JPS6053192B2

JPS6053192B2 - 水力機械の軸封装置

Info

Publication number: JPS6053192B2
Application number: JP53094556A
Authority: JP
Inventors: 常夫菅野
Original assignee: Fuji Electric Co Ltd
Current assignee: Fuji Electric Co Ltd
Priority date: 1978-08-04
Filing date: 1978-08-04
Publication date: 1985-11-25
Also published as: JPS5523327A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は水力機械の軸封装置の改良に関するもので
ある。

水力機械の軸封装置は、一般には水車軸受とランナと
の中間の比較的狭い場所に設置される。

軸封装置としては信頼性が高く漏水量の少ないカーボン
パッキン方式のものが多く用いられるが、構造が複雑で
あるため小形の水力機械、たとえば小形横軸円筒形プロ
ペラ水車などには使用が困難な状態であつた。ここで
横軸円筒形水車の一般的な構造を第１図について説明す
ると、１は発電機であつてその外周を取り囲むようにス
テーリング２が発電機固定子に取り付けられている。

ステーリング２の下流側（第１図において右方）には外
側ガイドベーンリング３と内側ガイドベーンリング４が
設けられていて、水路５を形成している。第１図の左方
上流から流れて来た水は発電機１の外側より水路５に達
してランナ６を回転させ、吸出し管７より発電所外部に
排出される。ランナ６は内側ガイドベーンリング４の
内部に水平に設けられている水車軸８の先端に固定され
ており、内側ガイドベーンリング４の先端に位置してい
る。

水車軸８は内側ガイドベーンリンク４内に設けてある水
車軸受９に回転自在に支持されており、水車軸８の左端
はフランジ１０を介して発電機軸１１に結合されている
。ランナ６の背面（第１図において左側）の内側ガイド
ベーンリング４内の部分には、軸封装置１２が設けてあ
つて、水路５を流れる水が内側ガイドベーンリング４と
ランナ６との間から内側ガイドベーンリング４内の水車
ピット１３内に漏水しないようにしている。従来におけ
る軸封装置１２の詳細を第２図について説明すると、水
車軸８の先端にはランナ６がナット１４によつて締付固
定されており、内側ガイドベーンリング４内におけるラ
ンナ６の背面には、水車軸８の外側を取り囲む環状の耐
摩耗性滑動板１５が、ボルト１６によつて固定されてい
る。

滑動板１５の左側には水車軸８の外周に嵌合されたカー
ボン押えリング１７が設けてあつて、その滑動板１５に
面した側には２つのカーボンリング１８，１９が接着固
定されている。

２つのカーボンリング１８，１９は、水車軸８を取り囲
む同心円状になつていて、滑動板１５の左側面に接する
ようになつている。

内側ガイドベーンリング４の内面にはリブ２０が形成さ
れていて、そのランナ６とは反対側の面にカーボン押え
リング支持板２１があてられ、ボルト２２によつて固定
されている。

カーボン押えリング支持板２１は、水車軸８の外周に嵌
合されているカーボン押えリング１７を水車軸８の軸線
方向に摺動出来るように支持しており、カーボン押えリ
ング１７の背面に突設したガイドピン２３力幼−ボン押
えリング支持板２１の孔２４に摺動自在に嵌合し、カー
ボン押えリング１７を摺動のみで回転は出来ないように
している。カーボン押えリング支持板２１とカーボン押
えリング１７との間にはスプリング２５が介装されてい
て、前述のカーボンリング１８，１９を滑動板１５に押
圧している。カーボン押えリング１７の左端にはストッ
パ２６が固着されていて、カーボンリング１８，１９が
摩耗してもカーボン押えリング１７が滑動板１５に接触
しないようにしている。カーボン押えリング支持板２１
の左側にはカバー２７が取り付けられており、カバー２
７とカーボン押えリング１７との間には、水車軸８に固
定された水切り２８が位置している。

内側ガイドベーンリング４とランナ６との間の隙間２９
、カーボンリング１８，１９と滑動板１５との間、水車
軸８とカーボン押えリング１７との間の隙間３０を通つ
て侵入して来た僅かの水は、水切り２８によつて外周方
向にはね飛ばされ、カバー２７で受けられたのちバイブ
３１によつて外部に排出される。カバー２７の外側には
封水（清水）を供給するバイブ３２が取り付けられてい
て、このバイブ３２は管接手３３を介してカバー２７内
の可撓管３４の一端に接続されている。

可撓管３４の他端は、カーボン押えリング１７の左端面
に取り付けてある管接手３５に接続されており、ここか
らカーボン押えリング１７に屈折状に穿設されている給
水孔３６を通つてカーボンリング１８とカーボンリング
１９との中間部分につがつている。バイブ３２から送ら
れて来た封水はカーボンリング１８とカーボンリング１
９との間に供給され、カーボンリング１８，１９の摩耗
を少なくすると共に、カーボンリング１９の外周側から
河川水中に含まれている異物力幼−ポンリング１９の内
方に侵入しないようにしている。カーボン押えリング１
７が水車軸８の軸線方向に摺動すると、可撓管３４はカ
バー２７内で撓むことになる。

可撓管３４を小さな曲率半径で撓ませると無理が生じて
破損するため、可撓管３４は撓むのに比較的大きな曲率
半径を必要とするので、広いスペースを必要とする。ま
たカバー２７内には、管接手３５を設けるためのスペー
スも必要である。このため従来の軸封装置においては、
カバー２７内に可撓管３４が撓むのに必要な比較的広い
スペースと、管接手３５を設けるためのスペースとを必
要とするため、カバー２７は大きくならざるを得なかつ
た。一方、カーボン押えリング１７の滑動板１５に面し
た側には２つのカーボンリング１８，１９を接着固定し
、その反対側のカーボン押えリング１７とカーボン押え
リング支持板２１との間には、ガイドピン２３、スプリ
ング２５を設けるので、カーボン押えリング１７の滑動
板１５側の外径は大きくし、カーボン押えリング支持板
２１側の外径は小さくして、カーボンリング１８，１９
、ガイドピン２３、スプリング２５の取付場所を確保す
ることになる。

このため給水孔３６はその形状が屈折状となり、屈折状
の給水孔３６を穿設するのに手間を要するので、カーボ
ン押えリング１７の製作が厄介であつた。さらにカーボ
ン押えリング１７には、給水孔３６を穿設して管接手３
５を取付けるため、それらに必要な肉厚を持たせなけれ
ばならないので、カーボン押えリング１７を薄肉小型化
して水車の軽量化を図るのには限界があつた。また、修
理点検等のために軸封装置を分解する場合、従来の装置
ではカーボン押えリング１７に可撓管３４が接続されて
いるため、内側ガイドベーンリング４の内部における取
外し作業を必要とするため、分解作業が厄介であつた。

この発明はこのような従来の欠点を除去し、カーボン押
えリングの孔の穿設作業を容易にしてカーボン押えリン
グ１７の製作が簡単にできるようにし、カバーを小形化
すると共にカーボン押えリンクも薄肉小形化して水車の
小形軽量化を図り、軸封装置を分解する際にはランナ側
からの分解作業のみで、容易に分解できるようにしたも
のである。

次にこの発明の一実施例を第３図について説明すると、
水車軸８の先端にはランナ６がナット１４によつて固定
されており、内側ガイドベーンリング４内のランナ６背
面には耐摩耗性滑動板１５がボルト１６によつて固定さ
れている滑動板１５の左側には水車軸８の外周に嵌合さ
れたカーボン押えリング３７が設けてあつて、カーボン
押えリング３７の右側面には、水車軸８を取り囲む同心
円状のカーボンリング１８，１９が接着固定されている
。

内側ガイドベーンリング４の内面にはリブ３８が形成さ
れていて、そのランナ６側の面にはカーボン押えリング
支持板３９があてられ、ボルト４０によつてランナ６側
から固定されている。

カーボン押えリング支持板３９は、カーボン押えリンク
３７を水車軸８の軸線方向に摺動可能に支持している。
カーボン押えリング３７とカーボン押えリング支持板３
９とには、それぞれ水車軸８に平行する孔４１、貫通孔
４２が一直線上に穿設されていて、孔４１の滑動板１５
側は、カーボンリング１８，１９の中間部分に開孔して
いる。

孔４１の反対側には中心孔４３を有するガイドピン４４
が固定されており、ガイドピン４４はカーボン押えリン
グ３７の滑動板１５とは反対の面より水車軸８と平行に
なるように突出し、貫通孔４２のランナ６側に摺動可能
に嵌合している。内側ガイドベーンリング４の内面のリ
ブ３８には、バイブ取付板４５、カバー４６が固定され
ていて、カバー４６の外側よリカバー４６内に延びて来
たバイブ４７の先端は、バイブ取付板４５に固着され、
さらにそのランナ６側には水車軸８と平行の接続バイブ
４８が連通している。

そして接続バイブ４８は、貫通孔４２のランナ６とは反
対側の端部に嵌合している。バイブ４７によつて送られ
て来た封水は、接続バイブ４８、貫通孔４２、ガイドピ
ン４４の中心孔４３、孔４１を通つてカーボンリング１
８とカーボンリング１９との中間部分に供給される。こ
れによつてカーボンリング１８，１９の摩耗が減少され
ると共に、カーボンリング１９の外周側から河川水中に
含まれている異物力幼−ボンリング１９の内方に侵入し
ないようにされる。カーボン押えリング３７とカーボン
押えリング支持板３９との間にはスプリング２５が介装
されて、カーボンリング１８，１９を滑動板１５に押圧
している。

カーボン押えリング３７の左端にはストッパ２６が固着
されている。カーボンリング１８，１９が摩耗すると、
カーボン押えリング３７は滑動板１５の方に摺動するが
、貫通孔４２に嵌合しているガイドピン４４によつて回
転はしないようになつている。この発明は、カーボン押
えリング３７に孔４１を穿設してガイドピン４４を取り
付けるだけですむので、従来のように管接手を取り付け
る必要がなく、薄肉にして小形化でき、構造も簡単なも
のにすることができる。

また上述のガイドピン４４は封水導水管として形成され
ており、カーボン押えリング支持板３９の貫通孔４２に
摺動可能に嵌合しているのて従来のような可撓管が不要
になり、カバー４６も可撓管が撓むのに必要なスペース
と可撓管のための管接手を設けるためのスペースとが不
要になるため、カバー４６を小形にすることができ小形
水車に適応させることが可能となる。

さらにカーボン押えリング３７には可撓管が接続されて
いないので、ランナ６側からの作業のみで軸封装置を分
解することができる。

なおこの発明は、小形横軸円筒形水車のほか・に、大形
一般水車、ポンプ水車等にも実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は横軸円筒形水車の概略を示す縦断側面図、第２
図は従来の軸封装置の拡大縦断側面図、第３図はこの発
明に基づく水力機械の軸封装置の一実施例の拡大縦断側
面図である。４・・・内側ガイドベーンリング、６・・・ランナ、８
・・・水車軸、１５・・・滑動板、１６，４０・・・ボ
ルト、１８，１９・・・カーボンリング、２５・・・ス
プリング、３７・・・カーボン押えリング、３８・・・
リブ、３９・・・カーボン押えリング支持板、４１・・
・孔、４２・・・貫通孔、４３・・・中心孔、４４・・
・ガイドピン、４７・・・バイブ。

Claims

【特許請求の範囲】

１水力機械の内側ガイドベーンリング内に設けられた
水車軸の先端にランナを固定して該ランナを前記内側ガ
イドベーンリングの先端に位置させ、前記ランナの前記
内側ガイドベーンリング内に位置する面に、前記水車軸
の外側を取り囲む耐摩耗性の滑動板を固定し、前記水車
軸の外周に嵌合されたカーボン押えリングを前記内側ガ
イドベーンリングのリブに固定されたカーボン押えリン
グ支持板によつて前記水車軸の軸線方向に摺動可能に支
持し、前記カーボン押えリングの前記滑動板に面した側
に前記水車軸を取り囲む同心状の２つのカーボンリング
を固定し、前記カーボン押えリングとカーボン押えリン
グ支持板との間にスプリングを介装して前記カーボンリ
ングを前記滑動板に押圧してなる水力機械の軸封装置に
おいて、前記カーボン押えリング支持板に前記水車軸に
平行する貫通孔を設け、かつ前記２つのカーボンリング
の中間部分に開孔する孔を前記カーボン押えリングに穿
設し、前記孔に連通する中心孔を有するガイドピンを前
記カーボン押えリングのカーボンリングとは反対の面に
水車軸と平行になるように突設して該ガイドピンを前記
貫通孔のランナ側より摺動可能に嵌合し、前記貫通孔の
ランナとは反対の側には封水を供給するパイプを接続し
たことを特徴とする水力機械の軸封装置。