向に可動に成されて、カウルの中に環状
または部分環状のスラストリバースアパチュア１３を開
く。このアパチュア１３は、ファンダクト３に運通した
入口１４と、大気への出口１５と、上流側壁１８と下流
側壁１９を備えている。これらの側壁１８と１９は、ア
パチュア１３の湾曲通路のそれぞれ内側末端と外側末端
を成している。上述のように、ガスタービンェンジンと
そのスラストリバーサは任意公知の型式とすることがで
き、また第２図から明らかなように、スラストリバーサ
アパチユアが開かれる時、ファンカウル４の下流末端の
放射方向内側面がコアェンジン１の放射方向外側面５に
当援することによってダクト３が閉塞され、主ガス流は
アパチュア１３を通して偏向されて、矢印Ｂ方向の前向
き速度成分をもって排出され、エンジンに対してリバー
ススラストを加える。

第３図においては、主ガス流分離が生じる程度に大きい
上流側壁１８の曲率の効果が図示されている。

アパチュア１３の出口の全面積は長さＬを有するが、上
流側壁１８上の点Ａにおいて流れ分離が生じる時、この
側端１８に隣接する高圧の乱流がガスをこの側壁から押
し離すことにより、出口の有効長さは長さＬ，だけ減小
されるので、ガス流は矢印Ｃの方向に、放射方向に一層
近い速度成分をもって排出される。出口の下流壁１９か
ら上流方向に出た環状エンドプレートを備えることによ
って、前向き速度成分を回復することができるが、排出
流区域が更に縮小され、またスラストリバーサの全体性
能が更に低下する。

この問題を解決するために、本発明によれば、出口１５
に隣接した上流側壁１８の部分から、主ガス流分離区域
中の乱流の中まで下流に突出した環状プレート２０（第
２図）が備えられる。

このプレート２０と上流側壁１８が共鰯して、藤方向後
方に向って開くくぼみを形成し、このくぼみを横切る主
ガス流は主ガス流分離区域中の圧力を低下させ、分離前
面の背後に渦を形成する。これは、ガス流を上流側壁１
８に向って曲げる効果を有し、これによってガス流中の
前向き速度成分をある程度回復し、また距離ＬをＬ２ま
で短縮することによって有効ガス流面積を増大する。さ
らに主ガス流のこの動きはアパチュア１３の入口側へも
伝えられプレート２０の上流の主ガス流が壁に沿うのを
助ける。そしてこれによって主ガス流の上流側壁１８か
らの分離の開始が遅らされる。これらの効果はプレート
２０が主ガス流分離区域中に部分的に延在する場合にの
み得られる。プレート２０が主ガス流まで延在している
場合にはアパチュア１３の入口側の圧力が増大するから
である。前向き速度成分を更に増大するために、プレー
ト２０と共に、下流側壁上のエンドプレートをも使用す
ることができ、最大スラストリバース効率を得る様にこ
れら二枚のプレートの長さを最適化することができる。

プレート２０と下流側壁上のエンドプレートに関して使
用される“環状”という用語は、アパチュァが完全な環
ではなく環状配列の１個である場合には、部分環状プレ
ートを包含するものとする。

これらのプレートは、対応のアパチュア側壁の全長に沿
って配置されなければならない。従って、プレート２０
を備える事は排気口の有効面積を縮小させる様に思われ
るのであるが、このプレートは主ガス流分離区域の中に
のみ突出しており、ガス流を上流壁に向って曲げさせる
事によって、排気口のガス流面積の正味増大をもたらす
。プレート２０は固定式とし、アバチュアが閉鎖される
時、下流側壁の中に備えられたみぞ穴の中に入る様にす
る事ができ、または上流側壁中のみぞ穴の中に引込み式
とし、任意適当の手法により、例えば第１図と第２図に
図示の様にナット９が固着されたッバ２１によってガス
流の中まで動かされる様にする事ができる本発明はダク
ト式ファンガスタービンェンジンに関して述べたのであ
るが、放射方向外側壁、即ちカウルの放射方向深さが十
分に小さくて上流側壁の曲率がガス流分離を生じうる任
意の並進カウル式スラストリバーサについて適用される
。

またプレート２０は、下流側壁上にエンドプレートを備
え、または備えないで、使用する事ができる。ファンダ
クト３を通るガス流の閉塞主段は図示の手段に限定され
る必要はない。例えば、他の通常のスラストリバーサシ
ステムの様に、ダクトを閉塞してアパチュア入口にガス
流を指向する為「フラップが放射方向外側壁から下降し
てコァェンジン外側ケーシングと接触する様に配置する
事ができる。本発明の他の応用は、ノズル出口面におい
て／ズルを実質的に包囲するデフレクタフードを備えた
ガスタービンエンジンノズルにおいてである。

このフードはノズルジェット面から下流に突出し、９０
ｏ湾曲して、その出口において垂直方向ジェットを生じ
る。フード湾曲部の内側において、主ガス流の曲率に非
常に急傾斜であるので、フード出口面において低い排出
係数を生じる。フード湾曲部の内側においてフードの出
口面に隣接してノズルに取付けられたプレートは、湾曲
部の内側に低圧を保持するのに役立ち「 これによって
主ガス流をより急速に転流させ、排出係数を改良する事
ができる。以上説明したように本発明は「ガス流の入口
および出口と、湾曲通路内においてガス流を一方から他
方にそらせる形状を有しまたこの湾曲通路の外側端部を
成す面を形成する第１の構造と、上記湾曲通路の内側端
部を成し、その近傍においてガス流が上記湾曲通路に沿
って進む時に主ガス流分離区域が生じる第２の構造とを
有する偏流装置において、上記第２の構造に「上記主ガ
ス流分離区域に部分的に入る程度まで突出する寸法を有
するプレートを設け、このプレートと上記内側端部とに
より上記主ガス流分離区域に向けて開くくぼみを形成し
、ガス流が上記湾曲通路に沿って進む時に、ガス流が上
記くぼみの中で減圧を生じて、上記内側端部からの主ガ
ス流の分離の開始を遅らせる様にしたので、より大きな
角度で主ガス流を偏流させることができると共に、出口
におけるガス流の排出面積を増大させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による並進カウル式スラストリバーサを
有するダクト式ファンガスターピンェンジンの前部の半
断面図であって、スラストリバ−サの閉鎖位置を示す図
、第２図は開放位置のスラストリバーサを示す第１図の
エンジンの同様の図、第３図は第２図の上流側壁部分の
拡大図、また第４図は上流側壁からのガス流分離効果を
示す従来技術のスラストリバーサの第２図と同様の図で
ある。 １……コアエンジン、２……フアン、３……ダクト、４
……フアンカウル「 ５……コアエンジンのケーシング
、９……ナット、１０……カウル下端部、１１……モー
タ、１２……ねじジャッキ、１３……スラストリバース
アパチユア、１４……アバチュアの入口、１５……アパ
チュアの出口、１８・…・・上流側壁、１９・・・・・
・下流側壁、２０・…・・プレート、２１……ツバ。 Ａ９．７ 行９３ ０９．２ ０９．４

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガス流の入口および出口と、湾曲通路内においてガ
   ス流を一方向から他方向にそらせる形状を有しまたこの
   湾曲通路の外側端部を成す面を形成する第１の構造と、
   上記湾曲通路の内側端部を成し、その近傍においてガス
   流が上記湾曲通路に沿って進む時に主ガス流分離区域が
   生じる第２の構造とを有する偏流装置において、上記第
   ２の構造に上記主ガス流分離区域に部分的に入る程度ま
   で突出する寸法を有するプレートを設け、このプレート
   と上記内側端部とにより上記主ガス流分離区域に向けて
   開くくぼみを形成し、ガス流が上記湾曲通路に沿って進
   む時に、ガス流が上記くぼみの中で減圧を生じて、上記
   内側端部からの主ガス流の分離の開始を遅らせる様にし
   た偏流装置。 ２ 偏流装置はダクト式フアンガスタービンエンジン用
   並進カウル式スラストリバーサであって、フアンダクト
   を限定する放射方向外側壁および内側壁と、フアンダク
   トに連通する入口および大気に連通する出口を有するア
   パチユアを上記放射方向外側壁の中に開くために上記放
   射方向外側壁の一部を軸方向に並進させる装置と、上記
   アパチユアが開かれる時にフアンダクトを閉塞すると同
   時に上記アパチユアの入口の中にフアンダクトからガス
   流を偏向させるための装置と、上記アパチユアを通るガ
   ス流に対してアパチユア出口からの前向き速度成分を与
   える様に形成されたアパチユアの上流側壁および下流側
   壁と、アパチユアの上流側壁から下流に向って主ガス流
   分離区域の中に部分的に入る様に突出し、上流側壁と共
   働して上記主ガス流分離区域に向けて開く環状くぼみを
   形成する形状を有し、ガス流が上記アパチユアに沿って
   進む時に、このくぼみの中においてガス流が減圧を生じ
   て上流側壁からのガス流分離の開始を遅らせる様にする
   環状プレートとを具備したことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の偏流装置。 ３ 上記プレートは上記放射方向外側壁の上記上流側壁
   にアパチユアの出口に隣接して固着され、また上記の下
   流側壁は、アパチユアが閉じた時に上記プレートを受け
   るためのみぞ穴を備えることを特徴とする特許請求の範
   囲第２項に記載の偏流装置。 ４ 上記アパチユアが開かれる時に上記プレートをその
   作動位置まで並進させる手段を備え、このプレートは、
   アパチユアが閉じた時に上記放射方向外側壁の上流側壁
   の中のみぞ穴の中に収容されることを特徴とする特許請
   求の範囲第２項に記載の偏流装置。 ５ ガス流を前方にそらせるためにアパチユアの出口に
   隣接して上記の下流側壁上に補助環状エンドプレートが
   配設されていることを特徴とする特許請求の範囲第２項
   乃至第４項のいずれかに記載の偏流装置。