JPS6039595Y2 - 移動カメラ用スタンド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、大型カメラやテレビカメラのような大型で
移動させる必要のあるカメラを塔載するためのスタンド
に関するものである。

大型カメラやテレビカメラ（以下単にカメラと略称する
）は撮影目的物に向けて自由に移動させなければならな
いと共に、撮影時には所望する位置において固定化しな
ければならず、このため上記のようなカメラを搭載する
スタンドはキャスタによる移動と、スタンド全体の降下
によるスタンドベースの接地固定の何れかを選択するこ
とができるようになっている。

従来のカメラ用スタンドにおける移動と接地固定の構造
は、キャスター上下用リンクの直上にフットペダルとブ
レーキペダルを配置し、フットペダルを踏下げ位置に固
定するとキャスターが接地してスタンドベースが浮上り
移動自在となる。

また、スタンドを接地固定させるには、ブレーキペダル
を踏下げ、ブレーキを解除すればよく、スタンドは重量
で降下してスタンドベースが床面に接地することになる
。

ところで、上記のような構造をショックなく接地させる
には、フットペダルに体重をかけ、フットペダルの上昇
を制限して徐々にスタンドを降下させなければならない
。

この操作を怠ると、スタンドは自重により、ブレーキペ
ダルを解除したとたん急激に降下し、スタンドベースが
床面へ衝突することになり、接地時に大きなショックが
発生し、塔載しているカメラ等に悪影響を及ぼすことに
なる。

しかし、上記のように体重をかけないと急激な降下を防
止することができないような構造では、操作が面倒であ
るばかりでなく、誤操作の可能性があり、急激な降下に
よりカメラに悪影響を与える危険性が常に存在するもの
である。

この考案は、上記のような危険性を解消するためになさ
れたものであり、ブレーキペダルを解除するだけで徐々
に降下して接地し、接地時の衝撃発生が全くないスタン
ドを提供するのが目的である。

この考案の構成は、キャスターを上下動させるリンクを
エヤクッションシリンダと連動し、ブレーキペダルを踏
下げて解除すると、エヤクッションシリンダが降下速度
を制限し、スタンドを徐々に降下させて軟接地させるよ
うにしたものである。

以下、この考案を添付図面の実施例に基づいて説明する
。

第１図に示すように、スタンド支柱１の下端に取付けた
スタンドベース２の平端部周縁が固定時の接地面になる
。

このスタンドベース２は図示省略したが、中央の筒状部
から例えば三方に脚部３が突出する平面的な形状を有し
ている。

前記スタンドベース２の各脚部３内に配置されたリンク
４は、外側端部が脚部３に枢軸５で取付けられ、この枢
軸５を中心に上下に揺動自在となると共に、外端寄りの
下部にキャスター６が固定されている。

また前記スタンド支柱ｉ内の下端部に固定されたエヤク
ッションシリンダ７は、シリンダ８内をピストン９が摺
動し、ピストン杆１０のスタンドベース２内に突出する
下端に接続アーム１１とピン１２を介して前記各アーム
４の内端が連結されている。

適宜位置の脚部３におけるリンク４の直上位置に、フッ
トペダル１３が上下動自在となるように保持され、この
ペダル１３は上端が踏下げられたときにリンク４を押下
げ、キャスター６を接地させてスタンドベース２を床面
から浮上らせ、スタンドを移動可能とするものである。

上記フットペダル１３が突出する脚部３の上面には、こ
のペダル１３の踏下げ状態を固定化するブレーキペダル
１４が取付けられている。

このブレーキペダル１４はフットペダル１３が貫通する
孔１５を備え、ばね等によって脚部３上への枢止点を中
心に常時上昇する回動弾性が付与され、孔１５のフット
ペダル１３に対する噴込方向への作用により、該フット
ペダル１３の上昇を阻止し、踏下げて水平となると孔１
５はフットペダル１３と同軸芯になるので、ブレーキを
解除することになる。

前記エヤクッションシリンダ７は、ブレーキを解除した
ときのスタンドの降下速度を緩速にするショックアブソ
ーバ−の役目を果すものであり、第２図乃至第４図に示
すように、シリンダ蓋１６の中央に給排気孔１７が設け
られ、シリンダ８の内部に、この蓋１６の内面に重なり
、周囲がシリンダ８に固定されたバルブ膜１８が組込ま
れている。

バルブ膜１８はゴムや合成樹脂に弾性材料を用いて円板
状に形成され、その中央部がシリンダ蓋１６に対して遊
離自在となっている。

このバルブ膜１８の中心には、シリンダ蓋１６と重なっ
たとき給排気孔１７と連通ずる小径の排気孔１９が設け
られ、更にこの排気孔１９から離れた位置に、排気孔１
９よりも大径の給気孔２０が設けられている。

なお、シリンダ７におけるピストン杆１０の保持部には
、ピストン９の摺動を妨けないようにする排気孔２１が
設けである。

この考案のスタンドは上記のような構成てあり、スタン
ドを移動させる場合、フットペダル１３を踏下げればよ
く、リンク４がテコとなりキャスター６を支点にしてス
タンドが持上げられ、第１図に示すように移動すること
ができる。

このときエヤクッションシリンダ７のピストン９は下方
に移動し、シリンダ８内は負圧となるため、バルブ膜１
８が第３図のようにシリンダ側に吸引されて蓋１６から
離れるので、給排気孔１７と給気孔２０を通って外気が
流入する。

これにより、ピストン９には吸引力が働かなくなるので
、キャスター６を上下させるリンク４には負荷はかから
ず、スムースに動くことができる。

一方、スタンドを固定する場合は、ブレーキペダル１４
を踏下げてフットペダル１３のブレーキを解除する。

これによりスタンドは自重で降下しはじめるが、同時に
リンク４で連結されたピストン９が上昇し、シリンダ８
内の空気が圧縮されてバルブ膜１８は第２図のようにシ
リンダ蓋１６に密着し、給気孔２０はふさがれ、中心の
小さな排気孔１９から給排気孔１７を通って、シリンダ
８内の圧縮された空気が徐々に排出されることになるの
で、スタンドの降下速度はシリンダ８内の空気抵抗によ
って緩速になり、スタンドベース２がショックなく床面
に接地することになる。

以上のように、この考案によると、キャスターヲ上下動
させるリンクとエヤクッションシリンダのピストン杆を
連結し、フットペダルのブレーキを解除してスタンドを
降下させたとき、シリンダのエヤ抵抗によって降下速度
を緩速にするようにしたので、スタンドを接地固定化さ
せる場合に、フットペダルに体重をかけて徐々に降下さ
せなくても、ブレーキの解除のみでショックなく接地さ
せることができ、スタンドの接地固定作業が極めて容易
になると同時に、急激な降下によるカメラ等への悪影響
の危険性が全くなくなり、安全性を大幅に向上させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るスタンドの要部を示す縦断面図
、第２図は同上におけるエヤクッションシリンダ部分の
拡大断面図、第３図は同上のバルブ膜が作動した状態を
示す拡大断面図、第４図はバルブ膜の平面図である。 １はスタンド支柱、２はスタンドベース、４はリンク、
６はキャスター、７はエヤクッションシリンダ、８はシ
リンダ、９はピストン、１０はピストン杆、１３はフッ
トペダル、１４はブレーキペダル、１６はシリンダ蓋、
１７は給排気孔、１８はバルブ膜、１９は排気孔、２０
は給気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スタンドベースに一端を枢止して上下に揺動自在となる
   複数のリンクと、各リンクに取付けたキャスターと、ス
   タンドベースに固定されたシリンダ内をピストンが摺動
   しピストン杆の下端を前記リンクの他端と連結するエヤ
   クッションシリンダと、スタンドベースに踏下げてリン
   クを押下けるよう上下動自在に取付けられたフットペダ
   ルと、前記フットペダルの踏下げ位置を固定化するよう
   スタンドベースに取付けたブレーキペダルとて構成され
   、前記エヤクッションシリンダが、シリンダの蓋に給排
   気孔を設け、周囲をシリンダに固定して蓋の内面に重な
   るようシリンダ内にバルブ膜を組込み、このバルブ膜に
   給排気孔と連通ずる位置に排気孔と、この排気孔から離
   れた位置に給気孔を設けて形成されていることを特徴と
   する移動カメラ用スタンド。