JPS6040677Y2 - 注入管におけるグラウトモニタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、削孔時に掘削水を先端ビット部に圧送しな
がら掘削腰所定深度に到達後二液硬化性薬液等のグラウ
トを圧送して先端のグラウトモニターの吐出口から噴射
注入して周辺地盤を硬化させるための注入管におけるグ
ラウトモニター特にその内部においてグラウトを混合し
た後噴射するようにしたグラウトモニターの改良に関す
るものである。

一般に、この種のグラウトモニターとして、二種のグラ
ウトを注入管の内外管内に独立して圧送し、これらを内
部の混合室内において混合した後吐出口から噴射する内
部混合タイプと、独立して圧送されたグラウトをそのま
ま２個の吐出口から別個に噴射して外部においてそれら
を接触混合させる外部混合タイプが知られている。

ところで、内部混合タイプのグラウトモニターにおいて
は、二種のグラウトを内部において混合した後噴射する
ため、グラウトが確実かつ均一に混合される点等におい
て外部混合タイプに勝っているが、従来の内部混合タイ
プのグラウトモニターは、グラウト注入時において地上
におけるスイベルを取外して鋼球等を注入管の内管内に
投入し、この鋼球をグラウトモニター内部の混合室内に
おいて吐出口を閉鎖した位置にシャーピンによって保持
されているピストンの中心通水孔の受口に嵌合してこれ
を閉鎖した後、圧送した水の圧力をピストンに作用して
シャーピンを切断し、ピストンを下降させて吐出口を開
放する構造が採用されている。

そのため、従来のグラウトモニターを使用スるときは、
削孔後グラウト注入時においてスイベルを一旦取外して
鋼球を投入後再びスイベルを接続して水を圧送する作業
を要し、しかも一箇所の注入作業終了後グラウトモニタ
ーを解体して鋼球を取出し、内部を洗浄後再びピストン
を元に戻して新しいシャーピンにより保持させる作業を
要し、作業工程上煩雑でしかもシャーピンの交換を要す
るなどの難点があった。

この考案は、前記従来の課題を解決するために、鋼球を
投入することなくピストンを下降することができ、注入
時におけるスイベルの取外しを不要とすると共に、注入
作業終了後においてシャーピン等の交換部品及びその交
換作業を不要とした内部混合タイプのグラウトモニター
を提案するものである。

以下、この考案を図示の実施例について説明すると、グ
ラウトモニター１の本体は、内外流路を有する二重管か
らなる注入管２の外管２ａに接続された混合噴射ボディ
３と、その下部に接続された逆止弁ケース４、及びその
下部に接続されたビット部５とから一体に構成されてい
る。

混合噴射ボディ３は、その内部中間部に混合室６が設け
られ、その上部周壁には複数の吐出ロアが設けられ、ま
た下部には混合室６の底部中央から逆止弁ケース４内に
連通ずる中心通水路８が設けられている。

混合室６内の上部には上下に摺動可能なピストン９がそ
の周面において吐出ロアを閉鎖して嵌合され、そのピス
トン９の下方における混合室６の内周面中間には環状溝
１０に内周部を多少突出させて嵌合したＯＩＪング等、
先端部を混合室内周面から僅かに吐出して前後に伸縮す
る弾性体１１が設けられ、ピストン９が混合室６の上方
位置にあってこれに上下方向の所定圧力が作用しないと
きには、その下端を弾性体１１によって係止保持されて
おり、また所定の圧力が作用するときにはその周面で弾
性体１１を圧縮してこれを乗り越えて混合室６の底部に
下降し、吐出ロアを開放するようになっている。

ピストン９は、その中心部の周囲に上下面間を連通ずる
複数の通水孔１２が設けられ、その中心部上方には注入
管２の内管２ｂと挿脱自在に嵌合連結して内管２ｂの開
口を閉鎖する受圧部１３が突設され、また中心部下方に
は中心通水路８に挿嵌可能なロンド状の柱部１４が突設
されている。

受圧部１３は、第１，２図に示すように袋ナツト状に形
成してこれに内管２ｂの下端部を挿嵌するか、あるいは
第４図に示すようにピストン状に形成してこれを内管２
ｂの袋ナツト状受口に挿嵌し、いずれの場合もＯリング
１５でシールする。

また柱部１４の周囲にもＯリング１６を装着して中心通
水路挿嵌時にシーリングを行なうようになっている。

そして、ピストン９が第１図に示すように吐出ロアの閉
鎖位置に保持されているときには、受圧部１３は内管２
ｂに嵌合連結してその開口を閉鎖しており、一方枠部１
４は中心通水路８の上方にあってその開口を開放してい
る。

次いで、ピストン９が第２図に示すようにＯリング１１
を乗り越えて混合室６の底部に下降して吐出ロアを開放
する位置にあるときには、受圧部１３は内管２ｂから離
脱してその開口を開放し、一方枠部１４は中心通水路８
内に挿嵌してその開口を閉鎖する。

逆止弁ケース４の中空部内にはスプリング１７で下方か
ら押圧力を付与された逆止弁１８が設けられ、通常中心
通水路８の下端開口を閉鎖しており、また逆止弁１８の
下方にはストップリング１９で係止固定された穴あきス
トレーナプレート２０が設置されている。

以上の構成において削孔に際しては、第１図に示すよう
にピストン９を吐出ロアの閉鎖位置に保持して外管２ａ
内に掘削水を圧送し、ピストン９の通水孔１２、混合室
６底部、中心通路８を経てその水圧により逆止弁１８を
開放し、逆止弁ケース４、ストレーナプレート２０及び
ビット部５の中心孔を経てその開口から掘削水を放出し
ながら、注入管２を回転してビット部５により掘削する
。

そして、注入管２が地中に順次挿入されて所定の深度に
達した際、外管２ａの流路への掘削水の圧送を止め、内
管２ｂの流路へ氷を一時的に圧送するか、あるいは内外
管２ａ、２ｂにそれぞれ２種のグラウトを別個に圧送す
る。

これによってピストン９の受圧部１３には水又はグラウ
トの圧力が作用し、ピストン９が下降するので吐出ロア
及び内管２ｂの下端開口が開放されると共に、柱部１４
が中心通水路８に挿嵌してその開口を閉鎖する。

この状態においてそれぞれ内外管２ａｔ２．ｂに独立別
個に圧送されたグラウトは混合室６内において合流混合
され、注入管２と共に回転するグラウドモニター１の吐
出ロアより噴射する。

周辺地盤中に注入されてこれを硬化する。

以上のようにして一箇所の注入施工を終了した後は注入
管２を地上に引揚げてグラウトモニター１の混合噴射ボ
ディ３を取外し、内部を洗浄した後ピストン９を押上げ
て吐出ロアの閉鎖位置に戻して再使用する。

以上の通りこの考案によれば、削孔時においではピスト
ンが吐出口を閉鎖した位置に保持され、その柱部は中心
通水路の上方に位置しているので、注入管の外管流路に
圧送された掘削水をピストンの通水孔、混合室、中心通
水路を経てビット部に円滑に供給することができる。

一方、グラウト注入時においては、スイベルを取外すこ
となく外管流路への水を圧送を内管流路を切換えて一時
的に水を内管に圧送するか、あるいは内外管にグラウト
を別個独立に圧送すれば、ピストン９が降下して内管下
端開口及び吐出口を開放し、かつ柱部が中心通水路を閉
鎖するため、別個に圧送されたグラウトは混合室内にお
いて合流し、確実かつ均一に混合された後吐出口から噴
射して周辺地盤に注入することができる。

従って、注入時においてスイベルを外して鋼球を投入す
るような煩雑な作業が不要となり、また、注入終了後洗
浄してピストンを元の位置に単に戻せばよく、シャピン
などの交換部品や交換作業も不要であり、作業が容易で
注入施工を経済的に能率よく行なうことが可能となった
。

【図面の簡単な説明】

第１図は削孔時における状態を示す縦断面図、第２図は
注入時における状態を示す部分縦断面図、第３図は第１
図におけるＡ−Ａ断面図、第４図はピストン受圧部の他
の態様を示す部分縦断面図である。 １・・・・・・グラウトモニター、２・・・・・・注入
管、２ａ・・・・・・外管、２ｂ・・・・・・内管、５
・・・・・・ビット部、６・・・・・・混合室、７・・
・・・・吐出口、訃・・・・・中心通水路、９・・・・
・ゼストン、１０・・・・・・溝、１１・・・・・・Ｏ
リング、１２・・・・・・通水孔、１３・・・・・・受
圧部、１４・・・・・・柱部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内管及び外管の二重管からなる注入管の下端部に連結し
   たモニタ一本体内に、前記内外管から独立別個に圧送さ
   れたグラウトを混合し、この混合グラウトを吐出させる
   複数の吐出口を上部周壁に設けた混合室及びこの混合室
   底部から先端ビット部開口に連通ずる中心通路を設け、
   前記混合室内には上下にスライド可能なピストンを前記
   吐出口を閉鎖する上方位置に嵌合すると共に、前記ピス
   トン下方ににおける混合室の内周中間部には突出した先
   端部に所定の押圧力を受けた時圧縮されて収縮する弾性
   体を設置し、前記ピストンの中心部上端にはこのピスト
   ンが前記上方位置にあるとき前記内管下端の開口を閉鎖
   し、かつピストンが前記吐出口を開放する下方位置にあ
   るとき前記開口を開放する受圧部を突設し、前記ピスト
   ンの中心部下端にはこのピストンが前記下方位置にある
   とき前記中心通路を閉鎖し、かつピストンが前記上方位
   置にあるとき前記中心通路を開放する枠部を突設してな
   ることを特徴とする注入管におけるグラウトモニター。