JPS6056127B2 - 酢酸の回収法 - Google Patents

酢酸の回収法

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JPS6056127B2
JPS6056127B2 JP10791980A JP10791980A JPS6056127B2 JP S6056127 B2 JPS6056127 B2 JP S6056127B2 JP 10791980 A JP10791980 A JP 10791980A JP 10791980 A JP10791980 A JP 10791980A JP S6056127 B2 JPS6056127 B2 JP S6056127B2
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methyl acetate
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MATSUYAMA SEKYU KAGAKU KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、酢酸を溶媒として用い、触媒および必要に応
じ反応促進剤の存在下にアルキルベンゼンを分子状酸素
または分子状酸素含有ガスで液相酸化して芳香族カルボ
ン酸を製造する方法において得られる反応生成物から芳
香族カルボン酸を分離して得た反応母液から、溶媒とし
て用いられた酢酸を回収する方法に関する。
さらに詳しくは、上記のごとき反応母液中の酢酸の回収
と共に、該反応母液中に含まれている上記液相酸化反応
で副生した酢酸メチルをも酢酸として同時に回収する方
法に関する。酢酸を溶媒として用い、コバルト、マンガ
ン等の重金属触媒および必要に応じ臭素等の反応促進剤
の存在下に、アルキルベンゼンを分子状酸素または分子
状酸素含有ガスて液相酸化して芳香族カルボン酸を製造
する方法は、従来から知られており、また工業的に実施
されている。
そして、か)る方法による芳香族カルボン酸の製造に際
しては、例えば特公昭39−10119号公報に提案さ
れているように、一般に、得られた反応生成物から芳香
族カルボン酸を分離して取得された反応母液が、まずそ
の中に含まれている反応中間体、反応副生成物、重金属
触媒等の重質分を分離するためにフラッシュ蒸留塔等に
送られて、これらの重質分を含む塔底留分と主として酢
酸および反応生成水からなる塔頂留分とに分離され、次
いでその塔頂留分がさらに脱水蒸留塔に送られて、該脱
水蒸留塔の塔頂より反応生成水が除去され、その塔低か
ら脱水された酢酸が回収され、この回収された酢酸が液
相酸化反応の溶媒としてあるいは他の目的に再使用され
ている。しカルて、この芳香族カルボン酸の製造方法に
おいては、例えば特開昭53−84932号公報に示さ
れているごとく、溶媒として用いられた酢酸の一部が、
反応中に分解燃焼されて、二酸化炭素、一酸化炭素およ
び酢酸メチルに転化されて損失し、一般に、この副生し
た酢酸メチルは、一部は酸化反応器の排ガスと共に系外
に排出され、他の一部は反応母液中に残存して、上記の
ごとく反応母液から溶媒として用いられた酢酸を回収す
るに際して、脱水蒸留塔の塔頂から除去される反応生成
水中に混入して系外に排出される。
この除去される反応生成水中の副生酢酸メチルの混入量
は、一般に1〜3重量%程度である。か)る副生酢酸メ
チルを酢酸に転化して酢酸として回収できれば、溶媒と
して用いた酢酸の損失が低減されて望ましいことである
。そのため、特開昭M−1003W号公報には、上記の
ごとく反応母液から酢酸を回収するに際して脱水蒸留塔
の塔頂から得られる副生酢酸メチルを含有する主として
水からなる留分を、酢酸メチルの濃度を例えば25%ま
でに高めるための濃縮工程に付し、かくして得られた酢
酸メチルの濃縮された水溶液を、イオン交換樹脂触媒を
用いて処理して酢酸メチルを酢酸とメタノールに加水分
解し、この加水分解処理液からさらに蒸留等により酢酸
および水を主体とする留分を得、この酢酸および水を主
体とする留分をそのま)、あるいはこの留分からなおさ
らに酢酸を濃縮分離した後、酢酸分として再使用する方
法が提案されている。
しかしながら、この副生酢酸メチル酢酸として回収する
方法は、反応母液から酢酸を回収するための脱水蒸留塔
の塔頂留分の酢酸メチル濃度を高めるための濃縮設備お
よびエネルギーを要し、さらに酢酸メチルの加水分解処
理液からの酢酸分の回収のための設備およびエネルギー
も要し、経済的ではない。
さらに、この副生酢酸メチルを酢酸として回収する方法
においは、従来から一般にそうであるように、例えばポ
リビニルアルコールの製造の際の酢酸メチルから酢酸と
メタノールを回収する場合もそうであるように(例えば
、化学工業協会編0化学プロセス集成ョ、150ポリビ
ニルアルコール、817〜822頁(1970)参照)
、酢酸メチルの水溶液は濃縮工程を経て、高い酢酸メチ
ル濃度でイオン交換樹脂触媒を用いて加水分解処理さ.
れるが、酢酸メチルの加水分解反応は平衡反応であり、
酢酸メチル濃度が低いほど酢酸およびメタノールへの交
換率が高くなるのであるから、副生酢酸メチルの酢酸へ
の交換率ひいては酢酸としての回収率も十分とはいえな
い。現状においては、−上記のごとく反応母液から溶媒
として用いられた酢酸を回収するに際して、脱水蒸留塔
の塔頂から反応生成水と共に排出される副生酢酸メチル
をも酢酸として経済的に高回収率にて回収し得る方法は
提案されていない。か)る情況に鑑み、副生酢酸メチル
も経済的に高回収率にて酢酸として回収し得て、反応母
液から溶媒として用いられた酢酸の回収を可及的に高回
収率でかつ経済的に行なうことを目的として鋭意研究し
た結果、次のようにすればその目的が達せられることを
見出して本発明を完成した。
すなわち、反応母液から重質留分を分離した後の主とし
て酢酸および反応生成水からなり、副生酢酸メ・チルの
混入した留分を脱水蒸留するに際しては、従来より当然
その脱水蒸留の所期の精留効果を得るために、脱水蒸留
塔の塔頂留分の一部は脱水蒸留塔に還流されるが、この
脱水蒸留塔に還流される塔頂留分を、陽イオン交換樹脂
触媒を用いて処理し、この塔頂留分中に混入している酢
酸メチルを酢酸とメタノールに加水分解し、しかる後に
脱水蒸留塔に還流すれば、上記目的が達せられることを
見出して本発明を完成した。したがつて、本発明の要旨
は、酢酸を溶媒として用い、触媒および必要に応じ反応
促進剤の存在下にアルキルベンゼンを液相にて分子状酸
素または分子状酸素含有ガスで酸化して芳香族カルボン
酸を製造する方法において得られる反応生成物から芳香
族カルボン酸を分離して得た反応母液から、反応中間体
、反応副生成物等の重質留分を蒸留により分離し、さら
に蒸留により反応生成水を分離して溶媒として用いられ
た酢酸を回収するに際し、上記反応生成水を分離する蒸
留において、当該蒸留塔の塔頂留分を陽イオン交換樹脂
触媒を用いて処理した後当該蒸留塔に還流することを特
徴とする酢酸の回収法に存する。
本発明に従えば、陽イオン交換樹脂触媒を用いて処理さ
れる脱水蒸留塔の塔頂留分に混入されている副生酢酸メ
チルの濃度は比較的低いので、その副生酢酸メチルの酢
酸への交換率は向上される。
また、この脱水蒸留塔の塔頂留分は、そのま)陽イオン
交換樹脂触媒を用いて加水分解処理すればよく、事前の
副生酢酸メチル濃度を高めるための濃縮工程は不要であ
り、この点経済的である。さらにまた、本発明に従つて
、陽イオン交換樹脂触媒を用いて加水分解処理した後の
脱水蒸留塔の塔頂留分を脱水蒸留塔に還流すれば、該塔
頂留分は実質的に還流液として作用して脱水蒸留塔の所
期の精留効果は実質的に保持され、同時に反応母液から
重質留分を分離した後の留分とこの加水分解処理した後
の塔頂留分とからの脱水された酢酸の回収が一つの脱水
蒸留塔において、何らこの加水分解処理された塔頂留分
から生成した酢酸を回収するための別途の工程を要する
ことなく、好適に遂行されること)なり、反応母液から
の溶媒として用いられた酢酸の回収を高回収率で経済的
に行なうことができる。本発明は、上記のとおり、従来
の脱水蒸留操作において、塔頂留分を陽イオン交換樹脂
触媒を用いて処理した後に脱水蒸留塔に還流するという
操作を行なうのみにて、ほかには新しく設備もエネルギ
ーも加えることなく、該塔頂留分に混入した副生酢酸メ
チルをも高変換率にて酢酸となして回収し得て、非常に
経済的に高回収率にて反応母液から溶媒として用いられ
た酢酸を回収できる方法であり、工業的に意義の大きい
方法である。本発明の酢酸の回収法は、溶媒として酢酸
が用いられる芳香族カルボン酸の製造方法であれば種々
の方法に適用し得て、バラキシレンを原料としてテレフ
タル酸を製造する方法をはじめとして、例えばパラジイ
ソプロピルベンゼンからテレフタル酸を製造する方法、
さらにはトルエン、メタあるいはオルソキシレン、プソ
イドクメン等を液相酸化してそれぞれ対応する安息香酸
、イソフタル酸、フタル酸、トリメリット酸等の芳香族
カルボン酸を製造する方法などにも適用できる。
また、か)る芳香族カルボン酸の製造方法においては、
一般に、触媒として、コバルト、マンガン等の重金属成
分を含む触媒が好ましく用いられ、これらの触媒重金属
成分の使用量は重金属として溶媒の酢酸に対して0.0
01〜0.5重量%程度であり、さらに必要に応じ臭素
化合物、メチルエチルケトンあるいはパラアルデヒト等
の反応促進剤も併用され、なかでも臭素化合物が好まし
く併用されて、その場合の臭素化合物の使用量は臭素原
子として溶媒の酢酸に対して0.0015〜3重量%程
度である。反応温度は80〜250℃、反応の際の圧力
は反応系を液相に保持し圧力から50k9/CFll程
度までの圧力が通常である。本発明を実施するためには
、上記のごとき芳香族カルボン酸の製造方法で得られた
反応生成物は一般に芳香族カルボン酸が反応母液中に懸
濁したスラリー状であるが、必要に応じ反応母液中にな
お溶解している芳香族カルボン酸を、反応生成物をさら
に冷却する等の手段によつて析出させた後、まずこの反
応生成物から、枦過あるいは遠心分離等通常の手段によ
つて、芳香族カルボン酸を分離して反応母液を得る。
次いで、この得られた反応母液から、蒸留により、その
中に含まれている反応中間体、反応副生成物、触媒等か
ら主としてなる重質留分を分離し、主として酢酸および
反応生成水からなる留分を得る。反応母液中に存在する
副生酢酸メチルは、この主として酢酸および反応生成水
からなる留分中に混入される。また、この重質留分の分
離のための蒸留には、一般にフラッシュ蒸留が好ましく
適用されて、その蒸留塔の塔底から重質留分が分離され
、塔頂から主として酢酸および反応生成水からなる留分
が得られる。かくして得られた主として酢酸および反応
生成水からなる留分は、続いてさらに酢酸と反応生成水
を分離するための蒸留に付される。この脱水蒸留のため
の蒸留塔としては通常の蒸留塔を用いればよく、脱水蒸
留塔の塔頂留分として反応生成水が分離され、塔底留分
として反応生成水の分離された酢酸が回収される。この
脱水蒸留に付される留分中に混入されている副生酢酸メ
チルは、脱水蒸留塔の塔頂留分の反応生成水中に混入さ
れる。本発明実施の際の脱水蒸留塔の塔頂留分の副生酢
酸メチル濃度は、一般に0.1〜数重量%程度、高くて
も1唾量%程度以下である。本発明においては、この脱
水蒸留に際し、脱水蒸留塔の塔頂留分を、陽イオン交換
樹脂触媒を用いて処理して、該留分中の副生酢酸メチル
を酢酸とメタノールに加水分解し、しかる後脱水蒸留塔
に還流することを要する。
この塔頂留分の陽イオン交換樹脂触媒を用いる処理は、
通常の酢酸メチルを陽イオン交換樹脂触媒を触媒として
加水分解する方法によれはよい。陽イオン交換樹脂触媒
としては、通常市販されているゲル型、■型、ポーラス
型のいずれの陽イオン交換樹脂も用いることができ、好
ましくは強酸性陽イオン交換樹脂の方が反応速度が早く
望ましい。処理温度は、一般■に常温〜15C)Cの範
囲であり、好ましくは85〜110℃の範囲であつて、
処理すべき塔頂留分の凝縮温度そのま)であるのがエネ
ルギー経済上好適である。また、この処理は酢酸メチル
の加水分解反応を処理温度条件下でできるだけ平衡にな
るまで行ない、またこの処理は塔頂留分を陽イオン交換
樹脂触媒層を流通させる流通式で行なうのが適当である
が、特に流通式に限定する要はない。一般に脱水蒸留に
おいては、脱水蒸留塔の塔頂から排出される蒸気を凝縮
して得られる塔頂留分は、その一部が反応生成水を除去
するために系外に抜出され、残部が脱水蒸留塔における
所期の精留効果を得るために還流液として脱水蒸留塔の
塔頂に還流されるが、本発明の実施に際して、この一般
に還流液として還流される塔頂留分の全量を陽イオン交
換樹脂触媒を用いて処理した後還流すると塔頂留分への
酢酸の混入が増加して好ましくないので、陽イオン交換
樹脂触媒を用いて処理する塔頂留分の量は、この一般に
還流液として還流される塔頂留分の全量に対して20〜
95重量%、好ましくは50〜9鍾量%に相当する量と
するのが一般に好ましく、残余の量はこの処理をするこ
となく塔頂に還流するのが望ましい。
陽イオン交換樹脂触媒を用いて処理した後の塔頂留分を
脱水蒸留塔に還流するに当つては、還流位置は塔頂より
下部であればよいが、該塔頂留分の副生酢酸メチルの加
水分解によつて生じた酢酸の濃度に見合つた酢酸濃度で
ある脱水蒸留塔の部分に還流するのが好ましい。また、
陽イオン交換樹脂触媒を用いて処理した後の塔頂留分に
は、副生酢酸メチルの加水分解によつて生じたメタノー
ルが含有されており、このメタノールが系内に蓄積する
と酢酸メチルの加水分解反応が阻害されるので、この処
理後の塔頂留分は、脱水蒸留塔に還流する前に必要に応
じ蒸留あるいはストリツピン.グ等の手段によつて含有
されているメタノールを除去し、しかる後脱水蒸留塔に
還流してもよい。そのようにすれば、本発明は一層好ま
しく実施される。例えば、この陽イオン交換樹脂触媒を
用いて処理した後の塔頂留分からメタノールを除去す!
る手段として、芳香族カルボン酸の製造のための酸化反
応器に一般に設置されているところの、酸化反応器の頂
部より排出されるガス状混合物から凝縮性成分を分離し
た後の非凝縮性ガスになお同伴されている酢酸を水に吸
収させて回収する高圧一吸収塔を利用し、該高圧吸収塔
にこの処理後の塔頂留分を酢酸の吸収剤として送入する
手段をとれば、この処理後の塔頂留分中のメタノールは
酸化反応器の非凝縮性ガスによつてストリツピングされ
て除去され、一方酸化反応器の非凝縮性ガスに同伴され
た酢酸はこの処理後の塔頂留分中に吸収され、この処理
後の塔頂留分からのメタノールの除去を効率よく行なう
ことができる。無論、メタノールが除去され、また酸化
反応器の非凝縮性ガスに同伴された酢酸を吸収して、こ
の高圧吸収塔から抜出される該塔頂留分は脱水蒸留塔に
還流される。さらにまた、本発明の実施に際し、塔頂留
分の上記したような極一部がそのま)望ましく還J流さ
れる塔頂還流部と、陽イオン交換樹脂触媒を用いて処理
した後の塔頂留分の還流部との間において、主として反
応生成水からなる側流を抜出し、この側流の抜出しによ
つて反応生成水の除去を行なうこともできる。そのよう
にすれば、塔頂.留分の一部を反応生成水を除去するた
めに系外に抜出す要がなくなり、この場合には、そのま
)塔頂に還流される部分を除いた残余の塔頂留分の全量
を、陽イオン交換樹脂触媒を用いて処理し、しかる後脱
水蒸留塔に還流することができる。このようにすれば、
反応生成水の除去のために系外に抜出される塔頂留分の
部分に伴なわれる酢酸メチルの損失が防がれる。また、
このように脱水蒸留塔の側流として反応生成水が系外に
抜出される場合には、その系外抜出し量にもよるが、塔
頂留分の副生酢酸メチルの濃度が上昇するとしても、そ
の濃度は1轍量%には達せずなお比較的低濃度であり、
この場合の塔頂留分の陽イオン交換樹脂触媒による処理
においても、副生酢酸メチルの酢酸への交換率はなお高
水準に保持される。したがつて、このように、脱水蒸留
塔において側流として反応生成水を主体とする留分を抜
出し、かつ、塔頂留分の、そのま)塔頂に還流される部
分を除いた残余の全量を陽イオン交換樹脂触媒を用いて
処理し、しかる後脱水蒸留塔に還流することは、本発明
の好ましい実施方法であつた。次に図面により本発明の
実施態様の例をさらに説明する。
第1図の実施態様においては、酢酸を溶媒として用いて
アルキルベンゼンを芳香族カルボン酸に液相酸化する酸
化反応器1から抜出された反応生成物が、管2を通して
固液分離機3に送入され、芳香族カルボン酸と反応母液
とに分離される。
反応母液は管4を通してフラッシュ蒸留塔5に送入され
、塔底から反応母液の重質留分が管6を通して抜出され
、塔頂から溶媒として用いられた酢酸および酸化反応で
生成した水を主体とする蒸気が管7を通して抜出されて
脱水蒸留塔8に導入される。脱水蒸留塔8において、酢
酸と水が分留されて、脱水された酢酸が塔底から管9を
通して回収され、水を主体とする塔頂の蒸気が管10を
通して凝縮器11に導かれ、そこで凝縮せしめられる。
この塔頂蒸気を凝縮せしめて得られた塔頂留分には反応
母液中にあつた副生酢酸メチルが混入されているのであ
るが、この塔頂留分は管12を通して凝縮器11から抜
出されて、その一部が管13を通して系外に抜出され、
その残部は管14を経た後2分されて、一部は管15を
通して脱水蒸留塔8の頂部に還流され、他部は管16を
通して陽イオン交換樹脂触媒を充填した加水分解槽17
に導入される。加水分解槽17に導入された塔頂留分は
、陽イオン交換樹脂触媒層を通過し、含有されている副
生酢酸メチルが酢酸とメタノールに加水分解され、しか
る後加水分解槽17から管18を通して抜出され、この
塔頂留分の酢酸濃度に見合つた酢酸濃度の脱水蒸留塔8
の部分に還流される。第2図は他の実施態様例を示すも
のである。
第2図の実施態様の第1図の実施態様に対する主たる相
違点は、反応生成水の系外への除去が、脱水蒸留塔の塔
頂留分を系外に抜出すことによらず、脱水蒸留塔におい
て主として水からなる側流を抜出すことにより行なわれ
る点、および加水分解槽から抜出された塔頂留分が、ス
トリッパーに導入されて、含有するメタノールが除去さ
れた後脱水蒸留塔に還流される点である。すなわち、第
2図の実施態様においては、凝縮器11から管12を通
して抜出された塔頂留分は、いかなる部分も系外に抜出
されることななく、2分されて、その一部は管15を通
して脱水蒸留塔8の塔頂に還流され、他部は管16を通
して加水分解槽17に導入される。加水分解槽17から
管18を通して抜出された加水分解処理後の塔頂留分は
、ストリッパー19に導入され、ストリッパー19に管
20を通して吹込まれる不活性ガスによつて含有してい
るメタノールがストリツピングされて、不活性ガスと共
に管21から除去され、しかる後管22を通してストリ
ッパー19から抜出されて、脱水蒸留塔のこの塔頂留分
の酢酸濃度に見合つた酢酸濃度の部分に還流される。ま
た、脱水蒸留塔8において、管15を通して塔頂留分の
還流される塔頂還流部と管22を通して加水分解処理後
の塔頂留分の還流される部分との間の部分から、主とし
て水からなる側流が管23を通して抜出される。その他
は、第1図の実施態様と同様である。本発明に従えば、
上記のとおり、副生酢酸メチルをも高変換率にて酢酸に
転化して経済的に回収することができ、反応母液からの
溶媒として用いられた酢酸の回収率を経済的に向上せし
めることができる。
以下実施例、参考例によりさらに本発明を説明する。
なお、実施例、参考例において1部ョあるいはゝ%ョは
特記しない限り1重量部ョあるいは1重量%ョを意味す
る。参考例 酢酸を溶媒とし、コバルト−マンガンー臭素触媒の存在
下、バラキシレンを空気で液相酸化してテレフタル酸を
製造した反応生成物から生成テレフタル酸を分離して得
た反応母液をフラッシュ蒸留塔に導入し、反応中間体、
反応副生成物、触媒おび未回収テレフタル酸等からなる
蒸発残留物を分離して、酢酸および水を主体とする留出
液を得た。
この留出液の組成は、酢酸84.2%、水15.6%、
酢酸メチル0.18%、メタノール0.008%であつ
た。この得られた留出液を実段数7鍛の脱水蒸留塔に約
35部/Hrの割合で供給して還流比4.5にて、すな
わち約18部/Hrの割合で塔頂留分を塔頂に還流しつ
)、従来のことく蒸留し、塔頂の水を主体とする留分を
約4部Arの割合で系外に抜出し、塔底から約31部/
Hrの割合て酢酸を回収した。
塔頂の水を主体とする留分の組成は、水97.83%、
酢酸メチル1.6%、酢酸0.5%、メタノール0.0
7であつた。また、回収された酢酸の組成は、酢酸95
%、水5%であつた。実施例1 参考例の脱水蒸留塔における蒸留において、脱水蒸留塔
の塔頂に還流されている約18f!11)/Hrの割−
合の塔頂留分の内約13部/Hrの割合(還流液量の7
2%)の塔頂留分を、脱水蒸留塔の塔頂への還流を中止
して、強酸性陽イオン交換樹脂(スチレンージビルベン
ゼン共重合体のスルホ7化物)の層に空間速度(SV)
2t1r−1の速度で、70℃の温度にて通過させて処
理し、この処理液を脱水蒸留塔の塔頂から7段下の段に
還流した。
これ以外の他の操作は参考例の場合と同様にして行なつ
た。この場合の脱水蒸留塔の塔頂の水を主体とする留分
の組成は、水98.5%、酢酸メチル0.4%、酢酸0
.5%、メタノール0.60%であつた。また、脱水蒸
留塔の塔底から回収された酢酸の組成は、酢酸95%、
水5%であつた。参考例および本実施例1の場合のそれ
ぞれの脱水蒸留塔の塔頂留分の酢酸メチル濃度(参考例
・・・・・・1.6%、本実施例1・・・・・・0.4
%)を比較すれば明らかなように、本実施例1において
は、従来の参考例のような場合において脱水蒸留塔の塔
頂留分に混入されていた酢酸メチルの約75%が酢酸と
して回収され、その分だけ液相酸化反応に溶媒として用
いられた酢酸の回収率が向上されたことは明らかである
実施例2 参考例の脱水蒸留塔における蒸留において、塔頂留分の
塔頂への還流の割合を9部/Hrとなし、−残余の13
部/Hrの割合の塔頂留分を、実施例1の場合と同様の
条件にて強酸性陽イオン交換樹脂(実施例1と同種のも
の)の層に通過させて処理し、この処理液を次いでスト
リッパーに導入し、該ストリッパーに燃焼ガスを処理液
1容量部に対;して2.5容量部の割合で吹込んで50
℃にて処理液中のメタノールをストリツピングし、しか
る後この処理液を脱水蒸留塔の塔頂から7段下の段に還
流した。
また脱水蒸留塔の塔頂から3段下の段から側流として水
を主体とする留分を4部/Hrの割合で系外へ抜出した
。上記以外のその他の操作は参考例の場合と同様にして
行なつた。この場合の脱水蒸留塔の塔頂留分の組成は、
水96.5%、酢酸メチル0.5%、酢酸0.5%、メ
タノール2.5%であつた。また側流として系外に抜出
された水を主体とする留分の組成は、水99.2%、酢
酸メチル0.1%、酢酸0.6%、メタノール0.1%
であり、塔底から回収された酢酸の組成は、酢酸95%
、水5%であつた。参考例における脱水蒸留塔の塔頂留
分の酢酸メチル濃度(1.6%)および本実施例2にお
ける脱水蒸留塔の側流の水を主体とする留分の酢酸メチ
ル濃度(0.1%)を比較すれば明らかなように、本実
施例2においては、従来の参考例のような場合において
脱水蒸留塔の塔頂留分に含まれて系外に排出されていた
酢酸メチルの約94%が酢酸とし回収された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一つの実施態様例を示す簡略化した系
統図であり、第2図も本発明の他の一つの実施態様例を
示す簡略化した系統図である。 1・・・・・・酸化反応器、3・・・・・・固液分離機
、5・・・・・フラッシュ蒸留塔、8・・・・・・脱水
蒸留塔、11・・凝縮器、17・・・・・・加水分解槽
、19・・・・・・ストリッパー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 酢酸を溶媒として用い、触媒および必要に応じ反応
    促進剤の存在下にアルキルベンゼンを液相にて分子状酸
    素または分子状酸素含有ガスで酸化して芳香族カルボン
    酸を製造する方法において得られる反応生成物から芳香
    族カルボン酸を分離して得た反応母液から、反応中間体
    、反応副生成物等の重質留分を蒸留により分離し、さら
    に蒸留により反応生成水を分離して溶媒として用いられ
    た酢酸を回収するに際し、上記反応生成水を分離する蒸
    留において、当該蒸留塔の塔頂留分を陽イオン交換樹脂
    触媒を用いて処理した後当該蒸留塔に還流することを特
    徴とする酢酸の回収法。
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