JPS6041329Y2 - タンデイツシユ用板状内張材接合部の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鋼の連続鋳造に使用するタンディツシュに内張
すする耐火断熱性の板状内張材接合部の構造に関するも
のである。

金属、特に鋼の連続鋳造においては、溶鋼は取鍋から中
間容器であるタンディツシュに一旦注入され、タンディ
ツシュから鋳型に注入される。

このタンティッシュは、鉄製の枠の内面を耐火煉瓦ある
いは不定形耐火物のような耐火物で内張すしたものであ
る。

近年、耐火物の内面をさらに耐火断熱性の板状内張材で
内張すする方法が行なわれるようになった。

この板状内張材は、一般に珪砂、マグネシア、シャモッ
トのような耐火性物質、有機・無機の繊維質物質、合成
樹脂、澱粉のような結合剤を板状に成形したもので、連
続鋳造作業の終了の都度取り替えられる。

このような板状内張材は、従来の耐火物に比べ断熱性が
すぐれている。

このため、このような内張材で内張すしたタンディツシ
ュでは予熱時間が短縮できること、溶鋼の温度降下が少
ないこと、地金残存量が少なくなること、地金除去が容
易になること、耐火物の寿命が延びることなどの利点が
ある。

耐火断熱性内張材をタンディツシュ内面に内張すするに
あたっては、一般に隣接する板状内張材間の接合部に耐
火モルタル等の目地材を充填する方法が行なわれている
。

しかし、このような内張材は、断熱性を付与するために
繊維物質を含有させであるために高温に長時間さらされ
ると収縮し、目地部に溶鋼が浸入して耐火煉瓦等の耐火
物を損傷させるという問題が起る。

このような問題を解決するために、本出願人は実願昭４
９−７４０６み（実開昭５１−１５１４号公報）により
、内張材間の接続部を耐火断熱材の帯状片で覆うことを
提案した。

このような方法により内張材間の目地部に溶鋼が浸入し
て背面の耐火物が損傷されるという問題はある程度防ぐ
ことができたが、完全なものではなかった。

実願昭４９−７４０６２号では第１図に示すように、鉄
製枠１′は、耐火物２′で内張すされ、さらにその内面
が耐火断熱性の板状内張材３′で内張すされており、板
状内張材相互間の接続部が、耐火断熱材の帯状片４′で
覆われている。

このような構成では、耐火断熱材の帯状片４′は、背面
で板状内張材に単に平面的に接しているにすぎないので
、目地部に溶鋼が浸入することを完全に防止することは
困難であった。

溶鋼の浸入を防ぐためには、帯状片の巾を広くすること
も考えられるが、経済的でない。

さらにタンディツシュに注入された溶鋼はノズルに向つ
て流れるため、溶鋼の注入位置に近い部分では耐火断熱
材の帯状片が押し流されて、目地部に溶鋼が浸入すると
いう問題があった。

本考案は、このような問題を解決するために考案された
もので、図面により説明すれば鉄製枠１の内面を耐火物
２で内張すしてなるダンディツシュの内面に内張すされ
る耐火断熱性の板状内張材３において、隣接する板状内
張材３，３″の端部の厚さを減じて、接合部にタンディ
ツシュの内方に向って開いた窪み５を形成し、この窪み
５に耐火断熱性の接合用成形物４を嵌合してなるタンデ
ィツシュ用板状内張材接合部の構造に係るものである。

第２図は、本考案のタンディツシュ用板状内張材を内張
すしたタンディツシュの一部切欠斜視図であり、第３図
は、その部分拡大横断面図である。

図面に示すように、隣接する板状内張材３及び３″の端
部はその厚さを薄くしてあり、板状内張材３及び３″の
接合部にタンディツシュの内方に向って開いた窪み５が
形成されている。

この窪み５にその形状にはＳ゛一致る耐火断熱性の接合
用成形物４が嵌合されている。

接合用成形物４を窪みに嵌合するにあたっては、接着剤
あるいは釘等により固定することが望ましい。

また、内張材間の接合部及び接合用成形物４と内張材間
の間隙は、耐火モルタル等の目地材で充填しておくこと
が望ましい。

このような構造となっている本考案のタンディツシュ用
板状内張材の接合部は、板状内張材と接合用成形物が、
従来のように１つの面ではなく３つの面で接触している
ために板状内張材間の目地への溶鋼の浸入するおそれは
大巾に減少し、また溶鋼流により接合用成形物が押し流
されるおそれがはるかに少なくなっている。

従って、耐火煉瓦あるいは不定形耐火物の損傷防止効果
が従来に比べ著しく改善され、タンディツシュの寿命が
大巾に延長されるという利益がもたらされる。

尚、本考案で使用する接合用成形物４は、第２図及び第
３図に示すように、窪み５に完全に嵌り込んでしまう大
きさであってもよいが、第４図に示すようにタンティッ
シュの内方に一部が突出していてもよい。

また、窪み５の横断面の形状は、第２図乃至第４図に示
すように矩形であってもよくあるいは第５図に示すよう
に台形であってもよい。

さらに、接合用成形物４の横断面は、第２図乃至第５図
に示すように窪み５の横断面に一致させた矩形あるいは
台形であってもよいが、第６図及び第７図のように、窪
み５に嵌合する矩形あるいは台形の部分を有し窪み５に
よりタンディツシュの内方に突出し板状内張材に面する
部分に、板状内張材の板面に平行な面を有する丁字形で
あってもよい。

接合用成形物は、板状内張材と同様に珪砂等の耐火性物
質と、有機・無機の繊維物質、結合剤からなる組成物を
成形した耐火断熱性の成形物で、板状内張材と同じ組成
であってもよく、あるいは異なっていてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のタンディツシュ内張材接合部の構造を
示す拡大横断面図である。 第２図は本考案のタンディツシュの一部切欠斜視図であ
る。 第３図乃至第７図は、内張材接合部の構造を示す拡大横
断面図である。 １：鉄製枠、２：耐火物、３：板状内張材、４：接合用
成形物、５：窪み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄製枠１の内面を耐火物２で内張すしてなるタンディツ
   シュの内面に内張すされる耐火断熱性の板状内張材３に
   おいて、隣接する板状内張材３゜３″の端部の厚さを減
   じて、接合部にタンディツシュの内方に向って開いた窪
   み５を形成しこの窪み５に耐火断熱性の接合用成形物４
   を嵌合してなるタンディツシュ用板状内張材接合部の構
   造。