JPS6040420Y2 - 缶端閉鎖具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、缶端閉鎖具の中央パネルの一部分を、ヒンジ
部となる部分を残して区分線で区分して押下げタブとな
し、該区分線及びその両端をシール材で覆い、前記ヒン
ジ部を支点として前記押下げタブを押下げることにより
開口する缶端閉鎖具の改良に関し、特に果汁飲料缶のよ
うに缶内圧が負圧になることがある缶にも、炭酸飲料缶
のように缶内圧が正圧になる缶にも適用できる上記構成
の缶端閉鎖具の改良に関する。

缶内圧が負圧になる缶にも正圧になる缶にも適用できる
缶端閉鎖具の一例が米国特許第４０５４２２８号公報に
開示されている。

ここに開示される缶端閉鎖具は、押下げタブを区分する
区分線が切断線のみからなり、そして該押下げタブの周
縁部分を周知手段によって中央パネルの切断個所縁部の
下に位置させ重ね合せである。

而してこの米国特許の缶端閉鎖具は前記区分線、又は重
合部が画く線及びその両端を覆うシール材が、第１シー
ル材と第２シール材から戒り、先づ第１シール材で覆い
、次に第２シール材を第１シール材で覆うように設け、
かつ第１シール材として第２シール材（従来のシール材
）の引張り強度より強い引張り強度を有するシール材を
用いたところに特徴がある。

しかし、この缶端閉鎖具は、シール材の接着強度が第２
シール材のみのものよりも弱化すること、また引張り強
さの大きい第１シール材を用いであるが、缶内の負圧に
押下げタブが缶内刃側に引き込まれるのを防止するには
尚不十分であり、この缶端閉鎖具を適用できる缶の缶内
負圧力に限界があるという問題がある。

さらに、シール材を２回塗布し２回乾燥するので製造工
程が複雑になり、製造時間が長くなるという問題がある
。

本考案は上記の問題を解決した缶端閉鎖具を提供するこ
とを目的としてなされたものである。

而して本考案の特徴は、押下げタブを区分する区分線が
、ヒンジ部の両側からそれぞれ延長するスコアラインと
、該両スコアラインの延長端を結ぶ切断線とから成り、
該切断線の周縁部分の少なくとも一部分が、タブ側の周
縁部分を下にした重合部分を形威しているところにある
。

本考案の缶端閉鎖具の押下げタブを区分する区分線を上
記の構成としたので、スコアラインの深さく又は残存厚
さ）と長さとを選定することにより、缶詰の最大の缶内
負圧においても押下げタブが缶内に向って引き込まれる
ことを防止できるとともに、人の指で押し下げ可能な強
度をもつ押下げタブとなすことがき、そして缶内正圧に
対しては、スコアラインの剛性と共に、タブ側の切断線
の周縁部分を中央パネルの下側に重合させることにより
該正圧で押下げタブが缶外方向に向って押上げられるの
を防止できる。

さらに、シール材を一回の塗布及び乾燥工程で形成でき
、従って缶端閉鎖具の製造工程が簡単になり、製造時間
が前記米国特許のものに比べて短縮される。

以下図面により本考案を具体的に説明する。

第１図は、それぞれ丸い形をして、上方向に突出した帽
子状断面を持ち、内側に変位可能な通気用の押下げタブ
１０と注出用の押下げタブ１１とを中央パネル１２内に
有する缶端閉鎖具の平面図である。

各押下げタブ１０，１１は、何れも上部からのあらかじ
め設定された強さの指の圧力によってヒンジ部１３を支
点として缶内側方向に向って押下げ可能な構成になって
居り、缶端閉鎖具の中央パネル１２の一部分をヒンジ部
１３となる部分を残して区分線で区分して設けである。

各押下げタブ１０と１１の形態は類似しているので、そ
れぞれの参照番号は同じ番号のものを用いである。

各押下げタブ１０と１１は缶蓋の１つの中心線に沿って
設けられたそれぞれのヒンジ部１３によって中央パネル
に連結している。

このヒンジ部の巾、換言すると押下げタブＩＧ、１１の
それぞれの形状を規定する円弧に沿う方向の長さをを約
０．２３ｃｍとした。

押下げタブ１０と１１のそれぞれの中心も亦上記中心線
上にあり、そして中央パネル１２の中心から相反する方
向でおおよそ等距離のところにある。

短かい円弧形、又は弓形のスコアライン１４゜１４がヒ
ンジ部１３の両側からそれぞれ延長している。

この両スコアライン１４は残存量が０．０１〜０．０１
５ｃｍになるように刻設した。

もつと詳しくいうと、缶蓋を０．０３ｃｍの厚みをもつ
アルミニウム合金板材から製造し、その厚みの１／２か
ら２７３をスコアライン１４の刻設によって取り除いた
。

それぞれのスコアライン１４の長さを、押下げタブの区
分線の長さ、即ち押下げタブの周縁長さの約１／４とし
た。

帽子状（一般には円形）の前記通気用及び注出用の押下
げタブ１０，１１を区分する区分線は、前記スコアライ
ン１４，１４と該両スコアラインの延長端を結ぶ切断線
１５とから戒る。

この切断線１５の長さは、両スコアライン１４のそれぞ
れの延長端間の長さ、即ち押下げタブの周縁長さの約１
／２である。

第３．４．５図に帽子状の押下げタブの周辺の一部が示
され、押下げタブの環状のリム１７と平坦頂部１８とが
傾斜壁１６で連設している。

この缶端閉鎖具を次のように製造した。

中央パネルが平坦形状の缶端閉鎖具をトランスファプレ
ス等の連続成形プレスに送り込み、まずタブ１０と１１
の円形の帽子状形状部分を成形し、次にスコアラインを
刻設すると同時に切断線１５になる個所を切断し、次い
で切断線１５によって規定された押下げタブの切断線周
縁部分を、後述の周知手段により中央パネルの当該切断
個所の周縁の下に重ね合わせて重合部分１９（第３〜５
図）を成形した。

次にプレスから取出し、区分線及びその両側を周知シー
ル材２２て覆いシール材を乾燥して缶端閉鎖具はでき上
った。

上記の重合部分１９は、第１．３図に示されているよう
に、押下げタブ１０及び１１の切断周縁個所に夫々弧状
の窪み部分２０．２１を形威し、これらの弧状窪み部分
の成形によって、該押下げタブ１０，１１のそれぞれの
切断線周縁を押下げタブの中心に関して外方に放射状に
移動させ、これによって成形した。

通気用の押下げタブ部１０の面積が、注出用押下げタブ
１１のそれより小さいので、注出用押下げタブ１１より
は重合部１９の長さが短かくても缶内正圧に耐えること
が可能であるが、加工の便宜のため弧状の窪み部２０の
長さを弧状の窪み部２１の長さよりも長くした。

、上記構成の缶端閉鎖部を上記のようにして５１８２Ｈ
１９として規定されたアルミニウム合金板（厚さ０．０
３Ｃ７Ｘ ）から製造した。

この缶端閉鎖具を乳製品、スープを収容した缶に常法に
より二重巻締めにより取付けた。

この缶端閉鎖具は上記缶詰製造中に缶内に生じた３８．
１ｃｍ Ｈｇの真空によっても、押下げタブが缶内方に
向って引き込まれることがなかった。

又缶内の１．２７〜１．４１ｋｇ／ｃＩｔの正圧に十分
に押下げタブは耐えた。

尚、試験によって、上記缶端閉鎖具は７５ｃｍＨｇの真
空においても押下げタブが缶内方に向って引き込まれな
いことが判明した。

又、この通気用押下げタブを指で押して押下げ開口する
には３．６ｋｇの力を要し、注出用押下げタブでは５．
４に９の力を要し、何れの押下げタブの開口にも困難を
感じることはなかった。

本考案によれば、押下げタブを区分する区分線が前記ヒ
ンジ部の両側からそれぞれ延長するスコアラインと、該
両スコアラインの延長端を結ぶ切断線と切断線の周縁部
分の重合部分とから戒る構成を缶端閉鎖具が具備するの
で、スコアラインの長さと深さとを選定することにより
所望の缶内真空度及び缶内正圧に耐える強度を押下げタ
ブに附与でき、従って缶詰缶内に発生する最大真空度及
び正圧にも耐える缶端閉鎖具が得られる。

又、シール材を一回の塗布及び乾燥工程で形成できるの
で、従来のものに比べて製造工程が簡単であり、製造時
間を短縮できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は密封状態にある時の本考案缶端閉鎖具の平面図
、第２図は第１図示缶端閉鎖具の底面図、（但し押下げ
タブの重合部内側をカバーしシールするシール材は省略
）、第３図は第１図の３−３線に沿う拡大断面図、第４
図は通気用押下げタブの拡大部分断面図、第５図は注出
用押下げタブの拡大部分断面図である。 図中１０は通気用押下げタブ、１１は注出用押下げタブ
、１２は中央パネル、１３はヒンジ部、１４はスコアラ
イン、１５は切断線、２２はシール材。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）缶端閉鎖具の中央パネルの一部分を、ヒンジ部と
   なる部分を残して区分線で区分して押下げタブとなし、
   該区分線及びその両端をシール材で覆い、前記ヒンジ部
   を支点として前記押下げタブを押下げることにより開口
   する缶端閉鎖具において、 前記区分線が、前記ヒンジ部の両側かられぞれ延長する
   スコアラインと、該両スコアラインの延長端を結ぶ切断
   線とから戊り、該切断線の周縁部分の少なくとも一部分
   が、タブ側の周縁部分を下にした重合部分を形成してい
   ることを特徴とする缶端閉鎖具。
2. （２）前記スコアラインが区分線の約１７２を占めてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の缶端閉鎖具。