JPS6040579Y2 - 加熱炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、焼鈍、焼入れ、焼戻し、調質等の熱処理を行
うための加熱炉に関するもので、炉壁に取り付けられた
ガスバーナに対する燃焼用空気の余熱と供給方式及び炉
口を覆う炉蓋の開閉方式並びにシール方式に関して新規
な提案を行うものである。

従来における加熱炉の場合、ガスバーナに対する燃焼用
空気の供給は、ブロアーから直接行う方式が殆んどであ
る。

その他、燃焼用空気を余熱することにより、その熱効率
の向上を図るようにした加熱炉も存在するが、このよう
な空気の余熱方式を採用した加熱炉に於いては、空気余
熱装置が別に必要となり、付帯設備に多くの費用がかか
ると共に運転コストも高くなる欠点が存した。

又、従来における加熱炉であって、正面に設けた炉口を
覆う炉蓋の場合、大型のものにおけるその開閉方式は、
上下垂直スライド方式がすべてである。

このため、炉蓋を引き上げた時炉蓋の邪魔にならないよ
うに、炉室の天井を特に高くする必要があった。

又、炉蓋とドアーフレームとの密着に於いて、炉蓋の下
辺周辺に於けるシールに関しては不完全なものが多かっ
た。

本考案は斯かる点に鑑みて提案されるもので、その目的
の第１は、炉体に取り付けたバーナに対する燃焼用空気
の余熱と、この余熱した空気の供給機構に関して、従来
存在する機構をそのまま利用し、以って装置の小型化と
設備費の節約を図ることである。

次に第２の目的は、炉蓋を開放した際、これを後方に反
転させる機構を採用し、以って室の天井をそれ程高くす
る必要がないようにすることである。

更に第３の目的は、炉蓋の下辺とドアーフレーム間にも
シール機構を採用腰以って熱ロスを少なくすることであ
る。

本考案は、上記目的を遠戚するために、その構成上炉内
の排気を大気中に放出する排気道の一部に取り付けられ
、排気中の熱を吸収する構成の熱交換器と、炉の外周を
とり囲み、内部に空気通路を形成して成る骨材と、ブロ
アーから送られてきた燃焼用の空気を一旦前記熱交換器
内に導き、熱交換器から出た余熱空気を前記骨材内の通
気通路に導く余熱空気通路と、炉体の複数個所に取り付
けられたガスバーナの給気口と前記骨材の空気通路間を
連通している給気管と、炉口を覆う炉蓋の両側上下位置
において、上方のものは後方に、下方のものは前方にず
らしてガイドローラーを取り付けると共にこの炉蓋の両
側に前記ガイドローラーが係合するガイドレールを取り
付け、下方のガイドローラーが係合するガイドレールは
真直ぐに、上方のガイドローラーが係合するガイドレー
ルは上方に延長し、更にこの上方を後方に半円的させた
構成の炉蓋開閉機構と、前記炉蓋の下辺と炉体側のドア
ーフレーム間に構成されたシール機構と、を採用したも
のである。

以下実施例図に基づいて本考案を詳記すると、１は正面
にドアーフレーム２′付の炉口２を形成し、中央上部に
排気道３を形成して戒る横置型の加熱炉（炉体）、４は
この加熱炉３の外周を数個所に於いてとり囲むようにし
て構成した骨材にして、この骨材４の内部には空気通路
４′が形成してあり、この空気通路４′は全体が連通し
ている。

なお、骨材４は炉体を補強する構造体なので、炉体によ
りその構成は一様ではない。

５は加熱炉１内に向けて側壁に取り付けたガスバーナ、
６は前記骨材４とガスバーナ５の給気口５′とを連通し
ている給気管である。

７は炉口２を覆うための炉蓋にして、この炉蓋７の両側
上下位置には夫々ガイドローラー８゜８’、９．９’が
取り付けてあり、下方のガイドローラー８，８′は前方
に、上方のガイドローラー９．９′はガイドローラー８
，８′よりも後方に多少ずれている。

１０．１０’は炉蓋７の両側に於いて多少後方に傾斜さ
せて配設したガイドレールにして、前記炉蓋７のガイド
ローラー８，８′はこのガイドレール１０，１０’に夫
々係合している。

１１．１１’は前記ガイドレール１Ｇ、１０’の後方に
沿って配設されると共に上方を後方に湾曲させて戒るガ
イドレールにして、このガイドレール１１．１１’には
ガイドローラー９，９′が夫々係合している。

１２．１２’は炉蓋７を炉口２に対して押しつけるため
の押え装置、１３は図示しないブ陥アーから前記骨材４
内に空気を送り込むための空気ダクト、１４は炉蓋７を
開閉するための駆動用モータである。

１５は炉体内に挿入したアルミ板にして、このアルミ板
により熱遮断効果を高めている。

１６は炉体の外周に形成した凹溝である。

１７は排気道３に取り付けた熱交換器にして、空気ダク
ト１３から送られて来た燃焼用空気は余熱空気通路１８
を介して一旦この熱交換器１７内に至り、排気熱を吸収
し、余熱空気通路１９を介して前記空気通路４′内に至
るものである。

２０は炉Ｍ７の下辺７′とドアーフレーｌ、２′間をシ
ールするためのシール機構にして、２１はシール材であ
る。

本考案に係る実施例は以上の如き構成から戒り、ガスバ
ーナ５がその燃焼に於いて必要とする空気は、空気ダク
ト１３から余熱空気通路１８を介して熱交換器１７内に
入り、加熱され、余熱空気通路１９から骨材４内の空気
通路４′内に入り、各ガスバーナ５に対して給気管６を
介して供給される。

次に、炉口２を覆う炉蓋７は、第１図に示すように、ガ
イドレール１０．１０’及び１１，１１′の下端側に於
いて炉口２を密閉している。

そして、この炉蓋７の開放は、駆動用モータ１４の電源
を入れ、炉蓋７をガイドレール１０，１０’、１１，１
１’に沿って上方にスライドさせることによって行なわ
れる。

第１図中一点鎖線で示した炉蓋７の位置は、炉蓋７全開
の位置であり、炉蓋７はガイドレール１１．１１’に沿
って後方に傾斜しながらスライドし、全開に於いてはほ
ぼ４５°近く反転する。

次に、炉蓋７を第１図に示すように閉じた際、炉蓋７の
下辺に設けたシール材２１はドアーフレーム２′に密着
し、この炉蓋７の下辺部分を密閉する。

本考案に係る加熱炉は以上の如き構成と作用から成るも
のであり、次にその効果を列記する。

■ 排気道３に熱交換器１７を取り付け、この熱交換器
１７から出た余熱空気を、骨材４内に設けた空気通路４
′を介して各ガスバーナ５に供給するようにした。

したがって、従来のように各ガスバーナ５に至る空気通
路を別に設ける必要がなく、設備の小型化と設備費の削
減を図ることが可能である。

又、熱交換器１７を排気道３に取り付け、排気熱を利用
して燃焼用空気の余熱を行うので、別に余熱設備を設け
る必要がないと共に熱交換器１７が排気道３に取り付け
られているため、余熱空気通路１８．１９は短かくなり
、この点からも設備費は安くなる。

■ 炉蓋７をガイドレール１０．１０’及び１１．１１
’に沿って上方に反転させるため、炉室の上方を高くす
る必要がない。

■ 炉蓋７の下辺にシール機構２０を構成したので、炉
蓋７の下辺周辺から炉内の熱が逃げ出ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る加熱炉の側面図、第２図は横断平
面図である。 １・・・・・・加熱炉、２・・・・・・炉口、４・・・
・・・骨材、４′・・・・・・空気通路、５・・・・・
・ガスバーナ、６・・・・・・給気管、７・・・・・・
炉蓋、１０，１０’、１１，１１’・・・・・・ガイド
レール、１７・・・・・・熱交換器、２０・・・・・・
シール機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 炉内の排気を大気中に放出する排気道の一部に取り付け
   られ、排気中の熱を吸収する構成の熱交換器と、 炉の外周をとり囲み、内部に空気通路を形成して戊る骨
   材と、 ブロアーから送られてきた燃焼用のの空気を一旦前記熱
   交換器内に導き、熱交換器から出た余熱空気を前記骨材
   内の通気通路に導く余熱空気通路と、 炉体の複数個所に取り付けられたガスバーナの給気口と
   前記骨材の空気通路間を連通している給気管と、 炉口を覆う炉蓋の両側上下位置において、上方のものは
   後方に、下方のものは前方にずらしてガイドローラーを
   取り付けると共にこの炉蓋の両側に前記ガイドローラー
   が係合するガイドレールを取り付け、下方のガイドロー
   ラーが係合するガイドレールは真直ぐに、上方のガイド
   ローラーが係合するガイドレールは上方に延長し、更に
   この上方を後方に半円的させた構成の炉蓋開閉機構と、
   前記炉蓋の下辺と炉体側のドアーフレーム間に構成され
   たシール機構と、 から戊る加熱炉。