JPS6039907Y2 - 表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （１）考案の目的 本考案は分極により呈色現象を生ずる有極性化合物の酸
化還元反応を利用して、数字・文字等の表示を行う電気
化学的表示装置に関する。

このような電気化学的表示装置は透明電極で表面が形成
された一対の電極で、可逆的な酸化還元反応を呈し、且
つ一方の電極近傍で呈色現象を生ずる電解質とから戒り
、表示電極を例えは国字形等の適当なパターンに配設し
、これに選択的に電圧印加することにより表示を行うも
のである。

第１図に従来の電気化学的表示装置の構成国を示す。

透明基板１１と背面基板１２の間に有極性電解質溶液８
が充填され、スペーサ７て所定の間隔に保持している。

背面基板１２上には共通電極１３と日の字型等の適宜の
セグメントパターンに配列された表示電極１４が設けら
れ、夫々の電極１３．１４より背面基板１２を通して裏
面に端子を導出している。

電極１３．１４は通常タンタル、チタン、金等の金属が
用いられる。

このような表示装置に於ては観測者１０が表示像を見る
場合、光源の位置や角度によって、また、入射光のむら
等によって表示が見にくくなることがある。

本考案は上記の欠点を解消して画質を改良することを目
的とする。

（２）考案の構成 本考案は背面基板をも透明板で形成し、該透明背面基板
の裏面に散乱反射板を設けると共に電極としては抵抗値
の低い透明電極膜を用いることを特徴とする。

以下に本考案の実施例を説明する。

第２図は、本考案の実施例を示す断面図である。

前面基板１、背面基板２はガラス、アクリル樹脂等の透
明電気絶縁性基板であって、背面基板２の上に酸化イン
ジウム、酸化スズ等の透明導電被膜を所望のパターンに
形成して表示電極５を配設する。

また表示電極５の、電極導入部など表示に不要な箇所は
透明絶縁膜６で被覆し呈色反応を阻止する。

透明絶縁膜としては酸化珪素、ホトレジスト（ＫＭＥＲ
，ＫＴＦＲ，ＫＰＲなど：以上商品名）エポキシ塗料等
を用いる。

対向電極（共通電極）４は前面基板１の上に形成し白金
、パラジウム等の貴金属被膜を用いて、表示部以外の不
要箇所を覆うマスク材の機能を兼ね備えることとし、後
述する光散乱反射板から反射される散乱光のうち、表示
部分以外に反射される散乱光をこの対向電極で遮蔽する
。

前面基板１と背面基板２は所定の間隙に電気絶縁性スペ
ーサ７で保持され、両者は電気化学的呈色物質溶液８を
介してエポキシ樹脂、またはガラスシール材等の封止材
９で封止固定されている。

背面基板２の裏側には本発明の特徴たる光散乱反射板３
を配設する。

光散乱反射板３は金属・布・紙・樹脂等の薄板・シート
・テープ・薄膜や、塗料・樹脂等の被膜、酸化マグネシ
ウム・酸化カルシウム等の薄膜層を貼付・塗布・蒸着す
ることによって構成する。

表示電極と対向電極間は極性反転ができるスイッチ２２
及び表示内容により表示電極を選択する装置２３及び電
源２１より構成される。

有極性電解溶液８のインピーダンスは瞬間値で〜１００
Ω程度であるので、透明導電被膜より成る表示電極５の
抵抗がこれと同程度であると、電極での電圧降下刃状き
くで、呈色反応をおこす閾値電圧を印加しても反応が進
行しないことになる。

即ち、通常用いられる酸化第２錫などの透明電極は厚さ
が１００ＯＡ程度であって、この表面抵抗〜１５０Ω／
口程度であ６゜本実施例では〜１μｍ厚のＩｎ２Ｏ３膜
を用いて数Ω／口の表面抵抗値を得た。

第３図に膜厚と表面抵抗との関係を示す。このように膜
厚を厚くするほか、不純物（例えば数％のｓｂ）の添加
でも表面抵抗は低下する。

本実施例では、上記の如き低抵抗の透明電極を用いたの
で、低消費電力で確実に動作し、しかも表示の見やすい
表示装置が得られた。

（３）考案の効果 本考案は以上の如く構成するので、表示電極の近傍に呈
色薄膜が生成された状態において、散乱反射板によって
入射光が背面で散乱され表示背面が均一に明るくなって
呈色薄膜があざやかに浮上り、表示画像が鮮明に映し出
され、表示コントラストが大幅に向上すると同時に表示
に不要な表示電極の電極導入部等は対向電極によってマ
スクされるため、散乱反射光の透明導電膜及び透明絶縁
膜界面での屈折あるいは透過光の吸収等により表示に悪
影響を与える膜形状の顕現化現象が全て遮蔽されること
になり、表示パターンが、対向電極により輪郭形成され
た表示部分のみに着脱色変化として表示され、表示品位
が著しく改善される。

また従来例のように呈色薄膜が入射光の状態、色によっ
て見づらくなり表示が識別しにくくなるという欠点も、
光源の位置・角度による画質低下の問題も解決され、比
較的暗いところでも表示が十分識別可能になる。

また鏡面反射板を使った反射型セルに比較すると、背面
での鏡面反射で観測者ないしは背影の陰影が投影されて
表示体との識別が困難になり非常に見づらくなるという
欠点も解消される。

表示部は対向電極の具備するマスク材としての機能によ
り、その輪郭が形成されているため、表示部が鮮明に示
され、表示機能が増大する。

即ち、本考案の表示装置としての構成は、表示電極と背
景板の機能を有する光散乱性反射板とを近接させて視差
をなくすため、表示電極を背面基板上へ配置したもので
あり、表示電極とは対向する対向電極を表示基板側へ配
置し、対向電極で表示部周辺を遮蔽することにより表示
部の輪郭を形成したものであり、背景板の光散乱反射機
能と相俟って非常に鮮明な表示を実行することができる
。

更に散乱反射板の地色を適当に選択することにより呈色
薄膜との色合いを任意に変えることが可能であり、電子
時計、電子卓上計算機等に用いればファツション性のあ
る表示装置として有利である等の諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の表示装置を示す断面図、第２図は本考案
の一実施例を示す断面図、第３図は酸化錫の膜厚対表面
抵抗の関係図である。 １：前面基板、２：背面基板、３：散乱反射板、４：不
透明な対向電極、５：透明な表示電極、６：透明絶縁膜
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背面基板上に透明導電膜を形成して表示電極とし、前記
   背面基板と対向する前面基板に金属膜から成る対向電極
   を形成し、該対向電極及び前記表示電極に接してエレク
   トロクロミック物質を含む表示媒体を前記背面基板と前
   面基板間に封入して成る表示装置に於いて、前記背面基
   板と前面基板をともに透光性部材で構成するとともに前
   記背面基板の外面側に光散乱性反射板を配設し、前記対
   向電極を、前記表示電極の表示に不要な部分を遮蔽する
   マスク材として機能せしめたことを特徴とする表示装置
   。