JPS6052906B2 - 溶接開先内面の倣い研摩装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、圧力容器、構造物等の製作工程における
厚肉板の突き合わせ溶接に際し、その前処理としてガウ
ジング等により削成された溶接開先の内面を、砥石によ
り倣い研摩する装置において、砥石を溶接開先に一定の
研摩押付力で倣わせ−て該内面を研摩するとともに、砥
石が溶接開先の奥行方向に前進できなくなつた時、砥石
の倣い制御機構部を旋回させて砥石を溶接開先の底方向
に倣わせ、溶接開先の位置が左右または奥行方向にずれ
た場合でも正確に研摩できるようにした溶接開先内面の
倣い研摩装置に関する。

つぎにこの発明を、その実施例を示した図面とともに
詳細に説明する。

１実施例を示した第１図および第２図の倣い研摩装置
は、送り機構部Ｆおよび倣い制御機構部Ｐから構成され
る。

まず、送り機構部Ｆの構成要素において、１は基台、２
、２は基台１上の一端側に並設された１対のガイドレー
ル、３は両ガイドレール２、２間に橋架して摺動自在に
載置された直進送りテーブル、４は直進送りテーブル３
上に枢軸５により回転自在に設けられたウォームホィー
ルからなる旋回送りテーブル、６は基台１上の他端側に
載置して固定された送り制御部、７は送り制御部６上に
設けられた直進送り駆動部であり、直進送り駆動用油圧
モータおよび該モータの回転を減速する直進送り用減速
機からなる。８は直進送り駆動部７の減速機側タイミン
グプーリ、９は減速機側タイミングプーリ８の下方にお
いてブラケット（図示せず）により基台１上に設けられ
た磁気粉体等からなる直進送り用クラッチ、１０は直進
送り用クラッチ９のクラッチ入力側タイミングプーリ、
１１は減速機側タイミングプーリ８とクラッチ入力側タ
イミングプーリ１０とに巻回され張架された直進送り用
タイミングベルト、１２は直進送り用クラッチ９の出力
軸に連結された直進送りねじであり、直進送りテーブル
３の下部に固着されたナット （図示せず）に螺合され
、回転することにより、直進送りテーブル３を往復動す
る。

１３は直進送り用クラッチ９の出力軸に連結された直進
送り検出軸であり、送り制御部６に内装されている直進
送り過負荷検出器および直進送り量検出器に連結されて
おり、直進送り用駆動部７，減速機側タイミングプー１
Ｊ８，直進送り用タイミングベルト１１，直進送り用ク
ラッチ９，クラッチ入力側タイミングプーリ１０，送り
制御部６の直進送り過負検出器および直進送り量検出器
により直進送りアクチュエータＦ１が構成されている。

１４は旋回送り駆動用油圧モータおよび該モータの回転
を減速する旋回送り用減速機からなる旋回送り駆動部で
あり、送り制御部６上に設けられている。１５は旋回送
り駆動部１４の減速機側タイミングプーリ、１６は減速
機側タイミングプーリ１５の下方においてブラケット（
図示せず）により基台１上に設けられた磁気粉体からな
る旋回送り用クラッチ、１７は旋回送り用クラッチ１６
のクラッチ入力側タイミングプーｌ八１８は減速機側タ
イミングプーリ１５とクラッチ入力側タイミングプーリ
１７とに巻回され張架された旋回送り用タイミングベル
ト、１９は一端が旋回送り用クラッチ１６の出力軸に連
結され他端が直進送りテーブル３上に立設された軸受２
０に枢支された旋回送り軸であり、直進送りテーブル３
の移動により伸縮するようになつている。

２１は旋回送り軸１９に一体に形成され旋回送りテーブ
ル４に噛合するウォーム、２２は旋回送り用クラッチ１
６の出力軸に連結された旋回送り検出軸であり、送り制
御部６に内装されている旋回送り．過負荷検出器および
旋回送り量検出器に連結されており、旋回送り駆動部１
４，減速機側タイミングプーリ１５，旋回送り用タイミ
ングベルト１８，旋回送り用クラッチ１６，クラッチ入
力側タイミングプーリ１７，送り制御部６の旋回送り過
．負荷検出器および旋回送り量検出器により旋回送りア
クチュエータＦ２が構成されている。っぎに、倣い制御
機構部Ｐの構成要素において、２３は旋回送りテーブル
４上に載置して固定される支持台２４支持台２３に平行
に設けられた−１対の支持片、２５，２５は両支持片２
４間に平行に架設された２個の摺動ガイド、２６は基部
が両摺動ガイド２５，２５に摺動自在に嵌挿されたグラ
インダ、２７はグラインダ２６の先端部に装着されグラ
インダ２６に備えられたモータにより回転される研摩用
のオフセット型砥石、２８は支持台２３上に固定された
油圧シリンダ、２８は一方の支持片２４およびグライン
ダー２６に遊貫された油圧シリンダ２８のロッド、２９
は両摺動ガイド２５，２５に摺動自在に嵌挿されロッド
２８″の端部に固着された押付板、３０，３０はそれぞ
れ摺動ガイド２５，２５に巻装されかつグラインダ２６
と押付板２９との間に介装された２個の押付ばね、３１
は押付板２９の側面に固着されたメカニカル入力サーボ
弁であり、弁本体から導出されたスプール３「がグライ
ンダ２６の位置検出片２６″に当接され、また、供給側
および戻り側の２個の油通管３２，３２により給油源で
ある油圧ユニット３３に連通され、かつ２個の油通管３
４，３４により油圧シリンダ２８に連通されて閉ループ
制御系の油圧回路が構成されている。

また、３５は被研摩材である厚肉板、３６は厚肉板３６
にガウジング等により削成された溶接開先であり、その
内面３『が砥石２７により研摩される。つぎに、前記実
施例の動作について説明する。

倣い制御機構部Ｐにおいて、押付板２９および２個の押
付ばね３０，３０を介してグラインダ２６および砥石２
７が第２図のＡ矢印方向に付勢され、グラインダ２６の
モータにより回転される砥石２７が溶接開先３６の内面
３６″に押付けられ、内面３６″の研摩が行なわれる。
そして、送り機構部Ｆにおいて、正回転指令信号により
直進送り駆動部７の油圧モータが正回転し、かつこの回
転が減速機により減速され、減速機側タイミングプーリ
８の回転が直進送り用タイミング・ベルト１１によりク
ラッチ入力側タイミングプーリ１０に伝達され、さらに
、直進送り用クラッチ９を介して直進送りねじ１２が回
転され、直進送りテーブル３および該テーブル３上の倣
い制御機構部Ｐが第２図のＢ矢印で示す溶接開先３６の
奥行方向に対し前進され、砥石２７が押付ばね３０，３
０の付勢力に抗して内面３６″に倣いながら溶接開先３
６の奥行方向に送られ、内面３『が研摩されていく。と
ころで、前述の溶接開先３６の奥行方向に対し前進する
往動時、砥石２７が内面３６″に倣いながら溶接開先２
の奥行方向に送られるにしたがつて、グラインダ２６が
両摺動ガイド２５に摺動しながら反Ａ矢印方向に移動さ
れるため、押付ばね３０が圧縮され、押付ばね３０によ
る砥石２７の内面３６″への研摩押付力が増大するが、
この時、グラインダ２６の位置検出片２６″によりメカ
ニカル入力サーボ弁３１のスプール３「が反Ａ矢印方向
に移動され、スプール３「に設けられた弁体により、油
圧シリンダ２８のロッド２８″が反Ａ矢印方向に移動す
るよう制御され、その結果、押付板２９が反Ａ矢印方向
に移動されて押付はね３０が伸長し、内面３『に対する
砥石２７の研摩押付力が軽減され、設定押付力に一定に
保持される。

そして、砥石２７が溶接開先３６の底部３６″まて研摩
すると、倣い制御機構部Ｐの前進が不可能となり、直進
送りねじ１２および直進送り検出軸１３の回転速度が低
下して直送送り用クラッチ９がスリップ状態となり、送
り制御部６の直進送り過負荷検出器から過負荷信号が出
力されて直進送り用駆動部７の駆動が停止されるととも
に、旋回送り用駆動部７の油圧モータが正回転され、こ
の回転が減速機により減速され、減速機側タイミングプ
ーリ１５の回転が旋回送り用タイミングベルト１８によ
りクラッチ入力側タイミングプーリ１７に伝達され、さ
らに、旋回送り用クラッチ１６を介して旋回送り軸１９
が回転され、かつ旋回送り軸１９のウォーム２１と噛み
合う旋回送りテーブル４が回転される。

したがつて、倣い制御機構部Ｐが、第２図のＣ矢印で示
す水平方向に旋回され、砥石２７が、第２図の１点鎖線
で示すように、溶接開先３６の底方向に倣いながら送ら
れる。つぎに、倣い制御機構部Ｐの旋回が不可能になる
と、旋回送り軸１９および旋回送り検出軸２２の回転速
度が低下して旋回送り用クラッチ１６がスリップ状態と
なり、送り制御部６の旋回送り過負荷検出器から過負荷
信号が出力されて旋回送り駆動部１４の油圧モータの回
転方向が逆転され、倣い制御機構部Ｐが逆方向に旋回さ
れる。

ところで、前述の正方向への旋回動作時、送り制御部６
の旋回送り量検出器において、旋回送り用検出軸２２の
回転数に応じたパルスをカウントして旋回送りテーブル
４の回転角度が検出されており、このカウントパルス数
に応じた時間だけ旋回送り駆動部１４の油圧モータが逆
回転され、砥石２７が旋回前の位置に戻される。さらに
、旋回送りアクチュエータＦ２の駆動が停止すると、逆
回転指令信号により直進送り駆動部７の油圧モータが逆
回転し、送り機構部Ｆが溶接開先３６の奥行方向に対し
後進される。

この時、旋回動作と同様に、奥行方向に対し前進する往
動時に、送り制御部６の直進送り量検出器により直進送
り用検出軸１３の回転数に応じたパルスをカウントして
直進送りテーブル３の移動距離が検出されているから、
倣い制御機構部Ｐが溶接開先３６の深さに応じた距離だ
け後進され、砥石２７が元の位置に戻される。また、こ
の溶接開先３６の奥行方向に対し後進する復動時、グラ
インダ２６がＡ矢印方向に移動され、砥石２７の内面３
６″に対する研摩押付力が設定押付力より小さくなるが
、前述の往動時とは逆に、サーボ弁３１により油圧シリ
ンダ２８のロッド２『がＡ矢印方向に移動するよう制御
され、押付板２９がＡ矢印方向に移動されて押付ばね３
０が圧縮され、研摩押付力が増大し、設定押付力が維持
される。以上の動作により、倣い研摩動作の１工程が終
了する。また、第３図に示すような構成にしてもよい。

すなわち、送り機構部Ｆ″において、直進送りアクチュ
エータＦ「を、直進送り過負荷検出器および直進送り量
検出器を備えた直進送り用クラッチ３７と、クラッチ出
力軸３７″に固着された第１の歯車３８と、直進送りね
じ１２に固着された第２の歯車３９と、第１の歯車３８
の回転を第２の歯車３９に伝達する第３の歯車４０とに
より構成し、一方、旋回送りアクチュエータＦ２″を、
旋回送り過負荷検出器および旋回送り量検出器を備えた
旋回送り用クラッチ４１と、クラッチ出力軸４「に固着
された第４の歯車４２と、第４の歯車４２と噛合する第
５の歯車４３と、第５の歯車４３と一体に回転するスプ
ライン軸受４４とにより構成する。したがつて、旋回送
りアクチュエータＦ２″の動作を旋回送りテーブル４に
伝達する旋回送り軸４５をスプライン軸とし、かつ旋回
送りテーブル４に噛合するウォーム４６を旋回送り軸４
５に形成する。その動作は第１図および第２図の動作と
ほぼ同様である。以上のように、この発明の溶接開先内
面の倣い研摩装置によると、研摩用の砥石を備えたグラ
インダと砥石を溶接開先の内面に押付ける押付ばねを有
し、砥石の内面に対する研摩押付力を一定にするよう閉
ループ制御する倣い制御機構部と、直進送りテーブルを
溶接開先の奥行方向に往復動させかつ奥行方向の過負荷
検出器を備えた直進送りアクチュエータと、倣い制御機
構部が固定されかつ直進送りテーブルに回転自在に装着
された旋回送りテーブルと、直進送りアクチュエータの
検出器の出力により旋回送りテーブルを回転させかつ旋
回方向の過負荷検出器を備えた旋回送りアクチュエータ
とにより構成することにより、砥石による溶接開先の研
摩を、内面に倣いつつ内面に一定の押付力で行なうこと
ができ、内面を均一に研摩でき、また、倣い制御機構部
を旋回させて砥石を溶接開先の底方向に倣わせることに
より、溶接開先の位置が左右または奥行方向にずれても
正確に研摩作業を続けられ、溶接開先の形状，寸法等に
拘わらず正確に倣い研摩制御を行なえるため、研摩作業
を容易に自動化でき、その上、旋回送りアクチュエータ
が直進送りテーブルに載置されていないので、直進送り
テーブルは小さいものでよく、しかも、旋回送りアクチ
ュエータが固定されているから、該アクチュエータに対
するエネルギ供給のための配線、配管の直進送りによる
曲がり等の問題が生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの発明の溶接開先の倣い研摩装
置の１実施例を示し、第１図は分解斜視図、第２図は砥
石を内面に押付けた状態の一部の概略平面図、第３図は
この発明の他の実施例の一部の平面図である。 ３・・・直進送りテーブル、４・・・旋回送りテーブル
、Ｆｌ，Ｆ「・・・直進送りアクチュエータ、Ｆ２，Ｆ
２″・・・旋回送りアクチュエータ、Ｐ・・・倣い制御
機構部、２６・・・グラインダ、２７・・・砥石、３０
・・・押付ばね、３６・・・溶接開先、３６″・・・内
面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 研摩用の砥石を備えたグラインダと前記砥石を溶接
   開先の内面に押付ける押付ばねを有し、前記砥石の前記
   内面に対する研摩押付力を一定にするよう閉ループ制御
   する倣い制御機構部と、直進送りテーブルを前記溶接開
   先の奥行方向に往復動させかつ奥行方向の過負荷検出器
   を備えた直進送りアクチュエータと、前記倣い制御機構
   部が固定されかつ前記直進送りテーブルに回転自在に装
   着された旋回送りテーブルと、前記直進送りアクチュエ
   ータの過負荷検出器の出力により前記旋回送りテーブル
   を回転させかつ旋回方向の過負荷検出器を備えた旋回送
   りアクチュエータとからなることを特徴とする溶接開先
   内面の倣い研摩装置。