JPS6057803B2 - フイラメント型トリマ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はフィラメント型トリマ、特にその回転ヘッド
においてのフィラメントの制御装置に関する。

フィラメントを通過させる出口アパーチュアを有するリ
ム部分を具えた回転ハウジング中にフィラメントスプー
ルが取付けてあるフィラメント型トリマにおいては、ト
リマの作動中にフイラメントが軸方向に振動するとによ
り問題が生ずることが知られている。

の振動によりスプール上のフィラメントの外側巻回と、
スプールを接線方向に離れてハウジングのリム部分の出
口アパーチュアまで延長しているフィラメント部分との
間に摩擦によるすり合いが生ずる。この摩擦による発熱
はフィラメントを局所的に融解させてフィラメントをそ
れ自身に融着させるほど大きくなることがあり、その場
合摩耗あるいは切断したフィラメント端部分を補充する
ようにフィラメントを前進させるためスプールからフィ
ラメントを繰出せなくなる。また上述の振動により、ス
プール上のフィラメントの外側巻回がそれ自身および内
側巻回と絡み合う傾向があり、その傾向によつても、フ
ィラメントを前進させるためのスプールからのフィラメ
ントの繰出しが妨害される。

本発明の目的は、簡単で効果的な方法によりこれらの従
来技術の欠陥を解消することにある。本発明によれば、
回転するハウジングのリム部分の出口アパーチュアの方
にスプールから移行するフィラメントは、可撓性の案内
管を通過するようになつている。その案内管はスプール
の周囲に部分的に巻回され、スプールからハウジングの
リム部分の出口アパーチュアに、接線方向に延長してい
る。案内管はストリング中の軸方向振動によりフィラメ
ントがそれ自身にすり合うことを防止し、それによりフ
ィラメントの局所的な融解とスプールの外側巻回へのフ
ィラメントの融着とを防止する。また案内管は少くとも
ほぼ１回スプールの周囲に巻かれ、フィラメントの外側
巻回をスプール上にきつく保持し、フィラメントが絡み
合うのを阻止する。図に示した本発明によるフィラメン
ト型トリマ装置は、モータ２により駆動される回転切断
ヘッド１を具えている。

モータ２は図示の実施例では駆動軸３を有する１気筒２
サイクルの内燃機関であ。切断ヘッド１は基部４ａおよ
び下方に延長するリム部分４ｂをもつ円形ハウジング４
を具えている。ハウジング４は可塑性材料から成形され
、モータ２の駆動軸３のネジ部分にネジ止めした内ネジ
付金属ブッシュ５によつて、モータ２に取外しできるよ
うに固定てある。ハブ部分６ａと上部フランジ部分６ｂ
および下部フランジ部分６ｃを有するフィラメントスプ
ール６は、ハウジング４の内部に同軸的に回転可能に取
付けてあると共に、ブッシュ５のネジ付先端にネジ止め
される内ネジ付中心ハブ部分をもつ着脱自在なキャップ
７により保持されている。フィラメント８はスプール６
に巻回してあり、フィラメント８の内側端はスプール６
のハブ部分６ａに固着してある。

フィラメント８は、一例として、強度、靭性および耐摩
耗性などの各特性に”ついて選定した熱可塑性料のモノ
フィラメントである。フィラメント８の外側端８ａは回
動可能なハウジング４のリム部分４ｂの出口９を経て引
出されている。出口９には回動可能なハウジング４のリ
ム部分４ｂの開口１１に挿入したブッシュ１０が配設し
てある。ブッシュ１０はフィラメント８に対して摩擦係
数の低い硬質耐摩耗性材料から作られている。一例とし
てブッシュ１０は黄銅またはステンレス鋼のような金属
あるいは硬質耐摩耗性材料から製造できる。ブッシュ１
０はハウジング４のリム部分４ｂの開口１１中に例えば
超音波溶接により強固に固定される。ブッシュ１０は、
第３図に示すように、ブッシュ１０を通るハウジング４
の軸線に関して自身の軸線が後方に傾斜するように固定
される。この傾斜角は例えば約３０〜４５にである。フ
ィラメント８は自由走行状態では第３図に実線で示すよ
うにハウジング４からほぼ半径方向に延長し、フィラメ
ント８との摩擦を少くするように平滑な丸形表面をもつ
ブッシュ１０の前端に当接する。フィラメント８は障害
物に突当ると、破線に示すように後方に偏向し、ブッシ
ュ１０に当接することなくスプール６の開口１１を通過
する。本発明によれば、スプール６から出口９の方に延
長しているフィラメント８の部分８ｂは案内管１２を通
過する。

案内管１２は一例として、第２図に示すように、本来は
真直な管片である極軟アルミニウム管である。その管は
フィラメント８が容易にそれを通過するようにフィラメ
ント８の直径より少し大きな内径を有する。フィラメン
ト８を巻いたスプール６をハウジング４中に取付ける前
に、フィラメント８の外側端８ａを案内管１２に通し、
案内管１２を第３図に示すように曲げ、案内管１２がス
プール６の周囲に部分的に巻かれ、スプール６をハウジ
ング４中に取付けた時に案内管１２がスプール６から出
口９の方に接線方向に延長するようにする。案内管１２
は、スプール６にフィラメント８が一杯巻かれている時
スプール６の周囲に第３図に示すように１巻き分巻かれ
るような長さにすることが望ましい。案内管１２の外方
端は、回転するハウジング４のリム部分４ｂの出口９か
ら抜け出さないように例えばフエルール１３を固着する
ことにより大径にしてある。案内管１２は十分大きな可
撓性をもち、フィラメント８が使い尽くされた時にフィ
ラメント８に作用する遠心力により案内管１２が曲げら
れ、出口９まで延長する接線方向部分を除いてスプール
６のフィラメント８の外側巻回にほぼ合致する形状にな
る。案内管１２を使用したことにより、スプール６の最
も外側のフィラメント８の巻回とそれに隣接する巻回と
の間の摩擦によるすり減りが減少し、フィラメント８の
熱融解と自身への融着が防止される。また案内管１２が
スプール６を抱締めているため、フィラメント６の巻回
間のもつれあいが防止できる。スプール６はハウジング
４と共に回動するようにハウジング４に通常ロックされ
ている。

しかしフィラメント８の外側端８ａへの遠心力によりフ
ィラメント８の一部がスプール６から引出されるように
時々スプール６を回転できるよう解放する機構が設けら
れている。第１図の実施例においてはハウジング４に関
するスプール６の回動は、米国特許願第８２０５３１号
（米国特許第４１０４７９６号明細書参照）に開示され
ているような制御機構によつて制御される。この制御機
構は、第１図に示すように、低速スライダ１５および高
速スライダ１６を具えている。スライダ１５，１６は、
スプール６の直上においてハウジング４の基部４ａの半
径方向に延長するスロット中において滑り動くことがで
き、それぞれコイルバネ１７，１８により半径方向内方
に付勢されている。ハウジング４が回転するため、スラ
イダ１５，１６に遠心力が働き、所定回転速度において
それぞれのバネ１７，１８のバネカに抗してスライダ１
５，１６を半径方向外方に付勢する。バネ１７，１８の
バネカは、スライダ１５，１６が遠心力により外方に移
動する時のハウジング４の回転速度を規定するように、
スライダ１５，１６の重量に関連して定めてある。スラ
イダ１６のバネ１８はスライダ１５のバネ１７よりもス
ライダ１６の重量に関して強いバネカをもつため、スラ
イダ１５はスライダ１６よりも低速で半径方向外方に移
動する。低速スライダ１５は立下り部分１５ａを有し、
立下り部分１５ａはスライダ１５のより外側の位置にお
いて、スプール６の上部フランジ部分６ｂに設けた複数
の立上り部分１９のいずれか１つと係合する。

立上り部分１９はスプール６の軸線と同心の円の円周上
で互いに隔置されている。一例として３個または４個の
立上り部分１９をスプール６に設けるとができる。高速
スライダ１６も同様に立下り部分１６ａを有し、それら
の立下り部分１６ａはスライダ１６のより内側の位置に
おいてスプール６の立上り部分１９のいずれか１つと係
合する。一例としてコイルバネ１７，１８のバネカは、
切断ヘッド１が３０００ｒ′Ｐｍ以下の速度で回転して
いる時はスライダ１５，１６はより内側の位置にあり、
３０００ｒｐｍ乃至９０００ｒ″Ｐｍでは低速スライダ
１５がそれにより外側の位置に移動し、高速スライダ１
６はなおそのより内側の位置にあり、９０００ｒ′Ｐｍ
以上ではスライダ１５，１６共にそのより外側の位置に
あるように定めてある。スライダ１５，１６に関するバ
ネ１７，１８のバネカを適当に定めることによつて異な
る速度を選定でき。切断ヘッド１が通常の作動速度例え
ば３０００ｒｐｍ乃至９０００ｒｐｍにおいて回転して
いると高速スライダ１６の立下り部分１６ａはスプール
６の１つの立上り部分１９と接触し、スプール６をハウ
ジング４に関して回動できないように保持する。フィラ
メント８の外側端８ａの長さが短くなり、モータ２の負
荷がそれにより減少することによつて、切断ヘッド１の
回転速度が９０００ｒｐｍ以上になると、高速スライダ
１６はバネカに抗して外方に移動し、スプール６の立上
り部分１９から離脱するため、スプール６はフィラメン
ト８に作用する遠心力により回転できるようになり、フ
ィラメント８がスプール６から繰出される。しかし低速
スライダ１５の立下り部分１５ａはスプール６の立上り
部分１９の運動経路上にあるためスプール６はその別の
立上り部分１９が低速スライダ１５の立下り部分１５ａ
と係合するまで回動できるに過ぎない。切断ヘッド１に
対するスプール６のそれ以上の回動は、切断ヘッド１が
例えばモータ２の手動制御により例えばアイドリング速
度である３０００ｒ′Ｐｍ以下に減少するまで遅延され
る。

スライダ１５，１６はその時コイルバネ１７，１８のバ
ネカによつてより内側の位置に移動し、その時に低速ス
ライダ１５の立下り部分１５ａはスプール６のそれぞれ
の立下り部分から離脱し、それによりスプール６はスプ
ール６の次の立上り部分１９が高速スライダ１６の立下
り部分１６ａと係合するまで回転できるようになる。追
加のフィラメント８の供給がこのように遅延されるとに
より、切断ヘッド１の高速回転中にフィラメント８の長
さが急激に増大し、それに対応してトリマ切断半径が増
大することが防止できる。そのため使用者がトリマを花
壇に近接した位置において使用していても花が損傷を受
けない。この種のトリマはアイドリング期間の間のごく
短い期間中に操作されることが普通であるため、フィラ
メント８の外側端８ａの通常の長さを回復するための上
述の作動サイクルは操作者がそれに特別の注意を払う必
要なく自動的に行われる。案内管１２を設けたことによ
り、フィラメント８の軸方向振動に起因する摩擦のため
フィラメント８がそれ自身に融着したり、スプール６上
のフィラメント８の各巻回が絡み合うことが防止される
ため、例えば前記米国特許に記述され、た先に簡単に説
明した自動制御機構によりスプール６の−回動が許容さ
れるとフィラメント８はスプール６から自由に繰出され
る。

フィラメント８の外側端８ａの長さがフィラメント８の
切断または摩耗により減少すると、モータ２の負荷の減
少によりモータ速度が増大し、スライダ１５，１６は直
ちに上述したように作動してスプール１６を増分的に回
動させる。そのためフィラメント８の外側端８ａの通常
の長さが回復されるようにフィラメント８がスプール６
から繰出される。本発明をその好適な実施例について以
上に説明したが、当業者に自明なその細部の変更を含む
いろいろの実施態様も本発明の範囲に包含されるもので
あり、本発明は上述した特定の実施例のみに限定される
ものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるフィラメント型トリマの回転ハウ
ジングおよびその近傍の部分を示す垂直断面図であり、
ハウジングを回転させるモータは仮想線によつて示す図
、第２図は曲げる前のフィラメント案内管を示す側面図
、第３図は第１図の３−３線に沿つた水平断面図である
。 １・・・・・・切断ヘッド、２・・・・・・モータ、４
・・・・・・ハウジング、４ｂ・・・・・リム部分、６
・・・・・フィラメントスプール、８・・・・・・フィ
ラメント、９・・・・・・出口装置（出口）、１２・・
・・・・案内管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ リム部分を有する回転可能なハウジングと、該ハウ
   ジング内部に回転可能に取付けたフィラメントスプール
   と、該フィラメントスプール上に巻回したフィラメント
   と、上記フィラメントスプールから上記ハウジングの外
   部に延びる上記フィラメントの端部分を通過させるため
   、上記ハウジングの上記リム部分に形成した出口装置と
   、上記フィラメントスプールから上記出口装置に移行す
   る上記フィラメントが通過する可撓性の案内管とを組合
   わせて備えるフィラメント型トリマ。 ２ 上記案内管が上記フィラメントスプールの周囲で少
   くとも部分的に曲げられた可撓管を備えた特許請求の範
   囲第１項記載のフィラメント型トリマ。 ３ 上記可撓管が少くともほぼ１回スプールの周囲に巻
   回してある特許請求の範囲第２項記載のフィラメント型
   トリマ。 ４ 上記出口装置が上記ハウジングのリム部分のアパー
   チュアを含み、上記可撓管が上記アパーチュアを通過で
   きない大きさの膨出した外側端を有する特許請求の範囲
   第１項記載のフィラメント型トリマ。 ５ 上記可撓管が軟質アルミニウム製である特許請求の
   範囲第２項記載のフィラメント型トリマ。 ６ 上記可撓管の内径を上記フィラメントの直径より少
   し大きくして上記フィラメントが自由に上記可撓管を通
   過するようにした特許請求の範囲第２項記載のフィラメ
   ント型トリマ。 ７ 上記出口装置が上記ハウジングのリム部分の目孔を
   含み、該目孔はそれを通るハウジングの半径方向に対し
   て十分後方に傾斜している軸線をもち、上記フィラメン
   トの端部分が自由に走行している時は該端部分が該目孔
   の前方部分に当接し、上記フィラメントの端部分が物体
   に突当つた時は該端部分が該目孔に当接しないようにし
   た特許請求の範囲第１項記載のフィラメント型トリマ。 ８ 上記目孔の軸線を上記半径方向に対し約３０°の角
   度で後方に傾斜させた特許請求の範囲第７項記載のフィ
   ラメント型トリマ。９ 上記ハウジングのリム部分を可
   塑性材料製とし、目孔がリム部分のアパーチュアに挿置
   した平滑な硬質材料製のブッシュを含む特許請求の範囲
   第７項記載のフィラメント型トリマ。